短編
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「最近さ、心霊チャンネルが流行ってるらしいんだよね」
「やだ」
「行かねえ」
「まだなにも言ってない」
まあ、言わんとしていることはそういうことだから、その先手は正解である。
だがしかし、竜胆と三途はリアクションが面白いので、参加してほしいんだよなあ。
「じゃあ、代わりに蘭とマイキーにお願いするか」
「マイキーになんてことやらせようとしてんだよ!ふざけんな!殺すぞ!」
殴りかかってこようとする三途の腕を掴み抵抗をしていると、マイキーと蘭が寄ってきた。
「俺は別にかまわねえぞー」
「俺も。撫子と肝試しとか、楽しそう」
「怖かったら、抱きついてもいいからな」
「私は零感だからなー。怖がれるかなー」
じゃあ、どこに行くか決めよう。と蘭とマイキーを連れて心霊スポットを探そうとすると、ホラー映画のように竜胆と三途が抱きついてきた。
なんだよ、ビックリしたな。
「マイキーが行くなら、行く!」
「兄貴が行くなら、行く!」
「四人もいらないのにな……」
まあ、この二人だと暴れられたときに手がつけられなくなるから、仕方がないか。
「はい、というわけで梵天チャンネルのお時間です」
「……」
「竜胆ー。そんなにくっつかれると、兄ちゃん動きにくい」
「……」
「三途、離れろ」
「いや、オープニング!ここ、なんでもない道路!」
すでに、初っ端から蘭とマイキーにくっついて離れない竜胆と三途。
まあ、これはこれで楽しいので続行しよう。
「本日は○○県☓☓市に来ております」
「遠出したな」
「和牛美味かったな」
「ね。で、ですが。これから行く廃ホテルは、営業当初から心霊現象が多発しており、さらに自殺者もでている場所です」
「営業当初からってことは、立地が悪かったってことか?」
「そうですね。噂によると、呼び寄せやすい立地らしいです。なので、廃業後も相変わらず霊を呼び寄せているとか」
そう説明すると、三途が「ばっっっっかじゃねえの!なんでそんな場所に行くんだよ!」と叫び、竜胆は「もうやだ帰りたいもうやだ帰りたいもうやだ帰りたいもうやだ帰りたい」と念仏のように繰り返す。
うん、いい絵だ。
足取り重い竜胆と三途を蘭とマイキーが引きずり噂の廃ホテルまで赴くと、竜胆と三途が露骨に怯え始めた。
「ヤバいヤバいヤバい、ここマジでヤバい。三途、わかる?わかるよな?」
「わかる、空気が気持ち悪い」
顔色真っ青な二人に、「雰囲気に飲まれてる、ウケる」とからかったたら、「そういうのじゃねえ!」と同時にキレられた。
「蘭とマイキーはなんか感じる?」
「俺はそういうの、よくわかんねえ……」
「んー、まあ、空気は悪いしなんかしらいるな」
「あれ?蘭ってそういうのわかる人?」
「まあなー。竜胆ほどじゃねえけど、好かれやすいから。けど、あいつら気持ちでこっちが負けるとつけ込んでくるから、あんまビビらねえ方がいいぞ」
すでにオープニングから負けてるのが二人いるけどな。
「撫子はなんか感じる?」
「わかんないねー。草の匂いがする」
「一緒、おそろい」
「やったね〜」
マイキーとシェイクハンドしていると、蘭が「えー、俺もおそろいしたいー」と言う。
いいじゃん、竜胆とおそろい。
「じゃあ、元気に中に入ってみよー!」
「おー」
「おー」
「やだやだやだやだ!」
「帰らせてくれ……!」
ビビる二人を急き立て中に入ると、当たり前だがあちこち崩れていて、廃墟然としていた。
私は本当になにも感じない質なのでなにもわからないが、竜胆と三途が「なんか鳴った!」「話し声がする!」などと騒いでいるので、なんか音はいってんだろうなー。
「というわけで、こちらの部屋が自殺者がでたという曰くつきのお部屋です」
「ま……!くっせぇ……!」
「気持ちわりぃ……」
「あー……これは中々……」
霊感ある組が口々に嫌な反応を見せる。
「入れない?なら、私一人で行こうか?」
「馬鹿!一人で行くな!」
「なんかあっても、助けてやれねえだろ!」
竜胆と三途が心配する中、蘭だけは「おー、行って来い、行って来い。オマエなら、大丈夫」とむしろ背中を押してくる。
「なら、俺も行く」
「マイキー、絶対に撫子の手離すなよ」
「ん?わかった」
「じゃあ、この日本酒持ってて、マイキー」
実は、ここまで蘭の指示で日本酒を持ってこさせられていたのだ。
日本酒をマイキーに預けて、中へ踏み入ると、後ろから「マイキーが行くなら俺も行く……!」と三途の声がした。
「あっ!馬鹿、三途!オマエは行くな!」
「ん?」
蘭の制止を振り切り部屋に入ってきた三途は、一瞬脱力したと思ったら奇声をあげながらまっすぐ私に突進してきた。
あ、これヤバいやつだ、と思っていたらマイキーの蹴りが三途に直撃した。
そのままマイキーが三途を抑えつけるが、暴れてマイキーを振りほどこうとする。
「っ……!」
「マイキー、そのまま抑えてろ!」
蘭が駆け寄ってきて、ジャケットのポケットから取り出した塩を三途に勢いよくかける。
「撫子!酒、口にふくんで、三途に吹きかけろ!」
「は?!え、おう!」
言われるまま、日本酒を口にふくんで竜胆とマイキーに羽交い締めにされている三途へ吹きかけると、今度は蘭が三途を往復ビンタして「出て行け!」と怒鳴る。
何度目かのビンタで三途が大人しくなると、蘭が竜胆に三途を担がせ「撤収すんぞ!」と指示を出す。
慌ただしく廃ホテルを出てから、蘭にカメラを向け「どういうこと?」と尋ねた。
「この状況で撮影続行とか、どんな精神してんだよ」
「まあ、折角だし」
「はい、はい。さっきの部屋は、ちょっとヤバいのが棲家にしてたみたいだな。どんな、とかはプロじゃねえから知らねえけど。で、三途は霊媒体質だから憑かれたんで、塩と酒で弱らせてから叩き出したってこと」
「私が吹きかけた理由は?」
「オマエ、ビックリするくらい霊に嫌われてるから、オマエの体液も混ざって効果アップ」
えー?こんな大人しい女なのにー?
「まあ、いいや。じゃあ締めるけど、五点満点中今回の点数は!」
「五!」
「あの部屋があったから、三.五かな」
「俺は別に怖くなかったから二くらい」
「平均三.五ということでした!梵天チャンネルでは、皆様からの心霊スポットお便りをお待ちしております!」
「次回なんざねえ!」
と竜胆は言ったが、なんと竜胆と三途のビビリっぷり、蘭の除霊シーン、マイキーの戦闘シーンが大変好評だった為、梵天チャンネル!次回作決定です!
「やだ」
「行かねえ」
「まだなにも言ってない」
まあ、言わんとしていることはそういうことだから、その先手は正解である。
だがしかし、竜胆と三途はリアクションが面白いので、参加してほしいんだよなあ。
「じゃあ、代わりに蘭とマイキーにお願いするか」
「マイキーになんてことやらせようとしてんだよ!ふざけんな!殺すぞ!」
殴りかかってこようとする三途の腕を掴み抵抗をしていると、マイキーと蘭が寄ってきた。
「俺は別にかまわねえぞー」
「俺も。撫子と肝試しとか、楽しそう」
「怖かったら、抱きついてもいいからな」
「私は零感だからなー。怖がれるかなー」
じゃあ、どこに行くか決めよう。と蘭とマイキーを連れて心霊スポットを探そうとすると、ホラー映画のように竜胆と三途が抱きついてきた。
なんだよ、ビックリしたな。
「マイキーが行くなら、行く!」
「兄貴が行くなら、行く!」
「四人もいらないのにな……」
まあ、この二人だと暴れられたときに手がつけられなくなるから、仕方がないか。
「はい、というわけで梵天チャンネルのお時間です」
「……」
「竜胆ー。そんなにくっつかれると、兄ちゃん動きにくい」
「……」
「三途、離れろ」
「いや、オープニング!ここ、なんでもない道路!」
すでに、初っ端から蘭とマイキーにくっついて離れない竜胆と三途。
まあ、これはこれで楽しいので続行しよう。
「本日は○○県☓☓市に来ております」
「遠出したな」
「和牛美味かったな」
「ね。で、ですが。これから行く廃ホテルは、営業当初から心霊現象が多発しており、さらに自殺者もでている場所です」
「営業当初からってことは、立地が悪かったってことか?」
「そうですね。噂によると、呼び寄せやすい立地らしいです。なので、廃業後も相変わらず霊を呼び寄せているとか」
そう説明すると、三途が「ばっっっっかじゃねえの!なんでそんな場所に行くんだよ!」と叫び、竜胆は「もうやだ帰りたいもうやだ帰りたいもうやだ帰りたいもうやだ帰りたい」と念仏のように繰り返す。
うん、いい絵だ。
足取り重い竜胆と三途を蘭とマイキーが引きずり噂の廃ホテルまで赴くと、竜胆と三途が露骨に怯え始めた。
「ヤバいヤバいヤバい、ここマジでヤバい。三途、わかる?わかるよな?」
「わかる、空気が気持ち悪い」
顔色真っ青な二人に、「雰囲気に飲まれてる、ウケる」とからかったたら、「そういうのじゃねえ!」と同時にキレられた。
「蘭とマイキーはなんか感じる?」
「俺はそういうの、よくわかんねえ……」
「んー、まあ、空気は悪いしなんかしらいるな」
「あれ?蘭ってそういうのわかる人?」
「まあなー。竜胆ほどじゃねえけど、好かれやすいから。けど、あいつら気持ちでこっちが負けるとつけ込んでくるから、あんまビビらねえ方がいいぞ」
すでにオープニングから負けてるのが二人いるけどな。
「撫子はなんか感じる?」
「わかんないねー。草の匂いがする」
「一緒、おそろい」
「やったね〜」
マイキーとシェイクハンドしていると、蘭が「えー、俺もおそろいしたいー」と言う。
いいじゃん、竜胆とおそろい。
「じゃあ、元気に中に入ってみよー!」
「おー」
「おー」
「やだやだやだやだ!」
「帰らせてくれ……!」
ビビる二人を急き立て中に入ると、当たり前だがあちこち崩れていて、廃墟然としていた。
私は本当になにも感じない質なのでなにもわからないが、竜胆と三途が「なんか鳴った!」「話し声がする!」などと騒いでいるので、なんか音はいってんだろうなー。
「というわけで、こちらの部屋が自殺者がでたという曰くつきのお部屋です」
「ま……!くっせぇ……!」
「気持ちわりぃ……」
「あー……これは中々……」
霊感ある組が口々に嫌な反応を見せる。
「入れない?なら、私一人で行こうか?」
「馬鹿!一人で行くな!」
「なんかあっても、助けてやれねえだろ!」
竜胆と三途が心配する中、蘭だけは「おー、行って来い、行って来い。オマエなら、大丈夫」とむしろ背中を押してくる。
「なら、俺も行く」
「マイキー、絶対に撫子の手離すなよ」
「ん?わかった」
「じゃあ、この日本酒持ってて、マイキー」
実は、ここまで蘭の指示で日本酒を持ってこさせられていたのだ。
日本酒をマイキーに預けて、中へ踏み入ると、後ろから「マイキーが行くなら俺も行く……!」と三途の声がした。
「あっ!馬鹿、三途!オマエは行くな!」
「ん?」
蘭の制止を振り切り部屋に入ってきた三途は、一瞬脱力したと思ったら奇声をあげながらまっすぐ私に突進してきた。
あ、これヤバいやつだ、と思っていたらマイキーの蹴りが三途に直撃した。
そのままマイキーが三途を抑えつけるが、暴れてマイキーを振りほどこうとする。
「っ……!」
「マイキー、そのまま抑えてろ!」
蘭が駆け寄ってきて、ジャケットのポケットから取り出した塩を三途に勢いよくかける。
「撫子!酒、口にふくんで、三途に吹きかけろ!」
「は?!え、おう!」
言われるまま、日本酒を口にふくんで竜胆とマイキーに羽交い締めにされている三途へ吹きかけると、今度は蘭が三途を往復ビンタして「出て行け!」と怒鳴る。
何度目かのビンタで三途が大人しくなると、蘭が竜胆に三途を担がせ「撤収すんぞ!」と指示を出す。
慌ただしく廃ホテルを出てから、蘭にカメラを向け「どういうこと?」と尋ねた。
「この状況で撮影続行とか、どんな精神してんだよ」
「まあ、折角だし」
「はい、はい。さっきの部屋は、ちょっとヤバいのが棲家にしてたみたいだな。どんな、とかはプロじゃねえから知らねえけど。で、三途は霊媒体質だから憑かれたんで、塩と酒で弱らせてから叩き出したってこと」
「私が吹きかけた理由は?」
「オマエ、ビックリするくらい霊に嫌われてるから、オマエの体液も混ざって効果アップ」
えー?こんな大人しい女なのにー?
「まあ、いいや。じゃあ締めるけど、五点満点中今回の点数は!」
「五!」
「あの部屋があったから、三.五かな」
「俺は別に怖くなかったから二くらい」
「平均三.五ということでした!梵天チャンネルでは、皆様からの心霊スポットお便りをお待ちしております!」
「次回なんざねえ!」
と竜胆は言ったが、なんと竜胆と三途のビビリっぷり、蘭の除霊シーン、マイキーの戦闘シーンが大変好評だった為、梵天チャンネル!次回作決定です!