短編
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我が名は撫子!
カルデアのグランドオーダーに選ばれし魔術師であるが、どういうわけかサーヴァント召喚が叶わず、オルガマリー所長から「役立たず」と言われ作戦から外された!
どの面で家に帰ればよいのか!
いや、この面でのうのうと帰れば確実になにかしらの実験体にされてジ・エンドである。
なので、謝罪に謝罪を重ね頼み込んでカルデアのスタッフ、というか雑用係として居座ることを許された。
命拾いである。
そして、なんやかんやありカルデアの爆破などなどあり、レイシフト適性だけはしっかりあるので一緒にレイシフトし、藤丸くんのサポートに回るのであった。
最初の頃は大変だった……。
クラス相性がわからず、ワイバーンにキャスター編成で行くわ(今もたまにある)、しゃらくさくなってバーサーカーで全てを薙ぎ倒そうとするわ(今もやる)、概念礼装を間違えるわ(未だにある)……。
まあ、私も最初の頃はわからないことばかりであった。
私はなにもできないのだから、サポートくらいどんとこいさ。
せめて、私もサーヴァント契約ができればとは思うが、未だに召喚できそうな気配すらない。
なにか、触媒が必要なのだろうか。
「すみません、撫子さん……」
「いえ、先輩は悪くありません!私がちゃんと守れていれば……!」
私の右目を覆い隠すように巻かれた包帯を見て、苦しそうな顔をする藤丸くんとマシュちゃんの肩を叩き「死んでないから問題ない」と言うも、気落ちした状態から回復しない。
戦闘があれば怪我もする。
私の使命は、藤丸くんとマシュちゃんの現地サポートかつ生かすことである。
「ほらほら!今日は新しく英霊召喚するんでしょ?ばーん!と景気よく召喚しちゃおうよ!」
そう、努めて明るく声をかけ召喚室に入ると召喚システムがえらい勢いで発動していた。
ぽかん、とする私と藤丸くんとマシュちゃん。
回転がおさまり、そこには褐色肌に黒髪の美丈夫が立っていた。
ほわぁ……?
美丈夫は我々を視認すると、オタクが推しを見つけたような笑みを浮かべ「そんな……!こんな奇跡があっていいのか……!」と声を上げた。
困惑する我々に美丈夫は近づいてくるが、つい反射的にマシュと藤丸くんを背中に庇ってしまった。
それを見た美丈夫は穏やかに微笑み「こんにちは、勇敢なお嬢さん」と言い、綺麗な一礼をしてみせた。
「驚かせてしまい、申し訳ない。できれば自己紹介をしたいのだが、許可してもらえるだろうか?」
「あ、いや、私の方こそ申し訳ありません。つい、いつもの癖で遮ってしまいました。真名を伺っても?」
「私はバーソロミュー・ロバーツだ。以後お見知り置きを、我が麗しきメカクレのマスター」
バーソロミュー氏は、そう、私に言った。
「ワイ?」
「you」
「why?????」
え?なぜ、ワイ?どうして、突然召喚ができた?
混乱しながらも、私は藤丸くんとマシュちゃんに断りを入れ、バーソロミュー氏とダ・ヴィンチのところへ相談に行った。
「うーん、確かにパスは繋がってるね。でも、召喚する気はなかったんだろ?」
「まあ、あわよくばとは思いましたが」
「なんだろう。何かに引かれて来た可能性はあると思うんだよね。なにか、普段と違うものを身に着けていたりはしないかい?」
「うーん、言われても目を怪我してるとしか」
「それだとも!」
突然バーソロミュー氏が大声をあげ、驚き彼の顔を見ると歓喜の笑みを浮かべていた。
やだぁ、こわぁい……。
「私はなにを隠そう、メカクレを愛している!その包帯の下に隠された宝石!その神秘性に引かれ、私たちはこうして契約を結ぶことができた!これはもう、運命と呼ぶべきだ!」
早口でなにやらまくし立てられたが、確かに挨拶のときもサラッと“メカクレ”と言っていた気がする。
こんな、こんなお手軽な触媒があっていいのか……?と、魔術師としては大混乱ではあるがサーヴァント契約ができたことは喜ぶべきだ。
「召喚に応じてくれて、ありがとうございます。バーソロミュー・ロバーツ氏」
「そんな堅苦しい話し方はよしてくれ。キミは私の契約主だ。もっと気軽な話し方をしてほしい」
「うん、わかった。ありがとう、私のファースト・サーヴァント」
「これから末永く頼む、麗しのメカクレ」
「先に言うのだが、純正メカクレじゃないんだ、私は。怪我してるだけだから、そのうちメカクレじゃなくなる」
「……」
真実を告げると、バーソロミューは笑顔で「チェンジは可能かな?」と聞いてきた。
これだから、海賊は。
「チェンジ不可です」
「では退去を」
そう言われ慌てて「やめて!」と声を荒げてしまった。
バーソロミューは面食らった表情をする。
「メカクレじゃないのは、ごめん。でも、いなくなられるのは困るの。状況はあとで説明するけど、今はとにかく戦力が必要な状況なの。だから、お願い。私に力を貸して」
「……戦力というが正直、私はあまり戦力にはならないと思う。期待はしないでほしい」
「たかが魔術師より、あなたの方がずっと頼れる。藤丸くんたちを生かすためには、私だけじゃ守りきれない。お願い、バーソロミュー・ロバーツ」
今はまだいいが、いつか必ず私の力が及ばなくなるときが来るだろう。
そのとき、少しでも力になれるものがほしい。
バーソロミューは私の目を見つめ返し「いいね」と呟いた。
「貴殿はメカクレではないが、貴殿の信念は気に入った。その信念のために、私は力になろう」
「バーソロミュー、ありがとう」
こうして、私とバーソロミューは無事契約を果たせた。
バーソロミュー自身は自分の戦力を過小評価しているが、彼の冷静な状況判断能力はピカイチだった。
私だけでは判断しきれない部分も彼のお陰で助かっている。
まあ、人をよく見れすぎているために、少しでも無理をすれば一瞬でバレる。
「さぁ、マスター!睡眠の時間だ!」
「……」
藤丸くんとの会話中、前触れなく現れしメカクレ使者。
お互いに微笑み合い、隙をついて逃げたのだが藤丸くんが「総員!撫子さんを捕獲せよ!」と号令をかけやがったので、秒殺であった。
「協力感謝するよ、藤丸」
「撫子さんをよろしくお願いします!」
「ああ、キミも無理はしないように。マシュが心配するからね」
「はい」
バーソロミューに小脇に抱えられ、自室へと強制的に連れてこられてしまった。
優しく地に降ろされ、にこやかに「さあ、大人しく寝るのと、無理矢理寝かしつけられるのどちらがお好みかな?」と脅迫してきた。
まあ、紳士的な男なので乱暴は絶対にしないというのはわかってはいる。
乱暴はしないが、目の笑っていない笑みは浮かべる。
なにをされるわけではないが、あれは怖い。
「マスター。再三言っているが、生きのびるためには正確な判断が必要だ。そのためには、休めるときに休むべきなのはわかるかな?」
「はい……」
「これがレイシフト中であれば、私はキミの命令を遵守して藤丸の命を守ろう。しかし、それ以外はキミの心身を守ることを優先する。だから、キミがなにを言おうと休ませる」
「いやぁ〜、けどまだレポートとか種火周回とか素材集めしたくてぇ〜」
「はっはっはっ!!なにかごちゃごちゃ聞こえる気がするのだが、気のせいかな?マスター、申し訳ないのだがもう一度大きな声で言ってみてくれ!」
京都の人みたいな怒り方してる……。
黒髭の影響かな……。
これ以上ゴネると、ぐぅの音もでないような説教をされそうだ……寝るか……。
すごすごとベッドに入り込むと、バーソロミューは満足気に「よろしい」と言い、ベッドの縁に腰を下ろし「いい夢を、マスター」と額を撫でる。
「ぐぅーー」
「相変わらず寝つきがいいな……。少しは警戒してほしいのだが……」
カルデアのグランドオーダーに選ばれし魔術師であるが、どういうわけかサーヴァント召喚が叶わず、オルガマリー所長から「役立たず」と言われ作戦から外された!
どの面で家に帰ればよいのか!
いや、この面でのうのうと帰れば確実になにかしらの実験体にされてジ・エンドである。
なので、謝罪に謝罪を重ね頼み込んでカルデアのスタッフ、というか雑用係として居座ることを許された。
命拾いである。
そして、なんやかんやありカルデアの爆破などなどあり、レイシフト適性だけはしっかりあるので一緒にレイシフトし、藤丸くんのサポートに回るのであった。
最初の頃は大変だった……。
クラス相性がわからず、ワイバーンにキャスター編成で行くわ(今もたまにある)、しゃらくさくなってバーサーカーで全てを薙ぎ倒そうとするわ(今もやる)、概念礼装を間違えるわ(未だにある)……。
まあ、私も最初の頃はわからないことばかりであった。
私はなにもできないのだから、サポートくらいどんとこいさ。
せめて、私もサーヴァント契約ができればとは思うが、未だに召喚できそうな気配すらない。
なにか、触媒が必要なのだろうか。
「すみません、撫子さん……」
「いえ、先輩は悪くありません!私がちゃんと守れていれば……!」
私の右目を覆い隠すように巻かれた包帯を見て、苦しそうな顔をする藤丸くんとマシュちゃんの肩を叩き「死んでないから問題ない」と言うも、気落ちした状態から回復しない。
戦闘があれば怪我もする。
私の使命は、藤丸くんとマシュちゃんの現地サポートかつ生かすことである。
「ほらほら!今日は新しく英霊召喚するんでしょ?ばーん!と景気よく召喚しちゃおうよ!」
そう、努めて明るく声をかけ召喚室に入ると召喚システムがえらい勢いで発動していた。
ぽかん、とする私と藤丸くんとマシュちゃん。
回転がおさまり、そこには褐色肌に黒髪の美丈夫が立っていた。
ほわぁ……?
美丈夫は我々を視認すると、オタクが推しを見つけたような笑みを浮かべ「そんな……!こんな奇跡があっていいのか……!」と声を上げた。
困惑する我々に美丈夫は近づいてくるが、つい反射的にマシュと藤丸くんを背中に庇ってしまった。
それを見た美丈夫は穏やかに微笑み「こんにちは、勇敢なお嬢さん」と言い、綺麗な一礼をしてみせた。
「驚かせてしまい、申し訳ない。できれば自己紹介をしたいのだが、許可してもらえるだろうか?」
「あ、いや、私の方こそ申し訳ありません。つい、いつもの癖で遮ってしまいました。真名を伺っても?」
「私はバーソロミュー・ロバーツだ。以後お見知り置きを、我が麗しきメカクレのマスター」
バーソロミュー氏は、そう、私に言った。
「ワイ?」
「you」
「why?????」
え?なぜ、ワイ?どうして、突然召喚ができた?
混乱しながらも、私は藤丸くんとマシュちゃんに断りを入れ、バーソロミュー氏とダ・ヴィンチのところへ相談に行った。
「うーん、確かにパスは繋がってるね。でも、召喚する気はなかったんだろ?」
「まあ、あわよくばとは思いましたが」
「なんだろう。何かに引かれて来た可能性はあると思うんだよね。なにか、普段と違うものを身に着けていたりはしないかい?」
「うーん、言われても目を怪我してるとしか」
「それだとも!」
突然バーソロミュー氏が大声をあげ、驚き彼の顔を見ると歓喜の笑みを浮かべていた。
やだぁ、こわぁい……。
「私はなにを隠そう、メカクレを愛している!その包帯の下に隠された宝石!その神秘性に引かれ、私たちはこうして契約を結ぶことができた!これはもう、運命と呼ぶべきだ!」
早口でなにやらまくし立てられたが、確かに挨拶のときもサラッと“メカクレ”と言っていた気がする。
こんな、こんなお手軽な触媒があっていいのか……?と、魔術師としては大混乱ではあるがサーヴァント契約ができたことは喜ぶべきだ。
「召喚に応じてくれて、ありがとうございます。バーソロミュー・ロバーツ氏」
「そんな堅苦しい話し方はよしてくれ。キミは私の契約主だ。もっと気軽な話し方をしてほしい」
「うん、わかった。ありがとう、私のファースト・サーヴァント」
「これから末永く頼む、麗しのメカクレ」
「先に言うのだが、純正メカクレじゃないんだ、私は。怪我してるだけだから、そのうちメカクレじゃなくなる」
「……」
真実を告げると、バーソロミューは笑顔で「チェンジは可能かな?」と聞いてきた。
これだから、海賊は。
「チェンジ不可です」
「では退去を」
そう言われ慌てて「やめて!」と声を荒げてしまった。
バーソロミューは面食らった表情をする。
「メカクレじゃないのは、ごめん。でも、いなくなられるのは困るの。状況はあとで説明するけど、今はとにかく戦力が必要な状況なの。だから、お願い。私に力を貸して」
「……戦力というが正直、私はあまり戦力にはならないと思う。期待はしないでほしい」
「たかが魔術師より、あなたの方がずっと頼れる。藤丸くんたちを生かすためには、私だけじゃ守りきれない。お願い、バーソロミュー・ロバーツ」
今はまだいいが、いつか必ず私の力が及ばなくなるときが来るだろう。
そのとき、少しでも力になれるものがほしい。
バーソロミューは私の目を見つめ返し「いいね」と呟いた。
「貴殿はメカクレではないが、貴殿の信念は気に入った。その信念のために、私は力になろう」
「バーソロミュー、ありがとう」
こうして、私とバーソロミューは無事契約を果たせた。
バーソロミュー自身は自分の戦力を過小評価しているが、彼の冷静な状況判断能力はピカイチだった。
私だけでは判断しきれない部分も彼のお陰で助かっている。
まあ、人をよく見れすぎているために、少しでも無理をすれば一瞬でバレる。
「さぁ、マスター!睡眠の時間だ!」
「……」
藤丸くんとの会話中、前触れなく現れしメカクレ使者。
お互いに微笑み合い、隙をついて逃げたのだが藤丸くんが「総員!撫子さんを捕獲せよ!」と号令をかけやがったので、秒殺であった。
「協力感謝するよ、藤丸」
「撫子さんをよろしくお願いします!」
「ああ、キミも無理はしないように。マシュが心配するからね」
「はい」
バーソロミューに小脇に抱えられ、自室へと強制的に連れてこられてしまった。
優しく地に降ろされ、にこやかに「さあ、大人しく寝るのと、無理矢理寝かしつけられるのどちらがお好みかな?」と脅迫してきた。
まあ、紳士的な男なので乱暴は絶対にしないというのはわかってはいる。
乱暴はしないが、目の笑っていない笑みは浮かべる。
なにをされるわけではないが、あれは怖い。
「マスター。再三言っているが、生きのびるためには正確な判断が必要だ。そのためには、休めるときに休むべきなのはわかるかな?」
「はい……」
「これがレイシフト中であれば、私はキミの命令を遵守して藤丸の命を守ろう。しかし、それ以外はキミの心身を守ることを優先する。だから、キミがなにを言おうと休ませる」
「いやぁ〜、けどまだレポートとか種火周回とか素材集めしたくてぇ〜」
「はっはっはっ!!なにかごちゃごちゃ聞こえる気がするのだが、気のせいかな?マスター、申し訳ないのだがもう一度大きな声で言ってみてくれ!」
京都の人みたいな怒り方してる……。
黒髭の影響かな……。
これ以上ゴネると、ぐぅの音もでないような説教をされそうだ……寝るか……。
すごすごとベッドに入り込むと、バーソロミューは満足気に「よろしい」と言い、ベッドの縁に腰を下ろし「いい夢を、マスター」と額を撫でる。
「ぐぅーー」
「相変わらず寝つきがいいな……。少しは警戒してほしいのだが……」