ゆるふわリクエスト企画
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「この仕事、誰に頼もう」
そんな一人言にたいして、「私とかどうでしょうか!」と元気に挙手をする部下兼弟子兼後輩の癒音を無視し、近くにいた上忍に仕事を言い渡す。
「先輩!先輩!せんぱーい!」
「なに、うるさい」
「いつになったら、私に真田忍隊の仕事くれるんですかー!」
ぴーぴーうるさいひよっ子に「あげてるでしょ、薬草集め」と言えば、「やだー!地味ー!」と言いながらジタバタし始めた。
「癒音、お前……。忍の字がどう意味か知ってる?」
「耐える!堪える!隠れる!」
「はい、よくできました。なら、文句言わない」
「やだやだやだー!」
子供のように駄々をこねる癒音に、頭が痛くなっていく。
里にいた頃から変わらず子供で、そこで成長止まっているのではないかと思ってしまう。
昔から、人の「いまは無理だ、段階を追って覚えろ」を無視して爆薬を使うような無鉄砲さがあった。
なんの根拠もなく「いける!」と判断したらいけなくてもいく暴走じゃじゃ馬が、ついに俺様に弟子入りという形で里から追い出されてきた時は、ふざけるなクソ長老と念を送ったのは最近の記憶だ。
とりあえず、最後まで忍耐強く人の指示を聞くことを覚えさせるために薬草集めをさせているが、毎日のように駄々をこねる。
一応は薬草集めてくるようにはなったし、別の仕事を与えてもいいかと思い、「じゃあ城下町にでも行って、情報ないか探ってきて」と言えば「合点!」と言って姿を消した。
実力はあるのに、本当に勿体ないんだよなぁ。
あれで忍耐を覚えて指示を聞けば、バンバン仕事任せようと思えるのに。
暫く自分の仕事をしてから、癒音の進捗を確認するために変装をして城下へ降り、道行く人に訪ねて回れば、あっという間に何だか見覚えのある赤毛目隠れの大男と呑気に団子を食べている癒音を発見した。
「……なにしてんの、おたくら」
「休憩ですよね、小太郎さん?」
癒音の問いかけに、風魔も軽く頷いて肯定の意思を示す。
いやいやいや、休憩じゃないよ、お馬鹿さん。
「風魔は北条の忍だからね?いまは同盟関係だけど、なにかあったらどうするつもりなの?」
「でも、私じゃ小太郎さん倒せないし、先輩呼びに行こうにも小太郎さんが手離してくれないし」
そう言われ、癒音の手を見れば風魔にがっちり捕まれていた。
だからって、のんびり茶なんてしてくれるなよな。
「なんのつもりか知らないけど、そのじゃじゃ馬返してくれない」
『どうせ、忍としてろくに使う気もないんだ。俺にわたしてもいいだろ』
読唇術で言葉を読めば、そんなことを言われれ喧嘩を売られていると思って差し支えないだろう。
「俺様には俺様のやり方や順調ってものがあるだけですけど?」
『お前のやり方はまどろっこしいな。忍なんだ、現場で育ててこそだろう』
「死んだらどうするつもりだ……」
『忍は任務で死ぬものだ』
風魔の物言いに思わず「それを決めるのは俺だ!」と怒鳴れば、店主が「喧嘩なら余所でやってくれよ!」とどやした瞬間、風魔は支払いを置き癒音を抱え姿を消した。
だが、それで見失うほど俺様は三流じゃない。
森へと逃げ込み、癒音を俵担ぎに持ち変え俺様を待ち受けていた風魔に「どういうつもりだ」と問い詰めれば『使う気がないなら、うちに寄越せという話だ』と言う。
『いてもたいした仕事をさせないなら、俺のところで使う。癒音のことは気に入っているしな』
「それで、はいどうぞ、なんてなるわけないだろ。癒音にはこれから先覚えてもらうことがあるんだ。大切な部下兼弟子兼後輩をそう簡単に手放す気はないんでね。返せよ……」
殺気を放ちながら武器を構えようとしたら、ぽいっ、と軽く癒音を投げ渡すものだから、慌てて抱き止めた。
『そういうのは本人に言ってやれ』
そう言い、風と一緒に風魔は姿を消した。
なんだったんだ、本当に……。そうげんなりしていると、癒音がキラキラした目で「せんぱぁい!」と言って見つめてくる。
なんだよ……。
「私、先輩には見捨てられていると思ってました。それが、大切な部下兼弟子兼後輩だなんて……!感激です!」
「あー……あれは勢いっていうか……」
「思ってないんですか?」
不安そうな顔をする癒音に、観念して「思ってるよ」と言えば、「嬉しいです」照れ笑いをする。
「私、先輩には忍としては使えないって思われてると思ってたから……本当に嬉しいです」
「お前の実力は充分だけど、人の話聞かないで突っ込んでいくのは致命的なんだよ。そういうのは真田の旦那で手一杯なんだから、お前にまでそれやられたら困るの」
どちらかが危険な状況になったとしても、俺様は真田の旦那を守る選択肢しかない。
下手したら無駄死にさせてしまいかねない、だから、人の指示をしっかり聞けないうちは仕事は任せられないのだ。
「俺様はもう、昔みたいにお前を優先して助けられないんだから、自分の身は自分で守れる思考力を身に付けてよね」
癒音を地面におろし、頭を撫でれば「そうですよね」といやに静かな声。
「私、まだどこかで、失敗しても先輩がなんとかしてくれるって思ってたかも」
「もう、なんとかできないよ。忍が死ぬ時は一人だ。なにかあって助けられるのは、自分だけだよ」
夢から醒めたのか、現実と向き合えたのか、顔をあげた癒音の表情はいままでのふやけた表情から、引き締まった一人の忍の顔となっていた。
「いままで甘えた態度をとってしまい、申し訳ありません、長。これからは、あなたの期待に応えていきます」
「そこまで一気に変わらなくてもいいんだけどね。でも、うん。その感じならひよっ子からは卒業かな」
その状態がいつまで続くかわからないけど、期待しているよ。
そんな一人言にたいして、「私とかどうでしょうか!」と元気に挙手をする部下兼弟子兼後輩の癒音を無視し、近くにいた上忍に仕事を言い渡す。
「先輩!先輩!せんぱーい!」
「なに、うるさい」
「いつになったら、私に真田忍隊の仕事くれるんですかー!」
ぴーぴーうるさいひよっ子に「あげてるでしょ、薬草集め」と言えば、「やだー!地味ー!」と言いながらジタバタし始めた。
「癒音、お前……。忍の字がどう意味か知ってる?」
「耐える!堪える!隠れる!」
「はい、よくできました。なら、文句言わない」
「やだやだやだー!」
子供のように駄々をこねる癒音に、頭が痛くなっていく。
里にいた頃から変わらず子供で、そこで成長止まっているのではないかと思ってしまう。
昔から、人の「いまは無理だ、段階を追って覚えろ」を無視して爆薬を使うような無鉄砲さがあった。
なんの根拠もなく「いける!」と判断したらいけなくてもいく暴走じゃじゃ馬が、ついに俺様に弟子入りという形で里から追い出されてきた時は、ふざけるなクソ長老と念を送ったのは最近の記憶だ。
とりあえず、最後まで忍耐強く人の指示を聞くことを覚えさせるために薬草集めをさせているが、毎日のように駄々をこねる。
一応は薬草集めてくるようにはなったし、別の仕事を与えてもいいかと思い、「じゃあ城下町にでも行って、情報ないか探ってきて」と言えば「合点!」と言って姿を消した。
実力はあるのに、本当に勿体ないんだよなぁ。
あれで忍耐を覚えて指示を聞けば、バンバン仕事任せようと思えるのに。
暫く自分の仕事をしてから、癒音の進捗を確認するために変装をして城下へ降り、道行く人に訪ねて回れば、あっという間に何だか見覚えのある赤毛目隠れの大男と呑気に団子を食べている癒音を発見した。
「……なにしてんの、おたくら」
「休憩ですよね、小太郎さん?」
癒音の問いかけに、風魔も軽く頷いて肯定の意思を示す。
いやいやいや、休憩じゃないよ、お馬鹿さん。
「風魔は北条の忍だからね?いまは同盟関係だけど、なにかあったらどうするつもりなの?」
「でも、私じゃ小太郎さん倒せないし、先輩呼びに行こうにも小太郎さんが手離してくれないし」
そう言われ、癒音の手を見れば風魔にがっちり捕まれていた。
だからって、のんびり茶なんてしてくれるなよな。
「なんのつもりか知らないけど、そのじゃじゃ馬返してくれない」
『どうせ、忍としてろくに使う気もないんだ。俺にわたしてもいいだろ』
読唇術で言葉を読めば、そんなことを言われれ喧嘩を売られていると思って差し支えないだろう。
「俺様には俺様のやり方や順調ってものがあるだけですけど?」
『お前のやり方はまどろっこしいな。忍なんだ、現場で育ててこそだろう』
「死んだらどうするつもりだ……」
『忍は任務で死ぬものだ』
風魔の物言いに思わず「それを決めるのは俺だ!」と怒鳴れば、店主が「喧嘩なら余所でやってくれよ!」とどやした瞬間、風魔は支払いを置き癒音を抱え姿を消した。
だが、それで見失うほど俺様は三流じゃない。
森へと逃げ込み、癒音を俵担ぎに持ち変え俺様を待ち受けていた風魔に「どういうつもりだ」と問い詰めれば『使う気がないなら、うちに寄越せという話だ』と言う。
『いてもたいした仕事をさせないなら、俺のところで使う。癒音のことは気に入っているしな』
「それで、はいどうぞ、なんてなるわけないだろ。癒音にはこれから先覚えてもらうことがあるんだ。大切な部下兼弟子兼後輩をそう簡単に手放す気はないんでね。返せよ……」
殺気を放ちながら武器を構えようとしたら、ぽいっ、と軽く癒音を投げ渡すものだから、慌てて抱き止めた。
『そういうのは本人に言ってやれ』
そう言い、風と一緒に風魔は姿を消した。
なんだったんだ、本当に……。そうげんなりしていると、癒音がキラキラした目で「せんぱぁい!」と言って見つめてくる。
なんだよ……。
「私、先輩には見捨てられていると思ってました。それが、大切な部下兼弟子兼後輩だなんて……!感激です!」
「あー……あれは勢いっていうか……」
「思ってないんですか?」
不安そうな顔をする癒音に、観念して「思ってるよ」と言えば、「嬉しいです」照れ笑いをする。
「私、先輩には忍としては使えないって思われてると思ってたから……本当に嬉しいです」
「お前の実力は充分だけど、人の話聞かないで突っ込んでいくのは致命的なんだよ。そういうのは真田の旦那で手一杯なんだから、お前にまでそれやられたら困るの」
どちらかが危険な状況になったとしても、俺様は真田の旦那を守る選択肢しかない。
下手したら無駄死にさせてしまいかねない、だから、人の指示をしっかり聞けないうちは仕事は任せられないのだ。
「俺様はもう、昔みたいにお前を優先して助けられないんだから、自分の身は自分で守れる思考力を身に付けてよね」
癒音を地面におろし、頭を撫でれば「そうですよね」といやに静かな声。
「私、まだどこかで、失敗しても先輩がなんとかしてくれるって思ってたかも」
「もう、なんとかできないよ。忍が死ぬ時は一人だ。なにかあって助けられるのは、自分だけだよ」
夢から醒めたのか、現実と向き合えたのか、顔をあげた癒音の表情はいままでのふやけた表情から、引き締まった一人の忍の顔となっていた。
「いままで甘えた態度をとってしまい、申し訳ありません、長。これからは、あなたの期待に応えていきます」
「そこまで一気に変わらなくてもいいんだけどね。でも、うん。その感じならひよっ子からは卒業かな」
その状態がいつまで続くかわからないけど、期待しているよ。