短編
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“伊達くんの髪の毛は猫っ毛で柔らかいわね”
そう言いながら、オレの頭を撫でる隣の席の女。
苗樫撫子と言うらしい。
不良だからとか、目付きが悪いからだとかで、普通の女は寄り付きもしないのに、そいつは怖がる素振りも見せず、穏やかな柔らかい笑顔でオレの頭を撫でたのだ。
親からすらも撫でられた事などなく、初めての経験で、オレは、恋に落ちた。
「撫子……」
何をしていても撫子の事で胸がいっぱいで苦しい。
こうして、名前を呟かなくては押し潰されてしまいそうだ。
元親に「撫子がどうしたんだ?」と聞かれたので、事の次第を話す。
「あいつの笑顔は日溜まりだ……」
「なぁ、あんまし夢を壊すこと言いたくねぇんだけどよ、撫子は普通の女じゃねーぞ」
「そうだな。あの、全てを包み込む優しさは普通じゃねえ」
「いや、そうじゃなくてよお。……デビルバットて知ってるか?」
デビルバット。
それは、ここいらでは有名な正体不明な不良だ。
個人の不良は狙わず、集団の不良を狙う不良。
顔はデビルマンの面で隠され、右手に金属バット、左手にはデビルマンのテーマを流したラジカセを持って現れる。
戦い方は、基本的に金属バットで殴るだが、その場により凶悪な武器があればなんでも使う。
ブロックがあれば迷わず持ち上げ、頭をかち割る。
酒瓶があれば頭をかち割る。
ハンマーがあれば頭をかち割る。
とにかく、頭を容赦なく狙ってくる。
刺突できる物があれば容赦なく刺してくる。
そんな悪逆非道な不良。
「そのデビルバットの正体が苗樫撫子だ」
「なに言ってんだ、お前」
あんな、虫すら殺せない聖母がそんな極悪な奴とイコールになるなんて、呆れてものも言えねえぜ。
信じないオレに「じゃあ、聞いてみっか?」と言い、撫子を呼びつけた。
「なに?長宗我部くん」
「ここに五人ほどの不良がいるとします。貴女の装備は金属バット。近くには、空の酒瓶がワンケース。ブロックが一個、どうしますか?」
「酒瓶四本で三人の頭をかち割って、ブロックを一人の頭に叩きつけて、残り一人をバットで叩きのめすかしら」
聖母スマイルで撫子は何て事ない事のように答えた。
現実って残酷だ。
そう言いながら、オレの頭を撫でる隣の席の女。
苗樫撫子と言うらしい。
不良だからとか、目付きが悪いからだとかで、普通の女は寄り付きもしないのに、そいつは怖がる素振りも見せず、穏やかな柔らかい笑顔でオレの頭を撫でたのだ。
親からすらも撫でられた事などなく、初めての経験で、オレは、恋に落ちた。
「撫子……」
何をしていても撫子の事で胸がいっぱいで苦しい。
こうして、名前を呟かなくては押し潰されてしまいそうだ。
元親に「撫子がどうしたんだ?」と聞かれたので、事の次第を話す。
「あいつの笑顔は日溜まりだ……」
「なぁ、あんまし夢を壊すこと言いたくねぇんだけどよ、撫子は普通の女じゃねーぞ」
「そうだな。あの、全てを包み込む優しさは普通じゃねえ」
「いや、そうじゃなくてよお。……デビルバットて知ってるか?」
デビルバット。
それは、ここいらでは有名な正体不明な不良だ。
個人の不良は狙わず、集団の不良を狙う不良。
顔はデビルマンの面で隠され、右手に金属バット、左手にはデビルマンのテーマを流したラジカセを持って現れる。
戦い方は、基本的に金属バットで殴るだが、その場により凶悪な武器があればなんでも使う。
ブロックがあれば迷わず持ち上げ、頭をかち割る。
酒瓶があれば頭をかち割る。
ハンマーがあれば頭をかち割る。
とにかく、頭を容赦なく狙ってくる。
刺突できる物があれば容赦なく刺してくる。
そんな悪逆非道な不良。
「そのデビルバットの正体が苗樫撫子だ」
「なに言ってんだ、お前」
あんな、虫すら殺せない聖母がそんな極悪な奴とイコールになるなんて、呆れてものも言えねえぜ。
信じないオレに「じゃあ、聞いてみっか?」と言い、撫子を呼びつけた。
「なに?長宗我部くん」
「ここに五人ほどの不良がいるとします。貴女の装備は金属バット。近くには、空の酒瓶がワンケース。ブロックが一個、どうしますか?」
「酒瓶四本で三人の頭をかち割って、ブロックを一人の頭に叩きつけて、残り一人をバットで叩きのめすかしら」
聖母スマイルで撫子は何て事ない事のように答えた。
現実って残酷だ。