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トレーニングも終わらせたし食事でもして帰ろうかと、レストランの多い通りで見知った背中を見つけた。
宝塚の男役かくやと言わんばかりの凛々しい後ろ姿に、ああいうかっこよさに男は劣等感を抱いて離れていくんだろうなと思う。
まあ、あいつに恋人ができない原因の一旦を担っている俺が言うべきではないが。
男よりも男前なカタバミの背後から忍より、「よー!いまから飯に行こうぜー!」と挨拶代わりに胸を揉んだら、流れる動作で腕を捻りあげられ地面とキスしていた。
「学習しろ、キバナ」
「いやー、お約束っていうかコミュニケーションの一環つーか」
「セクハラで訴えられたいのか、トップオブジムリーダー」
「これで訴えられてたら、遠の昔に訴えられてる」
俺の言葉に溜め息を吐いてから腕を解放し、「それで、なんだっけ」となんだかんだで許してくれるから優しいんだよな。
服についた汚れを払い立ち上がってもう一度、「食事行こうぜ」と誘えば「食事だけでこの気持ちが晴れるか!」と悪人も裸足で逃げ出す形相で吠えられた。
「まーた、フラれたのか?」
「そうだよ!なんなんだ、そろいもそろって!『キミは俺なしでも生きていける』て!食事の約束ドタキャンする理由にならないわ!」
手にバット持たせていたら素振りを始めていたんじゃないかってレベルの怒り狂い方に、「またかよ」と笑って言ってるがたぶんそれ俺の所為。
だって、可愛い同期を俺からかっ拐おうって言うなら、それ相応の覚悟を見せてもらわなければ納得できない。
故に、俺はカタバミに男の影を見かけては相手に覚悟を見せろと迫るが、大抵逃げ出す。
まったくもって腑抜けだ。
ネズとダンデも同じことをしているから、俺一人の責任じゃねえけども。
「じゃあ、いつも通り飲みに行こうぜ」
「行く!ソニアとダンデとネズも呼ぼう!」
完全に飲んで暴れて寝落ちする時のメンバーを召集しようとしたが、生憎とネズはこの間付き合ったばかりだからと断られ、ダンデはお偉いさんとの食事会。ソニアも、博士との食事の約束があるからと断られた。
「今日は俺が独り占めできるってことか」
「ありがたく思いなさい」
冗談か本気かわからないトーンで冗談言うの、本当に昔から治らないよな。
行きつけのバーに行けば、マスターに「今日は人数が少ないね」と言われいつもの席に通された。
食事と一緒にアルコールを頼み、最初こそ冷静に怒って文句を言っていたが、アルコールが回ってきたのか呂律の回らぬ状態で「彼氏ほしいよー!」と泣き始めた。
「私だってぇ!恋愛して、素敵な恋人と食事したりデートしてドキドキしてぇ!行く行くは家族になって子供がほしいのぉ!なのにぃ!私のなにがダメなのぉ!」
「かっこいいからじゃねえの?」
「どんな理由だよぉ!」
泣き喚くカタバミに、「恋人できたら、俺らと遊べねえじゃん」と言えば黙してしまった。
恋人との時間と俺たちとの時間を天秤にかけているのだろう。
「それはダメだな」
嫌ではなく、ダメと言ったところに俺たちがカタバミの中で根強く大切な存在となっている気がして頬の筋肉が緩む。
「でも、少女マンガみたいな青春には憧れる」
「俺たちとワイルドエリア駆け回ったあの日は青春じゃねえってか?」
「あの日は特撮タイプの青春だろうが。毎日巨大化した敵と巨大化して戦う毎日やったろうがい」
「違いない」
カタバミとネズはダイマックス嫌って絶対にしなかったけどな、と昔の話をすれば「ダイマックスしないで勝った方が気持ちいい」と、医者なのに脳筋じみたことを言う。
「じゃあ、もう手近な人間で手打ったらどうだ?」
「無理だよ。キバナたちは男って言うか兄弟みたいなもんだもん」
別に俺は一言も俺たちを候補としてあげてないのに、俺たちが手近な人間として候補としてあがるなら脈はなくはないんじゃねえかな。
まあ、ダンデはどうか知らねえけど、ネズは妹としか思ってねえし、俺も悪友としか思ってねえけどな。
宝塚の男役かくやと言わんばかりの凛々しい後ろ姿に、ああいうかっこよさに男は劣等感を抱いて離れていくんだろうなと思う。
まあ、あいつに恋人ができない原因の一旦を担っている俺が言うべきではないが。
男よりも男前なカタバミの背後から忍より、「よー!いまから飯に行こうぜー!」と挨拶代わりに胸を揉んだら、流れる動作で腕を捻りあげられ地面とキスしていた。
「学習しろ、キバナ」
「いやー、お約束っていうかコミュニケーションの一環つーか」
「セクハラで訴えられたいのか、トップオブジムリーダー」
「これで訴えられてたら、遠の昔に訴えられてる」
俺の言葉に溜め息を吐いてから腕を解放し、「それで、なんだっけ」となんだかんだで許してくれるから優しいんだよな。
服についた汚れを払い立ち上がってもう一度、「食事行こうぜ」と誘えば「食事だけでこの気持ちが晴れるか!」と悪人も裸足で逃げ出す形相で吠えられた。
「まーた、フラれたのか?」
「そうだよ!なんなんだ、そろいもそろって!『キミは俺なしでも生きていける』て!食事の約束ドタキャンする理由にならないわ!」
手にバット持たせていたら素振りを始めていたんじゃないかってレベルの怒り狂い方に、「またかよ」と笑って言ってるがたぶんそれ俺の所為。
だって、可愛い同期を俺からかっ拐おうって言うなら、それ相応の覚悟を見せてもらわなければ納得できない。
故に、俺はカタバミに男の影を見かけては相手に覚悟を見せろと迫るが、大抵逃げ出す。
まったくもって腑抜けだ。
ネズとダンデも同じことをしているから、俺一人の責任じゃねえけども。
「じゃあ、いつも通り飲みに行こうぜ」
「行く!ソニアとダンデとネズも呼ぼう!」
完全に飲んで暴れて寝落ちする時のメンバーを召集しようとしたが、生憎とネズはこの間付き合ったばかりだからと断られ、ダンデはお偉いさんとの食事会。ソニアも、博士との食事の約束があるからと断られた。
「今日は俺が独り占めできるってことか」
「ありがたく思いなさい」
冗談か本気かわからないトーンで冗談言うの、本当に昔から治らないよな。
行きつけのバーに行けば、マスターに「今日は人数が少ないね」と言われいつもの席に通された。
食事と一緒にアルコールを頼み、最初こそ冷静に怒って文句を言っていたが、アルコールが回ってきたのか呂律の回らぬ状態で「彼氏ほしいよー!」と泣き始めた。
「私だってぇ!恋愛して、素敵な恋人と食事したりデートしてドキドキしてぇ!行く行くは家族になって子供がほしいのぉ!なのにぃ!私のなにがダメなのぉ!」
「かっこいいからじゃねえの?」
「どんな理由だよぉ!」
泣き喚くカタバミに、「恋人できたら、俺らと遊べねえじゃん」と言えば黙してしまった。
恋人との時間と俺たちとの時間を天秤にかけているのだろう。
「それはダメだな」
嫌ではなく、ダメと言ったところに俺たちがカタバミの中で根強く大切な存在となっている気がして頬の筋肉が緩む。
「でも、少女マンガみたいな青春には憧れる」
「俺たちとワイルドエリア駆け回ったあの日は青春じゃねえってか?」
「あの日は特撮タイプの青春だろうが。毎日巨大化した敵と巨大化して戦う毎日やったろうがい」
「違いない」
カタバミとネズはダイマックス嫌って絶対にしなかったけどな、と昔の話をすれば「ダイマックスしないで勝った方が気持ちいい」と、医者なのに脳筋じみたことを言う。
「じゃあ、もう手近な人間で手打ったらどうだ?」
「無理だよ。キバナたちは男って言うか兄弟みたいなもんだもん」
別に俺は一言も俺たちを候補としてあげてないのに、俺たちが手近な人間として候補としてあがるなら脈はなくはないんじゃねえかな。
まあ、ダンデはどうか知らねえけど、ネズは妹としか思ってねえし、俺も悪友としか思ってねえけどな。
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