楽しい軟禁生活
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万次郎くんからプロポーズに近い告白を受けたが、私たちの生活は特に変わらない。変わらないのが、不満なのだ。なぜ、一緒に寝ないのか。
いままでは、まだ、距離を置いているからという解釈がができたが、私を彼女と認識しているのに、未だに万次郎くんはソファーで寝ている。なぜ。
今日は思い切って、万次郎くんに「どうして一緒に寝ないの?」と聞けば、視線をそらし「ダメだ」と言う。
「答えになってないよ」
「ダ……ダメなもんはダメなんだよ……」
回り込み万次郎くんと視線を合わせ、「なんで」と聞けば、頬を染めモゴモゴと「……るから」と言う。
私が、「なんて?」と詰め寄れば「……たくなるから」となおもゴニョゴニョ言う。
「おっきな声で!」
「セックスしたくなるから!」
真っ赤な顔を手で覆う万次郎くんと、真顔で「セックス……」と呟く私。
予想以上にセンシティブな話で、私も慎重に言葉を選ばなくてはと思ったのだが、結局は「シてもいいんだよ?」しか思いつかなかった。
「私たち、恋人同士なんだよ?」
「でも俺、悠以外としたとき萎えてるか惰性だから、下手かも知れねえし……。悠に痛いとか、下手とか言われたら絶対に立ち直れねえ……」
この世の終わりのような顔をして語る万次郎くん。なんと言うか、繊細ヤクザだなぁ……。
自分がどれだけ、万次郎くんに大切にされているのかはよくわかるが、こんなに腫れ物のように扱われては、こちらも困る。
「その、私経験ないし、上手いとか下手とかわからないから。痛くないかも知れないじゃん?」
「けど……」
「それとも、本当はシたいわけじゃないとか?私、そんなに魅力ないかな……」
若干引きずっている蘭ちゃんさんの言葉を引き合いに出すと、肩を掴まれ「それは違う!」と全力で否定された。
お、おう……。
「正直、最初の夜で部屋入ったのは抱こうって思ってたんだよ!けど、寝顔見てたら汚しちゃいけねえなって思って!それで自制してるだけで、抱いてもいいなら抱く!」
聞いてもいない情報を多く提供してくれる万次郎くんに押され、「う、うん。じゃあ、する?」と口走っていた。
万次郎くんも目を丸くして固まってしまい、私と万次郎くんの間に静寂が流れた。
「いや、シたくないなら無理しなくても……」
「……する」
「え」
「する。そこまでオマエに言わせたんだ。日和ったら男じゃねえ」
謎の男気スイッチの入った万次郎くんは、「ゴム買ってくる」と、足枷をつけるのも忘れて財布を持って行ってしまった。
私もなにか用意しておくかと、いつぞやランジェリーショップで万次郎くんが購入してくれたが、着るタイミングがわからず着ていなかったキャミソールに着替える。丈が普通のキャミソールより長めとはいえ、やはり心もとなさがあるな。
やっぱり着替えようかな、と悩んでいるうちに、万次郎くんが帰宅してリビングに入ってくるなり、固まった。
「あ、あはは、どうかな。着てみたんだけど。雰囲気出る?」
明るく振る舞って見せるが、万次郎くんは動かない。
段々恥ずかしくなってきていると、突然動き出し顔を両手で固定された。
「抱く」
「え」
「いまここで抱く」
「え、待って、万次郎くん……!ここリビング!せめてべ」
全て言い切る前に、万次郎くんに口を塞がれる。
素人でも上手いとわかるキスをされ、腰が抜けた私をそのままリビングで抱き潰した万次郎くんの翌朝の第一声は、「おはよう」より先に「大変申し訳ありませんでした」だった。
一応、気絶したあとにベッドへは運んでくれたようだが、床の上でした所為で体が痛い。
「違うんだ、ちゃんと俺がリードして丁寧にやるつもりだったんだ……」
「丁寧とは程遠い貪り方でしたね……」
「ゴメンナサイ……。理性が持たなかった……」
理性ガタガタじゃないか。
腰も背中も痛すぎて動けず、とりあえず服と下着を取ってとお願いしたら、件のキャミソールを差し出された。
「もう一回見たい」
「理性持つなら……」
「持たせる」
ならば、と着た私を見て万次郎くんは頷き、側に腰掛け肩を抱き顔を近づけてきた。が、私は万次郎くんの顔を鷲掴み抵抗する。
「なにをするつもりですか、佐野万次郎くん」
「……ナニ」
「理性!ほらもー!勃ってる!」
ナニがとは言わないけど!
私の手を剥がそうとする万次郎くんと、絶対に離さないぞと根性で万次郎くんの顔面を掴む私。
「一回だけでいいから!」
「昨日あれだけヤッといてなにを言ってるの?!」
少しずつ手は剥がされかけ、段々と体が傾きつつあり、思わず「助けて、蘭ちゃんさーん!」とお母さんを呼ぶノリで蘭ちゃんさんを呼んだら、万次郎くんが纏う空気が一変した。
怒りである。
「いま、なんで蘭の名前が出てくるんだ……?」
「あの、その、深い意味は……あ、肩痛い……」
男の腕力で掴まれた肩が痛く震える私に、万次郎くんはおもむろにケータイを取り出し、誰かに電話をした。
「蘭、いまからうちに来い」
『突然だな。なんかあったかー?』
「見せつけプレイしたあとに、オマエをスクラップにする」
「やめてー!謝るからー!」
「もう遅い」
無慈悲に告げられた言葉に、私はパニックになり「佐野くんのバーカ!嫌い!」と幼稚な発言をしたのだが、どうも万次郎くんには効いたようで、「名字呼び……バカ……嫌い……」と言いながら距離を置いて、床に正座をし手をついて「ゴメンナサイ」と謝ってきた。
「夜まで帰ってこないで」
「でも、オマエ体辛いだろ?」
「いいから、行けー!」
私の怒りに押され、万次郎くんはこちらを伺いながら部屋をあとにした。
着替えよ……。
「うーん、事情はわかったけど、マジで迂闊に俺の名前出すんじゃねえよ」
「すみません……」
入れ違いで来た蘭ちゃんさんは笑顔で怒りながら、机の上にビニール袋を置いた。
「見せつけセックス、結構楽しみだったんだけどなー」
「やめてください!」
冗談でも、そういうこと言わないでください!場合によっては死んでたんですよ!と言う私に、蘭ちゃんさんは「最後にいいもん見られるから、まあいいかなって」と言う。よくない!
「あんま、マイキー刺激すんなよ。マイキー、オマエのこと大好きで嫉妬深いんだからさ」
「振れ幅が大きいんですよね。大切にされる分、嫉妬のスイッチが入ると怖いっていうか」
「マイキーも怖い人ってこと。それより、餃子作ろうぜー」
あ、これ餃子の材料だったんだ。
「いいんですか?万次郎くんにバレたら……」
「そんときは、御堂ちゃんがなんとかしてくれるだろ?」
まあ、なんとかするけれども。
とりあえず、蘭ちゃんさんと餃子を包み、一緒にお昼に餃子を食べてちょっと駄弁ってから帰ってもらった。
お皿はきっちり片して、証拠隠滅もした。よし。
さて、万次郎くんとはどうやって仲直りしたものか。勢いで言ってしまったが、別に嫌いなわけではないんだよな。しかし、反省してほしいので夜に帰ってくるまで連絡はとらないつもりだが……帰ってくるよね?
そんな私の不安を払拭するように、扉が開く音がした。つい、迎えようとしてしまったが、反省しているかどうか確認しなければ。
「悠……」
リビングの入口を見ると、しわしわな顔をした万次郎くんが、コンビニの袋をさげて入ってきた。
「その、今朝は本当に悪かった……。これ買ってきたから、許してくれ……」
中身を確認すれば、各種フレーバーの高級アイスだった。
機嫌の取り方が安直だなぁ、と呆れはするが、泣きそうな顔の万次郎くんを見てしまうと、肩の力がぬけてしまう。
「餃子あるから、食べよ」
「許してくれるのか?」
「うん。私も言い過ぎた、ごめんね」
そう言うと、万次郎くんは私を抱きしめて「悠、愛してる」と言った。
うん、仲直り。
「ところで、その餃子の材料はどこで手に入れたんだ……?」
「……」
第二ラウンド開始のゴングが鳴り響いた。
いままでは、まだ、距離を置いているからという解釈がができたが、私を彼女と認識しているのに、未だに万次郎くんはソファーで寝ている。なぜ。
今日は思い切って、万次郎くんに「どうして一緒に寝ないの?」と聞けば、視線をそらし「ダメだ」と言う。
「答えになってないよ」
「ダ……ダメなもんはダメなんだよ……」
回り込み万次郎くんと視線を合わせ、「なんで」と聞けば、頬を染めモゴモゴと「……るから」と言う。
私が、「なんて?」と詰め寄れば「……たくなるから」となおもゴニョゴニョ言う。
「おっきな声で!」
「セックスしたくなるから!」
真っ赤な顔を手で覆う万次郎くんと、真顔で「セックス……」と呟く私。
予想以上にセンシティブな話で、私も慎重に言葉を選ばなくてはと思ったのだが、結局は「シてもいいんだよ?」しか思いつかなかった。
「私たち、恋人同士なんだよ?」
「でも俺、悠以外としたとき萎えてるか惰性だから、下手かも知れねえし……。悠に痛いとか、下手とか言われたら絶対に立ち直れねえ……」
この世の終わりのような顔をして語る万次郎くん。なんと言うか、繊細ヤクザだなぁ……。
自分がどれだけ、万次郎くんに大切にされているのかはよくわかるが、こんなに腫れ物のように扱われては、こちらも困る。
「その、私経験ないし、上手いとか下手とかわからないから。痛くないかも知れないじゃん?」
「けど……」
「それとも、本当はシたいわけじゃないとか?私、そんなに魅力ないかな……」
若干引きずっている蘭ちゃんさんの言葉を引き合いに出すと、肩を掴まれ「それは違う!」と全力で否定された。
お、おう……。
「正直、最初の夜で部屋入ったのは抱こうって思ってたんだよ!けど、寝顔見てたら汚しちゃいけねえなって思って!それで自制してるだけで、抱いてもいいなら抱く!」
聞いてもいない情報を多く提供してくれる万次郎くんに押され、「う、うん。じゃあ、する?」と口走っていた。
万次郎くんも目を丸くして固まってしまい、私と万次郎くんの間に静寂が流れた。
「いや、シたくないなら無理しなくても……」
「……する」
「え」
「する。そこまでオマエに言わせたんだ。日和ったら男じゃねえ」
謎の男気スイッチの入った万次郎くんは、「ゴム買ってくる」と、足枷をつけるのも忘れて財布を持って行ってしまった。
私もなにか用意しておくかと、いつぞやランジェリーショップで万次郎くんが購入してくれたが、着るタイミングがわからず着ていなかったキャミソールに着替える。丈が普通のキャミソールより長めとはいえ、やはり心もとなさがあるな。
やっぱり着替えようかな、と悩んでいるうちに、万次郎くんが帰宅してリビングに入ってくるなり、固まった。
「あ、あはは、どうかな。着てみたんだけど。雰囲気出る?」
明るく振る舞って見せるが、万次郎くんは動かない。
段々恥ずかしくなってきていると、突然動き出し顔を両手で固定された。
「抱く」
「え」
「いまここで抱く」
「え、待って、万次郎くん……!ここリビング!せめてべ」
全て言い切る前に、万次郎くんに口を塞がれる。
素人でも上手いとわかるキスをされ、腰が抜けた私をそのままリビングで抱き潰した万次郎くんの翌朝の第一声は、「おはよう」より先に「大変申し訳ありませんでした」だった。
一応、気絶したあとにベッドへは運んでくれたようだが、床の上でした所為で体が痛い。
「違うんだ、ちゃんと俺がリードして丁寧にやるつもりだったんだ……」
「丁寧とは程遠い貪り方でしたね……」
「ゴメンナサイ……。理性が持たなかった……」
理性ガタガタじゃないか。
腰も背中も痛すぎて動けず、とりあえず服と下着を取ってとお願いしたら、件のキャミソールを差し出された。
「もう一回見たい」
「理性持つなら……」
「持たせる」
ならば、と着た私を見て万次郎くんは頷き、側に腰掛け肩を抱き顔を近づけてきた。が、私は万次郎くんの顔を鷲掴み抵抗する。
「なにをするつもりですか、佐野万次郎くん」
「……ナニ」
「理性!ほらもー!勃ってる!」
ナニがとは言わないけど!
私の手を剥がそうとする万次郎くんと、絶対に離さないぞと根性で万次郎くんの顔面を掴む私。
「一回だけでいいから!」
「昨日あれだけヤッといてなにを言ってるの?!」
少しずつ手は剥がされかけ、段々と体が傾きつつあり、思わず「助けて、蘭ちゃんさーん!」とお母さんを呼ぶノリで蘭ちゃんさんを呼んだら、万次郎くんが纏う空気が一変した。
怒りである。
「いま、なんで蘭の名前が出てくるんだ……?」
「あの、その、深い意味は……あ、肩痛い……」
男の腕力で掴まれた肩が痛く震える私に、万次郎くんはおもむろにケータイを取り出し、誰かに電話をした。
「蘭、いまからうちに来い」
『突然だな。なんかあったかー?』
「見せつけプレイしたあとに、オマエをスクラップにする」
「やめてー!謝るからー!」
「もう遅い」
無慈悲に告げられた言葉に、私はパニックになり「佐野くんのバーカ!嫌い!」と幼稚な発言をしたのだが、どうも万次郎くんには効いたようで、「名字呼び……バカ……嫌い……」と言いながら距離を置いて、床に正座をし手をついて「ゴメンナサイ」と謝ってきた。
「夜まで帰ってこないで」
「でも、オマエ体辛いだろ?」
「いいから、行けー!」
私の怒りに押され、万次郎くんはこちらを伺いながら部屋をあとにした。
着替えよ……。
「うーん、事情はわかったけど、マジで迂闊に俺の名前出すんじゃねえよ」
「すみません……」
入れ違いで来た蘭ちゃんさんは笑顔で怒りながら、机の上にビニール袋を置いた。
「見せつけセックス、結構楽しみだったんだけどなー」
「やめてください!」
冗談でも、そういうこと言わないでください!場合によっては死んでたんですよ!と言う私に、蘭ちゃんさんは「最後にいいもん見られるから、まあいいかなって」と言う。よくない!
「あんま、マイキー刺激すんなよ。マイキー、オマエのこと大好きで嫉妬深いんだからさ」
「振れ幅が大きいんですよね。大切にされる分、嫉妬のスイッチが入ると怖いっていうか」
「マイキーも怖い人ってこと。それより、餃子作ろうぜー」
あ、これ餃子の材料だったんだ。
「いいんですか?万次郎くんにバレたら……」
「そんときは、御堂ちゃんがなんとかしてくれるだろ?」
まあ、なんとかするけれども。
とりあえず、蘭ちゃんさんと餃子を包み、一緒にお昼に餃子を食べてちょっと駄弁ってから帰ってもらった。
お皿はきっちり片して、証拠隠滅もした。よし。
さて、万次郎くんとはどうやって仲直りしたものか。勢いで言ってしまったが、別に嫌いなわけではないんだよな。しかし、反省してほしいので夜に帰ってくるまで連絡はとらないつもりだが……帰ってくるよね?
そんな私の不安を払拭するように、扉が開く音がした。つい、迎えようとしてしまったが、反省しているかどうか確認しなければ。
「悠……」
リビングの入口を見ると、しわしわな顔をした万次郎くんが、コンビニの袋をさげて入ってきた。
「その、今朝は本当に悪かった……。これ買ってきたから、許してくれ……」
中身を確認すれば、各種フレーバーの高級アイスだった。
機嫌の取り方が安直だなぁ、と呆れはするが、泣きそうな顔の万次郎くんを見てしまうと、肩の力がぬけてしまう。
「餃子あるから、食べよ」
「許してくれるのか?」
「うん。私も言い過ぎた、ごめんね」
そう言うと、万次郎くんは私を抱きしめて「悠、愛してる」と言った。
うん、仲直り。
「ところで、その餃子の材料はどこで手に入れたんだ……?」
「……」
第二ラウンド開始のゴングが鳴り響いた。