並盛の盾 日常小話
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綱吉くんに共有事項の書類を届けに来ると、隼人くんとランボくんがバタバタと入ってきた。
「うわーん!獄寺氏がいじめるー!」
「特訓つけてやってんだろうが!逃げんじゃねぇ!」
「びえー!!」
「ちょっと二人共!あんまり騒がないでよ!」
元気だなぁ、と微笑ましく思っていると、ランボくんが「が・ま・ん……うわー!」と泣きながら十年バズーカを取り出した。
まだ我慢できないんだな、と思いながら綱吉くんに報告をして帰ろうとしたら、「逃げるなっ!」と隼人くんが十年バズーカを殴った所為で起動がずれて、弾丸が私に直撃した。
どうも、大体の攻撃は無傷で受け止められてしまうからか、私は避けるということが苦手だ。
そこは恭弥から再三注意を受けているというのに、今回も避けるのを忘れていた。
ランボくんたちは大丈夫だろうか。怒り狂った恭弥に追い回されていないといいのだが。
さて、とりあえずここがどこかだよな。
風景からして並盛なのだが、十年後にしてはなんだか違和感がある。
「お前が最近調子にのってる雲雀恭弥か?」
そんな声が聞こえ、「えぇー?!まだ、恭弥に喧嘩売る奴が存在したのー?!」と珍獣見たさに声の方へ向かえば、ぐるり、と数人の不良が誰かを囲んでいた。
恭弥?恭弥にしては小さすぎない?と思いながら、よくよく見れば、ランドセルを背負った恭弥の面影のあるちびっ子が輪の中心にいた。
どういうこと?!恭弥の子供?!となったが、あの子も雲雀恭弥というらしい。
どういうことだ、と頭が混乱したがとにかく助けなければ、と思い「待ちなさーい!」と不良たちに待ったをかける。
「多勢に無勢な上、子供相手に恥ずかしくないのか!その子に手を出そうと言うなら、私が相手だ!」
さすがに、一般人相手に武器は使えないので合気道の構えをとる。
さぁ!どこからでもかかってこい!と意気込む私の目の前で、不良が一人崩れ落ちた。
「僕の獲物を横取りしようとするなんて、いい度胸だね、キミ」
うーん、この据わった目。純度一〇〇パーセントの雲雀恭弥だ。
いつ時代の恭弥なのかはわからないが、小さい恭弥はものの数分で不良たちを屍の山とした。
「すごーい。強い、つよーい」
パチパチと手を叩いてはしゃいでいると、今度は私に向き直り「次はキミだよ」と言ってきた。
群れてもいなければ、弱者感丸出しなのにどうして私に牙を向けているのだ。
相手してあげたいけど、私は恭弥のように手加減ができないし、そもそも恭弥が手加減されて満足するとは思えない。
悠長に悩んでいると、小さい恭弥は遠慮なく鳩尾にトンファーを打ち込んできたが、残念ながらその程度の弱々攻撃では、私は微動だにしない。
なにせ、大人恭弥にぶん殴られ続けたのだから。
「えぇ〜、ていうか、こんな弱い時代が恭弥にあったの。やだ、儚い命……」
思い切り心の声が出てしまい、小さい恭弥は目を吊り上げて、何度となく打ち込んでくるが痛くも痒くもない。
動きも、大人に比べて大ぶりで重心がぶれており、まだ筋肉が見発達だからか打撃も重くなく遅い。
「えぇーん、儚い」
あまりの愛らしさに抱きしめてしまっても、私の腕の中で暴れるしかできない小さい恭弥。
「ちょっと、バカにしないでくれる。本気で戦ってよ」
「無理無理、本気で戦ったら恭弥死んじゃうよ」
「馴れ馴れしく下の名前で呼ばないで」
「はいはい、ヒバリさん」
「バカにしてるでしょ」
からかえばからかうほど、当たり前だが怒る恭弥が可愛くて仕方がない。この点は変わらないな。
あまりからかい過ぎると根に持たれるので、ぱっ、と解放して逃げようとしたら、手を掴まれ「逃げるつもり?」と睨みつけられてしまった。
「逃げるよ」
「強いのに、なんで。ちゃんと勝負してよ」
「えぇ〜」
どんなに私が嫌がっても、恭弥は手を離そうとしない。
振り払っても諦めないだろうなぁ、と私が諦めて、どうぞ、と手を広げれば楽しそうに武器を振るう。
私はそれを受け、恭弥の額に強めのデコピンをする。
悔しそうにしながら向かってくる恭弥の攻撃を受けては、平手、ゲンコツ、デコピンでちょこちょこ攻撃をするも、恭弥は諦めない。
十年バズーカが壊れていたからか、中々帰れず、日が暮れてしまった。
「今日はもう諦めなよ。また今度、相手してあげるから」
私の言葉に、恭弥は「逃げない?」と睨みつけてくる。
「逃げない、逃げない」
二度と会えないけど。
訝しみながらも、武器をしまって「……じゃあ、名前教えて」と言ってきた。
「竪谷純」
「竪谷だね、覚えたから」
上機嫌なときの笑みを浮かべ、恭弥は颯爽と帰っていった。
普通に名乗ってしまったが、恭弥が風紀委員長になったときも特に反応しなかったということは、見つけられなかったのだろう。
まあ、大丈夫か。と思っていたら、視界が煙にまかれ、お馴染みの恭弥の執務室にいた。
「ただいまー」
「お帰り。じゃあ、殺ろうか」
「なにを?!」
殺る気満々で武器を構えた恭弥。
なんで帰ってきて早々、咬み殺されそうになってるの、私?!
「僕のことを“儚い命”だなんてバカにしたのがキミだったとわね」
「なんで今更、思い出しちゃったの!?」
「昔のキミが弱すぎて、同一人物だとは思わなかったんだよ。約束、守ってくれるよね?」
「十分、守ったでしょうが!」
どれだけ戦ったと思っているんだ!と怒る私のことなど無視して、昔とは大違いの力で腕を掴み訓練場まで連れて行き、久しぶりにボコボコにされた。
絶対、今日のお風呂はしみる。
ぐったりする私を担ぎ上げ、恭弥は「儚い命」と愉快そうに言った。
儚い命をボコボコにするんじゃない。儚く散るだろ。
「うわーん!獄寺氏がいじめるー!」
「特訓つけてやってんだろうが!逃げんじゃねぇ!」
「びえー!!」
「ちょっと二人共!あんまり騒がないでよ!」
元気だなぁ、と微笑ましく思っていると、ランボくんが「が・ま・ん……うわー!」と泣きながら十年バズーカを取り出した。
まだ我慢できないんだな、と思いながら綱吉くんに報告をして帰ろうとしたら、「逃げるなっ!」と隼人くんが十年バズーカを殴った所為で起動がずれて、弾丸が私に直撃した。
どうも、大体の攻撃は無傷で受け止められてしまうからか、私は避けるということが苦手だ。
そこは恭弥から再三注意を受けているというのに、今回も避けるのを忘れていた。
ランボくんたちは大丈夫だろうか。怒り狂った恭弥に追い回されていないといいのだが。
さて、とりあえずここがどこかだよな。
風景からして並盛なのだが、十年後にしてはなんだか違和感がある。
「お前が最近調子にのってる雲雀恭弥か?」
そんな声が聞こえ、「えぇー?!まだ、恭弥に喧嘩売る奴が存在したのー?!」と珍獣見たさに声の方へ向かえば、ぐるり、と数人の不良が誰かを囲んでいた。
恭弥?恭弥にしては小さすぎない?と思いながら、よくよく見れば、ランドセルを背負った恭弥の面影のあるちびっ子が輪の中心にいた。
どういうこと?!恭弥の子供?!となったが、あの子も雲雀恭弥というらしい。
どういうことだ、と頭が混乱したがとにかく助けなければ、と思い「待ちなさーい!」と不良たちに待ったをかける。
「多勢に無勢な上、子供相手に恥ずかしくないのか!その子に手を出そうと言うなら、私が相手だ!」
さすがに、一般人相手に武器は使えないので合気道の構えをとる。
さぁ!どこからでもかかってこい!と意気込む私の目の前で、不良が一人崩れ落ちた。
「僕の獲物を横取りしようとするなんて、いい度胸だね、キミ」
うーん、この据わった目。純度一〇〇パーセントの雲雀恭弥だ。
いつ時代の恭弥なのかはわからないが、小さい恭弥はものの数分で不良たちを屍の山とした。
「すごーい。強い、つよーい」
パチパチと手を叩いてはしゃいでいると、今度は私に向き直り「次はキミだよ」と言ってきた。
群れてもいなければ、弱者感丸出しなのにどうして私に牙を向けているのだ。
相手してあげたいけど、私は恭弥のように手加減ができないし、そもそも恭弥が手加減されて満足するとは思えない。
悠長に悩んでいると、小さい恭弥は遠慮なく鳩尾にトンファーを打ち込んできたが、残念ながらその程度の弱々攻撃では、私は微動だにしない。
なにせ、大人恭弥にぶん殴られ続けたのだから。
「えぇ〜、ていうか、こんな弱い時代が恭弥にあったの。やだ、儚い命……」
思い切り心の声が出てしまい、小さい恭弥は目を吊り上げて、何度となく打ち込んでくるが痛くも痒くもない。
動きも、大人に比べて大ぶりで重心がぶれており、まだ筋肉が見発達だからか打撃も重くなく遅い。
「えぇーん、儚い」
あまりの愛らしさに抱きしめてしまっても、私の腕の中で暴れるしかできない小さい恭弥。
「ちょっと、バカにしないでくれる。本気で戦ってよ」
「無理無理、本気で戦ったら恭弥死んじゃうよ」
「馴れ馴れしく下の名前で呼ばないで」
「はいはい、ヒバリさん」
「バカにしてるでしょ」
からかえばからかうほど、当たり前だが怒る恭弥が可愛くて仕方がない。この点は変わらないな。
あまりからかい過ぎると根に持たれるので、ぱっ、と解放して逃げようとしたら、手を掴まれ「逃げるつもり?」と睨みつけられてしまった。
「逃げるよ」
「強いのに、なんで。ちゃんと勝負してよ」
「えぇ〜」
どんなに私が嫌がっても、恭弥は手を離そうとしない。
振り払っても諦めないだろうなぁ、と私が諦めて、どうぞ、と手を広げれば楽しそうに武器を振るう。
私はそれを受け、恭弥の額に強めのデコピンをする。
悔しそうにしながら向かってくる恭弥の攻撃を受けては、平手、ゲンコツ、デコピンでちょこちょこ攻撃をするも、恭弥は諦めない。
十年バズーカが壊れていたからか、中々帰れず、日が暮れてしまった。
「今日はもう諦めなよ。また今度、相手してあげるから」
私の言葉に、恭弥は「逃げない?」と睨みつけてくる。
「逃げない、逃げない」
二度と会えないけど。
訝しみながらも、武器をしまって「……じゃあ、名前教えて」と言ってきた。
「竪谷純」
「竪谷だね、覚えたから」
上機嫌なときの笑みを浮かべ、恭弥は颯爽と帰っていった。
普通に名乗ってしまったが、恭弥が風紀委員長になったときも特に反応しなかったということは、見つけられなかったのだろう。
まあ、大丈夫か。と思っていたら、視界が煙にまかれ、お馴染みの恭弥の執務室にいた。
「ただいまー」
「お帰り。じゃあ、殺ろうか」
「なにを?!」
殺る気満々で武器を構えた恭弥。
なんで帰ってきて早々、咬み殺されそうになってるの、私?!
「僕のことを“儚い命”だなんてバカにしたのがキミだったとわね」
「なんで今更、思い出しちゃったの!?」
「昔のキミが弱すぎて、同一人物だとは思わなかったんだよ。約束、守ってくれるよね?」
「十分、守ったでしょうが!」
どれだけ戦ったと思っているんだ!と怒る私のことなど無視して、昔とは大違いの力で腕を掴み訓練場まで連れて行き、久しぶりにボコボコにされた。
絶対、今日のお風呂はしみる。
ぐったりする私を担ぎ上げ、恭弥は「儚い命」と愉快そうに言った。
儚い命をボコボコにするんじゃない。儚く散るだろ。