第八次元にて忍はじめました
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お婆ちゃんとお爺ちゃんには、上手い事言って別れてから数日経つ。
女中の仕事は、朝早いしハードだし寝るの遅いしで、まあ平たく言うと団子屋戻りてえっすね。
しかも四六時中、お猿さんが張り付いてるから鬱陶しい事この上ない。
だが、今日はどうした事か。
昼頃から猿の見張りが解けている。
やっと信用したかと思っていたが、道行くお武家様達の話し声が耳に入る。
「まったく。武士である我々に子守をさせる等、真田様も何をお考えなのか」
「なんでも、女人が近寄ると、お子が泣いてしまうらしい」
「何とも情けない子だな」
「だが、都合よく忍の子供が見つかってよかったな。忍とは便利な道具だ」
あ~、それでさっきから猿もいないし、赤子の泣き声が聞こえてるのか。
この感じだと、だいぶ手を焼いてるな、猿。
どうしようかな~。
あのクソ生意気な猿の慌てふためく顔は見たいし、残りの仕事は分身にお願いして、女中服から忍服に着替えて、口当てで顔半分を隠す。
屋根裏を伝い泣き声の元まで行くと、あの日、森で出会ったお武家様が抱いてた赤子を抱え、オロオロしている猿がいた。
「ぶふー!超困ってる!ウケるんだけど!」
「げっ、不知火……」
嫌そうな顔をしている猿を更にせせら笑ってやると、歯軋りが聞こえそうなくらいに悔しそうな顔をしていた。
いやぁ、愉快愉快!
気が済むまで猿をからかいぬいてから、流石に泣きっぱなしも可哀想なので「代わりな」と言って、赤子を受け取る。
「おやすみなさい お眠りなさい バラと撫子に囲まれ 布団の中へお入り 朝が来て 神の意志により 貴方はまた目覚める おやすみなさい お眠りなさい 天使達に見守られ キリストの子の木を夢見ん 安らかに眠れ 夢の楽園の中で」
歌を覚えていたのか、赤子は直ぐに泣き止みすやすやと寝息をたてはじめた。
いっぱい泣いて疲れたね、よくお休み。
赤子が起きない様に、お尻を優しく叩きながらゆっくり揺らしていると、猿が「手馴れてるね」と言った。
「まあね。丁度、里の周りの村が去年から飢饉で、口減らしに赤子が沢山捨てられてたから、長が片っ端から拾て来てさ。お蔭で、嫌って程子守させられたよ。その子達も、殺されちゃったけどね」
そう言うと、猿が「……やっぱり、恨みとかあるんじゃないの?」と聞いてきた。
「テメーも存外疑りぶけえな。恨んでねえつってんだろ。忍になった時点で、情なんて捨ててんだ。それに、甲賀だって仕事だったんだ。恨むとしても、甲賀を恨むのは筋違いだろうが」
「そう、だね……」
「お前さ、忍のくせに優しすぎんだよ。もっと割り切っていかねえと、辛いのはテメーだぞ」
私の言葉に、猿は「うん……。分かってる、分かってるよ……」と言った。
たく、他人の里の事で気に病むなんて、どんだけお人好しなんだよ。
女中の仕事は、朝早いしハードだし寝るの遅いしで、まあ平たく言うと団子屋戻りてえっすね。
しかも四六時中、お猿さんが張り付いてるから鬱陶しい事この上ない。
だが、今日はどうした事か。
昼頃から猿の見張りが解けている。
やっと信用したかと思っていたが、道行くお武家様達の話し声が耳に入る。
「まったく。武士である我々に子守をさせる等、真田様も何をお考えなのか」
「なんでも、女人が近寄ると、お子が泣いてしまうらしい」
「何とも情けない子だな」
「だが、都合よく忍の子供が見つかってよかったな。忍とは便利な道具だ」
あ~、それでさっきから猿もいないし、赤子の泣き声が聞こえてるのか。
この感じだと、だいぶ手を焼いてるな、猿。
どうしようかな~。
あのクソ生意気な猿の慌てふためく顔は見たいし、残りの仕事は分身にお願いして、女中服から忍服に着替えて、口当てで顔半分を隠す。
屋根裏を伝い泣き声の元まで行くと、あの日、森で出会ったお武家様が抱いてた赤子を抱え、オロオロしている猿がいた。
「ぶふー!超困ってる!ウケるんだけど!」
「げっ、不知火……」
嫌そうな顔をしている猿を更にせせら笑ってやると、歯軋りが聞こえそうなくらいに悔しそうな顔をしていた。
いやぁ、愉快愉快!
気が済むまで猿をからかいぬいてから、流石に泣きっぱなしも可哀想なので「代わりな」と言って、赤子を受け取る。
「おやすみなさい お眠りなさい バラと撫子に囲まれ 布団の中へお入り 朝が来て 神の意志により 貴方はまた目覚める おやすみなさい お眠りなさい 天使達に見守られ キリストの子の木を夢見ん 安らかに眠れ 夢の楽園の中で」
歌を覚えていたのか、赤子は直ぐに泣き止みすやすやと寝息をたてはじめた。
いっぱい泣いて疲れたね、よくお休み。
赤子が起きない様に、お尻を優しく叩きながらゆっくり揺らしていると、猿が「手馴れてるね」と言った。
「まあね。丁度、里の周りの村が去年から飢饉で、口減らしに赤子が沢山捨てられてたから、長が片っ端から拾て来てさ。お蔭で、嫌って程子守させられたよ。その子達も、殺されちゃったけどね」
そう言うと、猿が「……やっぱり、恨みとかあるんじゃないの?」と聞いてきた。
「テメーも存外疑りぶけえな。恨んでねえつってんだろ。忍になった時点で、情なんて捨ててんだ。それに、甲賀だって仕事だったんだ。恨むとしても、甲賀を恨むのは筋違いだろうが」
「そう、だね……」
「お前さ、忍のくせに優しすぎんだよ。もっと割り切っていかねえと、辛いのはテメーだぞ」
私の言葉に、猿は「うん……。分かってる、分かってるよ……」と言った。
たく、他人の里の事で気に病むなんて、どんだけお人好しなんだよ。