婆娑羅横丁
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佐助さんに文句をいい続けるも、どこ吹く風でガン無視である。
この野郎……!一発、ぶん殴ってやろうかと思うと同時に、店のドアが開いて赤いハチマキをした歳の近そうな男の子が顔を覗かせた。
男の子は嬉しそうに顔を綻ばせ「お帰り、一花!」と言って近づいてきた。
「いらっしゃい、旦那」
「何だ、佐助。到頭、薬屋を廃業して一花を手伝うのか?」
「俺様の店は続けるよ。まあ、一花が慣れるまでは手伝うけどね」
「そうか。一花は料理はできるのか?」
「簡単なお菓子くらいなら……」
旦那と呼ばれた男の子は目を輝かせて喜んだ。
佐助さんが言うには、彼もこの横丁の住人らしい。
という事は、彼も人ではないのか?
佐助さんに視線をやると、にやつきながら「何だと思う?」と聞いてきた。
意地の悪い野郎だと思いながら舌打ちをしてやる。
「何とは、なんだ?」
「薄情な一花は、俺様達との記憶がすっぽ抜けちゃってるの」
「なんと!では、まず自己紹介からだな!俺は真田幸村と申す!」
「椎名一花です。あの……真田さんも人間じゃないんですか?」
「無論!」
「旦那、答え言っちゃダメだからね。さ、一花。当ててみな?」
楽しそうに口角をあげる佐助さんに、もう一度舌打ちをして真田さんをみやる。
見た感じ、何とも犬を彷彿とさせられる。
私が「犬の妖怪ですか?」と言うと真田さんはしゅんとし、佐助さんは大笑いしながら「ハズレー!」と言った。
「正解は、虎でした!」
「へー……え?」
本当に普通の事のように言われたが、虎ってあの人を襲うあの虎だよね?!
大慌てで真田さんと距離をとると、寂しそうな顔をされてしまい罪悪感に見舞われる。
それを見て、佐助さんはよりいっそう楽しそうに声をあげて笑った。
「大丈夫、大丈夫。旦那は人を食べないから。あー、可笑しい。初めて会った時と同じ反応。あははっ!」
目尻に溜まった涙をぬぐう佐助さんを睨み付けながら、しょんぼりした真田さんに「ごめんなさい」と謝りながら近づくと「気にするな」と笑い、頭を撫でてくれた。
「俺の事は、幸村と呼んでくれ」
「え、でも目上の人を呼び捨てはちょっと……」
戸惑う私に、佐助さんが「じゃあ、幸兄って呼べば?」と提案してくれた。
それに真田さんも「懐かしいな」と目元を緩ませ微笑む。
「昔は、そう呼んでくれていたな」
「そうなんですか?じゃあ……幸兄……」
試しに呼ぶと、なつっこい笑顔を返された。
「じゃあ、俺様の事はお師匠って呼んでー?」
「煩いですよ、佐助さん」
「一花、可愛げなくなったね」
「自身の行いを振り返って発言してください」
ぶーぶー文句を言う佐助さんを、今度は私がガン無視する番である。
この野郎……!一発、ぶん殴ってやろうかと思うと同時に、店のドアが開いて赤いハチマキをした歳の近そうな男の子が顔を覗かせた。
男の子は嬉しそうに顔を綻ばせ「お帰り、一花!」と言って近づいてきた。
「いらっしゃい、旦那」
「何だ、佐助。到頭、薬屋を廃業して一花を手伝うのか?」
「俺様の店は続けるよ。まあ、一花が慣れるまでは手伝うけどね」
「そうか。一花は料理はできるのか?」
「簡単なお菓子くらいなら……」
旦那と呼ばれた男の子は目を輝かせて喜んだ。
佐助さんが言うには、彼もこの横丁の住人らしい。
という事は、彼も人ではないのか?
佐助さんに視線をやると、にやつきながら「何だと思う?」と聞いてきた。
意地の悪い野郎だと思いながら舌打ちをしてやる。
「何とは、なんだ?」
「薄情な一花は、俺様達との記憶がすっぽ抜けちゃってるの」
「なんと!では、まず自己紹介からだな!俺は真田幸村と申す!」
「椎名一花です。あの……真田さんも人間じゃないんですか?」
「無論!」
「旦那、答え言っちゃダメだからね。さ、一花。当ててみな?」
楽しそうに口角をあげる佐助さんに、もう一度舌打ちをして真田さんをみやる。
見た感じ、何とも犬を彷彿とさせられる。
私が「犬の妖怪ですか?」と言うと真田さんはしゅんとし、佐助さんは大笑いしながら「ハズレー!」と言った。
「正解は、虎でした!」
「へー……え?」
本当に普通の事のように言われたが、虎ってあの人を襲うあの虎だよね?!
大慌てで真田さんと距離をとると、寂しそうな顔をされてしまい罪悪感に見舞われる。
それを見て、佐助さんはよりいっそう楽しそうに声をあげて笑った。
「大丈夫、大丈夫。旦那は人を食べないから。あー、可笑しい。初めて会った時と同じ反応。あははっ!」
目尻に溜まった涙をぬぐう佐助さんを睨み付けながら、しょんぼりした真田さんに「ごめんなさい」と謝りながら近づくと「気にするな」と笑い、頭を撫でてくれた。
「俺の事は、幸村と呼んでくれ」
「え、でも目上の人を呼び捨てはちょっと……」
戸惑う私に、佐助さんが「じゃあ、幸兄って呼べば?」と提案してくれた。
それに真田さんも「懐かしいな」と目元を緩ませ微笑む。
「昔は、そう呼んでくれていたな」
「そうなんですか?じゃあ……幸兄……」
試しに呼ぶと、なつっこい笑顔を返された。
「じゃあ、俺様の事はお師匠って呼んでー?」
「煩いですよ、佐助さん」
「一花、可愛げなくなったね」
「自身の行いを振り返って発言してください」
ぶーぶー文句を言う佐助さんを、今度は私がガン無視する番である。