並盛の盾 日常小話
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「ヒバリさん、少しの間、純さんを貸してくれないかな」
「ダメ」
綱吉くんのお願いをスッパリと断る恭弥に、隼人くんと一部の部下がピリついた。
なんでこの場にいるんだろう、私。いや、当事者だからなんだけども。
私なんて、事務方で頑丈なだけで戦闘なんてからっきしだし、綱吉くんに必要とされる理由もわからない。
弾除けになれとかかな。
「この子になにさせるつもり」
「最近クスリに手をだしてるファミリーから、パーティーの誘いがありまして。同伴してほしいんですよ。少し、裏がありそうなので」
「獄寺や山本でも連れていけばいいでしょ」
「同伴者は女性と指定が入っているんです」
恐らく相手の目論見は、同伴者を女性としておけば綱吉くんに隙きが生まれる。または、京子ちゃんやハルちゃんの存在を知っていれば、その二人を連れてきて人質にできると踏んだのだろう。
クロームちゃんは、さすがに守護者を連れて行くと不審がられるもんなぁ……。
「恭弥、私は別にいいよ」
「キミは黙ってて」
「はい……」
いつになく気の立っている恭弥に強くも言えず、すごすごと後ろに控えると、隼人くんが一歩前に出てきた。
この図はよく見るな。
「十代目の言うことが聞けねぇってのか」
「僕は沢田に従ってないからね。君のように言うことを聞く筋合いはないよ」
一触即発の空気に胃がキリキリする。早く立ち去りたい。
睨み合う二人の間に綱吉くんが割って入り、「純さんは絶対に守りますから」と言うと、恭弥は「うちの純を嘗めないでよね」と言い出すから、隼人くんも私もその場にいた部下の人たちも「は?」という表情をした。
「純は僕自ら戦闘訓練をしてるんだよ。その辺の雑魚くらい余裕で倒せるし、炎の練度も炎圧も上がってるから強度も上がってる。はっきり言って、ミサイルくらいなら受け止められる」
「ハードルを上げるな!」
異様なまでに過大評価され、その場の誰よりも驚いてしまった。
やったことはないが、さすがにミサイルは無理だ!たぶん!
「なら、なおさら同伴してほしいんですけど」
「ダメだよ」
「はぁ?ミサイルも受け止めるなら、なんの心配もねぇだろ」
「それとこれとは別だよ。この子には、戦闘はさせない」
恭弥の言葉に、隼人くんは「じゃあ、なんの為に訓練つけてるんだよ」と不思議そうに聞いた。
そういえば、たしかに戦闘訓練は受けているが、恭弥が私を戦闘に出す気配はまったくない。
なんでだろう、と話の先を黙って聞いていると「責任だよ」と言う。
「この子をこちら側に引き込んだ責任が、僕にはある。だから、守らなきゃいけないんだよ。戦闘訓練も、僕が側にいられないときに身を護る為につけてるだけで、戦わせる気はない」
そのとき、全員が思ったことだろう。「過保護だ、こいつ!」と。
私としては、そのうち「キミ、次の作戦に参加してね」と言われるのかと思っていたのに、まさかの護身術レベルの気持ちだったとわ。
たしかに、風紀財団には恭弥に言われて入ったわけだが、私が抜けたいと言えば恭弥はなにも言わずに抜けさせてくれるだろう。
風紀財団にいるのは私の意思で、恭弥が責任を感じる必要はない。
あまり戦闘に自信はないが、綱吉くんが絶対に守ってくれると言うのならば、初戦闘でも問題ないだろう。
「恭弥、私やっぱり受けるよ」
「ダメだって言ってるでしょ」
「私だって、自分がどれくらい強くなったか知りたい。それに、少しでも恭弥の力になれるならなりたいよ」
お願い、と頼み込めば目を伏せてから、綱吉くんに「絶対に、この子は無事に帰すと約束するなら」と了承した。
同伴当日、恭弥から再三「沢田は無視して自分の安全を第一に考えて」と言われた。
それを聞いていた隼人くんと喧嘩する恭弥を尻目に車に乗り込むと、綱吉くんに「ヒバリさんの言う通りにしていいですからね」と苦笑いされた。
「そうはいかないよ!ちゃんと守るから、頼ってくれていいよ!」
「いや、純さんになにかあったら、俺がただじゃ済まないんで……」
顔を青くする綱吉くんに、思わず「うちの恭弥がご迷惑をおかけします……」と謝ってしまった。
「ヒバリさんが純さんを大切にしてるのは知ってましたけど、あそこまでとは」
「ね。責任なんて感じる必要ないのに」
困ったように笑う私に、綱吉くんは「後悔はしてませんか?」と聞いてきた。
愚問である。
「後悔していたら、恭弥の力になりたいだなんて思わないよ」
私は私の選んだ道を、誇りを持って歩んでいる。
誰に決められたわけではない。私が決めたこの道を。
「さ、綱吉くん!ガツン、と返り討ちにして帰ろうね!協力しちゃうから!」
「ありがとうございます。でも、本当に!本当に!怪我だけはしないでくださいね!俺がヒバリさんに殺されるんで!」
「ダメ」
綱吉くんのお願いをスッパリと断る恭弥に、隼人くんと一部の部下がピリついた。
なんでこの場にいるんだろう、私。いや、当事者だからなんだけども。
私なんて、事務方で頑丈なだけで戦闘なんてからっきしだし、綱吉くんに必要とされる理由もわからない。
弾除けになれとかかな。
「この子になにさせるつもり」
「最近クスリに手をだしてるファミリーから、パーティーの誘いがありまして。同伴してほしいんですよ。少し、裏がありそうなので」
「獄寺や山本でも連れていけばいいでしょ」
「同伴者は女性と指定が入っているんです」
恐らく相手の目論見は、同伴者を女性としておけば綱吉くんに隙きが生まれる。または、京子ちゃんやハルちゃんの存在を知っていれば、その二人を連れてきて人質にできると踏んだのだろう。
クロームちゃんは、さすがに守護者を連れて行くと不審がられるもんなぁ……。
「恭弥、私は別にいいよ」
「キミは黙ってて」
「はい……」
いつになく気の立っている恭弥に強くも言えず、すごすごと後ろに控えると、隼人くんが一歩前に出てきた。
この図はよく見るな。
「十代目の言うことが聞けねぇってのか」
「僕は沢田に従ってないからね。君のように言うことを聞く筋合いはないよ」
一触即発の空気に胃がキリキリする。早く立ち去りたい。
睨み合う二人の間に綱吉くんが割って入り、「純さんは絶対に守りますから」と言うと、恭弥は「うちの純を嘗めないでよね」と言い出すから、隼人くんも私もその場にいた部下の人たちも「は?」という表情をした。
「純は僕自ら戦闘訓練をしてるんだよ。その辺の雑魚くらい余裕で倒せるし、炎の練度も炎圧も上がってるから強度も上がってる。はっきり言って、ミサイルくらいなら受け止められる」
「ハードルを上げるな!」
異様なまでに過大評価され、その場の誰よりも驚いてしまった。
やったことはないが、さすがにミサイルは無理だ!たぶん!
「なら、なおさら同伴してほしいんですけど」
「ダメだよ」
「はぁ?ミサイルも受け止めるなら、なんの心配もねぇだろ」
「それとこれとは別だよ。この子には、戦闘はさせない」
恭弥の言葉に、隼人くんは「じゃあ、なんの為に訓練つけてるんだよ」と不思議そうに聞いた。
そういえば、たしかに戦闘訓練は受けているが、恭弥が私を戦闘に出す気配はまったくない。
なんでだろう、と話の先を黙って聞いていると「責任だよ」と言う。
「この子をこちら側に引き込んだ責任が、僕にはある。だから、守らなきゃいけないんだよ。戦闘訓練も、僕が側にいられないときに身を護る為につけてるだけで、戦わせる気はない」
そのとき、全員が思ったことだろう。「過保護だ、こいつ!」と。
私としては、そのうち「キミ、次の作戦に参加してね」と言われるのかと思っていたのに、まさかの護身術レベルの気持ちだったとわ。
たしかに、風紀財団には恭弥に言われて入ったわけだが、私が抜けたいと言えば恭弥はなにも言わずに抜けさせてくれるだろう。
風紀財団にいるのは私の意思で、恭弥が責任を感じる必要はない。
あまり戦闘に自信はないが、綱吉くんが絶対に守ってくれると言うのならば、初戦闘でも問題ないだろう。
「恭弥、私やっぱり受けるよ」
「ダメだって言ってるでしょ」
「私だって、自分がどれくらい強くなったか知りたい。それに、少しでも恭弥の力になれるならなりたいよ」
お願い、と頼み込めば目を伏せてから、綱吉くんに「絶対に、この子は無事に帰すと約束するなら」と了承した。
同伴当日、恭弥から再三「沢田は無視して自分の安全を第一に考えて」と言われた。
それを聞いていた隼人くんと喧嘩する恭弥を尻目に車に乗り込むと、綱吉くんに「ヒバリさんの言う通りにしていいですからね」と苦笑いされた。
「そうはいかないよ!ちゃんと守るから、頼ってくれていいよ!」
「いや、純さんになにかあったら、俺がただじゃ済まないんで……」
顔を青くする綱吉くんに、思わず「うちの恭弥がご迷惑をおかけします……」と謝ってしまった。
「ヒバリさんが純さんを大切にしてるのは知ってましたけど、あそこまでとは」
「ね。責任なんて感じる必要ないのに」
困ったように笑う私に、綱吉くんは「後悔はしてませんか?」と聞いてきた。
愚問である。
「後悔していたら、恭弥の力になりたいだなんて思わないよ」
私は私の選んだ道を、誇りを持って歩んでいる。
誰に決められたわけではない。私が決めたこの道を。
「さ、綱吉くん!ガツン、と返り討ちにして帰ろうね!協力しちゃうから!」
「ありがとうございます。でも、本当に!本当に!怪我だけはしないでくださいね!俺がヒバリさんに殺されるんで!」