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子供の時から、この個性は敵向けだと言われてきた。
個性【デリート】。
触れた対象、傷や物、個性までも抹消する個性。
個性を制御できないわけでない。
そもそも、今の私の個性値では人を消せない。
と言っても、大概の人間が消されるのではないかと怖がって私に近付かない。
いっその事、敵にでもなっちゃおうかなー、と考えながら進路相談の紙に何か書こうとしてやめるを繰り返している。
提出は今日の放課後。
つまり、NOW、今だ。
どうしたものかとがったん、がったん前後に揺すっていると軽く頭を叩かれた。
「なに、焦凍くん」
「椅子が壊れる。やめろ」
へー、へー、真面目さんですね。
彼は轟焦凍。
私とは正反対のヒーローらしい個性に真面目な性格、成績優秀で先生からの期待は鰻登り。
学校内で唯一私に話しかけてくる猛者だ。
椅子に座り直し、焦凍くんに「先生からの催促?」と聞くと「あぁ」と短く返された。
「進路、決まらないのか?」
「決まるわけないじゃん。どの学校も、そんな危険な個性の生徒受け入れられませんだよ?どこ行けっていうんだよ」
色んな学校を見学して学校相談にも行った。
けど、どこも口を揃えて「うちでは扱いきれません」と言う。
「私にはフリーターか敵という選択肢しかないのであった。はい、おしまい」
そう言いながら第一希望に「フリーター」、第二希望に「敵」と書いて提出しに行こうと立ち上がると焦凍くんが難しそうな顔をして「雄英を受けてみないか?」と言った。
「雄英って、あの超難関校でしょ?そんな由緒正しい学校が私みたいのとってくれるはずないじゃん」
「まあまあ、そう言わずに」
「ちょっと、人の進路書き換えないでよ」
消しゴムで私の進路希望を消して雄英高校と記入する焦凍くん。
「記念お受験ってやつ?」
「そう思えばいい。それに、もし受かれば俺と一緒だろ?」
「それは嬉しいけどさ。難しくない?素行不良だし」
「頭は悪くない」
そうだけどさー、と踏ん切りのつかない私に「一緒に行けたら、いいだろ?」と焦凍くんは言う。
「うーん、まあ、さっきので提出するよりましかな。じゃあ、これで提出してくるよ」
どうせ、記念お受験だから気負いせずにテストも受けられたし、実技試験は私と相性のいいものだった。
消しても問題のない機械。
これが人間相手だったらうまくはいかなかっただろう。
通知結果が届き、中身を確認して真っ先に電話をかけたのは焦凍くんだった。
『どうだった?』
「合格」
『そうか。俺も、合格した。また一緒だな』
「うん、一緒だね。焦凍くん」
個性【デリート】。
触れた対象、傷や物、個性までも抹消する個性。
個性を制御できないわけでない。
そもそも、今の私の個性値では人を消せない。
と言っても、大概の人間が消されるのではないかと怖がって私に近付かない。
いっその事、敵にでもなっちゃおうかなー、と考えながら進路相談の紙に何か書こうとしてやめるを繰り返している。
提出は今日の放課後。
つまり、NOW、今だ。
どうしたものかとがったん、がったん前後に揺すっていると軽く頭を叩かれた。
「なに、焦凍くん」
「椅子が壊れる。やめろ」
へー、へー、真面目さんですね。
彼は轟焦凍。
私とは正反対のヒーローらしい個性に真面目な性格、成績優秀で先生からの期待は鰻登り。
学校内で唯一私に話しかけてくる猛者だ。
椅子に座り直し、焦凍くんに「先生からの催促?」と聞くと「あぁ」と短く返された。
「進路、決まらないのか?」
「決まるわけないじゃん。どの学校も、そんな危険な個性の生徒受け入れられませんだよ?どこ行けっていうんだよ」
色んな学校を見学して学校相談にも行った。
けど、どこも口を揃えて「うちでは扱いきれません」と言う。
「私にはフリーターか敵という選択肢しかないのであった。はい、おしまい」
そう言いながら第一希望に「フリーター」、第二希望に「敵」と書いて提出しに行こうと立ち上がると焦凍くんが難しそうな顔をして「雄英を受けてみないか?」と言った。
「雄英って、あの超難関校でしょ?そんな由緒正しい学校が私みたいのとってくれるはずないじゃん」
「まあまあ、そう言わずに」
「ちょっと、人の進路書き換えないでよ」
消しゴムで私の進路希望を消して雄英高校と記入する焦凍くん。
「記念お受験ってやつ?」
「そう思えばいい。それに、もし受かれば俺と一緒だろ?」
「それは嬉しいけどさ。難しくない?素行不良だし」
「頭は悪くない」
そうだけどさー、と踏ん切りのつかない私に「一緒に行けたら、いいだろ?」と焦凍くんは言う。
「うーん、まあ、さっきので提出するよりましかな。じゃあ、これで提出してくるよ」
どうせ、記念お受験だから気負いせずにテストも受けられたし、実技試験は私と相性のいいものだった。
消しても問題のない機械。
これが人間相手だったらうまくはいかなかっただろう。
通知結果が届き、中身を確認して真っ先に電話をかけたのは焦凍くんだった。
『どうだった?』
「合格」
『そうか。俺も、合格した。また一緒だな』
「うん、一緒だね。焦凍くん」
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