夢女子殺人事件
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許さない 泥棒猫め 殺してやる
「うーん、字余り」
ここ最近、ポストに投函されている脅迫文。
泥棒猫で思い当たる節は、完全に安室透について。
たしかに、最近なんだか降谷さんの対応が気安くなったりはしているが、あれは恋愛感情ではないだろう。
だがそうか、この世界にも過激派はいるのか。
別に私は降谷さんと一生涯添い遂げたいわけではなく、陰日向から推し続けたいだけなんだけどな……。
「安室さん、しばらく距離を置きませんか?」
「なんで付き合ってもいない相手から、倦怠期カップルみたいな申し出されてるんですか、僕」
梓さんお休みで、お客さんもいない店内。
顔をしかめる降谷さんに「なんか、我々の関係を勘違いしている人がいるらしいので」と説明する。
「考えれば私、安室さんと一緒にいることが多いですよね。付き合ってもいないのに、おかしいじゃないですか」
「どの立場から言ってますか、それ?自分が監視対象なの、覚えてますか?」
「えぇ?!まだ容疑晴れてなかったんですか?!」
「晴れる理由を教えてほしいんですが」
あわわわ、てっきり「こいつ、ただのポンコツだな」て思われて、容疑なんてもう晴れていると思っていた。
クソデカため息をつく降谷さん。
「たしかに、この間の一件で組織とは関係ないとは判断しました。あのジンが、組織の人間を覚えていないわけがないですからね」
「わーい!」
「しかし、他の犯罪組織のエージェントの可能性はなくなっていません」
「しょぼーん……」
まあ、降谷さんが公安だとか、組織に潜入しているだとか、過去のあれやこれやや、日常生活のゴニョゴニョなんかを知っている理由が解明できてないし、仕方がない……。
「なので、キミは極力僕の監視下に置かないといけません。わかりましたか?」
「はーい……」
「それで、なにかあったんですか?」
「なにかって?」
「だって、キミは僕が好きなのに距離を置きたいだなんて、おかしいじゃないですか」
え~推し~。
めっちゃ私の愛を信じてくれるし、愛されてる自信にあふれてる~。
「しかし、推し。私は推しを遠くから応援したいタイプです」
「そうなんですか?僕を好きだと言う人は、大抵は付き合いたいと言うんですが」
「やだ~!推し×自分とか地雷カプ~!そもそも私は恋人とか夫婦とか“好き”を恋愛感情に全部押し込めるの嫌いなんですよ!なんですぐ好きを恋愛にするんですか!好きの意味はもっと幅広いんですよ!恋愛じゃなくても居心地がいい関係ってあるじゃないですか!私はコンビ愛なんです!コンビという恋愛に囚われない関係が大好きのですぐに好きをラブに変換するのほんとーーーーーーーに!!!!やめて!!!!」
「早口、早口」
駄々をこねる面倒くさい早口オタクをなだめる降谷さん、本当にオタクに優しいギャル。
「やだやだやだ~。恋愛とか曇った目であむピのこと見たくない~」
「世の大半の女子に喧嘩を売りますね」
「だって、恋愛語るやつってみんな相手の綺麗な部分しか見てないじゃないですか!いいですか!人間と付き合うってことは、嫌いな部分をどこまで許容できるかなんですよ!」
「人間関係でなにかあったんですか?」
「……」
「あったんですね」
黙り込む私の頭を、慰めるように撫でようとしてやめる降谷さん。
正解です。頭を撫でられたら倒れてしまいます。
「まあ、キミの人間関係は置いておいて、なんで僕と距離を置きたいんですか?」
「あー……うーん……」
言ったら降谷さんのことだから犯人捕まえる、とか言い出しそうだしな~。迷惑かけたくないな~。
しかし、米花町は犯罪の町。
殺すと言ったら絶対に殺すのが、この町のルールだ。知らんけど。
言うかどうか悩んだ末、私は言わないことを選んだ。
「なんでもないです!」
「……」
「なんですか、その疑わしそうな目は」
「疑ってるんですよ」
なんでや、工藤。
まあ、嘘なんでそりゃ疑われますな。
降谷さんは仕事中は詮索してきたりはしなかったが、疑いの視線はずっと送ってきていた。
さっさと帰ろう、としたが取っ捕まる。
「遅いですし、送っていきますよ」
「やだ!推しの運転する車乗りたくない!」
嫌がる私を、さながら散歩から帰りたくない柴イッヌのように引きずりながら、降谷さんは車に押し込んだ。
急いでいないから、荒い運転はしないと言っているが本当でござるか~?などと私の煽りをものともせず、降谷さんは穏やかな運転で自宅まで送り届けてくれた。
「それじゃあ、なにかあったら連絡してくださいね」
「はーい」
なにかあったときには、たぶん手遅れだけどな。わはははは。
刺された。
まさか学校で刺されるとはな。
同担拒否過激派が、まさか同じ学校に通っているとは。
まあ、刺されたと言ってもカッターなので致命傷にはならなかったし、傷跡も残らないらしい。
古来より、武器で刺すのはたいしたダメージにならないと聞く。
槍も刺すより薙ぎ倒す方で使われたらしいし。
なんか、戦国BASARA沼にいたときにフォロワーから聞いた気がする。
たしかに、カッターで切られたらそこそこの怪我をしていただろう。
「生きててよかった~!それはそれとして、痛い~!」
すべての命に感謝とかではなく、私の命に感謝。
本当に怖かった。
やはり、降谷さんに相談して距離を置いての監視にしてもらおう。
命大事に!
「体調どうだい?」
「ダメです、推し!」
「元気そうだね」
ダメだって言ってるでしょ!
「降谷さん、やっぱり私たち一緒にいたらダメなのよ!別れましょ!」
「僕たち、こんなに愛しあってるのに?」
「人の夢小説からセリフ引用するのやめろ!」
推しに自分の妄想を声に出して言われる人間の苦しみを考えろ。
これ以上騒ぐと、刺された傷が開きそうで怖いから大人しくするが、本当に距離を置かせてほしい。
「そもそも、脅迫文が届いていたなら相談したらどうなんですか?」
「推しに心配かけたくなかったんですよ」
「心遣い、ありがとう。でも、命が脅かされているのに、遠慮なんてしないでください」
「今度からは遠慮なく届け出するので、距離を置かせてください」
「んー……嫌です♡」
「どうして……」
現場ネコになっちゃうじゃないですか。
ハート語尾につけても誤魔化されてやらないからな。
「正直、キミは情報を持ちすぎている。そんな状態で野放しにするのが不安です。嘘つけないし」
ごもっともすぎて、なんにも言えねえ。
私がもっと嘘をつくことに長けていたら……。
「それとは別に、存在が面白いという理由もあります」
「活きのいい反応をしてしまうばかりに~!」
「だから、距離は置きません。今度はちゃんと守りますから」
全降谷零の夢女子に刺される。
「くそ……くそ……人をオモチャにしやがって……意地悪さんめ……」
「でも、そんな僕が?」
「好き~!」
嘆く私に、降谷さんは小さく笑ってから「キミは僕の悪いとこも好きと言ってくれるんですね」と言うが、嫌いだったらそもそも推してない。
「僕もキミの悪いところ、結構好きですよ。これ、キミが理想とする恋愛関係じゃないですか?」
なんてね、と冗談めかす降谷さんに、病院だということを忘れて「魚雷を発射するな!!!!!!」とクソデカボイスでキレてしまった。
もちろん、ナースさんには怒られた。
「うーん、字余り」
ここ最近、ポストに投函されている脅迫文。
泥棒猫で思い当たる節は、完全に安室透について。
たしかに、最近なんだか降谷さんの対応が気安くなったりはしているが、あれは恋愛感情ではないだろう。
だがそうか、この世界にも過激派はいるのか。
別に私は降谷さんと一生涯添い遂げたいわけではなく、陰日向から推し続けたいだけなんだけどな……。
「安室さん、しばらく距離を置きませんか?」
「なんで付き合ってもいない相手から、倦怠期カップルみたいな申し出されてるんですか、僕」
梓さんお休みで、お客さんもいない店内。
顔をしかめる降谷さんに「なんか、我々の関係を勘違いしている人がいるらしいので」と説明する。
「考えれば私、安室さんと一緒にいることが多いですよね。付き合ってもいないのに、おかしいじゃないですか」
「どの立場から言ってますか、それ?自分が監視対象なの、覚えてますか?」
「えぇ?!まだ容疑晴れてなかったんですか?!」
「晴れる理由を教えてほしいんですが」
あわわわ、てっきり「こいつ、ただのポンコツだな」て思われて、容疑なんてもう晴れていると思っていた。
クソデカため息をつく降谷さん。
「たしかに、この間の一件で組織とは関係ないとは判断しました。あのジンが、組織の人間を覚えていないわけがないですからね」
「わーい!」
「しかし、他の犯罪組織のエージェントの可能性はなくなっていません」
「しょぼーん……」
まあ、降谷さんが公安だとか、組織に潜入しているだとか、過去のあれやこれやや、日常生活のゴニョゴニョなんかを知っている理由が解明できてないし、仕方がない……。
「なので、キミは極力僕の監視下に置かないといけません。わかりましたか?」
「はーい……」
「それで、なにかあったんですか?」
「なにかって?」
「だって、キミは僕が好きなのに距離を置きたいだなんて、おかしいじゃないですか」
え~推し~。
めっちゃ私の愛を信じてくれるし、愛されてる自信にあふれてる~。
「しかし、推し。私は推しを遠くから応援したいタイプです」
「そうなんですか?僕を好きだと言う人は、大抵は付き合いたいと言うんですが」
「やだ~!推し×自分とか地雷カプ~!そもそも私は恋人とか夫婦とか“好き”を恋愛感情に全部押し込めるの嫌いなんですよ!なんですぐ好きを恋愛にするんですか!好きの意味はもっと幅広いんですよ!恋愛じゃなくても居心地がいい関係ってあるじゃないですか!私はコンビ愛なんです!コンビという恋愛に囚われない関係が大好きのですぐに好きをラブに変換するのほんとーーーーーーーに!!!!やめて!!!!」
「早口、早口」
駄々をこねる面倒くさい早口オタクをなだめる降谷さん、本当にオタクに優しいギャル。
「やだやだやだ~。恋愛とか曇った目であむピのこと見たくない~」
「世の大半の女子に喧嘩を売りますね」
「だって、恋愛語るやつってみんな相手の綺麗な部分しか見てないじゃないですか!いいですか!人間と付き合うってことは、嫌いな部分をどこまで許容できるかなんですよ!」
「人間関係でなにかあったんですか?」
「……」
「あったんですね」
黙り込む私の頭を、慰めるように撫でようとしてやめる降谷さん。
正解です。頭を撫でられたら倒れてしまいます。
「まあ、キミの人間関係は置いておいて、なんで僕と距離を置きたいんですか?」
「あー……うーん……」
言ったら降谷さんのことだから犯人捕まえる、とか言い出しそうだしな~。迷惑かけたくないな~。
しかし、米花町は犯罪の町。
殺すと言ったら絶対に殺すのが、この町のルールだ。知らんけど。
言うかどうか悩んだ末、私は言わないことを選んだ。
「なんでもないです!」
「……」
「なんですか、その疑わしそうな目は」
「疑ってるんですよ」
なんでや、工藤。
まあ、嘘なんでそりゃ疑われますな。
降谷さんは仕事中は詮索してきたりはしなかったが、疑いの視線はずっと送ってきていた。
さっさと帰ろう、としたが取っ捕まる。
「遅いですし、送っていきますよ」
「やだ!推しの運転する車乗りたくない!」
嫌がる私を、さながら散歩から帰りたくない柴イッヌのように引きずりながら、降谷さんは車に押し込んだ。
急いでいないから、荒い運転はしないと言っているが本当でござるか~?などと私の煽りをものともせず、降谷さんは穏やかな運転で自宅まで送り届けてくれた。
「それじゃあ、なにかあったら連絡してくださいね」
「はーい」
なにかあったときには、たぶん手遅れだけどな。わはははは。
刺された。
まさか学校で刺されるとはな。
同担拒否過激派が、まさか同じ学校に通っているとは。
まあ、刺されたと言ってもカッターなので致命傷にはならなかったし、傷跡も残らないらしい。
古来より、武器で刺すのはたいしたダメージにならないと聞く。
槍も刺すより薙ぎ倒す方で使われたらしいし。
なんか、戦国BASARA沼にいたときにフォロワーから聞いた気がする。
たしかに、カッターで切られたらそこそこの怪我をしていただろう。
「生きててよかった~!それはそれとして、痛い~!」
すべての命に感謝とかではなく、私の命に感謝。
本当に怖かった。
やはり、降谷さんに相談して距離を置いての監視にしてもらおう。
命大事に!
「体調どうだい?」
「ダメです、推し!」
「元気そうだね」
ダメだって言ってるでしょ!
「降谷さん、やっぱり私たち一緒にいたらダメなのよ!別れましょ!」
「僕たち、こんなに愛しあってるのに?」
「人の夢小説からセリフ引用するのやめろ!」
推しに自分の妄想を声に出して言われる人間の苦しみを考えろ。
これ以上騒ぐと、刺された傷が開きそうで怖いから大人しくするが、本当に距離を置かせてほしい。
「そもそも、脅迫文が届いていたなら相談したらどうなんですか?」
「推しに心配かけたくなかったんですよ」
「心遣い、ありがとう。でも、命が脅かされているのに、遠慮なんてしないでください」
「今度からは遠慮なく届け出するので、距離を置かせてください」
「んー……嫌です♡」
「どうして……」
現場ネコになっちゃうじゃないですか。
ハート語尾につけても誤魔化されてやらないからな。
「正直、キミは情報を持ちすぎている。そんな状態で野放しにするのが不安です。嘘つけないし」
ごもっともすぎて、なんにも言えねえ。
私がもっと嘘をつくことに長けていたら……。
「それとは別に、存在が面白いという理由もあります」
「活きのいい反応をしてしまうばかりに~!」
「だから、距離は置きません。今度はちゃんと守りますから」
全降谷零の夢女子に刺される。
「くそ……くそ……人をオモチャにしやがって……意地悪さんめ……」
「でも、そんな僕が?」
「好き~!」
嘆く私に、降谷さんは小さく笑ってから「キミは僕の悪いとこも好きと言ってくれるんですね」と言うが、嫌いだったらそもそも推してない。
「僕もキミの悪いところ、結構好きですよ。これ、キミが理想とする恋愛関係じゃないですか?」
なんてね、と冗談めかす降谷さんに、病院だということを忘れて「魚雷を発射するな!!!!!!」とクソデカボイスでキレてしまった。
もちろん、ナースさんには怒られた。