彼と私の子育て日記
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お風呂に入ってる間、理桜は一言も口を開かなかった。
反応はすべて首を動かすだけで、やはりすぐには心開いてもらえないかと、少々がっくりしながらタオルで水気を取りパジャマを着せてリビングに戻ると、理桜は「おじ様、髪乾かしてほしいです……」とおずおずとお願いをした。
私より懐かれている……。
「俺はいまから風呂だ。マラスキーノ……璃琉にやってもらえ」
「は?入らず帰りなさいよ」
帰れ、帰れ、と煽る私を睨み付け「朝飯はどうするつもりだ、朝起きれんのか、編入の手続きは、荷ほどきは」と怒濤の片付けなくてはいけない問題を叩きつけられ、それ以上帰れとは言えなかった。
タオルを持って風呂場へと消えていったジンに、ちくしょう……という視線を投げ掛けてから、明らかににがっかりしている理桜の髪を丁寧に乾かしていく。
「理桜はジンが好き?」
「えっと……はい……。見た目は怖いですけど……優しいです……」
ドライヤーの風の音で消されてしまいそうな声で理桜が話すジン像に、優しいとは?となってしまう。
意外とジンは子供好きなのか?とも思ったが、子供好きなジンがイメージできない。
まあ、なにはともあれ害がなければいいかなと思い、気持ちよかったからかはたまた慣れない環境で疲れていたからなのか、静かな寝息をたてて眠った理桜を私のベッドルームに連れていき戻ると、黒のパジャマに着替えたジンが丁度リビングに入ってきた。
その髪はまだ濡れていたので、「私のあとに乾かそうか?」と一応社交辞令で聞いたら、意外にも「あぁ」と了承を得てしまった。
私がソファで髪を乾かしている間、ジンは隣に座り黙ってパソコンに向き合っていた。
仕事関連だろう。
生乾きなく乾かしブラシで軽くとかしてから、ジンに「終わったよ」と言おうとしたが、その前にジンはこちらに背を向け長い髪をさっさと乾かせと垂らしていた。
恐る恐る髪に触れば、しっとりと濡れているが元が細く柔らかい髪質なので、重さをあまり感じなかった。
それでも長さが長さなので、時間がかかりそうだ。
毛先からゆっくり乾かしていけば、洗い立ての猫の毛のような感触になり、相手が疑わしきは罰する野郎なのを忘れてしまいそうだ。
図体的にはゴールデンレトリバーだが。
「ジン、前はどうする?」
後ろ髪が終わったので問いかければ、パソコンを閉じくるりとこちらを向いた。
マジかいな、とジンがそこまで許してくれる事実に動揺しながらも、わしゃわしゃと乾かしている間も目を閉じて静かにしていて、それが不気味だった。
ジンは基本的に口数の少ない静かな人間ではあるが、気配が刺々しくて黙っているのに存在がうるさいと言える。
だから、こんな穏やかで静かなジンは不気味以外に表現できない。
ブラシで形を整え、「終わりましたよ、お客さん」と一声かければパチリと開けられた鋭い眼光と目が合う。
こんな目で睨まれたら、NOCでもないのにゲロッちゃいそう。
「こんな形相でも、子供にすらモテるなんてすごいわよねぇ」
ポロリと本音をこぼせば、「どういう意味だ」と不機嫌そうな声色で聞かれた。
「理桜がジンおじ様は優しいって言うし、私よりも懐いてるのが悔しい。どんな手を使ったのよ」
「別に特別なことはしてねぇよ」
「またまたぁ。なんかあるんじゃないのぉ?」
「バカ言ってねぇでさっさと寝ろ」
私の追求を撥ね付けるジンに、「お酒まだ飲んでない……」と文句を言えば「それで毎度昼まで寝てんだろ」と怒られ、引きずられる形で理桜の寝ているベッドに寝かしつけられた。
逆らえないなぁ、と諦めて布団をかぶって寝ようとしたら理桜を挟んで向かいにジンが入ってきた。
「ジンって、ベッドで寝るんだ……」
車か倉庫で寝てるイメージしかなかったので驚いたら、長い脚を駆使して蹴り落とされた。
反応はすべて首を動かすだけで、やはりすぐには心開いてもらえないかと、少々がっくりしながらタオルで水気を取りパジャマを着せてリビングに戻ると、理桜は「おじ様、髪乾かしてほしいです……」とおずおずとお願いをした。
私より懐かれている……。
「俺はいまから風呂だ。マラスキーノ……璃琉にやってもらえ」
「は?入らず帰りなさいよ」
帰れ、帰れ、と煽る私を睨み付け「朝飯はどうするつもりだ、朝起きれんのか、編入の手続きは、荷ほどきは」と怒濤の片付けなくてはいけない問題を叩きつけられ、それ以上帰れとは言えなかった。
タオルを持って風呂場へと消えていったジンに、ちくしょう……という視線を投げ掛けてから、明らかににがっかりしている理桜の髪を丁寧に乾かしていく。
「理桜はジンが好き?」
「えっと……はい……。見た目は怖いですけど……優しいです……」
ドライヤーの風の音で消されてしまいそうな声で理桜が話すジン像に、優しいとは?となってしまう。
意外とジンは子供好きなのか?とも思ったが、子供好きなジンがイメージできない。
まあ、なにはともあれ害がなければいいかなと思い、気持ちよかったからかはたまた慣れない環境で疲れていたからなのか、静かな寝息をたてて眠った理桜を私のベッドルームに連れていき戻ると、黒のパジャマに着替えたジンが丁度リビングに入ってきた。
その髪はまだ濡れていたので、「私のあとに乾かそうか?」と一応社交辞令で聞いたら、意外にも「あぁ」と了承を得てしまった。
私がソファで髪を乾かしている間、ジンは隣に座り黙ってパソコンに向き合っていた。
仕事関連だろう。
生乾きなく乾かしブラシで軽くとかしてから、ジンに「終わったよ」と言おうとしたが、その前にジンはこちらに背を向け長い髪をさっさと乾かせと垂らしていた。
恐る恐る髪に触れば、しっとりと濡れているが元が細く柔らかい髪質なので、重さをあまり感じなかった。
それでも長さが長さなので、時間がかかりそうだ。
毛先からゆっくり乾かしていけば、洗い立ての猫の毛のような感触になり、相手が疑わしきは罰する野郎なのを忘れてしまいそうだ。
図体的にはゴールデンレトリバーだが。
「ジン、前はどうする?」
後ろ髪が終わったので問いかければ、パソコンを閉じくるりとこちらを向いた。
マジかいな、とジンがそこまで許してくれる事実に動揺しながらも、わしゃわしゃと乾かしている間も目を閉じて静かにしていて、それが不気味だった。
ジンは基本的に口数の少ない静かな人間ではあるが、気配が刺々しくて黙っているのに存在がうるさいと言える。
だから、こんな穏やかで静かなジンは不気味以外に表現できない。
ブラシで形を整え、「終わりましたよ、お客さん」と一声かければパチリと開けられた鋭い眼光と目が合う。
こんな目で睨まれたら、NOCでもないのにゲロッちゃいそう。
「こんな形相でも、子供にすらモテるなんてすごいわよねぇ」
ポロリと本音をこぼせば、「どういう意味だ」と不機嫌そうな声色で聞かれた。
「理桜がジンおじ様は優しいって言うし、私よりも懐いてるのが悔しい。どんな手を使ったのよ」
「別に特別なことはしてねぇよ」
「またまたぁ。なんかあるんじゃないのぉ?」
「バカ言ってねぇでさっさと寝ろ」
私の追求を撥ね付けるジンに、「お酒まだ飲んでない……」と文句を言えば「それで毎度昼まで寝てんだろ」と怒られ、引きずられる形で理桜の寝ているベッドに寝かしつけられた。
逆らえないなぁ、と諦めて布団をかぶって寝ようとしたら理桜を挟んで向かいにジンが入ってきた。
「ジンって、ベッドで寝るんだ……」
車か倉庫で寝てるイメージしかなかったので驚いたら、長い脚を駆使して蹴り落とされた。
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