短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
悪霊に憑かれた。
事の発端は、数ヵ月前の事だ。
学校の帰りに突然、葬式のような空気を引っ提げた複数の男達に取り囲まれ「一緒に来てくれ」と言われ連れて来られたのは、一軒の日本家屋。
見るからに金持ちの匂いがする、私とは関係がなさそうな家だ。
そのまま促されるまま、ある一室に通されると、黒髪の端整な顔の男が臥せっていた。
呼吸は荒く、顔色も悪いが私はこの男を知っている。
私のストーカーだ。
「政宗殿、お連れしましたぞ」
赤い鉢巻きの男が声をかけると、黒髪の男は細々とした声で私の名前を呼ぶ。
何が何だかさっぱり分からずにオロオロしていると、唐突にオールバックの男が「政宗様はもうすぐ死ぬ」と言い出した。
「そ、そうなんですか……」
「それで、お前に頼みがあるんだ」
ストーカーの仲間の頼みだ。
どうせ録でもない事だろう。
だが、まあ聞いてやらんでもない、という上から目線な態度で「なんですか?」と問いかける。
「政宗様に口付けてやってくれ」
「お断りします」
お疲れ様でしたー、とそそくさと出口に向かうと銀髪の眼帯に行く手を阻まれた。
「頼む!あいつの最後の願いを叶えてくれ!」
「某からも頼みまする!政宗殿が誉められぬ方法でそなたに接触していたのは知っている!だが、だが!政宗殿は死んでしまうのだ!友の最後な願いを叶えてくだされ!」
揺れ動く私の気持ちにとどめを刺したのは、夕焼け色した髪の男の「まさか、ファーストキスもした事ない生娘とか?」という煽りだった。
カチンときて、勢いでしてやったさ。
「Thank You.撫子……」と儚く笑って、政宗と呼ばれていた男は息を引き取った。
の、はずなのだが、次の日、目が覚めたら半透明な昨日、死んだ男が部屋にいた。
どうやらこの男、死後私にとり憑いたらしい。
恋情とか憎しみとか解決できるならまだしも、こいつのとり憑く方法は呪いなのだ。
しかも、その呪いの決め手が私のキスだというから、私一生の不覚!
どんな除霊も効かないし、私以外見えない。
本当に困った。
どうすれば消えるのか聞いたことはある。
その時は恍惚とした表情で「お前が死んだら一緒に地獄に行く」と言われた。
どうやら、こいつの掛けた呪いはキスをした相手の魂と自分の魂を繋げるという呪いで、そのリスクとして死んだら私共々地獄に落ちるらしい。
「馬鹿か!!お前は馬鹿か!!!」
「死んでもずっと一緒だぜ、honey?」
「ふざけるな!!!ギブミー塩!」
「塩は英語でsaltだぜ」
「知ってるわ!」
事の発端は、数ヵ月前の事だ。
学校の帰りに突然、葬式のような空気を引っ提げた複数の男達に取り囲まれ「一緒に来てくれ」と言われ連れて来られたのは、一軒の日本家屋。
見るからに金持ちの匂いがする、私とは関係がなさそうな家だ。
そのまま促されるまま、ある一室に通されると、黒髪の端整な顔の男が臥せっていた。
呼吸は荒く、顔色も悪いが私はこの男を知っている。
私のストーカーだ。
「政宗殿、お連れしましたぞ」
赤い鉢巻きの男が声をかけると、黒髪の男は細々とした声で私の名前を呼ぶ。
何が何だかさっぱり分からずにオロオロしていると、唐突にオールバックの男が「政宗様はもうすぐ死ぬ」と言い出した。
「そ、そうなんですか……」
「それで、お前に頼みがあるんだ」
ストーカーの仲間の頼みだ。
どうせ録でもない事だろう。
だが、まあ聞いてやらんでもない、という上から目線な態度で「なんですか?」と問いかける。
「政宗様に口付けてやってくれ」
「お断りします」
お疲れ様でしたー、とそそくさと出口に向かうと銀髪の眼帯に行く手を阻まれた。
「頼む!あいつの最後の願いを叶えてくれ!」
「某からも頼みまする!政宗殿が誉められぬ方法でそなたに接触していたのは知っている!だが、だが!政宗殿は死んでしまうのだ!友の最後な願いを叶えてくだされ!」
揺れ動く私の気持ちにとどめを刺したのは、夕焼け色した髪の男の「まさか、ファーストキスもした事ない生娘とか?」という煽りだった。
カチンときて、勢いでしてやったさ。
「Thank You.撫子……」と儚く笑って、政宗と呼ばれていた男は息を引き取った。
の、はずなのだが、次の日、目が覚めたら半透明な昨日、死んだ男が部屋にいた。
どうやらこの男、死後私にとり憑いたらしい。
恋情とか憎しみとか解決できるならまだしも、こいつのとり憑く方法は呪いなのだ。
しかも、その呪いの決め手が私のキスだというから、私一生の不覚!
どんな除霊も効かないし、私以外見えない。
本当に困った。
どうすれば消えるのか聞いたことはある。
その時は恍惚とした表情で「お前が死んだら一緒に地獄に行く」と言われた。
どうやら、こいつの掛けた呪いはキスをした相手の魂と自分の魂を繋げるという呪いで、そのリスクとして死んだら私共々地獄に落ちるらしい。
「馬鹿か!!お前は馬鹿か!!!」
「死んでもずっと一緒だぜ、honey?」
「ふざけるな!!!ギブミー塩!」
「塩は英語でsaltだぜ」
「知ってるわ!」