短編
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「……」
「……」
そっ、と油淋鶏に乗っていたネギを集めて小皿に盛り鬼灯のトレーに移そうとしたら、「好き嫌いするんじゃありません!」と、お母さんのように怒られた。
「そもそも、油淋鶏頼んでおいてネギ避けるってどういう了見ですか!油淋鶏に謝れ!」
「うるさいなぁ!油淋鶏食べたくても、ネギが苦手なやつもいるんだよ!」
「だったら、自力で食べなさい!自力で!」
ネギをつまみ上げ、私の口にねじ込もうとする鬼灯の腕を掴み全力拒否をする私に、通りすがりの茄子さんと唐瓜さんが「あの鬼灯様と腕力でやり合ってる、すげー」と驚嘆する。
「いいでしょ!ネギくらい食べてよ!」
「あなたの健康のために言ってるんですよ!」
「たかがネギで栄養バランスは変わりませーん!」
「農家の人に謝れ、イヌワシ面!」
「私に謝れ、ミシシッピアカミミガメ!」
程度の低い口喧嘩をする私たちに、大王が「なら、ワシが食べてあげるからさ」と救いの手を差し伸べてくれる。
しかし、それを鬼灯が許すわけもなく、「あなたがそうやって、こいつを甘やかすから付け上がるんでしょうが!」と逆に叱り始めた。
「自分が食べると選んだ物は責任持って食べなさい!それが大人というものでしょ!」
「子供心忘れたつまらない大人になりたくないんでね!」
「そんないらん子供心忘れろ!」
平行線を辿る私と鬼灯のやり取りに終止符を打ったのは、お香であった。
「露草、食べた方がいいと思うわよ。ほら、食べさせてあげるから。あーん」
「お香、やめて!恥ずかしい!」
「やられてること、私と同じじゃないですか」
「鬼灯の場合お母さん感があるから抵抗しやすいけど、お香だと彼女にやられてるみたいで恥ずかしい」
「百合に介入はしない派なので、どんどんやってください!お香さん!」
鬼灯に言われるまま、ネギを持って今度はお香が迫ってきた。
食べたくないが、お香の笑顔を見ていると嫌とは言えず、結局大量のネギを口にふくむ。
苦味と独特のぬちゃっ、とした食感に不愉快にしかならず中々飲み込めずにいると、突然、鬼灯が「わっ!」と大声を上げるものだから、思わず飲み込んでしまった。
喉に広がった苦味にえづくと、パチパチと拍手しながら無表情で、「はい、おめでとうございます。ちゃんと食べられましたね」と宣う闇鬼神。
お香も、偉い、偉いと頭を撫でてくるしまつ。
「ああ、もう。どうせこうなるなら、最初から食べておけばよかった」
「がんばったあなたには、これをあげましょう。はい、デザートで付いてきてしまったプリン」
「おい、こら。それ、お前の嫌いな物だろ」
「こうなると思って、貰っておいたんです」
「用意周到なやつね。まあ、貰うけど。ありがとう」
私はプリンは大好きだ。
食後の楽しみにとそっと避けておくと、茄子さんに「露草さんって鬼灯様と味覚は似てないんだね」と、そりゃそうだろとなることを言った。
「こいつとは、赤の他人ですから。当たり前ですよ」
「言い方気をつけろよ。ちょっと傷つくだろ」
赤の他人だけどさ。
「まあ、酒の趣味はあうので、よく飲みには行きます」
「へー!一緒に飲みに行ってなに話すの?」
茄子さんの質問に、二人同時に「拷問について」と回答したら、「絶対に行きたくない飲み会だ……」と唐瓜さんに言われてしまった。
楽しいんだけどね。
「……」
そっ、と油淋鶏に乗っていたネギを集めて小皿に盛り鬼灯のトレーに移そうとしたら、「好き嫌いするんじゃありません!」と、お母さんのように怒られた。
「そもそも、油淋鶏頼んでおいてネギ避けるってどういう了見ですか!油淋鶏に謝れ!」
「うるさいなぁ!油淋鶏食べたくても、ネギが苦手なやつもいるんだよ!」
「だったら、自力で食べなさい!自力で!」
ネギをつまみ上げ、私の口にねじ込もうとする鬼灯の腕を掴み全力拒否をする私に、通りすがりの茄子さんと唐瓜さんが「あの鬼灯様と腕力でやり合ってる、すげー」と驚嘆する。
「いいでしょ!ネギくらい食べてよ!」
「あなたの健康のために言ってるんですよ!」
「たかがネギで栄養バランスは変わりませーん!」
「農家の人に謝れ、イヌワシ面!」
「私に謝れ、ミシシッピアカミミガメ!」
程度の低い口喧嘩をする私たちに、大王が「なら、ワシが食べてあげるからさ」と救いの手を差し伸べてくれる。
しかし、それを鬼灯が許すわけもなく、「あなたがそうやって、こいつを甘やかすから付け上がるんでしょうが!」と逆に叱り始めた。
「自分が食べると選んだ物は責任持って食べなさい!それが大人というものでしょ!」
「子供心忘れたつまらない大人になりたくないんでね!」
「そんないらん子供心忘れろ!」
平行線を辿る私と鬼灯のやり取りに終止符を打ったのは、お香であった。
「露草、食べた方がいいと思うわよ。ほら、食べさせてあげるから。あーん」
「お香、やめて!恥ずかしい!」
「やられてること、私と同じじゃないですか」
「鬼灯の場合お母さん感があるから抵抗しやすいけど、お香だと彼女にやられてるみたいで恥ずかしい」
「百合に介入はしない派なので、どんどんやってください!お香さん!」
鬼灯に言われるまま、ネギを持って今度はお香が迫ってきた。
食べたくないが、お香の笑顔を見ていると嫌とは言えず、結局大量のネギを口にふくむ。
苦味と独特のぬちゃっ、とした食感に不愉快にしかならず中々飲み込めずにいると、突然、鬼灯が「わっ!」と大声を上げるものだから、思わず飲み込んでしまった。
喉に広がった苦味にえづくと、パチパチと拍手しながら無表情で、「はい、おめでとうございます。ちゃんと食べられましたね」と宣う闇鬼神。
お香も、偉い、偉いと頭を撫でてくるしまつ。
「ああ、もう。どうせこうなるなら、最初から食べておけばよかった」
「がんばったあなたには、これをあげましょう。はい、デザートで付いてきてしまったプリン」
「おい、こら。それ、お前の嫌いな物だろ」
「こうなると思って、貰っておいたんです」
「用意周到なやつね。まあ、貰うけど。ありがとう」
私はプリンは大好きだ。
食後の楽しみにとそっと避けておくと、茄子さんに「露草さんって鬼灯様と味覚は似てないんだね」と、そりゃそうだろとなることを言った。
「こいつとは、赤の他人ですから。当たり前ですよ」
「言い方気をつけろよ。ちょっと傷つくだろ」
赤の他人だけどさ。
「まあ、酒の趣味はあうので、よく飲みには行きます」
「へー!一緒に飲みに行ってなに話すの?」
茄子さんの質問に、二人同時に「拷問について」と回答したら、「絶対に行きたくない飲み会だ……」と唐瓜さんに言われてしまった。
楽しいんだけどね。