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「猿飛くん!今日こそ、放課後の予定空けてもらえるよね!」
不安そうな表情で、問いかけではなく断定的に言ってくる女子に「ごっめんねー!今日も真田先生とご予定はいってまーす!」と軽く返せば「また?!」と、ショックを隠さずに叫ぶ。
「じゃあ、明日は!」
「明日の事は、明日にならないとわからないかな。だから、絶対にとは言えないから。んじゃねー」
ヒラヒラと手を振りながらその場から逃げ、真田の旦那が待っているであろう面談室に行くと、不機嫌丸出しでパソコンに向かい授業の資料を作っていた旦那がかけていた眼鏡をとり、やはり不機嫌そうに「そろそろ、俺を利用して苗字から逃げるのを止めろ、猿飛」と言う。
「やだなー。二人きりなんだから、昔みたいに佐助って呼んでくれよ、真田の旦那」
明るい調子で言うも、真田の旦那は目頭を揉み目の疲れを緩和しながら「今の俺とお前は、国語教師と生徒だ」と唸りながら言った。
いやぁ、旦那も現代社会の疲れた大人になったねぇ。
旦那の言う通り、俺様と旦那は教師と生徒というだけで、それ以外は縁もゆかりもない関係だ。
今世は、だが。
前世では戦国武将とその超優秀な部下という関係であった。
そして、先ほど俺様が逃げた苗字名前も、真田の旦那の優秀な部下であった。
けれど、彼女は女だてらに武勲をあげる武士であり、俺様は薄汚れた忍だった。
彼女は清廉で強く、美しかった。
忍が恋だなんてお笑い草だが、それでも俺様は名前を欲したのだ。
どす黒い感情で、彼女の全てが欲しかった。
まぁ、そこは自制をきかせるのが忍なんでね。
彼女が戦場で散って「最後くらい、気持ちを伝えてもよかっただろうか……」なんて未練をもって、なにも言わずに看取ったのがよくなかったのだろう。
生まれ変わって俺様と旦那は記憶を持って出会い、名前は全て忘れて俺様達の前に現れた。
今はもう、戦国の世ではない。
悪い事だってしていない。
なら、伝えてもいいのでは……?
そう思い、名前に声をかけ様とする俺様の頭の中に直接、忍の俺様が問いかける。
『生まれ変わったって、お前のその薄汚れた魂は変わらない。そんなお前が、名前と関わっていいと思ってるのか?』
息が詰まる。
それは俺様自身がいいと思っていないから、許していないからに他ならない。
そうだ、どんなに生まれ変わった所で俺様は汚れているのだ。
「だから、俺様は名前とは関わる気は更々ないんだよ、旦那」
俺様の話に、旦那は長い長い溜め息を吐いてから「面倒くさい」と吐き出した。
「お前は本当にそうやって何かと理由をつけて逃げる所がある。何が薄汚れているだ。お前一人がそうだと思っているのか?だとしたら、あまりにも愚かだな。人間は誰しも汚れているんだ。どんなに綺麗事を並べた聖人君子とて。わかったら、ぐだぐだ言い訳をしていないでさっさと苗字の所に行ってこい」
「いや、でも……」
言い淀む俺様に盛大な舌打ちをしてから立ち上がり、俺様の腕を掴んで部屋の外へと放り出した。
「今日より、目的を達するまでこの部屋に逃げ込む事を禁ず!佐助!男ならば、逃げずにその気持ちをしかと伝えて参れ!」
昔を思い出させる力強い言葉を投げかけ、バンッ!と部屋の扉を閉められた。
砦を失った俺様は致し方なくフラフラと昇降口まで行くと「猿飛くん!」と、今一番聞きたくない声が引き止めた。
「今日はもう用事終わったの?」
嬉しそうに駆け寄ってくる名前に「あー……うん……まぁ……」と曖昧に返せば「なら、今大丈夫だよね!」と言われる。
逃げたい、今すぐにでも。
口から「今はちょっと」と出そうになるが先程の旦那の言葉を思い出し、逃げる言葉を飲み込んでから「俺様も話したい事があるんだけど、先にいい?」と先手を打つ。
「ど、どうぞどうぞ」
お言葉に甘え、深呼吸をしてから「ずっと……好きだったんだ……生まれてくるずっと、ずっと前から……」と伝えれば、呆けた表情をされる。
それもそうだよね。
生まれてくるずっと前から、だなんて突拍子もない事を言われたら驚くはずだ。と思っていたら、名前はまったく別の所で驚いていたらしい。
「き、記憶があるのか?!」
「へ?」
突然、変わった口調にこちらが驚いていると「だから!お前も、前世の記憶があるのかと聞いているんだ、佐助!」と懐かしい語調で問い詰められる。
「お前も、て事はもしかして名前も……?!」
「あぁ!そうだ!幸村様と佐助を見つけた時は、とても驚いた!だが、突然声をかけるのは不自然かと思って現代人のふりをして近づく努力をしたのに!無駄骨じゃないか!」
憤慨した様子ではあったが、すぐに笑顔を見せ「だが、今はそんな事はどうでもいい!」と言う。
「私も同じ事を言おうと思っていたんだ!佐助、私もずっと好きだった。生まれる前からずっと!」
「……ほんとうに?」
「あぁ!お前は昔から逃げるのが上手かったからなぁ……。今世でも伝えられないんじゃないかと冷や冷やした……。けど、伝えられてよかった……」
安堵の表情を浮かべる名前の手をとり「愛しても……許されるかな……」と聞けば、名前は「両思いなんだ、愛してくれ」と俺の手を握り返す。
「うん……そうだね……。俺様、嫉妬深いから覚悟してよね……?」
俺の忠告に名前はからから笑いながら「百も承知だ!嫉妬してくれ!」と返した。
はは、後悔しても知らないんだから……。
不安そうな表情で、問いかけではなく断定的に言ってくる女子に「ごっめんねー!今日も真田先生とご予定はいってまーす!」と軽く返せば「また?!」と、ショックを隠さずに叫ぶ。
「じゃあ、明日は!」
「明日の事は、明日にならないとわからないかな。だから、絶対にとは言えないから。んじゃねー」
ヒラヒラと手を振りながらその場から逃げ、真田の旦那が待っているであろう面談室に行くと、不機嫌丸出しでパソコンに向かい授業の資料を作っていた旦那がかけていた眼鏡をとり、やはり不機嫌そうに「そろそろ、俺を利用して苗字から逃げるのを止めろ、猿飛」と言う。
「やだなー。二人きりなんだから、昔みたいに佐助って呼んでくれよ、真田の旦那」
明るい調子で言うも、真田の旦那は目頭を揉み目の疲れを緩和しながら「今の俺とお前は、国語教師と生徒だ」と唸りながら言った。
いやぁ、旦那も現代社会の疲れた大人になったねぇ。
旦那の言う通り、俺様と旦那は教師と生徒というだけで、それ以外は縁もゆかりもない関係だ。
今世は、だが。
前世では戦国武将とその超優秀な部下という関係であった。
そして、先ほど俺様が逃げた苗字名前も、真田の旦那の優秀な部下であった。
けれど、彼女は女だてらに武勲をあげる武士であり、俺様は薄汚れた忍だった。
彼女は清廉で強く、美しかった。
忍が恋だなんてお笑い草だが、それでも俺様は名前を欲したのだ。
どす黒い感情で、彼女の全てが欲しかった。
まぁ、そこは自制をきかせるのが忍なんでね。
彼女が戦場で散って「最後くらい、気持ちを伝えてもよかっただろうか……」なんて未練をもって、なにも言わずに看取ったのがよくなかったのだろう。
生まれ変わって俺様と旦那は記憶を持って出会い、名前は全て忘れて俺様達の前に現れた。
今はもう、戦国の世ではない。
悪い事だってしていない。
なら、伝えてもいいのでは……?
そう思い、名前に声をかけ様とする俺様の頭の中に直接、忍の俺様が問いかける。
『生まれ変わったって、お前のその薄汚れた魂は変わらない。そんなお前が、名前と関わっていいと思ってるのか?』
息が詰まる。
それは俺様自身がいいと思っていないから、許していないからに他ならない。
そうだ、どんなに生まれ変わった所で俺様は汚れているのだ。
「だから、俺様は名前とは関わる気は更々ないんだよ、旦那」
俺様の話に、旦那は長い長い溜め息を吐いてから「面倒くさい」と吐き出した。
「お前は本当にそうやって何かと理由をつけて逃げる所がある。何が薄汚れているだ。お前一人がそうだと思っているのか?だとしたら、あまりにも愚かだな。人間は誰しも汚れているんだ。どんなに綺麗事を並べた聖人君子とて。わかったら、ぐだぐだ言い訳をしていないでさっさと苗字の所に行ってこい」
「いや、でも……」
言い淀む俺様に盛大な舌打ちをしてから立ち上がり、俺様の腕を掴んで部屋の外へと放り出した。
「今日より、目的を達するまでこの部屋に逃げ込む事を禁ず!佐助!男ならば、逃げずにその気持ちをしかと伝えて参れ!」
昔を思い出させる力強い言葉を投げかけ、バンッ!と部屋の扉を閉められた。
砦を失った俺様は致し方なくフラフラと昇降口まで行くと「猿飛くん!」と、今一番聞きたくない声が引き止めた。
「今日はもう用事終わったの?」
嬉しそうに駆け寄ってくる名前に「あー……うん……まぁ……」と曖昧に返せば「なら、今大丈夫だよね!」と言われる。
逃げたい、今すぐにでも。
口から「今はちょっと」と出そうになるが先程の旦那の言葉を思い出し、逃げる言葉を飲み込んでから「俺様も話したい事があるんだけど、先にいい?」と先手を打つ。
「ど、どうぞどうぞ」
お言葉に甘え、深呼吸をしてから「ずっと……好きだったんだ……生まれてくるずっと、ずっと前から……」と伝えれば、呆けた表情をされる。
それもそうだよね。
生まれてくるずっと前から、だなんて突拍子もない事を言われたら驚くはずだ。と思っていたら、名前はまったく別の所で驚いていたらしい。
「き、記憶があるのか?!」
「へ?」
突然、変わった口調にこちらが驚いていると「だから!お前も、前世の記憶があるのかと聞いているんだ、佐助!」と懐かしい語調で問い詰められる。
「お前も、て事はもしかして名前も……?!」
「あぁ!そうだ!幸村様と佐助を見つけた時は、とても驚いた!だが、突然声をかけるのは不自然かと思って現代人のふりをして近づく努力をしたのに!無駄骨じゃないか!」
憤慨した様子ではあったが、すぐに笑顔を見せ「だが、今はそんな事はどうでもいい!」と言う。
「私も同じ事を言おうと思っていたんだ!佐助、私もずっと好きだった。生まれる前からずっと!」
「……ほんとうに?」
「あぁ!お前は昔から逃げるのが上手かったからなぁ……。今世でも伝えられないんじゃないかと冷や冷やした……。けど、伝えられてよかった……」
安堵の表情を浮かべる名前の手をとり「愛しても……許されるかな……」と聞けば、名前は「両思いなんだ、愛してくれ」と俺の手を握り返す。
「うん……そうだね……。俺様、嫉妬深いから覚悟してよね……?」
俺の忠告に名前はからから笑いながら「百も承知だ!嫉妬してくれ!」と返した。
はは、後悔しても知らないんだから……。