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図書委員。
それは、読書好きや物静かな人間がなるものだと思っていた。
小学生ながら委員会の知的な先輩と本について語り合うのを夢見ていたのだけれど、現在私の隣で一緒に委員会当番をやっている先輩は、ピアス、ワックス、きつめな目。
どこをどう見ても不良です、ありがとうございます。
カウンターで二人きりというのは、死ぬほど気まずい。
返却された本もたまっているし、棚に戻して来ようと席を立つと先輩も席を立って司書さんに「本戻してきます」と言うと、重い本と軽い本をブックトラック二台に分けて軽い方を指し「こっち、頼むわ」と言って行ってしまった。
「え、何あれ。イケメンかよ」
いや、よく見ればイケメンだったなあの先輩。
怖すぎてちゃんと見た事なかったけれど。
名前なんだったっけなー、と思い起こしても全然名前が出てこない。
翌週の当番の日、少し勇気をだして話しかけてみようと思い「あの、先輩」と声をかけると、眠そうな視線を向け「なんや、網走」と言った。
「あ、名前」
「名前がどうしたんや?」
「知っとるとは思わんくて」
そう言うと、先輩は「当番のパートナーの名前くらい知っとるやろ」と呆れ気味に言った。
私は苦笑いしながら「そ、そうですね」と返すしかできなかった。
それを目ざとく気が付いた先輩は「俺の名前言ってみ?」と言い出した。
「え、えーっと、し……」
「し?」
「白石先輩……?」
「はずれ」
それ、俺の先輩や、と言われた。
記憶に新しい名前を適当に言ったのだが、やはりはずれらしい。
素直に「すんません」と謝ると「ええよ。許したる」と笑う顔は、意外と幼くて可愛かった。
イケメンで可愛いとか最強かよ。
ポテンシャルの高さに戦きながら「もう一回、先輩の名前きいてええですか?」と聞くと「財前光」と答えた。
「次は忘れんなよ、網走」
ニヒルに微笑む姿に、うわ、眩しいと思いながら「はい、財前先輩」と答える。
翌週は、財前先輩に「どんな本、読むんですか?」と聞くと「The Shining」と流暢な英語で返された。
うわ、英語できるとかどこまでポテンシャル高いんだ、この先輩。
「気になるんやったら貸そか?」
「え?翻訳したやつですか?」
「全文英語やけど」
「ちょっとハードル高いですわ」
そう返すと「ほなら、一緒に勉強しながら読む?」と言われた。
ぐうかっこいい。
「無理、かっこよすぎかよ。好き」
語彙力も何もない感想を述べると、先輩が「ええよ」と言うのでは?何が?
問おうとしたら、ブリーチ髪の生徒と噂の白石先輩が「あー!光が告白されとる!」と言いながら割って入ってきた。
「先輩ら、部活以外で話しかけんといてください。恥ずかしいんで」
「恥ずかしいって何やねん!先輩やで、俺!」
「謙也、ここ図書室やから静かにしよか」
謙也と呼ばれた先輩が、各方面に頭をさげてから財前先輩に「おー、おー、先輩より先に彼女もちか?」と言う。
「羨ましかったら謙也さんもつくったらどうですか?」
「うっさいわ。けど、光の事やからもっとパンクな女子と付き合うんかと思った」
「可愛い子やな」
にこりと白石先輩が微笑みかけてくるのだけど、え?この話、私にも関わりあるの?
きょろきょろと先輩達に視線を彷徨わせてから財前先輩に「よく分からないです」という顔を向けると「自分が、俺の彼女やからな?」と言われた。
「え?……え?!」
衝撃の事実に声をあげてしまったが、これは不可抗力である。
あんな、語彙力失った言葉がまさかの告白だととられただと?!
あわあわしていると、財前先輩が私の手をとり「俺と付き合ってくれませんか?」と言いながら手の甲にキスをした。
「無理かっこいい辛い」
それは、読書好きや物静かな人間がなるものだと思っていた。
小学生ながら委員会の知的な先輩と本について語り合うのを夢見ていたのだけれど、現在私の隣で一緒に委員会当番をやっている先輩は、ピアス、ワックス、きつめな目。
どこをどう見ても不良です、ありがとうございます。
カウンターで二人きりというのは、死ぬほど気まずい。
返却された本もたまっているし、棚に戻して来ようと席を立つと先輩も席を立って司書さんに「本戻してきます」と言うと、重い本と軽い本をブックトラック二台に分けて軽い方を指し「こっち、頼むわ」と言って行ってしまった。
「え、何あれ。イケメンかよ」
いや、よく見ればイケメンだったなあの先輩。
怖すぎてちゃんと見た事なかったけれど。
名前なんだったっけなー、と思い起こしても全然名前が出てこない。
翌週の当番の日、少し勇気をだして話しかけてみようと思い「あの、先輩」と声をかけると、眠そうな視線を向け「なんや、網走」と言った。
「あ、名前」
「名前がどうしたんや?」
「知っとるとは思わんくて」
そう言うと、先輩は「当番のパートナーの名前くらい知っとるやろ」と呆れ気味に言った。
私は苦笑いしながら「そ、そうですね」と返すしかできなかった。
それを目ざとく気が付いた先輩は「俺の名前言ってみ?」と言い出した。
「え、えーっと、し……」
「し?」
「白石先輩……?」
「はずれ」
それ、俺の先輩や、と言われた。
記憶に新しい名前を適当に言ったのだが、やはりはずれらしい。
素直に「すんません」と謝ると「ええよ。許したる」と笑う顔は、意外と幼くて可愛かった。
イケメンで可愛いとか最強かよ。
ポテンシャルの高さに戦きながら「もう一回、先輩の名前きいてええですか?」と聞くと「財前光」と答えた。
「次は忘れんなよ、網走」
ニヒルに微笑む姿に、うわ、眩しいと思いながら「はい、財前先輩」と答える。
翌週は、財前先輩に「どんな本、読むんですか?」と聞くと「The Shining」と流暢な英語で返された。
うわ、英語できるとかどこまでポテンシャル高いんだ、この先輩。
「気になるんやったら貸そか?」
「え?翻訳したやつですか?」
「全文英語やけど」
「ちょっとハードル高いですわ」
そう返すと「ほなら、一緒に勉強しながら読む?」と言われた。
ぐうかっこいい。
「無理、かっこよすぎかよ。好き」
語彙力も何もない感想を述べると、先輩が「ええよ」と言うのでは?何が?
問おうとしたら、ブリーチ髪の生徒と噂の白石先輩が「あー!光が告白されとる!」と言いながら割って入ってきた。
「先輩ら、部活以外で話しかけんといてください。恥ずかしいんで」
「恥ずかしいって何やねん!先輩やで、俺!」
「謙也、ここ図書室やから静かにしよか」
謙也と呼ばれた先輩が、各方面に頭をさげてから財前先輩に「おー、おー、先輩より先に彼女もちか?」と言う。
「羨ましかったら謙也さんもつくったらどうですか?」
「うっさいわ。けど、光の事やからもっとパンクな女子と付き合うんかと思った」
「可愛い子やな」
にこりと白石先輩が微笑みかけてくるのだけど、え?この話、私にも関わりあるの?
きょろきょろと先輩達に視線を彷徨わせてから財前先輩に「よく分からないです」という顔を向けると「自分が、俺の彼女やからな?」と言われた。
「え?……え?!」
衝撃の事実に声をあげてしまったが、これは不可抗力である。
あんな、語彙力失った言葉がまさかの告白だととられただと?!
あわあわしていると、財前先輩が私の手をとり「俺と付き合ってくれませんか?」と言いながら手の甲にキスをした。
「無理かっこいい辛い」
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