短編
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毛利家に嫁いでから早三ヶ月が過ぎた。
政略結婚だから仕方ないかも知れないが、この結婚生活には愛がない。
元就様は話しかけても酷く素っ気ないし、基本的に部屋からは出てこられないし。
唯一の交流と言えば、毎朝行われる日輪崇拝の儀だけだ。
早朝から元就様が直々に起こしに来て下さり、寝間着のまま庭に引きずり出され、太陽の日を浴びさせられる。
せめて着替えさせてほしい。
一応、私にも乙女の心があるので愛してほしいとか優しくしてほしいとかは思う。
愛がないよね、と侍女に溢すと侍女は慌てて「元就様は撫子様の事を愛されております!」と強く否定した。
「一度、元就様のお心を直接伺ってみては?」
侍女の勧めもあり、次の日、日輪の儀の時に聞いてみた。
「元就様。もし日輪と私、どちらかを選ぶと片方は貴方様の側からいなくなるとしたら、どちらを選ばれますか?」
「日輪に決まっておろう」
即答だった。まあ、そうだろうなと少し落胆したが、元就様の話は続きを話し始めた。
「日輪がこの安芸から消えれば作物は枯れ、安芸は餓えに蝕まれる。そうなれば安芸は衰退し、貴様も安芸共々死ぬ。なれば、安芸の平和と貴様の命を守らんとすれば、一度貴様をはなし、再度引きずり戻すのが得策よ」
「安芸が滅ぶ前に私が逃げるとは思わないのですか?」
「ふん。それこそ引きずり戻し、牢に放り込むわ」
貴様は我の元に嫁いだ時点で安芸と、そして我と命運を共にする定めよ。
そう言い捨て、話はこれでお仕舞いと言うように背を向けて行ってしまった。
成る程、侍女の言う通り私は元就様に愛されているらしい。
それどころか、よほど執着されているようだ。
安芸と元就様様と運命を共に、か……。
「うん、悪くないかも知れない」
政略結婚だから仕方ないかも知れないが、この結婚生活には愛がない。
元就様は話しかけても酷く素っ気ないし、基本的に部屋からは出てこられないし。
唯一の交流と言えば、毎朝行われる日輪崇拝の儀だけだ。
早朝から元就様が直々に起こしに来て下さり、寝間着のまま庭に引きずり出され、太陽の日を浴びさせられる。
せめて着替えさせてほしい。
一応、私にも乙女の心があるので愛してほしいとか優しくしてほしいとかは思う。
愛がないよね、と侍女に溢すと侍女は慌てて「元就様は撫子様の事を愛されております!」と強く否定した。
「一度、元就様のお心を直接伺ってみては?」
侍女の勧めもあり、次の日、日輪の儀の時に聞いてみた。
「元就様。もし日輪と私、どちらかを選ぶと片方は貴方様の側からいなくなるとしたら、どちらを選ばれますか?」
「日輪に決まっておろう」
即答だった。まあ、そうだろうなと少し落胆したが、元就様の話は続きを話し始めた。
「日輪がこの安芸から消えれば作物は枯れ、安芸は餓えに蝕まれる。そうなれば安芸は衰退し、貴様も安芸共々死ぬ。なれば、安芸の平和と貴様の命を守らんとすれば、一度貴様をはなし、再度引きずり戻すのが得策よ」
「安芸が滅ぶ前に私が逃げるとは思わないのですか?」
「ふん。それこそ引きずり戻し、牢に放り込むわ」
貴様は我の元に嫁いだ時点で安芸と、そして我と命運を共にする定めよ。
そう言い捨て、話はこれでお仕舞いと言うように背を向けて行ってしまった。
成る程、侍女の言う通り私は元就様に愛されているらしい。
それどころか、よほど執着されているようだ。
安芸と元就様様と運命を共に、か……。
「うん、悪くないかも知れない」