婆娑羅横丁
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その日はそのまま帰してもらい、横丁から一歩出ると辺りは横丁に入った時同様夕暮れ時だった。
結構な時間、喋ったつもりだったのだが……。
時間軸が違うという事だろうか。
いや、もうこの事で悩むのは止めよう。
どうせ、二度と踏み込まない場所なのだから。
そう思い直し、現在の居住地である叔母の家へと向かう。
家の扉を開け、形だけの「ただいま」を言うも、今まで「お帰りなさい」が返ってきた試しがない。
私は、この家では厄介者でしかない。
酷く窮屈ではあるが、私にはここ以外行く場所がない。
早く独り暮らしを始めたいと思いながら、翌日も問題なく学校は終了した。
また、あの変な横丁に捕まらない様に別ルートを歩いて行こうと思っていたら、窓際の女子達が騒いでいた。
何だろうと気になり、近くの子に「どうしたの?」と聞くと「超イケメンが校門の所にいるの!」と興奮気味に教えてくれた。
ちょっと乗り出して見てみた事を後悔した。
超イケメン、佐助さんが校門の所でケータイを弄りながら立っているのだから。
いやあ、もう、先に気が付いてよかった。
裏門から出ると「お疲れー」と間延びした不吉な声がした。
振り返ると、校門の塀に寄りかかったブレザー姿の佐助さんがいた。
「何でここに!正門にいたじゃないですか!」
「あれは、魔法で作った分身。一花の事だから、素直に横丁に来るつもりないと思ってたからね。張っててよかったよ」
ケータイをしまい近づいてくる佐助さんに「私、行かないですよ」と言うと、佐助さんは「なんで?」と返してきた。
「なんでって……、あんな訳の分からない場所に行くなんて……」
「横丁にいるより、あの窮屈で寒々しい場所に帰って、一人でいる事の方が一花にとっては大事なの?」
「なんで……!」
「なんで知ってるか?見てたから。一花が早く十六にならないかって思いながらずっと見てた」
「佐助さん……。ストーカーは犯罪だって知ってますか?」
「もー!そうじゃないでしょ!そこは足長おじさんに出会った小公女セーラみたいに感動するところでしょ!」
「ストーカーにするわけないだろ」
「ホント、一花可愛くなくなった!昔は『お師匠!お師匠!』て言って追いかけて来たのに!」
「思い出に縋るな」
泣き真似をする佐助さんを置いて歩き出すと、またも目の前に横丁の入口が現れた。
しかも、逃がさないと言わんばかりに道幅ぴったしに。
前門の横丁後門の佐助さん。
どうしたものかと立ち竦んでいると、背中を思いっきり押され止む無く横丁に足を踏み入れてしまった。
「さあ、行った行った」
背中を佐助さんに押され、致し方なく私は私の店へと向かうはめになった。
結構な時間、喋ったつもりだったのだが……。
時間軸が違うという事だろうか。
いや、もうこの事で悩むのは止めよう。
どうせ、二度と踏み込まない場所なのだから。
そう思い直し、現在の居住地である叔母の家へと向かう。
家の扉を開け、形だけの「ただいま」を言うも、今まで「お帰りなさい」が返ってきた試しがない。
私は、この家では厄介者でしかない。
酷く窮屈ではあるが、私にはここ以外行く場所がない。
早く独り暮らしを始めたいと思いながら、翌日も問題なく学校は終了した。
また、あの変な横丁に捕まらない様に別ルートを歩いて行こうと思っていたら、窓際の女子達が騒いでいた。
何だろうと気になり、近くの子に「どうしたの?」と聞くと「超イケメンが校門の所にいるの!」と興奮気味に教えてくれた。
ちょっと乗り出して見てみた事を後悔した。
超イケメン、佐助さんが校門の所でケータイを弄りながら立っているのだから。
いやあ、もう、先に気が付いてよかった。
裏門から出ると「お疲れー」と間延びした不吉な声がした。
振り返ると、校門の塀に寄りかかったブレザー姿の佐助さんがいた。
「何でここに!正門にいたじゃないですか!」
「あれは、魔法で作った分身。一花の事だから、素直に横丁に来るつもりないと思ってたからね。張っててよかったよ」
ケータイをしまい近づいてくる佐助さんに「私、行かないですよ」と言うと、佐助さんは「なんで?」と返してきた。
「なんでって……、あんな訳の分からない場所に行くなんて……」
「横丁にいるより、あの窮屈で寒々しい場所に帰って、一人でいる事の方が一花にとっては大事なの?」
「なんで……!」
「なんで知ってるか?見てたから。一花が早く十六にならないかって思いながらずっと見てた」
「佐助さん……。ストーカーは犯罪だって知ってますか?」
「もー!そうじゃないでしょ!そこは足長おじさんに出会った小公女セーラみたいに感動するところでしょ!」
「ストーカーにするわけないだろ」
「ホント、一花可愛くなくなった!昔は『お師匠!お師匠!』て言って追いかけて来たのに!」
「思い出に縋るな」
泣き真似をする佐助さんを置いて歩き出すと、またも目の前に横丁の入口が現れた。
しかも、逃がさないと言わんばかりに道幅ぴったしに。
前門の横丁後門の佐助さん。
どうしたものかと立ち竦んでいると、背中を思いっきり押され止む無く横丁に足を踏み入れてしまった。
「さあ、行った行った」
背中を佐助さんに押され、致し方なく私は私の店へと向かうはめになった。