楽しい軟禁生活
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「男気ジャンケンって、面白そうだよね」
「!」
この何気ない私の呟きにより招集をかけられた一部の万次郎くんの部下、しかも幹部たち。
やっちまったな……。
集まったメンバーは、万次郎くん、私、蘭ちゃんさん、竜胆さん、ココさん。そして、三途さんだ。なぜ。
「よぉ……クソブス……久しぶりだなぁ……」
「あ……はい……お久しぶりです……」
至近距離で睨みをきかされ、怖くて視線が合わせられない。
「近え」
「でっ!」
万次郎くんに蹴り飛ばされた三途さんが「マイキー……」と情けない声を上げた。
「三途、オマエは呼んでねえだろ」
「なんでだよ、マイキー!俺をなんで呼んでくれねえんだ!」
「悠が怯えるからだよ」
三途さんの怒りの矛先がこちらに向く。
いや、そうなんだけど、本人に直接言うのはどうかと思うの、万次郎くん。
「オマエ、帰れ」
「マイキー……!」
あまりにも三途さんが可哀想で、「万次郎くん、三途さんもせっかくだから、一緒に参加してもらおうよ」と助け船を出すと、万次郎くんは「悠がいいなら……」と了承した。
しかし、人助けをしたな、と思う私の耳元で三途さんが「恩売ったつもりか、ブス?」と囁くので、秒で後悔した。
助けるんじゃなかった。
「男気ジャンケン、ちょっと楽しそうだよねー」
「兄貴、ちゃんと手加減してあげなよ。あの子、金持ってなさそうだし」
竜胆さんの指摘どおり、私はお金がない。
現金は万次郎くんに取り上げられているので、私は一文無しな状態だ。
この状態でどうやって男気ジャンケンをするんだろうと思っていると、万次郎くんが「悠の分は俺が払う」と言い出した。
「いや、主旨!」
既に男らしい男気にツッコんだが、さらに「今日は悠にプレゼントを買って、俺の男気を見せる日だ」と意気込む。
だから、主旨!
「勝ったらただじゃおかねぇからな、ブス」
「はい……」
三途さんに脅されながら、男気ジャンケンは開始された。
「まず、なにから買うんだ?」
ココさんの質問に、万次郎くんは悩みながら「じゃあ、マンション」と、初手から男気すぎる商品をだしてきた。
か、勝ったらヤバい。と慄く私と呆れ顔をするココさん以外は、「まあ、妥当か」みたいな反応で、私一人オロオロしてしまう。
「御堂、オロオロするな。なんとか軌道修正するから」
そう言って、ココさんが「マイキー」と万次郎くんに声をかける。
「マンションは御堂がもらっても困るだけじゃないか?家賃収入とか、別に御堂に入ってくるわけじゃないんだろ?」
その言葉に、万次郎くんは「あ、そうか」と納得した。
「じゃあ、靴とか鞄にする?」
蘭ちゃんさんの言葉に、それならほしいです、と別段ほしいわけではなかったが、またバカ高い商品を選ばれるよりはマシだと思ったからだ。
しかし、マンションを初手に選んだだけあり、鞄の金額も何十万もするものだった。
うわぁ……うわぁ……と、一人オロオロする私の前に、全員が各々、私に贈りたい鞄を持ってきた為に、勝った人の鞄をその人が買って贈る、なにか別のゲームになった。
私が勝つと万次郎くんの勝利になるらしい。
「男気ジャンケン!ジャンケン、ポン!」
高級店の真ん中でジャンケンを始める成人男性複数はやはり目立ち、店員さん、お客さん、双方からの視線が刺さる。
勝ったのは三途さんで、ブチギレながら「勘違いするなよ、クソブス。買ってやりたかったわけじゃねえからな」と言われながらわたされた。
なんか、怨念が詰まってそうで嫌だな。
ま、まあ、買ってもらえたので「ありがとうございます」とお礼を言ったら、「オマエの為じゃねえ!マイキーに楽しんでもらう為だ!」と言われたが、とうの万次郎くんは膨れ面だ。
そしてそのまま、商品を持ってレジに行き購入して「ん!」と私にわたしてきた。
「あ、ありがとう……」
「じゃあ、俺も買ってあげるー」
「なら、俺も」
「俺も買ってやるよ」
「待って!前提崩壊してる!」
他三人までもが、普通に購入してわたしてきた。
結局、男気ジャンケンの原型をとどめないお買い物になったわけだが、うん。結構楽しかったかも。
三途さんも怖いけど、慣れてしまえばいなすのは簡単そうだし。
定期的に怪しい錠剤を大量に飲んでるのは見なかったことにしているのは、内緒だ。
帰り道、蘭ちゃんさんたちと別れてから万次郎くんは無口だった。
「どうしたの、元気ないね」
「いや……悠が楽しそうだったなって……」
拗ねたように言う万次郎くんに、「私が楽しいと、嫌?」と聞けば、「俺とだけ出かけるの、本当はつまんねえのかなって」と言い出すから可愛くなってしまう。
「お友だちとワイワイしながら遊ぶのは、楽しいでしょ?でも、デートは楽しくてドキドキするものじゃん」
「ドキドキ……」
「万次郎くんはしない?私と二人きりで出かけるとき」
「する……」
「私もする」
そう言うと、万次郎くんは私を抱きしめて「今度は二人で出かけよう。ドキドキしたい」と言った。
そうだね、私もドキドキしたい。
「!」
この何気ない私の呟きにより招集をかけられた一部の万次郎くんの部下、しかも幹部たち。
やっちまったな……。
集まったメンバーは、万次郎くん、私、蘭ちゃんさん、竜胆さん、ココさん。そして、三途さんだ。なぜ。
「よぉ……クソブス……久しぶりだなぁ……」
「あ……はい……お久しぶりです……」
至近距離で睨みをきかされ、怖くて視線が合わせられない。
「近え」
「でっ!」
万次郎くんに蹴り飛ばされた三途さんが「マイキー……」と情けない声を上げた。
「三途、オマエは呼んでねえだろ」
「なんでだよ、マイキー!俺をなんで呼んでくれねえんだ!」
「悠が怯えるからだよ」
三途さんの怒りの矛先がこちらに向く。
いや、そうなんだけど、本人に直接言うのはどうかと思うの、万次郎くん。
「オマエ、帰れ」
「マイキー……!」
あまりにも三途さんが可哀想で、「万次郎くん、三途さんもせっかくだから、一緒に参加してもらおうよ」と助け船を出すと、万次郎くんは「悠がいいなら……」と了承した。
しかし、人助けをしたな、と思う私の耳元で三途さんが「恩売ったつもりか、ブス?」と囁くので、秒で後悔した。
助けるんじゃなかった。
「男気ジャンケン、ちょっと楽しそうだよねー」
「兄貴、ちゃんと手加減してあげなよ。あの子、金持ってなさそうだし」
竜胆さんの指摘どおり、私はお金がない。
現金は万次郎くんに取り上げられているので、私は一文無しな状態だ。
この状態でどうやって男気ジャンケンをするんだろうと思っていると、万次郎くんが「悠の分は俺が払う」と言い出した。
「いや、主旨!」
既に男らしい男気にツッコんだが、さらに「今日は悠にプレゼントを買って、俺の男気を見せる日だ」と意気込む。
だから、主旨!
「勝ったらただじゃおかねぇからな、ブス」
「はい……」
三途さんに脅されながら、男気ジャンケンは開始された。
「まず、なにから買うんだ?」
ココさんの質問に、万次郎くんは悩みながら「じゃあ、マンション」と、初手から男気すぎる商品をだしてきた。
か、勝ったらヤバい。と慄く私と呆れ顔をするココさん以外は、「まあ、妥当か」みたいな反応で、私一人オロオロしてしまう。
「御堂、オロオロするな。なんとか軌道修正するから」
そう言って、ココさんが「マイキー」と万次郎くんに声をかける。
「マンションは御堂がもらっても困るだけじゃないか?家賃収入とか、別に御堂に入ってくるわけじゃないんだろ?」
その言葉に、万次郎くんは「あ、そうか」と納得した。
「じゃあ、靴とか鞄にする?」
蘭ちゃんさんの言葉に、それならほしいです、と別段ほしいわけではなかったが、またバカ高い商品を選ばれるよりはマシだと思ったからだ。
しかし、マンションを初手に選んだだけあり、鞄の金額も何十万もするものだった。
うわぁ……うわぁ……と、一人オロオロする私の前に、全員が各々、私に贈りたい鞄を持ってきた為に、勝った人の鞄をその人が買って贈る、なにか別のゲームになった。
私が勝つと万次郎くんの勝利になるらしい。
「男気ジャンケン!ジャンケン、ポン!」
高級店の真ん中でジャンケンを始める成人男性複数はやはり目立ち、店員さん、お客さん、双方からの視線が刺さる。
勝ったのは三途さんで、ブチギレながら「勘違いするなよ、クソブス。買ってやりたかったわけじゃねえからな」と言われながらわたされた。
なんか、怨念が詰まってそうで嫌だな。
ま、まあ、買ってもらえたので「ありがとうございます」とお礼を言ったら、「オマエの為じゃねえ!マイキーに楽しんでもらう為だ!」と言われたが、とうの万次郎くんは膨れ面だ。
そしてそのまま、商品を持ってレジに行き購入して「ん!」と私にわたしてきた。
「あ、ありがとう……」
「じゃあ、俺も買ってあげるー」
「なら、俺も」
「俺も買ってやるよ」
「待って!前提崩壊してる!」
他三人までもが、普通に購入してわたしてきた。
結局、男気ジャンケンの原型をとどめないお買い物になったわけだが、うん。結構楽しかったかも。
三途さんも怖いけど、慣れてしまえばいなすのは簡単そうだし。
定期的に怪しい錠剤を大量に飲んでるのは見なかったことにしているのは、内緒だ。
帰り道、蘭ちゃんさんたちと別れてから万次郎くんは無口だった。
「どうしたの、元気ないね」
「いや……悠が楽しそうだったなって……」
拗ねたように言う万次郎くんに、「私が楽しいと、嫌?」と聞けば、「俺とだけ出かけるの、本当はつまんねえのかなって」と言い出すから可愛くなってしまう。
「お友だちとワイワイしながら遊ぶのは、楽しいでしょ?でも、デートは楽しくてドキドキするものじゃん」
「ドキドキ……」
「万次郎くんはしない?私と二人きりで出かけるとき」
「する……」
「私もする」
そう言うと、万次郎くんは私を抱きしめて「今度は二人で出かけよう。ドキドキしたい」と言った。
そうだね、私もドキドキしたい。