夢女子殺人事件
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あらすじ ばれた(完)
顔面は甘いのに、醸し出す雰囲気がカカオ百パーセントで呼吸ができない、胸が苦しい。
これが……恋……?知ってる。
組んだ腕をとんとん、と指で叩きながら「どうしますか?」と問いかけてくる姿も様になるが、あまり見たくはなかった。
私、取り調べされたいとかトリップ前に言ってたんだぜ?嘘みたいだろ?
「……一日時間をください」
「そういうことを言うやつは大抵、自殺するからダメだ」
「私がそんな度胸があるように見えますか、安室さん!」
「見えないが、まだシラを切る度胸はあるんだなとは思ったな」
「本名を大声で叫んだら物理的に黙らされる気がして……」
「僕をなんだと思ってるんだ。するわけないだろ」
なんだ、残念。
たがしかし、私も死ぬ度胸はないが往生際が悪いので、やだやだ、言い訳を考える時間をください!と駄々を捏ねる。
そんな私を逃がすまいと、降谷さんは痛くない程度の力加減で手首をつかみケータイをとりだした。
このゴリラ器用だ!絶妙な力加減なのに、びくともしない!
「おまわりさーん!」
「呼んだか」
「違う!」
「あぁ、風見か。ちょっと一人、被疑者を連れて行ってほしいんだ。僕は一度着替えてから行くから。あぁ、頼む」
「え、風見さん来るんですか?」
反射的に尋ねると「おや、風見もご存知ですか?」と言われ、エイリアン・エイリアン。
喜んでいる場合ではない。
もう、この器用なベビーフェイスゴリラから逃げるのはやめて、なんとか言い訳を捻り出さなければ。
私だって一端の物書きだ。
ストーリーを、最高に普通で筋が通ったストーリーを考えるのよ!
「キミが僕について異様なまで情報を得ていることに、どんな弁明をしてくれるか楽しみだね」
「ダメですね、詰みました」
どう足掻いたって、一般的な女子高生が知り得ていない情報も知っているとか、なにをどう足掻いても黒でしかない。
「……あの、ちょっと待ってください。安室さんは、私がなにを知っているっていうのをどこまで知っているんですか?」
私の問いかけに、笑顔で無言を貫き見つめてくる降谷さんに寒気を覚えた。
待って、この人は本当に私が情報を知っていることをどこで知ったの?
外で話したことはなく、降谷零に関する情報は夢小説を書くためにパソコンやらノートにまとめただけ。
そういえばこの人、原作でもピッキングして不法侵入していなかった?
つまりつまり、ケータイだけでなく私のパソコンの中身も確認して、あの原作知識集と妄想垂れ流しの夢小説見られ……。
そこまで考えが至った瞬間、自分でもビックリな勢いで涙がでた。
降谷さんもさすがに驚いたのか、狼狽えながらも「どうしたんだ」と聞いてはくれた。
「推しに……」
「推し?」
「推しに二次創作を見られたー!二次創作なんてただでさえ見逃してもらっているブラックゾーンで取扱注意なのにより取扱注意なナマモノジャンルを推しの目に晒してしまった!少し考えれば予期できた事態なのに!己の欲望に忠実になって推しのことを考えないなんて!こんなの……こんなの……ギルティー!!!」
「落ち着け!早口すぎて、綺麗なファルセットのギルティーしか聞き取れない!」
情緒が崩壊したオタクの早口に戸惑いながらも、落ち着かせようと背中をさすって慰めてくれる降谷さん優しい。
拘束する手は放さないけど。
べそべそと泣く私を降谷さんが宥めていたら、「あの……」と困惑した声がした。
声の方を向けば、困惑と疑念がない交ぜになった表情の風見さんが立っていた。
「な、なにが……」
「突然泣き出したんだ。悪いが、僕は着替えてから行くから、彼女を先に連れていってくれ」
「わかりました」
私を風見さんに引き渡し、颯爽と去っていく降谷さんが見えなくなってから、風見さんが恐る恐る「なにか飲むかい?」と優しく聞いてくれて涙が止まらない。
「うぇぐ……大丈夫です……。あの人よりあとに着いたら、風見さんがこれ公されちゃうからぁ……。行きます……えぐっ……」
「これ公?」
戸惑う風見さんにドナドナされ、私は警視庁に車でドナドナされたのであった。
私は仔牛。
顔面は甘いのに、醸し出す雰囲気がカカオ百パーセントで呼吸ができない、胸が苦しい。
これが……恋……?知ってる。
組んだ腕をとんとん、と指で叩きながら「どうしますか?」と問いかけてくる姿も様になるが、あまり見たくはなかった。
私、取り調べされたいとかトリップ前に言ってたんだぜ?嘘みたいだろ?
「……一日時間をください」
「そういうことを言うやつは大抵、自殺するからダメだ」
「私がそんな度胸があるように見えますか、安室さん!」
「見えないが、まだシラを切る度胸はあるんだなとは思ったな」
「本名を大声で叫んだら物理的に黙らされる気がして……」
「僕をなんだと思ってるんだ。するわけないだろ」
なんだ、残念。
たがしかし、私も死ぬ度胸はないが往生際が悪いので、やだやだ、言い訳を考える時間をください!と駄々を捏ねる。
そんな私を逃がすまいと、降谷さんは痛くない程度の力加減で手首をつかみケータイをとりだした。
このゴリラ器用だ!絶妙な力加減なのに、びくともしない!
「おまわりさーん!」
「呼んだか」
「違う!」
「あぁ、風見か。ちょっと一人、被疑者を連れて行ってほしいんだ。僕は一度着替えてから行くから。あぁ、頼む」
「え、風見さん来るんですか?」
反射的に尋ねると「おや、風見もご存知ですか?」と言われ、エイリアン・エイリアン。
喜んでいる場合ではない。
もう、この器用なベビーフェイスゴリラから逃げるのはやめて、なんとか言い訳を捻り出さなければ。
私だって一端の物書きだ。
ストーリーを、最高に普通で筋が通ったストーリーを考えるのよ!
「キミが僕について異様なまで情報を得ていることに、どんな弁明をしてくれるか楽しみだね」
「ダメですね、詰みました」
どう足掻いたって、一般的な女子高生が知り得ていない情報も知っているとか、なにをどう足掻いても黒でしかない。
「……あの、ちょっと待ってください。安室さんは、私がなにを知っているっていうのをどこまで知っているんですか?」
私の問いかけに、笑顔で無言を貫き見つめてくる降谷さんに寒気を覚えた。
待って、この人は本当に私が情報を知っていることをどこで知ったの?
外で話したことはなく、降谷零に関する情報は夢小説を書くためにパソコンやらノートにまとめただけ。
そういえばこの人、原作でもピッキングして不法侵入していなかった?
つまりつまり、ケータイだけでなく私のパソコンの中身も確認して、あの原作知識集と妄想垂れ流しの夢小説見られ……。
そこまで考えが至った瞬間、自分でもビックリな勢いで涙がでた。
降谷さんもさすがに驚いたのか、狼狽えながらも「どうしたんだ」と聞いてはくれた。
「推しに……」
「推し?」
「推しに二次創作を見られたー!二次創作なんてただでさえ見逃してもらっているブラックゾーンで取扱注意なのにより取扱注意なナマモノジャンルを推しの目に晒してしまった!少し考えれば予期できた事態なのに!己の欲望に忠実になって推しのことを考えないなんて!こんなの……こんなの……ギルティー!!!」
「落ち着け!早口すぎて、綺麗なファルセットのギルティーしか聞き取れない!」
情緒が崩壊したオタクの早口に戸惑いながらも、落ち着かせようと背中をさすって慰めてくれる降谷さん優しい。
拘束する手は放さないけど。
べそべそと泣く私を降谷さんが宥めていたら、「あの……」と困惑した声がした。
声の方を向けば、困惑と疑念がない交ぜになった表情の風見さんが立っていた。
「な、なにが……」
「突然泣き出したんだ。悪いが、僕は着替えてから行くから、彼女を先に連れていってくれ」
「わかりました」
私を風見さんに引き渡し、颯爽と去っていく降谷さんが見えなくなってから、風見さんが恐る恐る「なにか飲むかい?」と優しく聞いてくれて涙が止まらない。
「うぇぐ……大丈夫です……。あの人よりあとに着いたら、風見さんがこれ公されちゃうからぁ……。行きます……えぐっ……」
「これ公?」
戸惑う風見さんにドナドナされ、私は警視庁に車でドナドナされたのであった。
私は仔牛。