短編
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「鬼灯くんってさ、本当に浮いた話ないけど、過去にそういう相手もいなかったの?」
まだその下世話な話をするのかと嫌な顔をするも、過去、そういった話がなかったことはなくもなかった。
「ありましたよ、こいつと」
側で書類の整理をする露草を指さすと、露草に「指さすな」と文句を言われた。
「えぇ、そうなの。たしかに、君たち四六時中一緒にいるイメージはあるけど」
「四六時中一緒にはいませんよ。露草も露草で、私に頼まれた仕事で地獄中を飛び回っているんですから」
露草がいてくれているおかげで、私の仕事がなんとか回っている状態なのだということを、大王はもう少し理解した方がいい。
露草は元々、一般獄卒の一人ではあったが、補佐官に就任して暫くした頃に「あ、これ回すのキツイな」と思い、ちょっと手伝えと言って一時的に仕事を手伝わせていたが、気がつけば私の手伝いと、獄卒の仕事を兼任している状態になっている。
以前、大王に「第三補佐官とかにしないの?」と聞かれたが、第二補佐官が固定なので、そこに第三補佐官まで固定となると主任候補の育成ができなくなる。
それに露草には判決の手伝いよりも、刑場の見回りや財政状況の確認、改善箇所の提案などの別観点からの手伝いをしてほしいと思っている。
「なんで、名指しで連れてきたのかなって思ってたけど、君たちって幼馴染なんだっけ」
「ええ。ですので、こいつの能力値は知っていたので使えるなと」
「昔から、なにかやらかすときには手伝わされていたので、その延長戦です。その所為か、変に勘ぐる連中が多くて」
「よく、付き合っていると思われていましたしね」
「不思議だったね」
まあ、基本的に、烏頭さんと蓬さんとお香さん以外ですと、たしかに比較的一緒にいることが多かった気もしますが、そんな勘違いされるほどだったかとも思います。
「まあ、子供ってすぐ色恋に直結させたがるしね」
「私はどちからというと、あなたには親近感を覚えて妹という感覚でした」
「ああ、わかる。なにしでかすかわからない兄って感じだった」
「楽なんですよね。多くを語らずとも、こっちがなにをしてほしいか理解してほしいんで」
昔、どの範囲まで察するのか実験したところ、「あ」と言っただけで麻殻さんに、そのとき第四補佐官をしていた方の異動を報告しに行ってほしいという気持ちを汲み取ってくれました。
そう語る私に、大王は「もう、熟年夫婦じゃん!」とツッコみを入れるが、恐らく熟年夫婦でもそこまで意思の疎通はできないと思います。
「思考が似てるので、ある程度の仕事を把握していればなにをしようとかは理解できるんでしょう。まあ、私はこいつの考えていることは一つもわからないですが」
「ダメじゃん!」
「昔からなんで、今更ですよ。閻魔大王」
「露草ちゃんは、もっと理解してほしいとか思わないの?」
「いえ、別に。だって手助けしているのに、こっちのことも理解させたら鬼灯の仕事が増えるじゃないですか。私は給金さえちゃんともらえれば、文句はないので」
「そういう、ビジネスライクなところ、好きですよ」
「もう、君たち一緒になっちゃいなよ……」
その話に戻ると、私たちが一緒にならないのには理由がある。
露草も蒐集癖があるので、同じ家に住んだら家が物であふれることになる。そもそも、私も露草も、同じ空間で一緒になにかするという感覚がないので、一緒に住んだところで各々に好き勝手するだけで、いまと大して変わらないのだから今のままでいいのだ。
「あと、こいつ。私の作った味噌汁は飲めるくせに、玉子焼きの味に関しては譲らないんでダメです」
「そこくらい譲ってあげなよ!」
まだその下世話な話をするのかと嫌な顔をするも、過去、そういった話がなかったことはなくもなかった。
「ありましたよ、こいつと」
側で書類の整理をする露草を指さすと、露草に「指さすな」と文句を言われた。
「えぇ、そうなの。たしかに、君たち四六時中一緒にいるイメージはあるけど」
「四六時中一緒にはいませんよ。露草も露草で、私に頼まれた仕事で地獄中を飛び回っているんですから」
露草がいてくれているおかげで、私の仕事がなんとか回っている状態なのだということを、大王はもう少し理解した方がいい。
露草は元々、一般獄卒の一人ではあったが、補佐官に就任して暫くした頃に「あ、これ回すのキツイな」と思い、ちょっと手伝えと言って一時的に仕事を手伝わせていたが、気がつけば私の手伝いと、獄卒の仕事を兼任している状態になっている。
以前、大王に「第三補佐官とかにしないの?」と聞かれたが、第二補佐官が固定なので、そこに第三補佐官まで固定となると主任候補の育成ができなくなる。
それに露草には判決の手伝いよりも、刑場の見回りや財政状況の確認、改善箇所の提案などの別観点からの手伝いをしてほしいと思っている。
「なんで、名指しで連れてきたのかなって思ってたけど、君たちって幼馴染なんだっけ」
「ええ。ですので、こいつの能力値は知っていたので使えるなと」
「昔から、なにかやらかすときには手伝わされていたので、その延長戦です。その所為か、変に勘ぐる連中が多くて」
「よく、付き合っていると思われていましたしね」
「不思議だったね」
まあ、基本的に、烏頭さんと蓬さんとお香さん以外ですと、たしかに比較的一緒にいることが多かった気もしますが、そんな勘違いされるほどだったかとも思います。
「まあ、子供ってすぐ色恋に直結させたがるしね」
「私はどちからというと、あなたには親近感を覚えて妹という感覚でした」
「ああ、わかる。なにしでかすかわからない兄って感じだった」
「楽なんですよね。多くを語らずとも、こっちがなにをしてほしいか理解してほしいんで」
昔、どの範囲まで察するのか実験したところ、「あ」と言っただけで麻殻さんに、そのとき第四補佐官をしていた方の異動を報告しに行ってほしいという気持ちを汲み取ってくれました。
そう語る私に、大王は「もう、熟年夫婦じゃん!」とツッコみを入れるが、恐らく熟年夫婦でもそこまで意思の疎通はできないと思います。
「思考が似てるので、ある程度の仕事を把握していればなにをしようとかは理解できるんでしょう。まあ、私はこいつの考えていることは一つもわからないですが」
「ダメじゃん!」
「昔からなんで、今更ですよ。閻魔大王」
「露草ちゃんは、もっと理解してほしいとか思わないの?」
「いえ、別に。だって手助けしているのに、こっちのことも理解させたら鬼灯の仕事が増えるじゃないですか。私は給金さえちゃんともらえれば、文句はないので」
「そういう、ビジネスライクなところ、好きですよ」
「もう、君たち一緒になっちゃいなよ……」
その話に戻ると、私たちが一緒にならないのには理由がある。
露草も蒐集癖があるので、同じ家に住んだら家が物であふれることになる。そもそも、私も露草も、同じ空間で一緒になにかするという感覚がないので、一緒に住んだところで各々に好き勝手するだけで、いまと大して変わらないのだから今のままでいいのだ。
「あと、こいつ。私の作った味噌汁は飲めるくせに、玉子焼きの味に関しては譲らないんでダメです」
「そこくらい譲ってあげなよ!」