短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夏休みの宿題をこなしていると、ケータイが震えた。
どうせメールだろう無視したが、どうも鳴り止む気配がない。
ようやく、電話だと気がついて慌ててとると、猿飛先輩の明るい声が聞こえてきた。
「よかった。無視されてるのかと思って、不安だった」
すみません、無視してました。
とは言えず、とりあえず謝っておいた。
それで、何かありましたか?と聞けば、「もうお祭り、誰と行くか決めちゃった?」と聞かれて、あぁ、そういえば近々あったなと思い出した。
「いえ、忘れてました」
「撫子ちゃんらしい。でもそれなら好都合。今度のお祭り、一緒に行こう?」
うおぁ、まさかのデートのお誘いに変な声がでそうになった。
猿飛先輩の事だから、きっとイケイケでナイスボディなお姉さんと、熱い夏を過ごすんだろうと夏は諦めてたのだけれど。
勿論、二つ返事で返した。
その後、待ち合わせ場所と時間を決め、雑談を少しして切った。
「……ふぅ。お母さーん!浴衣買ってー!」
階段を駆け降り、渋る母親に拝み倒して浴衣を買ってもらい、お祭り当日。
何度も鏡の前でチェックしていたら、予定の時間より出るのが遅れてしまった。
いやでも、三十分前に着くよう計算してたし、全然大丈夫!
ほら、まだ猿飛先輩来てないし!
ほっと安心していると、後ろから何かがのし掛かってきた。
「うっ!これはまさか、自縛霊……!」
「残念。俺様でしたー」
含み笑いをしながら、猿飛先輩が背中から離れ、私の前へと回り込んできた。
浴衣を着た猿飛先輩は、いつもの派手なイメージからどこか落ち着いた大人の男の雰囲気へと変わっていた。
これが浴衣マジック……!
「撫子ちゃん浴衣なんだ。可愛い。食べちゃいたい」
中身はいつも通りの猿飛先輩だ。
ほっとして、猿飛先輩もかっこいいですよ、と褒めると「脱がしたい?」と聞かれて、喉元まで出かけた「そりゃ、お前の仕事だろ」と言う言葉をぐっと飲み込み「またまた~」と上手くかわした。
この人の、こういう発言にいちいち反応していたらきりがない。
流すのが一番だ。
「じゃあ、行こ」
そう言い、さらっと手を繋いできた。
て、手慣れていやがる……。
流石のモテ男スキルに戦々恐々していると、とある出店で猿飛先輩が足を止めた。
「見てみて、トヨトミンジャーのお面売ってる。懐かしい。俺様さ、昔、トヨトミンジャーが好きでよく旦那たちとごっこ遊びしてたんだ。レッドとかがよかったんだけど、いっつもピンク役だったんだよね」
懐かしー、と言いながらおもむろに屋台のおじさんに、トヨトミンジャーのレッドとピンクのお面を注文しだした。
レッドのお面を付け、ピンクのお面を私に手渡し「はい、俺様だけのヒロイン」と、顔面真っ赤になる事必至な台詞を吐いた。
当然、私の顔は真っ赤で、それを隠すようにお面をかぶるのだった。
どうせメールだろう無視したが、どうも鳴り止む気配がない。
ようやく、電話だと気がついて慌ててとると、猿飛先輩の明るい声が聞こえてきた。
「よかった。無視されてるのかと思って、不安だった」
すみません、無視してました。
とは言えず、とりあえず謝っておいた。
それで、何かありましたか?と聞けば、「もうお祭り、誰と行くか決めちゃった?」と聞かれて、あぁ、そういえば近々あったなと思い出した。
「いえ、忘れてました」
「撫子ちゃんらしい。でもそれなら好都合。今度のお祭り、一緒に行こう?」
うおぁ、まさかのデートのお誘いに変な声がでそうになった。
猿飛先輩の事だから、きっとイケイケでナイスボディなお姉さんと、熱い夏を過ごすんだろうと夏は諦めてたのだけれど。
勿論、二つ返事で返した。
その後、待ち合わせ場所と時間を決め、雑談を少しして切った。
「……ふぅ。お母さーん!浴衣買ってー!」
階段を駆け降り、渋る母親に拝み倒して浴衣を買ってもらい、お祭り当日。
何度も鏡の前でチェックしていたら、予定の時間より出るのが遅れてしまった。
いやでも、三十分前に着くよう計算してたし、全然大丈夫!
ほら、まだ猿飛先輩来てないし!
ほっと安心していると、後ろから何かがのし掛かってきた。
「うっ!これはまさか、自縛霊……!」
「残念。俺様でしたー」
含み笑いをしながら、猿飛先輩が背中から離れ、私の前へと回り込んできた。
浴衣を着た猿飛先輩は、いつもの派手なイメージからどこか落ち着いた大人の男の雰囲気へと変わっていた。
これが浴衣マジック……!
「撫子ちゃん浴衣なんだ。可愛い。食べちゃいたい」
中身はいつも通りの猿飛先輩だ。
ほっとして、猿飛先輩もかっこいいですよ、と褒めると「脱がしたい?」と聞かれて、喉元まで出かけた「そりゃ、お前の仕事だろ」と言う言葉をぐっと飲み込み「またまた~」と上手くかわした。
この人の、こういう発言にいちいち反応していたらきりがない。
流すのが一番だ。
「じゃあ、行こ」
そう言い、さらっと手を繋いできた。
て、手慣れていやがる……。
流石のモテ男スキルに戦々恐々していると、とある出店で猿飛先輩が足を止めた。
「見てみて、トヨトミンジャーのお面売ってる。懐かしい。俺様さ、昔、トヨトミンジャーが好きでよく旦那たちとごっこ遊びしてたんだ。レッドとかがよかったんだけど、いっつもピンク役だったんだよね」
懐かしー、と言いながらおもむろに屋台のおじさんに、トヨトミンジャーのレッドとピンクのお面を注文しだした。
レッドのお面を付け、ピンクのお面を私に手渡し「はい、俺様だけのヒロイン」と、顔面真っ赤になる事必至な台詞を吐いた。
当然、私の顔は真っ赤で、それを隠すようにお面をかぶるのだった。