短編
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クラスの女子を見て、しみじみ子供だなぁと思う。
鞄はマスコットでじゃらじゃらしてるし、テンションが異様に高くて、自分の意思は絶対に押し通そうとして、自分が一番じゃないと気が済まない。
まあ、簡潔に言うと落ち着きと余裕がない。
「撫子はああならないの?」
隣に座っている撫子に聞くと「なにが?」と落ち着いたトーンの声色で返ってきた。
俺様、この声が好きだな。
耳にキンキン響かないけど、しっかり届く。
撫子は、小さい時から子供らしくなかった。
それは家庭環境によるもので、自分がしっかりしなければという幼い子供には似つかわしくない思いで、支えられている。
そして、周りも大人な撫子ちゃんを求めてしまっているから尚更、撫子は子供で居られないのだ。
古い付き合いだけど、撫子が泣いたり怒ったり誰かを頼ったりしているのを見た記憶がない。
「もっとさ、感情むき出しにしたり、誰かを頼るとかさ」
そう言うと、撫子は薄く笑って「子供じゃあるまいし」と言って伏し目がちになった。
嘘つき。
本当は、人並みに子供でいたいくせに。
「高校生はまだ子供だよ」
「高校生はもう大人よ」
そう言って笑う撫子。
もう、ああ言えばこう言う。
ぶすくれると、撫子はクスクス笑いながら「そういう佐助こそ、もっと自分に素直になったら?」と言った。
「俺様はいつだって素直ですー」
「嘘ばっかり。いつだって誰かの為に自分を殺してるくせに」
「……性分なの」
「じゃあ、私のも性分」
屁理屈をこねる撫子に「もう」と言うと「いいじゃない」と返ってきた。
「背伸びしてる者同士、気が合ってるから側にいるのよ。私、佐助が佐助であってくれるから一人だって感じた事がないもの」
ありがとう、と笑う撫子の顔は酷く穏やかだった。
あぁ……、そんな事を言われたら俺様、撫子から離れられなくなっちゃうじゃん。
「仕方ないなぁ。じゃあ、撫子が一人にならない様に、俺様も背伸びしててあげる」
いつだって側に寄り添ってあげるよ。
鞄はマスコットでじゃらじゃらしてるし、テンションが異様に高くて、自分の意思は絶対に押し通そうとして、自分が一番じゃないと気が済まない。
まあ、簡潔に言うと落ち着きと余裕がない。
「撫子はああならないの?」
隣に座っている撫子に聞くと「なにが?」と落ち着いたトーンの声色で返ってきた。
俺様、この声が好きだな。
耳にキンキン響かないけど、しっかり届く。
撫子は、小さい時から子供らしくなかった。
それは家庭環境によるもので、自分がしっかりしなければという幼い子供には似つかわしくない思いで、支えられている。
そして、周りも大人な撫子ちゃんを求めてしまっているから尚更、撫子は子供で居られないのだ。
古い付き合いだけど、撫子が泣いたり怒ったり誰かを頼ったりしているのを見た記憶がない。
「もっとさ、感情むき出しにしたり、誰かを頼るとかさ」
そう言うと、撫子は薄く笑って「子供じゃあるまいし」と言って伏し目がちになった。
嘘つき。
本当は、人並みに子供でいたいくせに。
「高校生はまだ子供だよ」
「高校生はもう大人よ」
そう言って笑う撫子。
もう、ああ言えばこう言う。
ぶすくれると、撫子はクスクス笑いながら「そういう佐助こそ、もっと自分に素直になったら?」と言った。
「俺様はいつだって素直ですー」
「嘘ばっかり。いつだって誰かの為に自分を殺してるくせに」
「……性分なの」
「じゃあ、私のも性分」
屁理屈をこねる撫子に「もう」と言うと「いいじゃない」と返ってきた。
「背伸びしてる者同士、気が合ってるから側にいるのよ。私、佐助が佐助であってくれるから一人だって感じた事がないもの」
ありがとう、と笑う撫子の顔は酷く穏やかだった。
あぁ……、そんな事を言われたら俺様、撫子から離れられなくなっちゃうじゃん。
「仕方ないなぁ。じゃあ、撫子が一人にならない様に、俺様も背伸びしててあげる」
いつだって側に寄り添ってあげるよ。