並盛の盾 日常小話
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その嵐は突然やって来た。
武力で風紀委員を制圧し、涼しい顔で「草食動物は必要ないよ」と言って、自分が連れてきた学ランの男たちを風紀委員にした男。
雲雀恭弥。
ここで異を唱えれば、もしかしたら「面白い女」になれるかも知れないが、私は面白い女ではないので大人しく逃げ出した。
まあ、別に、私はなりたくて風紀委員になったわけではないので、まったく構わないのだけれども。
ある日、日直で花瓶の水を変えようと廊下を歩いていたら、どこかの生徒がこぼした水で滑り、花瓶を放り投げて転倒してしまった。
花瓶は弧を描き、前方から悠々と歩いてきたヒバリさんの頭上へ。
あ、死んだな、私が。
花瓶はヒバリさんのトンファーによって砕かれ、廊下は恐ろしいほどに静まり返っている。
「ワオ、この僕に真正面から挑んでくるなんて、死にたいみたいだね」
生き残りたいです。
とは言え、引いても死、向かっても死なこの状況で生き残るすべはなし。
満足するまでサンドバッグにされるのみ。
覚悟を決めて、振り下ろされるトンファーを側頭部に受ける。
楽々と壁まで飛び叩きつけられた私に、ヒバリさんはすぐに興味をなくし……てはくれなかった。
「キミ、効いてないよね」
髪を掴んで顔をあげさせられる。
私は気絶している、私は気絶している。と言い聞かせて無視をしたが、顔面を床に叩きつけられ、思わず声が出てしまう。
「返事は?」
「生きてます」
そう、私はとてつもなく頑丈なのだ。
多少のことでは痛みも感じないし、怪我もしない。
さすがに吹き飛んだりはするけれども。
そんな私を、ヒバリさんは興味深そうに眺めて、「いいね、キミ。面白い」と言った。
ああ、面白い女になってしまった。
「どれくらい耐久力があるか、試させてもらうよ」
「え゛」
その後、ヒバリさんが満足するまで私はぶん殴られ、気に入られた私は風紀委員へと舞い戻ることになったのだ。
そして、高校、大学を卒業し、さて就職だ!というときに現れたヒバリさんに、「キミの就職先は風紀委員だよ」とわけのわからないことを言われ、物理的に首に縄をつけられ並盛風紀委員に就職させられたのだ。
「つまり、成人女がセーラー服着てるってことだな」
「痛いところをつくね、獄寺くん。やめなさい」
私だって、いい歳してセーラー服着てることにも、並盛の盾とか並盛のガーディアンとか超人ナミモリとか言われていることにも恥ずかしさを覚えているのだから。
「今頃、本当なら人様に言える仕事をしていたはずなのに……」
虚無の顔をして語っていると、「風紀委員の恩恵を最大限活用してる子が、なに言ってるの」と不吉な声がし、思わず背筋が伸びてしまった。
振り向き頭を下げようとしたが、その前に襟首を掴まれ「群れてる暇があるなら、仕事して」と応接室へと引きずって行かれた。
雑談もままならない。
パワハラ、モラハラ上等ではあるが、給料がよすぎて辞められないのは事実。
あと、保険証の代わりに、病院は基本的に無料で受診できてしまうのが美味しい。
あと、ヒバリさんの機嫌がいいときは、高い寿司屋に連れて行ってくれるし。
「悪くはないんですけど、服だけはなんとかならないですか……。ちょっと、年齢的にキツイものが……」
そう言う私に、ヒバリさんはシレッと「よく似合ってるから、問題ないよ」と言いながら、ソファーに私を投げ捨て、膝の上に頭を乗せてきた。
「それじゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
安らかな寝息をたて眠り始めたヒバリさん。
暇だが、ケータイをいじろうにもポチポチ音ですら目が覚めるんだよな、この男。
毎度、致し方なく私も午睡を楽しむはめになる。
武力で風紀委員を制圧し、涼しい顔で「草食動物は必要ないよ」と言って、自分が連れてきた学ランの男たちを風紀委員にした男。
雲雀恭弥。
ここで異を唱えれば、もしかしたら「面白い女」になれるかも知れないが、私は面白い女ではないので大人しく逃げ出した。
まあ、別に、私はなりたくて風紀委員になったわけではないので、まったく構わないのだけれども。
ある日、日直で花瓶の水を変えようと廊下を歩いていたら、どこかの生徒がこぼした水で滑り、花瓶を放り投げて転倒してしまった。
花瓶は弧を描き、前方から悠々と歩いてきたヒバリさんの頭上へ。
あ、死んだな、私が。
花瓶はヒバリさんのトンファーによって砕かれ、廊下は恐ろしいほどに静まり返っている。
「ワオ、この僕に真正面から挑んでくるなんて、死にたいみたいだね」
生き残りたいです。
とは言え、引いても死、向かっても死なこの状況で生き残るすべはなし。
満足するまでサンドバッグにされるのみ。
覚悟を決めて、振り下ろされるトンファーを側頭部に受ける。
楽々と壁まで飛び叩きつけられた私に、ヒバリさんはすぐに興味をなくし……てはくれなかった。
「キミ、効いてないよね」
髪を掴んで顔をあげさせられる。
私は気絶している、私は気絶している。と言い聞かせて無視をしたが、顔面を床に叩きつけられ、思わず声が出てしまう。
「返事は?」
「生きてます」
そう、私はとてつもなく頑丈なのだ。
多少のことでは痛みも感じないし、怪我もしない。
さすがに吹き飛んだりはするけれども。
そんな私を、ヒバリさんは興味深そうに眺めて、「いいね、キミ。面白い」と言った。
ああ、面白い女になってしまった。
「どれくらい耐久力があるか、試させてもらうよ」
「え゛」
その後、ヒバリさんが満足するまで私はぶん殴られ、気に入られた私は風紀委員へと舞い戻ることになったのだ。
そして、高校、大学を卒業し、さて就職だ!というときに現れたヒバリさんに、「キミの就職先は風紀委員だよ」とわけのわからないことを言われ、物理的に首に縄をつけられ並盛風紀委員に就職させられたのだ。
「つまり、成人女がセーラー服着てるってことだな」
「痛いところをつくね、獄寺くん。やめなさい」
私だって、いい歳してセーラー服着てることにも、並盛の盾とか並盛のガーディアンとか超人ナミモリとか言われていることにも恥ずかしさを覚えているのだから。
「今頃、本当なら人様に言える仕事をしていたはずなのに……」
虚無の顔をして語っていると、「風紀委員の恩恵を最大限活用してる子が、なに言ってるの」と不吉な声がし、思わず背筋が伸びてしまった。
振り向き頭を下げようとしたが、その前に襟首を掴まれ「群れてる暇があるなら、仕事して」と応接室へと引きずって行かれた。
雑談もままならない。
パワハラ、モラハラ上等ではあるが、給料がよすぎて辞められないのは事実。
あと、保険証の代わりに、病院は基本的に無料で受診できてしまうのが美味しい。
あと、ヒバリさんの機嫌がいいときは、高い寿司屋に連れて行ってくれるし。
「悪くはないんですけど、服だけはなんとかならないですか……。ちょっと、年齢的にキツイものが……」
そう言う私に、ヒバリさんはシレッと「よく似合ってるから、問題ないよ」と言いながら、ソファーに私を投げ捨て、膝の上に頭を乗せてきた。
「それじゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
安らかな寝息をたて眠り始めたヒバリさん。
暇だが、ケータイをいじろうにもポチポチ音ですら目が覚めるんだよな、この男。
毎度、致し方なく私も午睡を楽しむはめになる。
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