旅する心
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「もうこの話は終わりにしよう!」
「俺はどっちかていうと、もっとバトル動画の話したいです!」
「なんでだ!」
「だって、俺はアサガオさんの楽しんでバトルしてる姿に惚れたし、腐りそうになった時はアサガオさんの動画に助けられたから。バトルだけじゃなくて、ポケスロンも、コンテストも、ミュージカルも、ポケウッドも。一緒に見て逐一感謝を伝えたいんです。あなたから、俺は力をもらったから」
ジムリーダーの重責、勝てないダンデとの勝負、悔しさを忘れないために上げた写真には誹謗中傷、嘲笑。
口だけのジムリーダーなどと言われ、自分がどうしてトレーナーを続けているのか、なんの為にバトルするのかわからなくなった。
ダンデやソニアの声すら届かなくなった日に、気晴らしで観たアサガオさんの映画に興味を持ち、アサガオさんのことを調べれば調べるほど、彼女がどんなに負けても暴言を吐かれても変わらず輝き、闘争心を燃やし、陰ることのなかった熱意。
それら全てがパートナーたちへの信頼と愛情から来るものだとわかる。
「自分を見失いそうな時にあなたを画面越しに知って、俺はポケモンと一緒に成長して勝つのが好きなんだって思い出せたから、色んなことが些事だって思えて立ち直れたんです」
「それは私のお陰じゃない、キミの強さだ」
「切っ掛けはアサガオさんだ。ありがとう、アサガオさん」
俺の感謝の気持ちに、アサガオさんは照れと困惑の混ざった顔で「困ったなぁ……」と言う。その姿はーー
「可愛い」
「感情がだだ漏れだぞ、キバナくん。そうだ、そんな可愛い私と仲良くなる為に、もっとフランクに話してくれないか?畏まられるのは好きじゃないんだ」
「特性じしんかじょうのフェアリータイプ」
「私をフェアリータイプに区分していることに動揺が隠せないし、話を聞いていないね」
「聞いてますよ。ただ、答えはNoです。距離感一気に縮めると、なにするかわからないんで」
俺の言葉が理解できないという顔をするアサガオさんに、「追々ってことで」と言えば戸惑いながらも「楽しみにしているよ」と言ってくれた。
俺も楽しみにしてます。
少しずつあなたの仲を深め、違和感を感じない距離を探して少しずつ罠を張って、あなたが俺から離れられなくなる時を。
「アサガオさん、このあとはどうするんですか?」
「私はワイルドエリアを回ってみるよ。カレーも作ってみたいからね。キバナくんも食べていくかい?」
「俺このあと約束あるんで、残念ですけど今度お願いします」
「あぁ、是非。ユニフォームをバッチリ着て待っているよ」
「一眼レフ用意しておきます」
「なぜ」
アサガオさんとお揃いのユニフォームを着ている写真なんて、額縁に入れて家に飾りたいし待受にもしたいという俺の熱い気持ちを語るも、アサガオさんは首を縦に振ってはくれなかった。
「アサガオさん、そんなに写真嫌いなのってやっぱり幽霊が原因ですか?」
はた、と気がついた思い付きを口にしたつもりだったのだが、さっきまで表情豊かだったアサガオさんの顔が真顔になった。
なにか触れてはいけない部分に立ち入ったかと緊張しながら返答を待てば、ゆっくりとした口調で「それは……どういう意味合いだい……?」と聞き返してきた。
その瞳に光を感じられず、背筋がざわつく。
乾く口を唾で濡らし、「その、幽霊が邪魔するのかなって思って……」としどろもどろに口にするが、アサガオさんは反応を返してくれない。
「アサガオさんのいた修験場所って、ゴースト特化だったりオカルト能力の修行するって聞いて……。ここのジムリーダーにもそういう能力持ってるやつがいて、そいつが写真撮る時に幽霊やゴーストタイプのポケモンがイタズラしてノイズが入るから苦手だって言ってたんで……」
「……」
「俺、何枚でも撮り直してもいいんで……」
探るように黙りこみ、じっ、と光も表情もない顔で見つめられることに恐怖を覚え、半歩身を引きそうになった瞬間、「ぷっ……くくっ……!」と耐えきれないと言ったようにアサガオさんは笑いだした。
「すまない。あまりにも怯えるから、少し楽しくなってしまって」
「え、演技ですか……?」
「まぁな。キミが中々引かないから、少し怖がらせれば諦めるかと思ったんだが、上手くいかなかったな」
「冗談きついですよ……!かなり怖かったですよ!」
「そうか、そうか!私の演技力も、まだまだ健在だな!」
「生で見られて最高でしたよ!」
俺の嫌味に「ありがとう!」と嫌味で返し、「怖がらせてしまったお詫びに、いくらでも撮らせてあげるよ」て言ってくれたので、スマホロトムに連写を命令したが即座にアサガオさんのサザンドラが割って入ってきた。
「話は最後まで聞いてくれ。キミの推測通り、写真を撮る時にどうしてもノイズが入ってしまうのと、私はカメラを向けられると自然に振る舞えないんだ。かっこつけてしまってね」
「さすが、女優ですね」
「腐っても女優さ。だから、撮る時は事前に言ってほしいんだ。やはり、写るなら素敵に写りたいからね」
お願いだよ、と可愛く手を合わされては嫌だと言えるわけもなく、「はーい」と返事をしたのと同時にダンデから電話があり、待ち合わせの時間が近づいていることに気がついた。
「すみません、アサガオさん。待ち合わせ相手から電話きたんで、行きます」
「わかった、また今度を楽しみにしてるよ」
「はい。次に会ったときは、さっきのお返しに俺もイタズラするんで覚悟しといてくださいね」
「嫌がらせに近いものは再三されている気がするが……。覚悟だけはしておくよ」
苦笑いをするアサガオさんと別れ、先ほどの失敗した連写した写真を消そうとフォルダを見たら一枚だけアサガオさんが写っている写真があった。
確かに彼女の言う通り、彼女の姿はノイズが入り紫色の靄がかかっていた。
なるほど、こうなるのか。大変だな。
そう思いながら、その一枚だけを保護して他の写真を削除した。
「俺はどっちかていうと、もっとバトル動画の話したいです!」
「なんでだ!」
「だって、俺はアサガオさんの楽しんでバトルしてる姿に惚れたし、腐りそうになった時はアサガオさんの動画に助けられたから。バトルだけじゃなくて、ポケスロンも、コンテストも、ミュージカルも、ポケウッドも。一緒に見て逐一感謝を伝えたいんです。あなたから、俺は力をもらったから」
ジムリーダーの重責、勝てないダンデとの勝負、悔しさを忘れないために上げた写真には誹謗中傷、嘲笑。
口だけのジムリーダーなどと言われ、自分がどうしてトレーナーを続けているのか、なんの為にバトルするのかわからなくなった。
ダンデやソニアの声すら届かなくなった日に、気晴らしで観たアサガオさんの映画に興味を持ち、アサガオさんのことを調べれば調べるほど、彼女がどんなに負けても暴言を吐かれても変わらず輝き、闘争心を燃やし、陰ることのなかった熱意。
それら全てがパートナーたちへの信頼と愛情から来るものだとわかる。
「自分を見失いそうな時にあなたを画面越しに知って、俺はポケモンと一緒に成長して勝つのが好きなんだって思い出せたから、色んなことが些事だって思えて立ち直れたんです」
「それは私のお陰じゃない、キミの強さだ」
「切っ掛けはアサガオさんだ。ありがとう、アサガオさん」
俺の感謝の気持ちに、アサガオさんは照れと困惑の混ざった顔で「困ったなぁ……」と言う。その姿はーー
「可愛い」
「感情がだだ漏れだぞ、キバナくん。そうだ、そんな可愛い私と仲良くなる為に、もっとフランクに話してくれないか?畏まられるのは好きじゃないんだ」
「特性じしんかじょうのフェアリータイプ」
「私をフェアリータイプに区分していることに動揺が隠せないし、話を聞いていないね」
「聞いてますよ。ただ、答えはNoです。距離感一気に縮めると、なにするかわからないんで」
俺の言葉が理解できないという顔をするアサガオさんに、「追々ってことで」と言えば戸惑いながらも「楽しみにしているよ」と言ってくれた。
俺も楽しみにしてます。
少しずつあなたの仲を深め、違和感を感じない距離を探して少しずつ罠を張って、あなたが俺から離れられなくなる時を。
「アサガオさん、このあとはどうするんですか?」
「私はワイルドエリアを回ってみるよ。カレーも作ってみたいからね。キバナくんも食べていくかい?」
「俺このあと約束あるんで、残念ですけど今度お願いします」
「あぁ、是非。ユニフォームをバッチリ着て待っているよ」
「一眼レフ用意しておきます」
「なぜ」
アサガオさんとお揃いのユニフォームを着ている写真なんて、額縁に入れて家に飾りたいし待受にもしたいという俺の熱い気持ちを語るも、アサガオさんは首を縦に振ってはくれなかった。
「アサガオさん、そんなに写真嫌いなのってやっぱり幽霊が原因ですか?」
はた、と気がついた思い付きを口にしたつもりだったのだが、さっきまで表情豊かだったアサガオさんの顔が真顔になった。
なにか触れてはいけない部分に立ち入ったかと緊張しながら返答を待てば、ゆっくりとした口調で「それは……どういう意味合いだい……?」と聞き返してきた。
その瞳に光を感じられず、背筋がざわつく。
乾く口を唾で濡らし、「その、幽霊が邪魔するのかなって思って……」としどろもどろに口にするが、アサガオさんは反応を返してくれない。
「アサガオさんのいた修験場所って、ゴースト特化だったりオカルト能力の修行するって聞いて……。ここのジムリーダーにもそういう能力持ってるやつがいて、そいつが写真撮る時に幽霊やゴーストタイプのポケモンがイタズラしてノイズが入るから苦手だって言ってたんで……」
「……」
「俺、何枚でも撮り直してもいいんで……」
探るように黙りこみ、じっ、と光も表情もない顔で見つめられることに恐怖を覚え、半歩身を引きそうになった瞬間、「ぷっ……くくっ……!」と耐えきれないと言ったようにアサガオさんは笑いだした。
「すまない。あまりにも怯えるから、少し楽しくなってしまって」
「え、演技ですか……?」
「まぁな。キミが中々引かないから、少し怖がらせれば諦めるかと思ったんだが、上手くいかなかったな」
「冗談きついですよ……!かなり怖かったですよ!」
「そうか、そうか!私の演技力も、まだまだ健在だな!」
「生で見られて最高でしたよ!」
俺の嫌味に「ありがとう!」と嫌味で返し、「怖がらせてしまったお詫びに、いくらでも撮らせてあげるよ」て言ってくれたので、スマホロトムに連写を命令したが即座にアサガオさんのサザンドラが割って入ってきた。
「話は最後まで聞いてくれ。キミの推測通り、写真を撮る時にどうしてもノイズが入ってしまうのと、私はカメラを向けられると自然に振る舞えないんだ。かっこつけてしまってね」
「さすが、女優ですね」
「腐っても女優さ。だから、撮る時は事前に言ってほしいんだ。やはり、写るなら素敵に写りたいからね」
お願いだよ、と可愛く手を合わされては嫌だと言えるわけもなく、「はーい」と返事をしたのと同時にダンデから電話があり、待ち合わせの時間が近づいていることに気がついた。
「すみません、アサガオさん。待ち合わせ相手から電話きたんで、行きます」
「わかった、また今度を楽しみにしてるよ」
「はい。次に会ったときは、さっきのお返しに俺もイタズラするんで覚悟しといてくださいね」
「嫌がらせに近いものは再三されている気がするが……。覚悟だけはしておくよ」
苦笑いをするアサガオさんと別れ、先ほどの失敗した連写した写真を消そうとフォルダを見たら一枚だけアサガオさんが写っている写真があった。
確かに彼女の言う通り、彼女の姿はノイズが入り紫色の靄がかかっていた。
なるほど、こうなるのか。大変だな。
そう思いながら、その一枚だけを保護して他の写真を削除した。