彼と私の子育て日記
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ベルモットに呼び出されたかと思ったらあの方の伝言として、最近亡くなった資産家夫妻の一人娘を引き取れとのこと。
たしかに、あそこのファッションブランドを吸収できれば、私の富と名声はあがることだろう。
「だからってなんで私が……」
「さぁ?」
「ねぇ、ベルモット。これって、本当にあの方からの指示?あなたの単独行動じゃなくて?」
疑い深く聞く私に、ベルモットは読めない表情で「今回は違うわよ」と言うが、本当かなぁ。
まあ、どのみち指示では従う他ない。
「けど私、子育ての経験ないから一人で育てるのは勘弁だよ?」
「大丈夫。サポートに一人行かせるわ」
「へー。バーボン?スコッチ?」
子供受けがよく比較的穏和そうな人間を挙げたつもりだが、ベルモットは微笑みながら「ジンよ」と言うもんだから反射的に「なんで?」と言ってしまった。
いや、落ち着いて考えても言うよね?
「酒と煙草と女と殺しみたいな男が育児に関わっちゃダメでしょ?」
「そんな歌があったわね」
「なにそのクズ男ソング」
「仕方がないわよ。あの方が、ジンに監視目的で行けって言ってるんだもの。大丈夫よ。ジンは以外と家事全般できるから」
「さすがマティーニしちゃう仲のお二人はお互いをよく知っていらっしゃる」
でもさー、となおも渋る私にベルモットは顔を近づけ「それは、あの方への反逆かしら?」と、氷を思わせる冷たい瞳で問いかけられ「あの方の言うことはぜったーい」と王様ゲームよろしく返事をすれば「そうよね」と微笑みかけられた。
危ない、危ない。
NOCでもないのに消されるところだった。
「それじゃあ、手配しておくからよろしくねマラスキーノ」
「はーい、任されたー」
その後、トントン拍子で資産家令嬢と彼女が相続した物すべてが私の物となったが、世間はホテル女王槇野璃琉の遺産目的の養子縁組としてセンセーショナルに批判をした。
暇人よねぇ。
ここからイメージ回復をしていくには、養女である理桜と仲良くしていかないといけないのだが、なんでこんなに警戒されているのか。
「えっと……。Hi 理桜。私は璃琉。一応、今日からあなたの母親になるけど……」
「……」
不安そうな顔から、受け入れきれない両親の死や新しい母親とはなにか、という戸惑いを感じ取った。
無理もないか。
八つになったばかりの子供が、急な環境の変化を理解できるとは思えない。
「ううん、なんでもない。ちょっと事情があって、しばらく私があなたのお世話をするの。よろしくね」
手を差し出せばおずおずと握り返し、「よろしく……お願いします……」と言ってくれた。
こんな怯えきった少女にジンを会わせてはいけない、絶対に。
恐怖のどん底に突き落としてしまう。
そう決意していたのに、入口の方から鍵が開く音とガチャガチャという音がしたかと思ったら、真っ黒な服に銀髪が映える目付きの悪い男がキャリー片手に入室してきた。
「ジン?!どうやって入ってきた?!」
理桜を背中に隠すように立てば、「合鍵に決まってんだろ」とバリトンボイスでバカにされた。
いやいやいや、決まってんだろじゃないわアホ。
作った覚えも渡した覚えもあらんわ。
「待って、ジン。この子はまだ、状況を理解していなくて混乱してるの。それなのに、顔面凶器なあんたがいたら怯えちゃう。もう少し、落ち着くのを待って」
あと、そのキャリーなんだ。
必死に訴える私の制止など聞かず、ジンは一歩近寄り「待つってのはどれくらいだ」と圧をかけてくるが、負けるかと踏ん張り「さ、三ヶ月くらい」と提示したら「バカか!そんな長期間、テメェの偏食適当料理にガキを付き合わせる気か!」と超正論をぶちかまされた。
だってぇ!一人暮らししてると好きなもの食べ放題だし、味付け適当でも文句言われないじゃん!
「それに、掃除洗濯もサボって外部に頼んでやがるだろ!情報漏洩の心配もしたらどうだ!」
「ぐぅの音もでないわ、ママ!」
耳が痛くなるお小言をもらっていると、会社から緊急で来てほしいとの電話が入り、慌てて理桜を連れて向かおうとしたら「マラスキーノ、ガキも連れていく気か」となんか当たり前なことをぶっ殺すぞみたいな目と口調で言われた。
「当たり前でしょうが。ジンと一緒に置いてけっての?」
「ガキのことも考えろ!マスコミに囲まれて怯えさせてぇのか!」
「さっきから優しいんだけど、どうした!?」
口調は恫喝なのに、言ってることは優しいママでこっちが混乱するわ。
あのぶっ殺コロポンマンなジンになにがあったんだ、と目を白黒させる私からジンは理桜を奪い、私を部屋から叩き出すと鍵とドアロックをかけた。
理桜、ごめんなさい。
すぐ帰ってくるから……!怖いかもしれないけど、待ってて!
緊急の呼び出しというか、理桜との養子縁組の件についてマスコミに説明をしてから車を法廷速度ギリギリで走らせ、マンションのオートロックを解除し慌てながらドアを開けようとしたら、ガンッ!とドアロックに引っ掛かった。
ちくしょう、あの野郎かけっぱなしかよ!
開けろー!とチャイムを鳴らせば「うるせぇ」と、白いVネック長袖と黒のスラックスをはきこなしたジンが面倒くさそうにドアを開けてくれた。
「理桜になにもしてないでしょうね!」
「なにもしてねぇわけねぇだろ。たっぷり可愛がってやったぜ……」
ニヤリと、悪巧みをしているときの笑顔を浮かべるジンに嫌な予感がし、慌てて理桜の安否を確認するためリビングへ入れば、ビックリした表情の理桜がトランプを持ってこちらを凝視していた。
「大丈夫?なにかされなかった?」
心配する私に、理桜は「えっと……」と口ごもりながらも私が出掛けたあとのことを話してくれた。
「一緒にお掃除して……お洗濯して……ご飯作ってもらって……あ、私もお手伝いしました……。それから、スピードで遊んでもらいました……」
「めっちゃ可愛がられてる!」
予想外に健全な可愛がり方をされていて、度肝を抜かれた。
あのジンが、炊事洗濯?!まったく想像できないのだけれども?!
「いや、あの、食材はどうしたの?」
怒られると思うけど、水と酒とつまみしか入ってなかったと思うけど。
私の質問に、理桜はハニカミながら「おじ様とお買い物に行きました」と教えてくれた。
ジンが子供とお買い物?!
「職質よくされなかったわね?」
「着替えりゃ、数回で済む」
数回はされたのか。
その後、子供を迎え入れるのになんだこの雑然とした部屋は、洗濯物を溜め込むな、食材を用意しておけ、という説教をくらった。
ママ……。
「チッ……。今日はこれでしまいだ。ガキを風呂に入れろ」
「入れてないの?」
「バカか、テメェは!ガキでも女だぞ!気ぃくらい遣え!」
「倫理ぃ!」
たしかに、あそこのファッションブランドを吸収できれば、私の富と名声はあがることだろう。
「だからってなんで私が……」
「さぁ?」
「ねぇ、ベルモット。これって、本当にあの方からの指示?あなたの単独行動じゃなくて?」
疑い深く聞く私に、ベルモットは読めない表情で「今回は違うわよ」と言うが、本当かなぁ。
まあ、どのみち指示では従う他ない。
「けど私、子育ての経験ないから一人で育てるのは勘弁だよ?」
「大丈夫。サポートに一人行かせるわ」
「へー。バーボン?スコッチ?」
子供受けがよく比較的穏和そうな人間を挙げたつもりだが、ベルモットは微笑みながら「ジンよ」と言うもんだから反射的に「なんで?」と言ってしまった。
いや、落ち着いて考えても言うよね?
「酒と煙草と女と殺しみたいな男が育児に関わっちゃダメでしょ?」
「そんな歌があったわね」
「なにそのクズ男ソング」
「仕方がないわよ。あの方が、ジンに監視目的で行けって言ってるんだもの。大丈夫よ。ジンは以外と家事全般できるから」
「さすがマティーニしちゃう仲のお二人はお互いをよく知っていらっしゃる」
でもさー、となおも渋る私にベルモットは顔を近づけ「それは、あの方への反逆かしら?」と、氷を思わせる冷たい瞳で問いかけられ「あの方の言うことはぜったーい」と王様ゲームよろしく返事をすれば「そうよね」と微笑みかけられた。
危ない、危ない。
NOCでもないのに消されるところだった。
「それじゃあ、手配しておくからよろしくねマラスキーノ」
「はーい、任されたー」
その後、トントン拍子で資産家令嬢と彼女が相続した物すべてが私の物となったが、世間はホテル女王槇野璃琉の遺産目的の養子縁組としてセンセーショナルに批判をした。
暇人よねぇ。
ここからイメージ回復をしていくには、養女である理桜と仲良くしていかないといけないのだが、なんでこんなに警戒されているのか。
「えっと……。Hi 理桜。私は璃琉。一応、今日からあなたの母親になるけど……」
「……」
不安そうな顔から、受け入れきれない両親の死や新しい母親とはなにか、という戸惑いを感じ取った。
無理もないか。
八つになったばかりの子供が、急な環境の変化を理解できるとは思えない。
「ううん、なんでもない。ちょっと事情があって、しばらく私があなたのお世話をするの。よろしくね」
手を差し出せばおずおずと握り返し、「よろしく……お願いします……」と言ってくれた。
こんな怯えきった少女にジンを会わせてはいけない、絶対に。
恐怖のどん底に突き落としてしまう。
そう決意していたのに、入口の方から鍵が開く音とガチャガチャという音がしたかと思ったら、真っ黒な服に銀髪が映える目付きの悪い男がキャリー片手に入室してきた。
「ジン?!どうやって入ってきた?!」
理桜を背中に隠すように立てば、「合鍵に決まってんだろ」とバリトンボイスでバカにされた。
いやいやいや、決まってんだろじゃないわアホ。
作った覚えも渡した覚えもあらんわ。
「待って、ジン。この子はまだ、状況を理解していなくて混乱してるの。それなのに、顔面凶器なあんたがいたら怯えちゃう。もう少し、落ち着くのを待って」
あと、そのキャリーなんだ。
必死に訴える私の制止など聞かず、ジンは一歩近寄り「待つってのはどれくらいだ」と圧をかけてくるが、負けるかと踏ん張り「さ、三ヶ月くらい」と提示したら「バカか!そんな長期間、テメェの偏食適当料理にガキを付き合わせる気か!」と超正論をぶちかまされた。
だってぇ!一人暮らししてると好きなもの食べ放題だし、味付け適当でも文句言われないじゃん!
「それに、掃除洗濯もサボって外部に頼んでやがるだろ!情報漏洩の心配もしたらどうだ!」
「ぐぅの音もでないわ、ママ!」
耳が痛くなるお小言をもらっていると、会社から緊急で来てほしいとの電話が入り、慌てて理桜を連れて向かおうとしたら「マラスキーノ、ガキも連れていく気か」となんか当たり前なことをぶっ殺すぞみたいな目と口調で言われた。
「当たり前でしょうが。ジンと一緒に置いてけっての?」
「ガキのことも考えろ!マスコミに囲まれて怯えさせてぇのか!」
「さっきから優しいんだけど、どうした!?」
口調は恫喝なのに、言ってることは優しいママでこっちが混乱するわ。
あのぶっ殺コロポンマンなジンになにがあったんだ、と目を白黒させる私からジンは理桜を奪い、私を部屋から叩き出すと鍵とドアロックをかけた。
理桜、ごめんなさい。
すぐ帰ってくるから……!怖いかもしれないけど、待ってて!
緊急の呼び出しというか、理桜との養子縁組の件についてマスコミに説明をしてから車を法廷速度ギリギリで走らせ、マンションのオートロックを解除し慌てながらドアを開けようとしたら、ガンッ!とドアロックに引っ掛かった。
ちくしょう、あの野郎かけっぱなしかよ!
開けろー!とチャイムを鳴らせば「うるせぇ」と、白いVネック長袖と黒のスラックスをはきこなしたジンが面倒くさそうにドアを開けてくれた。
「理桜になにもしてないでしょうね!」
「なにもしてねぇわけねぇだろ。たっぷり可愛がってやったぜ……」
ニヤリと、悪巧みをしているときの笑顔を浮かべるジンに嫌な予感がし、慌てて理桜の安否を確認するためリビングへ入れば、ビックリした表情の理桜がトランプを持ってこちらを凝視していた。
「大丈夫?なにかされなかった?」
心配する私に、理桜は「えっと……」と口ごもりながらも私が出掛けたあとのことを話してくれた。
「一緒にお掃除して……お洗濯して……ご飯作ってもらって……あ、私もお手伝いしました……。それから、スピードで遊んでもらいました……」
「めっちゃ可愛がられてる!」
予想外に健全な可愛がり方をされていて、度肝を抜かれた。
あのジンが、炊事洗濯?!まったく想像できないのだけれども?!
「いや、あの、食材はどうしたの?」
怒られると思うけど、水と酒とつまみしか入ってなかったと思うけど。
私の質問に、理桜はハニカミながら「おじ様とお買い物に行きました」と教えてくれた。
ジンが子供とお買い物?!
「職質よくされなかったわね?」
「着替えりゃ、数回で済む」
数回はされたのか。
その後、子供を迎え入れるのになんだこの雑然とした部屋は、洗濯物を溜め込むな、食材を用意しておけ、という説教をくらった。
ママ……。
「チッ……。今日はこれでしまいだ。ガキを風呂に入れろ」
「入れてないの?」
「バカか、テメェは!ガキでも女だぞ!気ぃくらい遣え!」
「倫理ぃ!」
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