並盛の盾 日常小話
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「委員長、もうすぐお誕生日ですね」
「そうだね」
耳にしてしまった衝撃の事実。
ヒバリさんに、誕生日がある……?
「た、誕生日あったんですか、ヒバリさん?!」
「むしろなんでないと思ったの」
「……」
まさか、人間という認識がなく、木の股から生まれたんじゃないかとか思っていたとか、口が裂けても言えないな~。
いや、まあ、木の股から生まれても誕生日は誕生日か。
「合点承知」
「勝手に納得しないでくれる。絶対、失礼なこと考えたでしょ」
睨まれてしまい、視線がスイムしてしまった為にひっぱたかれた。
痛くはないが、これ以上怒らせると絞め技がとんでくるので素直に謝る。
「それはそうと、お誕生日ならご飯は豪勢にいきたいですよね!寿司に行きましょう!ヒバリさんの奢りで!」
「主役に奢らせるな、キミが食べたいだけだろ、変なところでふてぶてしさをだすな」
三段階でダメ出しをされてしまっては、寿司はなしだな。と諦めていたら、草壁さんに「竪谷さん、ちょっといいですか?」と言って部屋から連れ出された。
「竪谷さん、いいですか?お誕生日ですよ?」
「そうですね」
「お祝いしないんですか?」
真剣な顔をして聞いてくる草壁さん。
そりゃ、知り合いならするだろうけど、相手はあの雲雀恭弥だ。
誕生日を祝われて喜ぶか?
いや~喜ばんやろ~。
首をかしげる私に、草壁さんはさらに険しい顔になった。
「竪谷さんは、あまり誕生日を重要視するタイプではないんですか?」
「誕生日くらい祝いますけど、ヒバリさんとお祝いが繋がらなくて。あと、私に祝われて喜びます、あの人?」
「喜びます!絶対に!」
あまりの勢いと熱意に、「お、おう……」と思わず頷いてしまった。
なにを根拠に言っているのかはわからないが、そうか……。
「では、当日よろしくお願いします」
「当日?」
「はい。誕生日パーティーをしますので」
「そんな経費、申請されてないけど……」
「大丈夫です。俺の小遣いから賄っていますから」
「O・KO・DU・KA・I!」
え、草壁さんそんなお金持ちな家庭じゃないよね?!たしか、一般家庭だったよね?!
しかも、私みたいに給金発生してないよね?!
「キッズがそんなことしてはいけません!!!!私がだします!!!貯蓄なら任せろ!!!そのお金は別のところで使いなさい!!!」
「え、いや、竪谷さん。さっき、委員長にお寿司をたかっていませんでしたか?」
「あの人は金持ってるから、たかってイーブン!」
こんなことを聞かれたら、ヒバリさんのアイアンクローの餌食になってしまうが、ほらヒバリさん、経済的には私より格上だからさ!
あとで、かかった費用言って。だすから。
草壁さんは、少し困りながら「わかりました」と私の申し出を受け入れてくれた。
「しかしなあ……」
誕生日プレゼント?ヒバリさんに?なにを?土地?
普通の男子ならゲームとかだろうけど、相手はあの雲雀恭弥だ。
なにが嬉しいかもわからない。
ヒバリさん、よく本読んでるし本とか?いや、好きなジャンル知らんし。
それに、この時期は母の日のギフトや先取りで父の日のギフトばかりで、少し選びにくい。
いや、むしろ父の日ギフトから選ぶのはありか?
あの人、趣味が渋いし。
うろうろと、ショッピングモールの中を歩き回っていたら、なじみの文房具屋さんで名入れサービスをやっていた。
うーん、たしかに実用的だし、貰っても困らなそう。
お値段も悪くない。
これにするか。
当日、ヒバリさんの誕生日パーティーのセッティングをみんなでしているのだが、なんか色んな人から「ちゃんとプレゼント持ってきましたか?」と確認されている。
持ってきたわ。
「竪谷さん、草壁さんが頼んだ記憶のない寿司が来てるって言ってるんですけど」
「はい!頼んだ人です!」
私が金をだすんだから、寿司がなくちゃね!と受け取りに行ったら、本日の主役に「頼んだならちゃんと共有しろ」と怒られた。
なんでいるんですか。
「お腹空いたし、そろそろ準備終わるからって草壁から連絡があったからね」
「サプライズとかじゃないんですか、草壁さん?」
「委員長に隠し通せるわけがありませんから」
違いねえ。
ヒバリさんがいつもの定位置につくと、風紀委員も整列し、「委員長!お誕生日おめでとうございます!」と言い、校歌斉唱からの誕生日の歌。それから、貢ぎ物の献上。(渡した者から退出)
私もさっさとわたして寿司にありつこう、と列に並ぼうとしたら、草壁さんに「竪谷さんは最後です」と引き留められた。
えー、お腹空いたー。
草壁さんの後ろに並び待機していると、残ると思われていた草壁さんまでも退出してしまい、真ん丸目のねこちゃんだ。
やだ、気まずい……。
「キミも持ってきたの?」
「え、あ、はい!いやー、喜んで貰えるかはわかりませんが」
「ふーん、キミにもそういう人間らしい配慮ができたんだね」
ヒバリさんに言われると、なんか「終わりだな」と思ってしまう。
なぜとは言わないけどね!
「じゃあ、私も退出しますね!寿司はいただいていきます!」
「竪谷」
「な、なんですか?!この寿司は、私が食べたくてとったから私の物ですよ!」
「勝手に食べなよ。そうじゃなくて、キミはここにいて」
なぜに?とは思うが、たしかにこのパーティー仕様の部屋に一人は寂しい。
完全に星飛雄馬である。
仕方ない、と桶を机に置きなおし、ヒバリさんと自分の分の茶を淹れて、静かな誕生日会が始まった。
「ボールペン」
「日用品だからいいかなー、て。あと、いざってときは刺せますし」
「なんでそういう要らない想定例だすの。ボールペンなんて使わなくても、僕が勝つに決まってるでしょ」
「せやな」
「でもまあ、大切に使ってあげなくもない……」
なんでヒバリさん、耳赤いんだろう。
◆
「あの時は、純もまだ可愛かったね」
「いまだって可愛いだろ」
「それを今から来る女に言える、跳ね馬?」
「いえーい!はっぴーばーすでー!きょうやー!酒と寿司持ってきたよー!」
「すでにできあがってるな……」
「本当に可愛げがなくなった」
「恭弥は今でも可愛いZE☆」
「ムカつく」
「これはムカついても仕方ねえなあ……」
「そうだね」
耳にしてしまった衝撃の事実。
ヒバリさんに、誕生日がある……?
「た、誕生日あったんですか、ヒバリさん?!」
「むしろなんでないと思ったの」
「……」
まさか、人間という認識がなく、木の股から生まれたんじゃないかとか思っていたとか、口が裂けても言えないな~。
いや、まあ、木の股から生まれても誕生日は誕生日か。
「合点承知」
「勝手に納得しないでくれる。絶対、失礼なこと考えたでしょ」
睨まれてしまい、視線がスイムしてしまった為にひっぱたかれた。
痛くはないが、これ以上怒らせると絞め技がとんでくるので素直に謝る。
「それはそうと、お誕生日ならご飯は豪勢にいきたいですよね!寿司に行きましょう!ヒバリさんの奢りで!」
「主役に奢らせるな、キミが食べたいだけだろ、変なところでふてぶてしさをだすな」
三段階でダメ出しをされてしまっては、寿司はなしだな。と諦めていたら、草壁さんに「竪谷さん、ちょっといいですか?」と言って部屋から連れ出された。
「竪谷さん、いいですか?お誕生日ですよ?」
「そうですね」
「お祝いしないんですか?」
真剣な顔をして聞いてくる草壁さん。
そりゃ、知り合いならするだろうけど、相手はあの雲雀恭弥だ。
誕生日を祝われて喜ぶか?
いや~喜ばんやろ~。
首をかしげる私に、草壁さんはさらに険しい顔になった。
「竪谷さんは、あまり誕生日を重要視するタイプではないんですか?」
「誕生日くらい祝いますけど、ヒバリさんとお祝いが繋がらなくて。あと、私に祝われて喜びます、あの人?」
「喜びます!絶対に!」
あまりの勢いと熱意に、「お、おう……」と思わず頷いてしまった。
なにを根拠に言っているのかはわからないが、そうか……。
「では、当日よろしくお願いします」
「当日?」
「はい。誕生日パーティーをしますので」
「そんな経費、申請されてないけど……」
「大丈夫です。俺の小遣いから賄っていますから」
「O・KO・DU・KA・I!」
え、草壁さんそんなお金持ちな家庭じゃないよね?!たしか、一般家庭だったよね?!
しかも、私みたいに給金発生してないよね?!
「キッズがそんなことしてはいけません!!!!私がだします!!!貯蓄なら任せろ!!!そのお金は別のところで使いなさい!!!」
「え、いや、竪谷さん。さっき、委員長にお寿司をたかっていませんでしたか?」
「あの人は金持ってるから、たかってイーブン!」
こんなことを聞かれたら、ヒバリさんのアイアンクローの餌食になってしまうが、ほらヒバリさん、経済的には私より格上だからさ!
あとで、かかった費用言って。だすから。
草壁さんは、少し困りながら「わかりました」と私の申し出を受け入れてくれた。
「しかしなあ……」
誕生日プレゼント?ヒバリさんに?なにを?土地?
普通の男子ならゲームとかだろうけど、相手はあの雲雀恭弥だ。
なにが嬉しいかもわからない。
ヒバリさん、よく本読んでるし本とか?いや、好きなジャンル知らんし。
それに、この時期は母の日のギフトや先取りで父の日のギフトばかりで、少し選びにくい。
いや、むしろ父の日ギフトから選ぶのはありか?
あの人、趣味が渋いし。
うろうろと、ショッピングモールの中を歩き回っていたら、なじみの文房具屋さんで名入れサービスをやっていた。
うーん、たしかに実用的だし、貰っても困らなそう。
お値段も悪くない。
これにするか。
当日、ヒバリさんの誕生日パーティーのセッティングをみんなでしているのだが、なんか色んな人から「ちゃんとプレゼント持ってきましたか?」と確認されている。
持ってきたわ。
「竪谷さん、草壁さんが頼んだ記憶のない寿司が来てるって言ってるんですけど」
「はい!頼んだ人です!」
私が金をだすんだから、寿司がなくちゃね!と受け取りに行ったら、本日の主役に「頼んだならちゃんと共有しろ」と怒られた。
なんでいるんですか。
「お腹空いたし、そろそろ準備終わるからって草壁から連絡があったからね」
「サプライズとかじゃないんですか、草壁さん?」
「委員長に隠し通せるわけがありませんから」
違いねえ。
ヒバリさんがいつもの定位置につくと、風紀委員も整列し、「委員長!お誕生日おめでとうございます!」と言い、校歌斉唱からの誕生日の歌。それから、貢ぎ物の献上。(渡した者から退出)
私もさっさとわたして寿司にありつこう、と列に並ぼうとしたら、草壁さんに「竪谷さんは最後です」と引き留められた。
えー、お腹空いたー。
草壁さんの後ろに並び待機していると、残ると思われていた草壁さんまでも退出してしまい、真ん丸目のねこちゃんだ。
やだ、気まずい……。
「キミも持ってきたの?」
「え、あ、はい!いやー、喜んで貰えるかはわかりませんが」
「ふーん、キミにもそういう人間らしい配慮ができたんだね」
ヒバリさんに言われると、なんか「終わりだな」と思ってしまう。
なぜとは言わないけどね!
「じゃあ、私も退出しますね!寿司はいただいていきます!」
「竪谷」
「な、なんですか?!この寿司は、私が食べたくてとったから私の物ですよ!」
「勝手に食べなよ。そうじゃなくて、キミはここにいて」
なぜに?とは思うが、たしかにこのパーティー仕様の部屋に一人は寂しい。
完全に星飛雄馬である。
仕方ない、と桶を机に置きなおし、ヒバリさんと自分の分の茶を淹れて、静かな誕生日会が始まった。
「ボールペン」
「日用品だからいいかなー、て。あと、いざってときは刺せますし」
「なんでそういう要らない想定例だすの。ボールペンなんて使わなくても、僕が勝つに決まってるでしょ」
「せやな」
「でもまあ、大切に使ってあげなくもない……」
なんでヒバリさん、耳赤いんだろう。
◆
「あの時は、純もまだ可愛かったね」
「いまだって可愛いだろ」
「それを今から来る女に言える、跳ね馬?」
「いえーい!はっぴーばーすでー!きょうやー!酒と寿司持ってきたよー!」
「すでにできあがってるな……」
「本当に可愛げがなくなった」
「恭弥は今でも可愛いZE☆」
「ムカつく」
「これはムカついても仕方ねえなあ……」