旅する心
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「よかったらエンジンシティとか、ワイルドエリアの案内しますよ」
善意半分、もう少し話していたい欲半分でポケモン回復の待ち時間中に申し出たが、少し緊張した表情でチラリと視線を外してから、「大丈夫です、お気になさらず」と素っ気なく断られた。
ショックではあるが、本人がいらないと言っているのに無理は言えず「そっすか……」と引き下がる。
そういえば、さっきなにを見たのかと視線の先を見れば、スマホを構えたオーディエンスが何人かいた。
「無許可撮影はやめろよー」と軽く注意すれば、すぐに「すみませーん」と言って散り散りになった。
それを見て、隣のアサガオさんが息を吐いた気がしたので、「写真、嫌いすか?」と聞けば申し訳なさそうに頷かれた。
「女優なんてやってたのに、おかしいと思いますか?」
「別に思わないすよ。俺の知り合いに女優とか俳優いますけど、パパラッチに敢えて撮らせるやつもいれば、パパラッチじゃなくても私生活撮られるの嫌がって変装ガッチリしてるやつもいますし」
「キバナさんは、有名人ともお知り合いなんですね。話しやすいので、わかります」
予想外ところから褒められ、柄にもなく照れる。
「ま、まぁ、最難関のドラゴンタイプのジムリーダーやってますし、SNSでも写真あげたりしてるんで、ファンは多いっすね!」
テンパって変な自慢をしてしまい、まずった!と思ったが、アサガオさんは意に介さず「そうですね。ドラゴンタイプはどの地方でも最強のポケモンと言われて人気でした」と懐かしそうに微笑んだ。
アサガオさんが寛大な人でよかった……。
「あっ、そうだ!ワイルドエリアに行くなら、キャンプセット買った方がいいっすよ!」
「キャンプセット?それはなにができるんですか?」
「テント張ってポケモンと遊んだり、カレー作ったりできるんすよ」
カレーの作り方を教えたら、目の色を変えて身を乗り出して聞いてきたので、これはいけるのでは?と思い「店、案内しますよ」とがっつき感をださずに提案したのだが、「お店の場所、教えてくれれば大丈夫です」とシャットアウトされた。
「あの、アサガオさん……。俺、なんかしましたか?」
たしかな心の壁を感じ尋ねると、思い当たる節がないという顔で「なにかとは?」と聞き返された。
「なんか避けられてるなって思って」
「えっ?!いやいや、違いますよ!その、キバナさん目立つので……ほら」
また、チラリと視線を外したので一緒に視線をやれば、またもカメラを構えたオーディエンス。
もう一度軽く注意して、アサガオさんに「すみません」と謝れば「キバナさんは悪くないですから」と首を振られた。
「じゃあ、ワイルドエリアの案内だけさせてくださいよ。やっぱ、あそこ一人で彷徨かせるの心配ですし、慣れないダイマックスバトル一人で挑むのは無謀過ぎますし。あそこなら、追っかけて来ようとか写真撮ろうとか考えるやついませんから」
「キバナさん、世話好きですね。じゃあ、お願いします」
ハの字眉毛で笑むアサガオさん可愛いー、と内心ドキドキしながらキャンプ用品の店を説明して、ワイルドエリア入口で待ち合わせの約束をした。
アサガオさん、早くこねぇかなとそわそわしていたら、「キバナさん。待たせてしまい、すみません」と、あのミントを彷彿させる声がした。
慌ててそちらを向き、「大丈夫っすよ!」と言おうとしたのだが、衣装チェンジしていてフリーズしてしまった。
たしかに、先ほどまでの上品な服でワイルドエリアを駆け回るのは些か難しいとは思っていたが、そんな、そんな、スポーツパンツにタイツ、上はスポーツウェアとパーカー、そしてキャップなんて……!
ただでさえ幼顔なのに、格好まで若くなったら未成年に手を出そうとしている背徳感に襲われる!
「ああああの、アサガオさん……。その格好は……」
「あぁ。さっき、受付の周りで参加者がこんな格好をしていましたし、キバナさんもこんな感じの格好だったので、ユニフォームなのかなって思いまして。気分だけでも、参加者です」
無邪気な笑みでなにか可愛いことを言われた。
これが歳上だと?
「あの、参加者でなくても着られるユニフォームも売ってるんで、今度買ってきますね」
勿論、ドラゴンタイプのユニフォームだ。
俺の申し出に、花がほころぶ笑顔で「そうなんですか?嬉しい」と言われては財布の紐が緩みまくる。
ドッドッドッ、という脈打つ心音を誤魔化すように「じゃあ、うららか草原から案内しますね」と、そらとぶタクシーで入口まで行き巣の説明やキャンプの張り方、カレーの作り方を教えている間、始終きらきらとした俺の好きな表情をしていて、間近で見ると酷く眩しかった。
「好きです……」
「カレーですか?」
口走った好意を、天然なのかわざとなのかわからないが軽くいなされた。
「そういや、アサガオさん。滞在中はどこに泊まるんですか?」
近場だったら遊びに行けないかとも思ったが、イノセントな顔で「ポケモンセンターか野宿です」と返された。
トレーナーだし、当たり前だよな。
「困ったらすぐに連絡してください。いつでも駆けつけるんで」
そう言い、連絡先を交換しようとしたがまさかのスマホロトム未所持で詰み。
善意半分、もう少し話していたい欲半分でポケモン回復の待ち時間中に申し出たが、少し緊張した表情でチラリと視線を外してから、「大丈夫です、お気になさらず」と素っ気なく断られた。
ショックではあるが、本人がいらないと言っているのに無理は言えず「そっすか……」と引き下がる。
そういえば、さっきなにを見たのかと視線の先を見れば、スマホを構えたオーディエンスが何人かいた。
「無許可撮影はやめろよー」と軽く注意すれば、すぐに「すみませーん」と言って散り散りになった。
それを見て、隣のアサガオさんが息を吐いた気がしたので、「写真、嫌いすか?」と聞けば申し訳なさそうに頷かれた。
「女優なんてやってたのに、おかしいと思いますか?」
「別に思わないすよ。俺の知り合いに女優とか俳優いますけど、パパラッチに敢えて撮らせるやつもいれば、パパラッチじゃなくても私生活撮られるの嫌がって変装ガッチリしてるやつもいますし」
「キバナさんは、有名人ともお知り合いなんですね。話しやすいので、わかります」
予想外ところから褒められ、柄にもなく照れる。
「ま、まぁ、最難関のドラゴンタイプのジムリーダーやってますし、SNSでも写真あげたりしてるんで、ファンは多いっすね!」
テンパって変な自慢をしてしまい、まずった!と思ったが、アサガオさんは意に介さず「そうですね。ドラゴンタイプはどの地方でも最強のポケモンと言われて人気でした」と懐かしそうに微笑んだ。
アサガオさんが寛大な人でよかった……。
「あっ、そうだ!ワイルドエリアに行くなら、キャンプセット買った方がいいっすよ!」
「キャンプセット?それはなにができるんですか?」
「テント張ってポケモンと遊んだり、カレー作ったりできるんすよ」
カレーの作り方を教えたら、目の色を変えて身を乗り出して聞いてきたので、これはいけるのでは?と思い「店、案内しますよ」とがっつき感をださずに提案したのだが、「お店の場所、教えてくれれば大丈夫です」とシャットアウトされた。
「あの、アサガオさん……。俺、なんかしましたか?」
たしかな心の壁を感じ尋ねると、思い当たる節がないという顔で「なにかとは?」と聞き返された。
「なんか避けられてるなって思って」
「えっ?!いやいや、違いますよ!その、キバナさん目立つので……ほら」
また、チラリと視線を外したので一緒に視線をやれば、またもカメラを構えたオーディエンス。
もう一度軽く注意して、アサガオさんに「すみません」と謝れば「キバナさんは悪くないですから」と首を振られた。
「じゃあ、ワイルドエリアの案内だけさせてくださいよ。やっぱ、あそこ一人で彷徨かせるの心配ですし、慣れないダイマックスバトル一人で挑むのは無謀過ぎますし。あそこなら、追っかけて来ようとか写真撮ろうとか考えるやついませんから」
「キバナさん、世話好きですね。じゃあ、お願いします」
ハの字眉毛で笑むアサガオさん可愛いー、と内心ドキドキしながらキャンプ用品の店を説明して、ワイルドエリア入口で待ち合わせの約束をした。
アサガオさん、早くこねぇかなとそわそわしていたら、「キバナさん。待たせてしまい、すみません」と、あのミントを彷彿させる声がした。
慌ててそちらを向き、「大丈夫っすよ!」と言おうとしたのだが、衣装チェンジしていてフリーズしてしまった。
たしかに、先ほどまでの上品な服でワイルドエリアを駆け回るのは些か難しいとは思っていたが、そんな、そんな、スポーツパンツにタイツ、上はスポーツウェアとパーカー、そしてキャップなんて……!
ただでさえ幼顔なのに、格好まで若くなったら未成年に手を出そうとしている背徳感に襲われる!
「ああああの、アサガオさん……。その格好は……」
「あぁ。さっき、受付の周りで参加者がこんな格好をしていましたし、キバナさんもこんな感じの格好だったので、ユニフォームなのかなって思いまして。気分だけでも、参加者です」
無邪気な笑みでなにか可愛いことを言われた。
これが歳上だと?
「あの、参加者でなくても着られるユニフォームも売ってるんで、今度買ってきますね」
勿論、ドラゴンタイプのユニフォームだ。
俺の申し出に、花がほころぶ笑顔で「そうなんですか?嬉しい」と言われては財布の紐が緩みまくる。
ドッドッドッ、という脈打つ心音を誤魔化すように「じゃあ、うららか草原から案内しますね」と、そらとぶタクシーで入口まで行き巣の説明やキャンプの張り方、カレーの作り方を教えている間、始終きらきらとした俺の好きな表情をしていて、間近で見ると酷く眩しかった。
「好きです……」
「カレーですか?」
口走った好意を、天然なのかわざとなのかわからないが軽くいなされた。
「そういや、アサガオさん。滞在中はどこに泊まるんですか?」
近場だったら遊びに行けないかとも思ったが、イノセントな顔で「ポケモンセンターか野宿です」と返された。
トレーナーだし、当たり前だよな。
「困ったらすぐに連絡してください。いつでも駆けつけるんで」
そう言い、連絡先を交換しようとしたがまさかのスマホロトム未所持で詰み。