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【皇子と私】の過去話
はぁ、最近なにやら第一皇子の白雄殿下に気に入られている様で、何かにつけて呼び出されている。
正直、精神的に辛いものがある。
気が休まるのは寝る時だけだ。
やれやれ、と思いながら就寝したのだけれど、意識がふわふわしだした頃に何やら頬をむにむにと引っ張られている感覚に襲われる。
「ん……?姉様……?」
早くに起きだした姉様の悪戯だろうかと思い、眠い目をこすりながら目を開けるとぼんやりした輪郭が見えだしたが、ん?姉様じゃないぞ?
「誰……?」
「おはよう、道子」
「ん……?……ん?!」
つままれた頬から今度は頭を撫でる手に変わる。
よくその相手を見ると、穏やかに笑みを浮かべるその顔は確かに第一皇子、練白雄殿下だった。
はぁ?なんでぇ?
目を見開き硬直する私を見下ろす様に皇子は覗き込んでいた。
「ふふっ、幼い寝顔だったな」
楽しそうに私の頭を撫でる殿下に「え?なんで?殿下?」と問えば、殿下は「なんとなく、見たくなって来た」と仰った。
「なにを?」
「お前の寝顔」
常々、よくわからない行動をする方だと思っていたが、流石にこれはトリッキー過ぎやしないか?
とにかく起きて身を整えよう。
「あの、その、顔洗ってきていいですか?」
「あぁ、いいぞ」
殿下に一礼してから手ぬぐいを持って洗面所へ向かって歩いているのだが、どういう事か。
後ろを殿下がくっついてきている。
「あの、殿下?部屋で待っていてください」
「気にするな」
気にしますよ。
にこにこと微笑む殿下になにを言っても聞きそうにないし、これ以上なにか言うのも不敬かと思い黙る事にする。
「え、というか殿下。それ、肌着ですよね?」
「あぁ」
「ダメですよ。ちゃんと服を着ないと。お風邪をひきますよ?」
「じゃあ、暖めてくれ」
いい笑顔で腕を広げる殿下に「えぇ?!はぁ?!お前?!」と大混乱を起こしている私に一歩、また一歩と近づいてくる殿下。
いやぁ、本当に勘弁してくださいよ。
私も一歩ずつ後ずさるも、逃げない様にと手を掴まれた。
「道子」
「すみません!なめた態度をとって!そのままでいいので、身支度させてください!」
ひぇぇ、殿下と接触しちゃったよ……。
必死に謝罪すると、殿下は眉尻を下げて「そんなに怯えないでくれ」と仰った。
無茶を言いなさる!
なんとか手を放してもらい、顔と口を洗って髪を櫛ですこうとしたら「道子」と殿下に呼ばれた。
「はい、なんでしょうか」
「髪、整えてやる」
はぁ?!
いや、あの、その、勘弁してください……!
後ずさる私を追い詰める様に近づいてくる殿下が「いいのか?また触るぞ?」と脅しをかけてきた。
恐る恐る櫛をわたすと、満面の笑みを浮かべて鏡の前を指さし「ここに立て」と無言で要求してくる。
緊張で吐きそうになるのを抑えながら殿下の前へと立つ。
ゆっくりと私の髪をすく殿下。
「道子の髪は綺麗だな」
「で、殿下の御髪も綺麗だと思います……」
「ありがとう。なぁ、道子」
「はい……」
「殿下はやめてくれ。名前で呼んでほしい」
「はぁ?!あ!いえ、すみません!いや、でも無理です!」
なめた反応を思わずしてしまい、慌てて謝罪をする。
殿下は気にした風もなく「いい、気にするな」と仰ってくれた。
よかった……!
「ほら、呼んでみろ。白雄と」
「そんな!殿下のお名前を気安く呼ぶなど……!」
困惑と焦りと恐怖と。
色んな感情がないまぜになりながら必死に「ダメだ」と言うも殿下は強硬手段にでた。
後ろから手を回し抱き着き耳元で「呼べ、道子」と命じてきた。
男の人とこんな距離になるなど初めてだし、殿下の命令という羞恥と恐怖で目が回りそうな状況。
金魚の様に口を開け閉めする私に、もう一度殿下は「呼べ」と命令した。
「は、白雄……」
蚊の鳴くような声で呼ぶと、殿下は満面の笑みで「以降もそう呼べ」と仰った。
ひぇぇ、無理だよ……。
結果、次に会った時に「殿下」と呼んだら滅茶苦茶不機嫌な顔をされた。
ひぇぇ……ひぇぇ……。
はぁ、最近なにやら第一皇子の白雄殿下に気に入られている様で、何かにつけて呼び出されている。
正直、精神的に辛いものがある。
気が休まるのは寝る時だけだ。
やれやれ、と思いながら就寝したのだけれど、意識がふわふわしだした頃に何やら頬をむにむにと引っ張られている感覚に襲われる。
「ん……?姉様……?」
早くに起きだした姉様の悪戯だろうかと思い、眠い目をこすりながら目を開けるとぼんやりした輪郭が見えだしたが、ん?姉様じゃないぞ?
「誰……?」
「おはよう、道子」
「ん……?……ん?!」
つままれた頬から今度は頭を撫でる手に変わる。
よくその相手を見ると、穏やかに笑みを浮かべるその顔は確かに第一皇子、練白雄殿下だった。
はぁ?なんでぇ?
目を見開き硬直する私を見下ろす様に皇子は覗き込んでいた。
「ふふっ、幼い寝顔だったな」
楽しそうに私の頭を撫でる殿下に「え?なんで?殿下?」と問えば、殿下は「なんとなく、見たくなって来た」と仰った。
「なにを?」
「お前の寝顔」
常々、よくわからない行動をする方だと思っていたが、流石にこれはトリッキー過ぎやしないか?
とにかく起きて身を整えよう。
「あの、その、顔洗ってきていいですか?」
「あぁ、いいぞ」
殿下に一礼してから手ぬぐいを持って洗面所へ向かって歩いているのだが、どういう事か。
後ろを殿下がくっついてきている。
「あの、殿下?部屋で待っていてください」
「気にするな」
気にしますよ。
にこにこと微笑む殿下になにを言っても聞きそうにないし、これ以上なにか言うのも不敬かと思い黙る事にする。
「え、というか殿下。それ、肌着ですよね?」
「あぁ」
「ダメですよ。ちゃんと服を着ないと。お風邪をひきますよ?」
「じゃあ、暖めてくれ」
いい笑顔で腕を広げる殿下に「えぇ?!はぁ?!お前?!」と大混乱を起こしている私に一歩、また一歩と近づいてくる殿下。
いやぁ、本当に勘弁してくださいよ。
私も一歩ずつ後ずさるも、逃げない様にと手を掴まれた。
「道子」
「すみません!なめた態度をとって!そのままでいいので、身支度させてください!」
ひぇぇ、殿下と接触しちゃったよ……。
必死に謝罪すると、殿下は眉尻を下げて「そんなに怯えないでくれ」と仰った。
無茶を言いなさる!
なんとか手を放してもらい、顔と口を洗って髪を櫛ですこうとしたら「道子」と殿下に呼ばれた。
「はい、なんでしょうか」
「髪、整えてやる」
はぁ?!
いや、あの、その、勘弁してください……!
後ずさる私を追い詰める様に近づいてくる殿下が「いいのか?また触るぞ?」と脅しをかけてきた。
恐る恐る櫛をわたすと、満面の笑みを浮かべて鏡の前を指さし「ここに立て」と無言で要求してくる。
緊張で吐きそうになるのを抑えながら殿下の前へと立つ。
ゆっくりと私の髪をすく殿下。
「道子の髪は綺麗だな」
「で、殿下の御髪も綺麗だと思います……」
「ありがとう。なぁ、道子」
「はい……」
「殿下はやめてくれ。名前で呼んでほしい」
「はぁ?!あ!いえ、すみません!いや、でも無理です!」
なめた反応を思わずしてしまい、慌てて謝罪をする。
殿下は気にした風もなく「いい、気にするな」と仰ってくれた。
よかった……!
「ほら、呼んでみろ。白雄と」
「そんな!殿下のお名前を気安く呼ぶなど……!」
困惑と焦りと恐怖と。
色んな感情がないまぜになりながら必死に「ダメだ」と言うも殿下は強硬手段にでた。
後ろから手を回し抱き着き耳元で「呼べ、道子」と命じてきた。
男の人とこんな距離になるなど初めてだし、殿下の命令という羞恥と恐怖で目が回りそうな状況。
金魚の様に口を開け閉めする私に、もう一度殿下は「呼べ」と命令した。
「は、白雄……」
蚊の鳴くような声で呼ぶと、殿下は満面の笑みで「以降もそう呼べ」と仰った。
ひぇぇ、無理だよ……。
結果、次に会った時に「殿下」と呼んだら滅茶苦茶不機嫌な顔をされた。
ひぇぇ……ひぇぇ……。
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