第八次元にて忍はじめました
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赤ん坊をあやしあやししながら、真田さんを無事躑躅ヶ崎城手前まで送り届ける。
にしても、よく泣く赤ん坊だった。
真田さんもあやすの下手過ぎて、泣く度に私があやさないといけない。
心臓に近い位置で抱いて歌いながら軽くお尻をポンポン叩くという簡単な事ができないのだ。
歌は大声だし野太いし小節きいてるし、お尻を叩く力も折檻かと思う程の力。
そら泣くわ。
「じゃあ、自分はもう行くよ」
「またれよ、幼子!もし、仕えている主君がいないのならば、俺に仕えないか!」
真っ直ぐな瞳で言われてしまうが、申し訳ない。
私はもう、忍業から離れるのだ。
私は丁重にお断りをするも、真田さんは食い下がってくる。
「もう少し考えてくれ!その実力、俺はどうしても欲しい!」
「いやいや、本当に無理だってば」
「そこを何とか!」
食い下がてくる真田さんに呆れながら「だから……」と言おうとしたら、赤ん坊がまたぐずりだした。
真田さんが慌てて背中から赤ん坊を降ろして私に渡してくる。
私は赤ん坊を抱き、第五次元の時に母が歌ってくれていたブラームスの子守唄を歌う。
「おやすみなさい お眠りなさい バラと撫子に囲まれ 布団の中へお入り 朝が来て 神の意志により 貴方はまた目覚める おやすみなさい お眠りなさい 天使達に見守られ キリストの子の木を夢見ん 安らかに眠れ 夢の楽園の中で」
ゆっくりお尻を叩きながら何度か繰り返すと、赤ん坊は落ち着きを取り戻し無邪気に笑っている。
それを見届け、真田さんへと返す。
「弁丸も、お主の事を気に入っている。……ダメか?」
「無理。自分は誰にも仕えない」
何度目かの断りに漸く真田さんも折れ、最後に「もし、仕官してもいいと思ったらいつでも訪ねてくれ」と言い残して城へと向かった。
中々にしつこい人だった。
真田さんの背中が見えなくなったのを確認し、建物の影に回り変化を解く。
先ずは、取り入りやすそうな場所を見繕う事にする。
その結果、定番ではあるがとある甘味屋がよさそうだ。
老夫婦で切り盛りしており、人の好さは折り紙付き。
子供が手伝っている気配はなし。
よし、ここにしよう。
適当に、いつも密偵しに行ってる時に使う文言でさめざめと涙を流せば老夫婦は快く私を迎え入れてくれた。
よしよし。
あとはこの老夫婦の養子にでもなれれば完璧だ。
そうなる為には仕事を頑張らねばとせっせと手伝い、数ヶ月で私は老夫婦自慢の看板娘となっていた。
団子屋の看板娘にジョブチェンジして、このまま順風満帆に一般人生活を謳歌していけると思った矢先だった。
人生ってそんなに甘くないという事を思い知らされる。
「おばちゃんー。こんにちはー」
この少年、猿飛佐助によって。
にしても、よく泣く赤ん坊だった。
真田さんもあやすの下手過ぎて、泣く度に私があやさないといけない。
心臓に近い位置で抱いて歌いながら軽くお尻をポンポン叩くという簡単な事ができないのだ。
歌は大声だし野太いし小節きいてるし、お尻を叩く力も折檻かと思う程の力。
そら泣くわ。
「じゃあ、自分はもう行くよ」
「またれよ、幼子!もし、仕えている主君がいないのならば、俺に仕えないか!」
真っ直ぐな瞳で言われてしまうが、申し訳ない。
私はもう、忍業から離れるのだ。
私は丁重にお断りをするも、真田さんは食い下がってくる。
「もう少し考えてくれ!その実力、俺はどうしても欲しい!」
「いやいや、本当に無理だってば」
「そこを何とか!」
食い下がてくる真田さんに呆れながら「だから……」と言おうとしたら、赤ん坊がまたぐずりだした。
真田さんが慌てて背中から赤ん坊を降ろして私に渡してくる。
私は赤ん坊を抱き、第五次元の時に母が歌ってくれていたブラームスの子守唄を歌う。
「おやすみなさい お眠りなさい バラと撫子に囲まれ 布団の中へお入り 朝が来て 神の意志により 貴方はまた目覚める おやすみなさい お眠りなさい 天使達に見守られ キリストの子の木を夢見ん 安らかに眠れ 夢の楽園の中で」
ゆっくりお尻を叩きながら何度か繰り返すと、赤ん坊は落ち着きを取り戻し無邪気に笑っている。
それを見届け、真田さんへと返す。
「弁丸も、お主の事を気に入っている。……ダメか?」
「無理。自分は誰にも仕えない」
何度目かの断りに漸く真田さんも折れ、最後に「もし、仕官してもいいと思ったらいつでも訪ねてくれ」と言い残して城へと向かった。
中々にしつこい人だった。
真田さんの背中が見えなくなったのを確認し、建物の影に回り変化を解く。
先ずは、取り入りやすそうな場所を見繕う事にする。
その結果、定番ではあるがとある甘味屋がよさそうだ。
老夫婦で切り盛りしており、人の好さは折り紙付き。
子供が手伝っている気配はなし。
よし、ここにしよう。
適当に、いつも密偵しに行ってる時に使う文言でさめざめと涙を流せば老夫婦は快く私を迎え入れてくれた。
よしよし。
あとはこの老夫婦の養子にでもなれれば完璧だ。
そうなる為には仕事を頑張らねばとせっせと手伝い、数ヶ月で私は老夫婦自慢の看板娘となっていた。
団子屋の看板娘にジョブチェンジして、このまま順風満帆に一般人生活を謳歌していけると思った矢先だった。
人生ってそんなに甘くないという事を思い知らされる。
「おばちゃんー。こんにちはー」
この少年、猿飛佐助によって。