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「世の中には並行世界があって、そこに通じる穴が開く時があるらしいんだよ」
学校帰りに紅炎君に話していると、いつもの無表情で「そんな都合のいい穴があるのか」と言った。
「そうだよね、都合がよすぎるかっ……?!」
ふわっとした感覚に見舞われ、足元を見ると真っ暗な穴が開いていた。
「都合のいい穴が来たー!」
「喜んでる場合か、馬鹿!」
新説の通り穴が開いて喜んでいたのも束の間、直ぐに胃が浮く感覚が襲って来た。
紅炎君の伸ばされた手を掴もうとするが、指一本分届かない。
そのまま真っ直ぐ落下していって、穴の入口が遠ざかっていく。
安全装置のないジェットコースターで悲鳴をあげながら落ちていくと、出口なのか下の方が明るくなってきた。
「地球の裏側のみなさーん!」
などとギャグを言えるのは混乱しているからだ。
そのまま穴から落ちると一瞬、空中に浮いたが直ぐ重力に引っ張られて地面に叩きつけられた。
「ぶべあっ」
強かに鼻を打ちつけてもんどりうっていると、腕を強く引かれて起き上がらされた。
髪を強く引かれ、無理矢理顔を上へ向かされる。
「いっ!」
体は下へ、首は上へと中々無理な体勢強いられ痛みに目を瞑っていると、何だかよく聞いた事のある声で「目を開けろ」と言われた。
恐る恐る目を開け、前を見るとゆったりと椅子に座った紅炎君がいた。
「こ、紅炎君?!」
思わずそう口走ったら、私の体を抑えている人間が「馴れ馴れしく呼んでんじゃねえ!」と言いながら私の頭を地面に叩きつけた。
「っ!」
「やめろ、李青秀」
「はい、紅炎様」
よくよく考えれば一緒に落ちてこなかった紅炎君がいるわけがないし、私の知っている紅炎君はもう少し若かった気がする。
そして、“様”がついている事を考えて相当身分の高い御仁と見た。
やらかした。
命はないかも知れない。
「父よ、母よ、友よ。迷惑をかけた。すまぬ」
「何を言っているんだ、こいつは。おい、何目を閉じている。開けろ」
そろりと目を開けてもう一度、ちょっと老けている紅炎君……様を視界に入れる。
「俺は練紅炎。お前は異界の者か?」
「異界とはちょっと違うと思いますが大体そんな感じですいててててて」
額と頭皮と体がもう結構痛いです。
涙目に気が付いてくれたのか、そうでないのか分からないけど李青秀と呼ばれた男に「離せ」と指示を出した。
男は「はい」と短く返事をし、乱暴に解放した。
「げほっ!げほっ!」
むせながら必死に李青秀さんと紅炎様から距離をとる。
いざとなったら魔法で逃げてやる、と思っていたが自分の手に杖がない事に気が付く。
ど、どこだ?!
辺りを探すと、何という事だろう。
杖は鞄と一緒に李青秀さんの足元に転がっていた。
しくじった……。
退路を断たれ部屋の隅で震えていると、紅炎様が椅子から立ち上がり大股で私の方へと向かってくる。
あわあわしながら虫の様に床を這い逃げようとしたが、直ぐに回り込まれて胸倉を掴まれ宙ぶらりんにされた。
ぐっと近くなった顔はギラついていてとても怖い。
「うぇぇ許してくださいぃ……!」
「言え。貴様はアルマトランの人間か」
「違います地球という所ですアルマトランは私の世界でも研究されていますが未だ持って研究は進んでおらず未知の世界なんです」
ノンブレスで言い切ると、紅炎様は「ちっ」と舌打ちして私の服から手を離した。
お尻から落ちて、下から紅炎様を見上げるとキレた時の紅炎君と同じ顔をしていた。
「うっ……紅炎君……。助けて、紅炎君……」
みっともなく大声をあげて泣きながら、紅炎君の名前を呼び続けていたら気が付いたら寝ていた。
自分でも中々、神経が太いと思う。
学校帰りに紅炎君に話していると、いつもの無表情で「そんな都合のいい穴があるのか」と言った。
「そうだよね、都合がよすぎるかっ……?!」
ふわっとした感覚に見舞われ、足元を見ると真っ暗な穴が開いていた。
「都合のいい穴が来たー!」
「喜んでる場合か、馬鹿!」
新説の通り穴が開いて喜んでいたのも束の間、直ぐに胃が浮く感覚が襲って来た。
紅炎君の伸ばされた手を掴もうとするが、指一本分届かない。
そのまま真っ直ぐ落下していって、穴の入口が遠ざかっていく。
安全装置のないジェットコースターで悲鳴をあげながら落ちていくと、出口なのか下の方が明るくなってきた。
「地球の裏側のみなさーん!」
などとギャグを言えるのは混乱しているからだ。
そのまま穴から落ちると一瞬、空中に浮いたが直ぐ重力に引っ張られて地面に叩きつけられた。
「ぶべあっ」
強かに鼻を打ちつけてもんどりうっていると、腕を強く引かれて起き上がらされた。
髪を強く引かれ、無理矢理顔を上へ向かされる。
「いっ!」
体は下へ、首は上へと中々無理な体勢強いられ痛みに目を瞑っていると、何だかよく聞いた事のある声で「目を開けろ」と言われた。
恐る恐る目を開け、前を見るとゆったりと椅子に座った紅炎君がいた。
「こ、紅炎君?!」
思わずそう口走ったら、私の体を抑えている人間が「馴れ馴れしく呼んでんじゃねえ!」と言いながら私の頭を地面に叩きつけた。
「っ!」
「やめろ、李青秀」
「はい、紅炎様」
よくよく考えれば一緒に落ちてこなかった紅炎君がいるわけがないし、私の知っている紅炎君はもう少し若かった気がする。
そして、“様”がついている事を考えて相当身分の高い御仁と見た。
やらかした。
命はないかも知れない。
「父よ、母よ、友よ。迷惑をかけた。すまぬ」
「何を言っているんだ、こいつは。おい、何目を閉じている。開けろ」
そろりと目を開けてもう一度、ちょっと老けている紅炎君……様を視界に入れる。
「俺は練紅炎。お前は異界の者か?」
「異界とはちょっと違うと思いますが大体そんな感じですいててててて」
額と頭皮と体がもう結構痛いです。
涙目に気が付いてくれたのか、そうでないのか分からないけど李青秀と呼ばれた男に「離せ」と指示を出した。
男は「はい」と短く返事をし、乱暴に解放した。
「げほっ!げほっ!」
むせながら必死に李青秀さんと紅炎様から距離をとる。
いざとなったら魔法で逃げてやる、と思っていたが自分の手に杖がない事に気が付く。
ど、どこだ?!
辺りを探すと、何という事だろう。
杖は鞄と一緒に李青秀さんの足元に転がっていた。
しくじった……。
退路を断たれ部屋の隅で震えていると、紅炎様が椅子から立ち上がり大股で私の方へと向かってくる。
あわあわしながら虫の様に床を這い逃げようとしたが、直ぐに回り込まれて胸倉を掴まれ宙ぶらりんにされた。
ぐっと近くなった顔はギラついていてとても怖い。
「うぇぇ許してくださいぃ……!」
「言え。貴様はアルマトランの人間か」
「違います地球という所ですアルマトランは私の世界でも研究されていますが未だ持って研究は進んでおらず未知の世界なんです」
ノンブレスで言い切ると、紅炎様は「ちっ」と舌打ちして私の服から手を離した。
お尻から落ちて、下から紅炎様を見上げるとキレた時の紅炎君と同じ顔をしていた。
「うっ……紅炎君……。助けて、紅炎君……」
みっともなく大声をあげて泣きながら、紅炎君の名前を呼び続けていたら気が付いたら寝ていた。
自分でも中々、神経が太いと思う。
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