短編
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「カルエゴ先生とバラム先生が友だちなのも意外だけど、撫子ちゃん先生とも仲いいの意外っすよね〜」
舐めた呼び方をするジャズに、「苗樫先生だ」と訂正を入れる。
あんな、ほんわか綿毛破夢星(ハムスター)でも教師は教師だ。
「だってさ、あのふわふわ可愛い苗樫先生と陰険なカルエゴ先生って、相性がいでででで!」
頭を鷲づかんで黙らせながら、「あいつをただのふわふわ女だと思ったら、大間違いだぞ」と忠告する。
俺たちが悪魔学校時代の収穫祭。
最初の入口選びで、撫子が口にしたのは「やっぱり、獲物が多い方がいいよね」だった。
入口の時点では、どこが獲物が多いかもわからない。
つまり、こいつの言うところの“獲物”とは生徒のことだ。
入口を選んでいる生徒の数を数えてから、俺たちを見て「でもやっぱり、たくさん得点とる悪魔がいいよね〜」と言う。
「俺たちから獲物を横取りするつもりか?」
「んー、どうかな。早めにリタイアしてもらうのも、よさそう」
「いい度胸だ。できるものならしてみろ」
バチバチと火花を散らす俺たちの間に立つシチロウが、「が、がんばろうね!」と言ったと同時に、開始の合図が鳴り響く。
三人共散り散りになり狩りを始める。
この収穫祭ではシチロウが一番の強敵だが、撫子は正直、敵に回したくない。
撫子の家系魔術は“悪夢”。
対象を眠らせて、任意の夢を見させる。
しかし、家系魔術をかけるには相手より精神力が上間らないとならず、大人数にかけるとなるとさらに精神力が求められる。
にも関わらず、撫子は平然とかけられる。
恐らく、今回の収穫祭で家系魔術をフルに使って、眠らせた生徒たちから獲物を強奪する魂胆だろう。
さらに面倒なのが、あいつは三日三晩寝ずに動き続けられる、普通に戦闘力も高い。
本人は弱いと言うが、比較対象が俺とシチロウだから弱いと認識しているが、一般生徒に比べれば強い位置づけだ。
強奪もして、本人も獲物を獲りに行く。
それだけでも脅威なのだが、場合によってはこちらに牙をむく。
収穫祭のリタイア条件は、参加者への攻撃。
つまり、あいつお得意の幻術と精神操作の魔術を使ってくる。
俺にかけてくるのか、他の生徒にかけて攻撃してくるかはわからないが、警戒するに越したことはない。
一日目、二日目と襲ってくることはなかったが、先程の中間発表の放送を聞く限りでは、シチロウ、俺に続きポイントを獲得していた。
けれど、ここから巻き返すには難しいポイント数となると……。
「来たか」
茂みから虚ろな目の生徒たちが現れた。
ちゃちな攻撃では、ただ相手がリタイアするだけ。
人数的にも、指示は簡単なものであろう。
ならば、出される指示はひとつ。
「最大出力の攻撃をしろ」
読みは当たり、全員が同時に最大出力の攻撃をしてきた。
しかし、この程度の攻撃、直に受けたところで俺へのダメージは軽微。
精神操作を受けたとは言え、直接攻撃とみなされ軒並みリタイアさせられた。
さて、邪魔な連中は消えた。
主犯を捕まえるかと辺りを見渡せば、早々に撤退したらしい撫子を遠方に発見した。
「俺に牙をむいて逃げられると思うなよ」
地を蹴り逃げる撫子を捕まえれば、逃げようともがきもせず、「私に攻撃したら、リタイアだよ!」と脅しをかけてくる。
「安心しろ。俺は貴様を攻撃せずに、ここで戦線離脱させる方法を持っている」
「そんな方法あるわけ……」
撫子すべて言い切る前に抱きしめ、ゆっくりと背中を叩けば、かくん、と脱力し寝息をたてはじめた。
鋼の精神で三日三晩寝ずに動ける撫子ではあるが、弱点として「俺とシチロウの側だと安心して寝てしまう」というものがある。
二日間寝ずに動き回っていたのだから、なおさらこの弱点は効果を発揮する。
あと三日は起きないであろう撫子をシチロウに預け、俺は残りの日程無事収穫し、次点となった。
「苗樫先生は結局、残りの期間を寝て過ごしたものの三位となり、過去最多の強奪数を記録し昇格したが、いまでも思い出したように「あのときのこと、まだ許してない」と言ってくる程度には執念深い」
「撫子ちゃんが凄いってのはわかったんすけど……」
「抱きしめた……。あのカルエゴ先生が……?」
ざわつく生徒たちに、「俺はあいつを寝かしつけるのに手段は選ばない。収穫祭が攻撃可ならば、殴って寝かしつけていた」と宣言すれば、「うわ、ドSだ」とリードが呟いた。
職員室に戻り、シチロウと撫子にその話をしたら「まだ許してないんだから!」とお決まりの文句を述べる。
「打ち上げでられなかったし、シチロウくんとカルエゴくんにおめでとうって言ってあげられなかった!」
「そのあと、ちゃんと三人で打ち上げの席を設けてやっただろ」
「それはそれ、これはこれ!そもそも寝かせる必要性なかったじゃん!逃してくれればよかったのに!」
あんなことになるなら、シチロウくんを先に狙えばよかったー!と言う撫子に、「僕のところに来ても寝かせてたよ」と言われ、撫子は目を丸くした。
「どうして、シチロウくん……」
「だって収穫祭中寝かせなかったら、撫子ちゃん、悪周期に入ってただろうし」
「貴様の悪周期には付き合いたくない」
「付き合ってよぉ……。軽くボコボコにして気絶させるだけでいいからさぁ……」
「嫌だ」
舐めた呼び方をするジャズに、「苗樫先生だ」と訂正を入れる。
あんな、ほんわか綿毛破夢星(ハムスター)でも教師は教師だ。
「だってさ、あのふわふわ可愛い苗樫先生と陰険なカルエゴ先生って、相性がいでででで!」
頭を鷲づかんで黙らせながら、「あいつをただのふわふわ女だと思ったら、大間違いだぞ」と忠告する。
俺たちが悪魔学校時代の収穫祭。
最初の入口選びで、撫子が口にしたのは「やっぱり、獲物が多い方がいいよね」だった。
入口の時点では、どこが獲物が多いかもわからない。
つまり、こいつの言うところの“獲物”とは生徒のことだ。
入口を選んでいる生徒の数を数えてから、俺たちを見て「でもやっぱり、たくさん得点とる悪魔がいいよね〜」と言う。
「俺たちから獲物を横取りするつもりか?」
「んー、どうかな。早めにリタイアしてもらうのも、よさそう」
「いい度胸だ。できるものならしてみろ」
バチバチと火花を散らす俺たちの間に立つシチロウが、「が、がんばろうね!」と言ったと同時に、開始の合図が鳴り響く。
三人共散り散りになり狩りを始める。
この収穫祭ではシチロウが一番の強敵だが、撫子は正直、敵に回したくない。
撫子の家系魔術は“悪夢”。
対象を眠らせて、任意の夢を見させる。
しかし、家系魔術をかけるには相手より精神力が上間らないとならず、大人数にかけるとなるとさらに精神力が求められる。
にも関わらず、撫子は平然とかけられる。
恐らく、今回の収穫祭で家系魔術をフルに使って、眠らせた生徒たちから獲物を強奪する魂胆だろう。
さらに面倒なのが、あいつは三日三晩寝ずに動き続けられる、普通に戦闘力も高い。
本人は弱いと言うが、比較対象が俺とシチロウだから弱いと認識しているが、一般生徒に比べれば強い位置づけだ。
強奪もして、本人も獲物を獲りに行く。
それだけでも脅威なのだが、場合によってはこちらに牙をむく。
収穫祭のリタイア条件は、参加者への攻撃。
つまり、あいつお得意の幻術と精神操作の魔術を使ってくる。
俺にかけてくるのか、他の生徒にかけて攻撃してくるかはわからないが、警戒するに越したことはない。
一日目、二日目と襲ってくることはなかったが、先程の中間発表の放送を聞く限りでは、シチロウ、俺に続きポイントを獲得していた。
けれど、ここから巻き返すには難しいポイント数となると……。
「来たか」
茂みから虚ろな目の生徒たちが現れた。
ちゃちな攻撃では、ただ相手がリタイアするだけ。
人数的にも、指示は簡単なものであろう。
ならば、出される指示はひとつ。
「最大出力の攻撃をしろ」
読みは当たり、全員が同時に最大出力の攻撃をしてきた。
しかし、この程度の攻撃、直に受けたところで俺へのダメージは軽微。
精神操作を受けたとは言え、直接攻撃とみなされ軒並みリタイアさせられた。
さて、邪魔な連中は消えた。
主犯を捕まえるかと辺りを見渡せば、早々に撤退したらしい撫子を遠方に発見した。
「俺に牙をむいて逃げられると思うなよ」
地を蹴り逃げる撫子を捕まえれば、逃げようともがきもせず、「私に攻撃したら、リタイアだよ!」と脅しをかけてくる。
「安心しろ。俺は貴様を攻撃せずに、ここで戦線離脱させる方法を持っている」
「そんな方法あるわけ……」
撫子すべて言い切る前に抱きしめ、ゆっくりと背中を叩けば、かくん、と脱力し寝息をたてはじめた。
鋼の精神で三日三晩寝ずに動ける撫子ではあるが、弱点として「俺とシチロウの側だと安心して寝てしまう」というものがある。
二日間寝ずに動き回っていたのだから、なおさらこの弱点は効果を発揮する。
あと三日は起きないであろう撫子をシチロウに預け、俺は残りの日程無事収穫し、次点となった。
「苗樫先生は結局、残りの期間を寝て過ごしたものの三位となり、過去最多の強奪数を記録し昇格したが、いまでも思い出したように「あのときのこと、まだ許してない」と言ってくる程度には執念深い」
「撫子ちゃんが凄いってのはわかったんすけど……」
「抱きしめた……。あのカルエゴ先生が……?」
ざわつく生徒たちに、「俺はあいつを寝かしつけるのに手段は選ばない。収穫祭が攻撃可ならば、殴って寝かしつけていた」と宣言すれば、「うわ、ドSだ」とリードが呟いた。
職員室に戻り、シチロウと撫子にその話をしたら「まだ許してないんだから!」とお決まりの文句を述べる。
「打ち上げでられなかったし、シチロウくんとカルエゴくんにおめでとうって言ってあげられなかった!」
「そのあと、ちゃんと三人で打ち上げの席を設けてやっただろ」
「それはそれ、これはこれ!そもそも寝かせる必要性なかったじゃん!逃してくれればよかったのに!」
あんなことになるなら、シチロウくんを先に狙えばよかったー!と言う撫子に、「僕のところに来ても寝かせてたよ」と言われ、撫子は目を丸くした。
「どうして、シチロウくん……」
「だって収穫祭中寝かせなかったら、撫子ちゃん、悪周期に入ってただろうし」
「貴様の悪周期には付き合いたくない」
「付き合ってよぉ……。軽くボコボコにして気絶させるだけでいいからさぁ……」
「嫌だ」