短編
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カルエゴくんはいつも不機嫌そうだ。
機嫌がいい日などなく、時折、生徒をいじめている瞬間にサディスティックな笑みを浮かべるくらい。
それにしても今日は一際不機嫌なご様子で、誰も近寄れずにいる。
私はあの不機嫌には学生時代からの付き合いだから慣れてしまっているが、そうでない先生方は気まずいを通り越して怯えている。可哀想に。
どうせそのうち沈静化されるし、と放っておきたいが、ダリ先生がさっきからカルエゴくんの方に私を押し出してくる。
あーもー!そうやってすぐ、機嫌の悪いカルエゴくんの処理を私に押し付ける!
「カルエゴくん」
「いまは機嫌が悪い、あとにしろ」
見ればわかるって。
「まあ、まあ。お疲れ様。カモミールティー淹れたから、落ち着きなよ。ほーら、愛情たくさん入れたよー」
「……」
鬼のような形相で睨みつけてくるが、照れ隠しなんだよなあ。これ。そうと気づかなかったときは、中々焦ったものだ。
カルエゴくんは舌打ちをひとつして、カモミールティーに口をつける。
ゆるゆると、緩んでいく表情に少しは落ち着いたかと安心した。
「なにか手伝うことがあったら、手貸すからさ。あんまり、一人で思い詰めないでよ」
「ほう……?それなら、問題児共の起こした問題の後始末と、始末書の作成。疲れた俺のマッサージ」
「う、うん」
「理事長から押し付けられた書類各種の手伝いをしてもらおうか」
「それはあまりにも、こき使いすぎでは?!」
「手伝うと言ったからには、手伝ってもらおうか」
生徒にゲス顔と評判の笑顔を浮かべるカルエゴくんに、「素直に側にいてくれ、て言いなよ」と冗談を言ったら、「言ってほしいのか?」と挑発された。
機嫌は直ったようでなによりです。素直じゃないな、昔から。
『今日は、カモミールティーはないのか』
学生時代。
初めてあの冗談と共に振る舞ったカモミールティーで、盛大に悪周期かと思うような顔をされた翌日の帰りにそう聞かれて、とても驚いたのをよく覚えている。
『迷惑じゃなかった?』
『貴様が変なことを言うからだろ!……味は嫌いじゃなかった』
だから、また飲ませろ。と言って逃げるように立ち去った彼の背中をいまでも思い出せる。
「可愛かったねえ」
「独り言が大きいぞ、手を動かせ」
「せっかく、我々の青春の一頁を振り返っていたのに。無粋だよ」
「気でも狂ったか」
心配そうにこちらを見るカルエゴくん。失礼しちゃうなあ。
「カモミールティー、美味しかった?」
「いつも通りだ」
本当に素直じゃない。
機嫌がいい日などなく、時折、生徒をいじめている瞬間にサディスティックな笑みを浮かべるくらい。
それにしても今日は一際不機嫌なご様子で、誰も近寄れずにいる。
私はあの不機嫌には学生時代からの付き合いだから慣れてしまっているが、そうでない先生方は気まずいを通り越して怯えている。可哀想に。
どうせそのうち沈静化されるし、と放っておきたいが、ダリ先生がさっきからカルエゴくんの方に私を押し出してくる。
あーもー!そうやってすぐ、機嫌の悪いカルエゴくんの処理を私に押し付ける!
「カルエゴくん」
「いまは機嫌が悪い、あとにしろ」
見ればわかるって。
「まあ、まあ。お疲れ様。カモミールティー淹れたから、落ち着きなよ。ほーら、愛情たくさん入れたよー」
「……」
鬼のような形相で睨みつけてくるが、照れ隠しなんだよなあ。これ。そうと気づかなかったときは、中々焦ったものだ。
カルエゴくんは舌打ちをひとつして、カモミールティーに口をつける。
ゆるゆると、緩んでいく表情に少しは落ち着いたかと安心した。
「なにか手伝うことがあったら、手貸すからさ。あんまり、一人で思い詰めないでよ」
「ほう……?それなら、問題児共の起こした問題の後始末と、始末書の作成。疲れた俺のマッサージ」
「う、うん」
「理事長から押し付けられた書類各種の手伝いをしてもらおうか」
「それはあまりにも、こき使いすぎでは?!」
「手伝うと言ったからには、手伝ってもらおうか」
生徒にゲス顔と評判の笑顔を浮かべるカルエゴくんに、「素直に側にいてくれ、て言いなよ」と冗談を言ったら、「言ってほしいのか?」と挑発された。
機嫌は直ったようでなによりです。素直じゃないな、昔から。
『今日は、カモミールティーはないのか』
学生時代。
初めてあの冗談と共に振る舞ったカモミールティーで、盛大に悪周期かと思うような顔をされた翌日の帰りにそう聞かれて、とても驚いたのをよく覚えている。
『迷惑じゃなかった?』
『貴様が変なことを言うからだろ!……味は嫌いじゃなかった』
だから、また飲ませろ。と言って逃げるように立ち去った彼の背中をいまでも思い出せる。
「可愛かったねえ」
「独り言が大きいぞ、手を動かせ」
「せっかく、我々の青春の一頁を振り返っていたのに。無粋だよ」
「気でも狂ったか」
心配そうにこちらを見るカルエゴくん。失礼しちゃうなあ。
「カモミールティー、美味しかった?」
「いつも通りだ」
本当に素直じゃない。