短編
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今日は異様にスティーブンさんと目が合う。
その度に、優しい笑みを向けられて怖い、気持ち悪い。
それとなく、ザップやレオやツェッドを視線避けにしようとするが、やつらもうっかり春風ビームを食らうのが嫌なようですぐにどこかへ行く。
どこにも行くなよぉ、泣いちゃうだろぉ。
よくよく考えれば、広いとはいえ同じ部屋にいれば視線くらいあうか。
ならば、私が外に出れば万事解決。
そうと決まれば、とそそくさとエレベーターに乗ると、長い脚をフル活用してスティーブンさんがエレベーターに飛び込み乗車をかまし、更にその勢いで長い脚による壁ドンを食らった。
あまりにもビックリしすぎて、声にならない悲鳴をあげてへたり込んだ。
半泣きで震える私の側に足をおろし、私を見下ろしながら「どこに行くんだ?」と穏やかな笑顔と声で聞いてくる。
な、なんでそんなに怒ってるんですか……。
「聞こえなかったか?どこに、行くんだ?」
ゆっくりと優しく問い詰められ、絞り出すように「ごはん、たべに……」と答えると「そうか、なら一緒に行ってもいいな」とこちらの答えも聞かず、ランチを一緒にすることになってしまった。
嫌です……、とは言えず一緒に適当な店で食事をするも、始終無言。
その上、ずっとスティーブンさんに見られていて緊張で食事の味がわからない。
「今日、なんの日か知ってるかい?」
「は?」
突然ふられた話にすぐ反応できなかったが、なにやら記念日を大切にする恋人のような質問をされた気がする。
だが、私とスティーブンさんの間に記念日は存在しない。
誰かと間違えているのでは、と考えるがこちらがなにか答えるまで逃がしてはくれなさそうなので、ありきたりに「ロックの日でしたっけ?」と答えれば爽やかな春の風が吹きわたった。
こちらは極寒だが。
答えを間違えた。
「すみません、あまりそういう記念日とか気にしない人間でして」
「朝から皆、話してるのに?」
「大体いつも眠いので、人の話は聞いてないですね」
正直に言うと「聞け」と軽く頭を叩かれた。
「だから、今日は……」
とまで言い、気恥ずかしそうに「なんで自分で言わないといけないんだ」と文句を言ってから「今日は僕の誕生日なんだ」と言う。
「そうなんですね、おめでとうございます」
「……それだけ?」
「他になにかできることないですし」
「……プレゼントとか」
「じゃあ、あとで何か買ってきます」
「……食事とか」
欲を見せたのか食事に誘われたが、食い気味に「嫌ですが?!」と拒否してしまった。
あ、そんなしょんぼりした顔しないでください、怖い。
だって、スティーブンさんの行く店って、ドレスコードのある庶民にはゼロが二桁くらい多い店じゃないですか!
偏見だけど!偏見だけど!
「別に、そういう店ばかりじゃ……いや、それもいいな。今日、僕と食事をしてくれ。ドレスコードのある店で。それを誕生日プレゼントにしよう」
「嫌ですが」
「そうか、なら今日一日僕はとても不機嫌になりザップや少年やザップやザップから、君のところにクレームが入るだろうな」
「……」
遠回しな脅しに頭が痛くなる。
主な被害であるザップやレオがどうなろうとも痛くも痒くもないが、名前は上がらなかったが私にも被害が来るだろう。
物理的にはなにもしないが、批難がましいねちっこい視線をやってくるに違いない。
一日着せかえ人形になって、食事に行くだけだ。
我慢しよう、とウキウキのスティーブンさんに連れられ、なにやらお高そうな服屋へと来た。
あれもいい、これもいい、と試着したもの全て購入され、一番のお気に入りとなったドレスを着せられしっかりとヘアセットまでされ、アクセサリーも買い与えられた。
おかしいな、スティーブンさんの誕生日なのに私が異様にプレゼントを貰っている。
「あの、スティーブンさん。これは色々違うのでは」
「うん?なにがだ?」
「今日はスティーブンさんの誕生日ですよね?私が買って貰っては、本末転倒なのでは」
「あぁ、いいんだよ。これで。知らないのか?服を贈る理由」
ぬるりと指と指が絡み合い、スティーブンさんの唇が耳元に近寄り「その服を脱がしたいんだよ」と低く、低く、熱っぽく、蜂蜜のような甘さの声で囁かれた。
勿論、コンプライアンス窓口であるK・Kさんに助けを求めて絞めてもらった。
その度に、優しい笑みを向けられて怖い、気持ち悪い。
それとなく、ザップやレオやツェッドを視線避けにしようとするが、やつらもうっかり春風ビームを食らうのが嫌なようですぐにどこかへ行く。
どこにも行くなよぉ、泣いちゃうだろぉ。
よくよく考えれば、広いとはいえ同じ部屋にいれば視線くらいあうか。
ならば、私が外に出れば万事解決。
そうと決まれば、とそそくさとエレベーターに乗ると、長い脚をフル活用してスティーブンさんがエレベーターに飛び込み乗車をかまし、更にその勢いで長い脚による壁ドンを食らった。
あまりにもビックリしすぎて、声にならない悲鳴をあげてへたり込んだ。
半泣きで震える私の側に足をおろし、私を見下ろしながら「どこに行くんだ?」と穏やかな笑顔と声で聞いてくる。
な、なんでそんなに怒ってるんですか……。
「聞こえなかったか?どこに、行くんだ?」
ゆっくりと優しく問い詰められ、絞り出すように「ごはん、たべに……」と答えると「そうか、なら一緒に行ってもいいな」とこちらの答えも聞かず、ランチを一緒にすることになってしまった。
嫌です……、とは言えず一緒に適当な店で食事をするも、始終無言。
その上、ずっとスティーブンさんに見られていて緊張で食事の味がわからない。
「今日、なんの日か知ってるかい?」
「は?」
突然ふられた話にすぐ反応できなかったが、なにやら記念日を大切にする恋人のような質問をされた気がする。
だが、私とスティーブンさんの間に記念日は存在しない。
誰かと間違えているのでは、と考えるがこちらがなにか答えるまで逃がしてはくれなさそうなので、ありきたりに「ロックの日でしたっけ?」と答えれば爽やかな春の風が吹きわたった。
こちらは極寒だが。
答えを間違えた。
「すみません、あまりそういう記念日とか気にしない人間でして」
「朝から皆、話してるのに?」
「大体いつも眠いので、人の話は聞いてないですね」
正直に言うと「聞け」と軽く頭を叩かれた。
「だから、今日は……」
とまで言い、気恥ずかしそうに「なんで自分で言わないといけないんだ」と文句を言ってから「今日は僕の誕生日なんだ」と言う。
「そうなんですね、おめでとうございます」
「……それだけ?」
「他になにかできることないですし」
「……プレゼントとか」
「じゃあ、あとで何か買ってきます」
「……食事とか」
欲を見せたのか食事に誘われたが、食い気味に「嫌ですが?!」と拒否してしまった。
あ、そんなしょんぼりした顔しないでください、怖い。
だって、スティーブンさんの行く店って、ドレスコードのある庶民にはゼロが二桁くらい多い店じゃないですか!
偏見だけど!偏見だけど!
「別に、そういう店ばかりじゃ……いや、それもいいな。今日、僕と食事をしてくれ。ドレスコードのある店で。それを誕生日プレゼントにしよう」
「嫌ですが」
「そうか、なら今日一日僕はとても不機嫌になりザップや少年やザップやザップから、君のところにクレームが入るだろうな」
「……」
遠回しな脅しに頭が痛くなる。
主な被害であるザップやレオがどうなろうとも痛くも痒くもないが、名前は上がらなかったが私にも被害が来るだろう。
物理的にはなにもしないが、批難がましいねちっこい視線をやってくるに違いない。
一日着せかえ人形になって、食事に行くだけだ。
我慢しよう、とウキウキのスティーブンさんに連れられ、なにやらお高そうな服屋へと来た。
あれもいい、これもいい、と試着したもの全て購入され、一番のお気に入りとなったドレスを着せられしっかりとヘアセットまでされ、アクセサリーも買い与えられた。
おかしいな、スティーブンさんの誕生日なのに私が異様にプレゼントを貰っている。
「あの、スティーブンさん。これは色々違うのでは」
「うん?なにがだ?」
「今日はスティーブンさんの誕生日ですよね?私が買って貰っては、本末転倒なのでは」
「あぁ、いいんだよ。これで。知らないのか?服を贈る理由」
ぬるりと指と指が絡み合い、スティーブンさんの唇が耳元に近寄り「その服を脱がしたいんだよ」と低く、低く、熱っぽく、蜂蜜のような甘さの声で囁かれた。
勿論、コンプライアンス窓口であるK・Kさんに助けを求めて絞めてもらった。