短編
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毎年毎年、冬になると引き籠る俺様の姫さん。
幼馴染で、昔から寒さに滅法弱い。
冬休みの間はいいけれど、新学期になっても引き籠りっきり。
「撫子ー。入学式遅れちゃうよ?」
布団に身を包ませ、狸寝入りする撫子を揺すりながら出てくるように促すが、シカト。
仕方がないと、布団を思いっきり引っ張っり遠くに放り投げると、一緒に撫子まで飛んでいった。
凄まじい執念だな。
「何すんのよ、佐助!」
「何すんのじゃないっての。入学式遅れるよ?」
「嫌じゃー!お外は寒いから出たくないんじゃー!」
そう言い、撫子は布団蓑虫になった。
もういっその事、このまま簀巻きにして連れて行ってやろうか。
まあ、それは最終手段にしよう。
「外、結構、温かかったよ」
疑いの目で俺様を見ながら、撫子は扉まで這いずり扉をそっと開け手を出す。
「滅茶苦茶寒いじゃん!」
「廊下だからだよ。戸建てって、外より案外寒いんだよ?それに、この部屋が温かすぎるの!」
ストーブがんがんにきかせた部屋と廊下じゃあ、温度差が激しいのは当たり前だっての。
尚も疑り深く見つめてくるが、俺様の言葉を信じる事にしたのか布団から這い出て来て制服に着替えだす。
俺様はそれを何の感情もなく見つめながら待つ。
俺様と撫子の間に羞恥の感情などない。
そんな物、遠の昔に滅却された。
たぶん、一緒に風呂に入れと言われても何の感情もなく入れるだろう。
それ程、長く俺様達は一緒にいた。
たぶん、自分達の親兄弟よりも深く長く時間を過ごしたと思う。
痛みも悲しみも喜びも愛も、全部お互いに与え合ってきた。
その所為か、撫子は感情を持った俺様の分身のような存在。
自分に発情するほど、俺様は飢えてない。
「着替え終わったー?」
「んー。よし、完璧!私、今日も可愛すぎじゃない?」
「はいはい、可愛い可愛い」
適当に流し渋る撫子を引きずり出すと、俊足で廊下と階段を駆け抜けリビングへと入っていった。
俺様もそれを追い、リビングに入り小母さんに挨拶をして朝食をご馳走になる。
そして、だらだらと食後のお茶をしている撫子に防寒具を装着させ、手を引き外へと出る。
「佐助の嘘つき!ありえない位、寒いじゃん!」
「大寒波らしいからねー」
「いやー!帰る―!」
「もう出たんだから、腹括って行くよ」
「いーやー!」
毎年毎年、本当によく同じ手に引っかかるよな、と笑いを堪えながら、駄々をこねる撫子の手を引き、半ば引きずる形で今年も登校した。
俺様の分身は、やや脳味噌が足りないようだ。
幼馴染で、昔から寒さに滅法弱い。
冬休みの間はいいけれど、新学期になっても引き籠りっきり。
「撫子ー。入学式遅れちゃうよ?」
布団に身を包ませ、狸寝入りする撫子を揺すりながら出てくるように促すが、シカト。
仕方がないと、布団を思いっきり引っ張っり遠くに放り投げると、一緒に撫子まで飛んでいった。
凄まじい執念だな。
「何すんのよ、佐助!」
「何すんのじゃないっての。入学式遅れるよ?」
「嫌じゃー!お外は寒いから出たくないんじゃー!」
そう言い、撫子は布団蓑虫になった。
もういっその事、このまま簀巻きにして連れて行ってやろうか。
まあ、それは最終手段にしよう。
「外、結構、温かかったよ」
疑いの目で俺様を見ながら、撫子は扉まで這いずり扉をそっと開け手を出す。
「滅茶苦茶寒いじゃん!」
「廊下だからだよ。戸建てって、外より案外寒いんだよ?それに、この部屋が温かすぎるの!」
ストーブがんがんにきかせた部屋と廊下じゃあ、温度差が激しいのは当たり前だっての。
尚も疑り深く見つめてくるが、俺様の言葉を信じる事にしたのか布団から這い出て来て制服に着替えだす。
俺様はそれを何の感情もなく見つめながら待つ。
俺様と撫子の間に羞恥の感情などない。
そんな物、遠の昔に滅却された。
たぶん、一緒に風呂に入れと言われても何の感情もなく入れるだろう。
それ程、長く俺様達は一緒にいた。
たぶん、自分達の親兄弟よりも深く長く時間を過ごしたと思う。
痛みも悲しみも喜びも愛も、全部お互いに与え合ってきた。
その所為か、撫子は感情を持った俺様の分身のような存在。
自分に発情するほど、俺様は飢えてない。
「着替え終わったー?」
「んー。よし、完璧!私、今日も可愛すぎじゃない?」
「はいはい、可愛い可愛い」
適当に流し渋る撫子を引きずり出すと、俊足で廊下と階段を駆け抜けリビングへと入っていった。
俺様もそれを追い、リビングに入り小母さんに挨拶をして朝食をご馳走になる。
そして、だらだらと食後のお茶をしている撫子に防寒具を装着させ、手を引き外へと出る。
「佐助の嘘つき!ありえない位、寒いじゃん!」
「大寒波らしいからねー」
「いやー!帰る―!」
「もう出たんだから、腹括って行くよ」
「いーやー!」
毎年毎年、本当によく同じ手に引っかかるよな、と笑いを堪えながら、駄々をこねる撫子の手を引き、半ば引きずる形で今年も登校した。
俺様の分身は、やや脳味噌が足りないようだ。
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