第八次元にて忍はじめました
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ふわふわとした意識が明確になっていき、自分が今、草屋敷の一室で布団に横たわっているのがわかった。
勢いよく体を起き上がらせるも、頭も体も鈍く重く直ぐに倒れてしまう。
こんな所で、こんな事をしている場合じゃない。
任務は、任務はどうなったのか。
掠れる声で「誰か」と呼んだら、一番来てほしくない女が「よぉ、目が覚めたか猿公」と廊下から顔を覗かせた。
「気分どうだ?何か食えそうか?」
「嫌に優しいね。気持ち悪い」
「それは、私がって事か?それとも、気分がって事か?」
両方、と返すと呆れた様に相好を崩し「私だって一端でも病人を心配する心はあるっての」と言った。
気持ちの籠っていない「ありがとう」を言うと、足で障子を開けてお粥の土鍋を乗せたお盆を持って入ってきた。
そのまま、枕元にお盆を置いて自分も座った。
「仕事は大体分散させて終わらせたから、あんたはゆっくり休みな」
「へぇ。余計な事してくれてありがとう」
明らかな棘ある言い方に対して気にする風もなく、女は「どういたしまして」と言った。
その態度が気に食わなくて「まあ、誰も頼んじゃいないけどね」と言うも、やはり「そうだね」と素気無く返ってくる。
いつもみたいに絡んで来ないので逆に薄気味悪く、思わず「怖いんだけど」と言うと、肩をぐるぐる回しながら「久しぶりに仕事したから、疲れてるんだよ」と言う。
「お前、よくあんな量こなしてたな」
「……あれをこなせなきゃ、忍頭にはなれない」
真面目に言ったのに、女は「ばーか」とここで漸く悪態を吐いた。
「ここで?!ここは、もっと違う言葉かけるでしょ!」
「んだよ。じゃあ、心にもない『そうね!あなたは立派だわ!』とでも言ってほしいのかよ」
「思ってないの?!」
俺様のツッコミに「ったりめーだろ、ばーか!」とまた悪態を吐く。
いや、そこは心を込めて言う所でしょうが!と怒ると、物凄く顔を顰めながら「立派なわけあるかよ」と言われた。
「仕事配分も碌にできない奴を称賛してやる気はねえよ」
「で、できない訳じゃなくて、それ位はこなさないと……!」
「仕事全部を忍頭がやれたら忍隊なんていらねえだろうが、ばーか!」
正論にぐうの音も出ない。
「そうだけど……」
「丹波様に追いつきたいのはわかるけど、力量とバランス……釣り合いを考えてやらないと。丹波様だって、分担はしてるだろ?」
尚も言い訳しようとする俺様に「まあ、失敗も経験の内だ。これを機に、やり繰りするんだな」と言いながら、お粥をお椀によそった。
「飯食って元気出せ。それで、また働き蟻の様に安月給で働くんだな」
横になっていた俺様を抱き起して、ぶっきら棒にお椀を渡された。
薄い塩味のお粥に、梅干しが乗っかっている。
食欲はないけれど、食べなければ体調はよくならない。
もそもそと少しずつ口に運んでいたら視線を感じた。
視線の先を辿ると、ニヤニヤという笑みを浮かべて女が見ていた。
「なに……?」
「いや?ただ、里に居た時の事を思い出しただけ。あの子らも、不味い不味い言いながらお粥食べてたけなぁ……」
やっぱりこのお粥不味いのか……。
女が語る里の話を聞いてやっぱり、甲賀の里を恨んでいるのではと思ったのを勘付いたのか「恨んでないよ」と言われた。
「あの子達は、元から捨て子だった。少しでも長く生きられただけ本望だろうし、人じゃなくなる前に死ねてよかったのかも知れない」
その表情は穏やかで、本当に恨んではいないようだった。
「ほら、辛気臭い顔してないでさっさと食えよ」
そう言いながら、頼んでもいないのにせっせと不味いお粥をよそってきた。
「不味いんだけど」
「うるさい……」
勢いよく体を起き上がらせるも、頭も体も鈍く重く直ぐに倒れてしまう。
こんな所で、こんな事をしている場合じゃない。
任務は、任務はどうなったのか。
掠れる声で「誰か」と呼んだら、一番来てほしくない女が「よぉ、目が覚めたか猿公」と廊下から顔を覗かせた。
「気分どうだ?何か食えそうか?」
「嫌に優しいね。気持ち悪い」
「それは、私がって事か?それとも、気分がって事か?」
両方、と返すと呆れた様に相好を崩し「私だって一端でも病人を心配する心はあるっての」と言った。
気持ちの籠っていない「ありがとう」を言うと、足で障子を開けてお粥の土鍋を乗せたお盆を持って入ってきた。
そのまま、枕元にお盆を置いて自分も座った。
「仕事は大体分散させて終わらせたから、あんたはゆっくり休みな」
「へぇ。余計な事してくれてありがとう」
明らかな棘ある言い方に対して気にする風もなく、女は「どういたしまして」と言った。
その態度が気に食わなくて「まあ、誰も頼んじゃいないけどね」と言うも、やはり「そうだね」と素気無く返ってくる。
いつもみたいに絡んで来ないので逆に薄気味悪く、思わず「怖いんだけど」と言うと、肩をぐるぐる回しながら「久しぶりに仕事したから、疲れてるんだよ」と言う。
「お前、よくあんな量こなしてたな」
「……あれをこなせなきゃ、忍頭にはなれない」
真面目に言ったのに、女は「ばーか」とここで漸く悪態を吐いた。
「ここで?!ここは、もっと違う言葉かけるでしょ!」
「んだよ。じゃあ、心にもない『そうね!あなたは立派だわ!』とでも言ってほしいのかよ」
「思ってないの?!」
俺様のツッコミに「ったりめーだろ、ばーか!」とまた悪態を吐く。
いや、そこは心を込めて言う所でしょうが!と怒ると、物凄く顔を顰めながら「立派なわけあるかよ」と言われた。
「仕事配分も碌にできない奴を称賛してやる気はねえよ」
「で、できない訳じゃなくて、それ位はこなさないと……!」
「仕事全部を忍頭がやれたら忍隊なんていらねえだろうが、ばーか!」
正論にぐうの音も出ない。
「そうだけど……」
「丹波様に追いつきたいのはわかるけど、力量とバランス……釣り合いを考えてやらないと。丹波様だって、分担はしてるだろ?」
尚も言い訳しようとする俺様に「まあ、失敗も経験の内だ。これを機に、やり繰りするんだな」と言いながら、お粥をお椀によそった。
「飯食って元気出せ。それで、また働き蟻の様に安月給で働くんだな」
横になっていた俺様を抱き起して、ぶっきら棒にお椀を渡された。
薄い塩味のお粥に、梅干しが乗っかっている。
食欲はないけれど、食べなければ体調はよくならない。
もそもそと少しずつ口に運んでいたら視線を感じた。
視線の先を辿ると、ニヤニヤという笑みを浮かべて女が見ていた。
「なに……?」
「いや?ただ、里に居た時の事を思い出しただけ。あの子らも、不味い不味い言いながらお粥食べてたけなぁ……」
やっぱりこのお粥不味いのか……。
女が語る里の話を聞いてやっぱり、甲賀の里を恨んでいるのではと思ったのを勘付いたのか「恨んでないよ」と言われた。
「あの子達は、元から捨て子だった。少しでも長く生きられただけ本望だろうし、人じゃなくなる前に死ねてよかったのかも知れない」
その表情は穏やかで、本当に恨んではいないようだった。
「ほら、辛気臭い顔してないでさっさと食えよ」
そう言いながら、頼んでもいないのにせっせと不味いお粥をよそってきた。
「不味いんだけど」
「うるさい……」