短編
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研究が中々認められなくて燻ってた仲間の伊達ちゃんが所長に出世した。
しかも、今まで細菌の研究ばっかりしてたのに、それとは真反対に位置するワクチンの生成をしだしたのだ。
「何があったの?」
「……自分の研究を認めさせるより、一人の頭の可笑しい殺人鬼から世界を救わねぇとって思ってな」
そう、遠い目で伊達ちゃんは語った。
意味がわからないって言ったら、伊達ちゃんがある研究所を奨めてくれた。
「行けば考えが変わるぜ」
教えられた研究所は、撫子ちゃんが所長を勤める細菌研究所。
所長と言ってもこの研究所、撫子ちゃんしか研究員がいない。
しかも、俺様が移動の時に指示されたのは『苗樫撫子の監視』。
なんで、とはその時は思ったが、直ぐに理由はわかった。
この研究所は細菌兵器の研究をしていて、苗樫撫子は何をしだすかわからない女だから。
着任してから撫子ちゃんに、どんな菌を作ったのか聞いたら「伊達君コロ助」という、殺意溢れる謎の菌名を挙げた。
「伊達君を殺そうと思って作ったんだけどさぁ、感染力ばっかり強くなっちゃって殺傷力が皆無なんだよねぇ。折角、世界中に広まったのに残念だよぉ。やっぱり、怒りに任せて作っちゃダメだねぇ」
ちなみに、血液検査したら猿飛君も感染してるよぉ。と、のんびりした口調で言われた。
……殺傷力がなくてよかった。
因みに伊達ちゃんを殺したい理由が「私が五徹して作った悩みの種って細菌を全滅させて逃げたから」らしい。
「ふんふんふ~ん」
「おはよう、撫子ちゃん。ご機嫌だね」
「おはよう、猿飛君。実はねぇ、今育ててる菌がいい成長しててさぁ」
「今はどんな菌育ててるの?」
探り入れると撫子ちゃんは嬉しそうに「聞きたい?聞きたい?」と子供が内緒話を話すかように聞き返した。
「教えて?」と言うと、無邪気な子供のように笑いながら「恋の病」と呟いた。
「恋の病?可愛い名前だね」
「でしょ!これね、感染すると不整脈を起こして胸が苦しくなって死ぬの!」
恋の病みたいでしょ!と、キャッキャッしながら教えてくれた。
「早く人体実験したいなぁ!」
ここで注訳だが、撫子ちゃんの言うところの“人体実験”とは菌を世に放つという意味だ。
撫子ちゃんにとって世の中の人間全てが実験動物でしかないのだ。
昔、撫子ちゃんの行き着く先はどこか聞いたときに、割りと真面目に「私も含めた全人類の滅亡。できるだけ苦しめて」と言っていた。
「……でも、できるのは何年も先でしょ?」
その間に遺伝子操作でもしておけばいいかと高を括っていたら、撫子ちゃんはいい笑顔で「三徹すればできるから楽しみにしててね!」と言ったので、その日の内に撫子ちゃんのミルクに睡眠薬を仕込んで恋の病を全滅させて逃げた。
*
「Hey、猿!ワクチン研究に転向するそうじゃねぇか!撫子の所で何かあったか?」
わかってるくせに、ニヤニヤしながらきいてくる伊達ちゃんに、「一人の頭の可笑しい殺人鬼から世界を救おうと思ってね」と返した。
伊達ちゃんは愉快そうに笑った。
「ほらな、考え変わっただろ?で、撫子は今回、何て菌作ってたんだ?」
「恋の病」
今は多分、猿飛君コロ助を作ってると思う。
しかも、今まで細菌の研究ばっかりしてたのに、それとは真反対に位置するワクチンの生成をしだしたのだ。
「何があったの?」
「……自分の研究を認めさせるより、一人の頭の可笑しい殺人鬼から世界を救わねぇとって思ってな」
そう、遠い目で伊達ちゃんは語った。
意味がわからないって言ったら、伊達ちゃんがある研究所を奨めてくれた。
「行けば考えが変わるぜ」
教えられた研究所は、撫子ちゃんが所長を勤める細菌研究所。
所長と言ってもこの研究所、撫子ちゃんしか研究員がいない。
しかも、俺様が移動の時に指示されたのは『苗樫撫子の監視』。
なんで、とはその時は思ったが、直ぐに理由はわかった。
この研究所は細菌兵器の研究をしていて、苗樫撫子は何をしだすかわからない女だから。
着任してから撫子ちゃんに、どんな菌を作ったのか聞いたら「伊達君コロ助」という、殺意溢れる謎の菌名を挙げた。
「伊達君を殺そうと思って作ったんだけどさぁ、感染力ばっかり強くなっちゃって殺傷力が皆無なんだよねぇ。折角、世界中に広まったのに残念だよぉ。やっぱり、怒りに任せて作っちゃダメだねぇ」
ちなみに、血液検査したら猿飛君も感染してるよぉ。と、のんびりした口調で言われた。
……殺傷力がなくてよかった。
因みに伊達ちゃんを殺したい理由が「私が五徹して作った悩みの種って細菌を全滅させて逃げたから」らしい。
「ふんふんふ~ん」
「おはよう、撫子ちゃん。ご機嫌だね」
「おはよう、猿飛君。実はねぇ、今育ててる菌がいい成長しててさぁ」
「今はどんな菌育ててるの?」
探り入れると撫子ちゃんは嬉しそうに「聞きたい?聞きたい?」と子供が内緒話を話すかように聞き返した。
「教えて?」と言うと、無邪気な子供のように笑いながら「恋の病」と呟いた。
「恋の病?可愛い名前だね」
「でしょ!これね、感染すると不整脈を起こして胸が苦しくなって死ぬの!」
恋の病みたいでしょ!と、キャッキャッしながら教えてくれた。
「早く人体実験したいなぁ!」
ここで注訳だが、撫子ちゃんの言うところの“人体実験”とは菌を世に放つという意味だ。
撫子ちゃんにとって世の中の人間全てが実験動物でしかないのだ。
昔、撫子ちゃんの行き着く先はどこか聞いたときに、割りと真面目に「私も含めた全人類の滅亡。できるだけ苦しめて」と言っていた。
「……でも、できるのは何年も先でしょ?」
その間に遺伝子操作でもしておけばいいかと高を括っていたら、撫子ちゃんはいい笑顔で「三徹すればできるから楽しみにしててね!」と言ったので、その日の内に撫子ちゃんのミルクに睡眠薬を仕込んで恋の病を全滅させて逃げた。
*
「Hey、猿!ワクチン研究に転向するそうじゃねぇか!撫子の所で何かあったか?」
わかってるくせに、ニヤニヤしながらきいてくる伊達ちゃんに、「一人の頭の可笑しい殺人鬼から世界を救おうと思ってね」と返した。
伊達ちゃんは愉快そうに笑った。
「ほらな、考え変わっただろ?で、撫子は今回、何て菌作ってたんだ?」
「恋の病」
今は多分、猿飛君コロ助を作ってると思う。