夢女子殺人事件

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来てしまった、推しとのデートイベント。
帰りて~。
推しが遊園地ではしゃぐ姿を楽しむイベントに変更されないかな~。

「嫌そうな顔をするわりには、先に来てたんだな」

三十分前に待ち合わせ場所に来た降谷さん。
降谷さんのことだから、そうくると思って一時間前に着いていました。
ここで推しに提案。

「推し、一人で遊園地を楽しんでくれないでしょうか」
「一人で」
「私はそれを遠くから見つめて楽しむので」
「……それはつまり、二十九歳の独身男性にこのカップルとファミリーばかりの中、一人ではしゃげと」
「はい」
「……」
「……」

素敵なスマイルを浮かべたと思ったら、流れるような動作でヘッドロックをかけられた。
痛い、痛い。頭がミシミシいってる。ミシシッピになっちゃう。

「さーて、楽しいデートにしようなー」
「楽しいデートがヘッドロックから始まるわけないじゃないですか!」
「そうだ、気持ちも作りたいし今日は僕のことを「透」と呼んでいいぞ」
「いや~~!!!」
「ははっ、なんだ。「零」がいいのか?」
「や゛め゛て゛推゛し゛泣゛い゛ち゛ゃ゛う゛!!あと、敬語がとれてますが?!」 「プライベートだからな!」

いや~~!!オンとオフ使い分けられてる~~!!
いつもよりなんだかはしゃぐ降谷さんに引きずられ、初手で来たのがコーヒーカップ。
わ~、ファンシー。
カップに乗り込み、さすがにないとは思いつつ「全力で回さないでくださいね」と釘を刺したら、微笑みだけ返された。

「なんとか言ってください!」
「なんとか」
「そうじゃない!安室さんのゴリラ腕力で回されたら、遠心力で飛んじゃいます!」

とうっかり言ってしまった私に、降谷さんは悪い笑みで「ゴリラの腕力を見せてあげよう」と言う。
いやっ!見たくない!!
軽快な音楽が流れ始め、動き出すコーヒーカップ。
腕捲りをし「いくぞ」と舌ペロする推し。
やだ、好き。と思った瞬間、腕力に物を言わせ全力でコーヒーカップをぶん回す推し。
私の悲鳴と推しの笑い声が響き渡る。

「もう二度とコーヒーカップには乗らない」
「三半規管弱いんだな」

あれは、三半規管が強いとか弱いとかの話ではない。
あんな遠心力に逆らわないと吹っ飛ぶコーヒーカップがあってたまるか。
グロッキーと疲労感で乗り物一つ目からダウンする私に、降谷さんは飲み物を差し出す。

「これじゃあ、先行きが不安だな」
「いや、つか安室さん。なんか、はしゃいでませんか?徹夜明け?」
「いつも通り寝たよ。けど、そうだな。うん、ちょっとはしゃいでいるかも知れない」

なんで?という顔をする私に、降谷さんは照れたように頬をかき「大人になって遊園地に友だちと来るなんて初めてだから、つい」と言う。
トモダチ……?

「推し!落ち着け!!私は被疑者だぞ!!!」
「自分で言うのか……。でも、キミがなにかしらの組織の人間とは到底思えないしな」
「そうやって油断させるつもりかも知れないだろ!!!!」
「だから自分で言っていいのか、それ」
「そうなんだけど!!!!もっとちゃんと友だち作って、推し!!!!というか、なんで私に友だち味を感じてるの?!どこがいいって言うの?!」
「うーん……そういうとこ」
「どこ??!?!!」

降谷さんの肩に手を置き全力で考え直すように説得するが、降谷さんは拗ねた顔をしてそっぽを向く。
こっちを向け、推し!!!やっぱり向くな!!!目があったら心臓が止まる!!!

「いいですか、安室さん。私は一人のファンであって、友だちにはなれなくてですね」
「……なってくれないのか?」
「は?」
「友だちにはなってくれないのか……?」

照れと期待が混じった顔で見られ、思考が飛び背景に宇宙が浮かぶ。

「お……」
「お?」
「俺があむピを幸せにするんだ!!!!!!!!」
「そういうとこなんだけどな」
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