短編
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個人サイト全盛期に身に付けたWebデザイン能力を活かし、MHKのWebデザイナーとして入社したわけだが。
うーん、ママンとトゥギャザーの人たち、相変わらず精神が心配になってくる目をしているな。
目が死んでるけど、大丈夫?
特に裏道さん。
学生時代は、無表情ではあったがこんな闇深い感じではなかったような……。
まあ、私にはなにもできないし、と思いながら廊下を歩いていると前方に裏道さんを見つけた。
「お疲れ様でーす」
「お疲れさ……え?撫子?」
「はい、苗樫撫子です」
「なんでここに?」
「Webデザイナーとして就職しました」
「そ、そうなんだ……」
なんだがショックを受けている裏道さんに「お疲れ様でーす」と言って帰ろうとしたら、「いやいやいや……え……え?」と動揺しながら腕を掴まれた。
え、なに。
「あ、悪い。まさか、普通に帰られるとは思わなかったから」
「疲れているのに引き止めたら悪いかと思いまして」
「ああ、うん。気づかい、ありがとう。いつ就職したんだ?」
「今年入社です」
「俺の存在は知ってた?」
「まあ」
「そう……」
またしょげる裏道さんに「悩みなら聞きますが」と気をつかえば、「じゃあ、飲みに行く?」と誘われた。
わーい、行きます。
「で、なにを悩んでいるんですか?」
「逆に聞くけど、大学の仲良くしてた後輩が同じ会社に入社したのに挨拶もせず、顔を会わしても他人のように通り抜けようとしたらショック受けないか?」
「そんな繊細な人でしたっけ?」
「……」
死んだ目をしながら無言でアイアンクローの構えをとらないでほしい。
「すみません。部署も違いますし、裏道さんが卒業されてからはあまり連絡もしていなかったので、わざわざ時間とってもらうのは悪いかと」
「その気づかい、兎原にわけてやれ」
「あいつに気づかいは無理ですよ」
無神経だからこその兎原だ。
「でも、またこうやって話せたのは……嬉しかったかも……」
「私もまた裏道さんと会えて嬉しかったです」
「うん」
「今日はとことん飲みましょう」
「じゃあ、俺の気が済むまで付き合ってくれるか?」
「はい、喜んで」
などと受けてたったが、この人。酔わないな……。
記憶が正しければ、私がサワーとソフドリを飲みきる間に日本酒三合は飲み干しているはずなのだけれど。
いつになったら気が済むんだろうか。
「裏道さん、飲みすぎでは?」
「え?まだ助走だけど」
「助走強すぎませんか?」
助走で日本酒とか、確実に酒豪。
ここから長くなりそうだな……。
ペースを調整しないと、とチェイサーにソフトドリンクを頼もうとしたら、裏道さんにソフトドリンクを消されワインのボトルを注文された。
「もう飲んじゃったんですか?」
「いや、撫子飲んでないみたいだから」
「私が飲むんですか?」
「そうだけど?」
飲めないわけではないが、酔いつぶれてしまっては迷惑をかけてしまう。
チェイサーになにか挟まないときつい。
ソフトドリンクをもう一度頼もうとするも、また裏道さんに消され、追加しても消され。
「あの、裏道さん?」
「……ソフドリ挟まず飲めよ」
アルハラ~!
しかし、私も体育会系の人間。
先輩から飲めと言われれば飲んでしまう体になっている。
熊谷の細胞がほしい。
せめて終電のアラームだけでも、とケータイを取り出したら没収された。
「時間気にするとか失礼じゃないか?」
「でも終電逃すと帰れなくなりますし……」
タクシーはちょっときつい、と財布を確認する私に裏道さんは「帰らなくていいじゃん」と言う。
「泊まっていけば、うちに」
「は?」
「うち、近いし」
「裏道さん、それは……遠慮なく飲めますね?!すみませーん!菊正宗くださーい!」
「いや、もう少し考えろよ」
うーん、ママンとトゥギャザーの人たち、相変わらず精神が心配になってくる目をしているな。
目が死んでるけど、大丈夫?
特に裏道さん。
学生時代は、無表情ではあったがこんな闇深い感じではなかったような……。
まあ、私にはなにもできないし、と思いながら廊下を歩いていると前方に裏道さんを見つけた。
「お疲れ様でーす」
「お疲れさ……え?撫子?」
「はい、苗樫撫子です」
「なんでここに?」
「Webデザイナーとして就職しました」
「そ、そうなんだ……」
なんだがショックを受けている裏道さんに「お疲れ様でーす」と言って帰ろうとしたら、「いやいやいや……え……え?」と動揺しながら腕を掴まれた。
え、なに。
「あ、悪い。まさか、普通に帰られるとは思わなかったから」
「疲れているのに引き止めたら悪いかと思いまして」
「ああ、うん。気づかい、ありがとう。いつ就職したんだ?」
「今年入社です」
「俺の存在は知ってた?」
「まあ」
「そう……」
またしょげる裏道さんに「悩みなら聞きますが」と気をつかえば、「じゃあ、飲みに行く?」と誘われた。
わーい、行きます。
「で、なにを悩んでいるんですか?」
「逆に聞くけど、大学の仲良くしてた後輩が同じ会社に入社したのに挨拶もせず、顔を会わしても他人のように通り抜けようとしたらショック受けないか?」
「そんな繊細な人でしたっけ?」
「……」
死んだ目をしながら無言でアイアンクローの構えをとらないでほしい。
「すみません。部署も違いますし、裏道さんが卒業されてからはあまり連絡もしていなかったので、わざわざ時間とってもらうのは悪いかと」
「その気づかい、兎原にわけてやれ」
「あいつに気づかいは無理ですよ」
無神経だからこその兎原だ。
「でも、またこうやって話せたのは……嬉しかったかも……」
「私もまた裏道さんと会えて嬉しかったです」
「うん」
「今日はとことん飲みましょう」
「じゃあ、俺の気が済むまで付き合ってくれるか?」
「はい、喜んで」
などと受けてたったが、この人。酔わないな……。
記憶が正しければ、私がサワーとソフドリを飲みきる間に日本酒三合は飲み干しているはずなのだけれど。
いつになったら気が済むんだろうか。
「裏道さん、飲みすぎでは?」
「え?まだ助走だけど」
「助走強すぎませんか?」
助走で日本酒とか、確実に酒豪。
ここから長くなりそうだな……。
ペースを調整しないと、とチェイサーにソフトドリンクを頼もうとしたら、裏道さんにソフトドリンクを消されワインのボトルを注文された。
「もう飲んじゃったんですか?」
「いや、撫子飲んでないみたいだから」
「私が飲むんですか?」
「そうだけど?」
飲めないわけではないが、酔いつぶれてしまっては迷惑をかけてしまう。
チェイサーになにか挟まないときつい。
ソフトドリンクをもう一度頼もうとするも、また裏道さんに消され、追加しても消され。
「あの、裏道さん?」
「……ソフドリ挟まず飲めよ」
アルハラ~!
しかし、私も体育会系の人間。
先輩から飲めと言われれば飲んでしまう体になっている。
熊谷の細胞がほしい。
せめて終電のアラームだけでも、とケータイを取り出したら没収された。
「時間気にするとか失礼じゃないか?」
「でも終電逃すと帰れなくなりますし……」
タクシーはちょっときつい、と財布を確認する私に裏道さんは「帰らなくていいじゃん」と言う。
「泊まっていけば、うちに」
「は?」
「うち、近いし」
「裏道さん、それは……遠慮なく飲めますね?!すみませーん!菊正宗くださーい!」
「いや、もう少し考えろよ」