criminal
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連れてこられた豪邸と言ってもよさそうな家に「ずいぶん稼いでいらっしゃる」と言えば、「それほどでも」となかなか嫌味ったらしく返された。
「ここが今日から私が軟禁される場所ってことですね」
「軟禁って……僕がアブノーマルな趣味があるみたいじゃないか……」
「ないの?」
「ないんじゃないかな……?」
完全に否定しきらない姿に、趣味はなくとも願望はあるのではと勘ぐってしまう。
気を付けよう。
「身辺調査って、どれくらいかかるの?」
「一ヶ月か二ヶ月くらいかな」
「げぇ……。暇で死ぬかも」
「そうならないように、善処するよ。ほら、こんなとこで立ち話もなんだし、中に入ろう」
背中を押されるまま中へと入ると、生活感の欠片もない内装に迎え入れられた。
本当に住んでいるのか、と思いながら道中で買った食材と持ってきた着替えなどの荷物を運び込み、一度ソファに座り落ち着く。
疲れた。
師匠のイタズラで、こうも上手くことが進まないのは久しぶりだ。
「アランお兄ちゃん」
「なんだい。今日の夕飯はポジョ・アル・チリンドロンだよ」
「本当に?!」
不意にだされた好物の名前に、思わず盛大に食いついてしまった。
アランお兄ちゃんに愛しげに笑われて恥ずかしい。
いやいやいや、違う。
私が言いたいのは、夕飯についてじゃなくてだ。
「その、ごめんなさい。まさか、師匠が名前を伏せていたなんて知らなくて。子供扱いされて反対されてるんだと思ったら、頭にきちゃって……ごめんなさい」
謝ろう、謝ろう、と思ってずっと言えずにいたことを言えば、キッチンから出てきて、「仲直りする時、いつもどうしてたかな?」とイタズラっぽく笑い腕を広げるので、喜んでソファから飛び降り抱きついて「アランお兄ちゃん、大好きだよ」と言えば、「俺もだよ」と昔と同じ仲直りの儀が終わった。
「今回はアーティアが悪い訳じゃないから、謝る必要はなかったんだけどね」
「ううん。心配してくれてたのに、怒った私が悪いから」
「そういう素直なところ、変わってなくて好きだよ」
「ありがとう」
ぎゅっ、とさらに抱き締めてから放れようとするのだけれども、アランお兄ちゃんが放す気配がない。
背中を叩いたり、胸を押したりしてもいっこうに放さない。
「お兄ちゃん!」
少し怒って呼べば、やっと体が放れた。
なんだったのだ、と顔を上げれば幸せそうな表情をしていた。
「やっと会えて抱き締められて嬉しい」
蕩けそうな顔と甘えた声で言われると、恥ずかしくなってしまう。
「バカ」と胸板を叩いて放れてから、「私も嬉しいよ」と言えばまた抱き締められた。
「きりがないー!」
「好きだよ、アーティア」
「わかったから、もー!ご飯作ろうよー!」
背中をバシンバシン叩いてるのに、なにが楽しいのか笑い声が小さく聞こえてきた。
「可愛いな、小さいな」
「人が気にしてることを、もー!」
「ごめん、ごめん。さ、作るから座って待ってて」
「いいよ、手伝うよ!お兄ちゃんと一緒にご飯作るために腕みがいてきたよ!」
どうだ!と胸を張って言ったら、なぜかよろめいてキッチンに手をつき俯いた。
な、なんだ。
私がなにかしたのか。
慌てて側に駆け寄り、大丈夫かと声をかければ一言。
「尊い」
「は?」
「最愛の従妹が僕のために努力してくれていることが嬉しくてたまらない」
「心配して損したわ」
「すまない。だが、今日は僕に任せてくれ。せっかくの同棲祝いでキミは主役なんだから、僕に振る舞わせてくれ。お願いだ、レディ」
手をとられ、慣れた手つきで手の甲にキスをされた。
まぁ、そこまで言うなら、と今日はお願いするがひとつ訂正を。
「同棲じゃなくて、同居。私の方が気を遣わないといけないんだから、変に特別扱いしないでよね」
「……了解」
「ここが今日から私が軟禁される場所ってことですね」
「軟禁って……僕がアブノーマルな趣味があるみたいじゃないか……」
「ないの?」
「ないんじゃないかな……?」
完全に否定しきらない姿に、趣味はなくとも願望はあるのではと勘ぐってしまう。
気を付けよう。
「身辺調査って、どれくらいかかるの?」
「一ヶ月か二ヶ月くらいかな」
「げぇ……。暇で死ぬかも」
「そうならないように、善処するよ。ほら、こんなとこで立ち話もなんだし、中に入ろう」
背中を押されるまま中へと入ると、生活感の欠片もない内装に迎え入れられた。
本当に住んでいるのか、と思いながら道中で買った食材と持ってきた着替えなどの荷物を運び込み、一度ソファに座り落ち着く。
疲れた。
師匠のイタズラで、こうも上手くことが進まないのは久しぶりだ。
「アランお兄ちゃん」
「なんだい。今日の夕飯はポジョ・アル・チリンドロンだよ」
「本当に?!」
不意にだされた好物の名前に、思わず盛大に食いついてしまった。
アランお兄ちゃんに愛しげに笑われて恥ずかしい。
いやいやいや、違う。
私が言いたいのは、夕飯についてじゃなくてだ。
「その、ごめんなさい。まさか、師匠が名前を伏せていたなんて知らなくて。子供扱いされて反対されてるんだと思ったら、頭にきちゃって……ごめんなさい」
謝ろう、謝ろう、と思ってずっと言えずにいたことを言えば、キッチンから出てきて、「仲直りする時、いつもどうしてたかな?」とイタズラっぽく笑い腕を広げるので、喜んでソファから飛び降り抱きついて「アランお兄ちゃん、大好きだよ」と言えば、「俺もだよ」と昔と同じ仲直りの儀が終わった。
「今回はアーティアが悪い訳じゃないから、謝る必要はなかったんだけどね」
「ううん。心配してくれてたのに、怒った私が悪いから」
「そういう素直なところ、変わってなくて好きだよ」
「ありがとう」
ぎゅっ、とさらに抱き締めてから放れようとするのだけれども、アランお兄ちゃんが放す気配がない。
背中を叩いたり、胸を押したりしてもいっこうに放さない。
「お兄ちゃん!」
少し怒って呼べば、やっと体が放れた。
なんだったのだ、と顔を上げれば幸せそうな表情をしていた。
「やっと会えて抱き締められて嬉しい」
蕩けそうな顔と甘えた声で言われると、恥ずかしくなってしまう。
「バカ」と胸板を叩いて放れてから、「私も嬉しいよ」と言えばまた抱き締められた。
「きりがないー!」
「好きだよ、アーティア」
「わかったから、もー!ご飯作ろうよー!」
背中をバシンバシン叩いてるのに、なにが楽しいのか笑い声が小さく聞こえてきた。
「可愛いな、小さいな」
「人が気にしてることを、もー!」
「ごめん、ごめん。さ、作るから座って待ってて」
「いいよ、手伝うよ!お兄ちゃんと一緒にご飯作るために腕みがいてきたよ!」
どうだ!と胸を張って言ったら、なぜかよろめいてキッチンに手をつき俯いた。
な、なんだ。
私がなにかしたのか。
慌てて側に駆け寄り、大丈夫かと声をかければ一言。
「尊い」
「は?」
「最愛の従妹が僕のために努力してくれていることが嬉しくてたまらない」
「心配して損したわ」
「すまない。だが、今日は僕に任せてくれ。せっかくの同棲祝いでキミは主役なんだから、僕に振る舞わせてくれ。お願いだ、レディ」
手をとられ、慣れた手つきで手の甲にキスをされた。
まぁ、そこまで言うなら、と今日はお願いするがひとつ訂正を。
「同棲じゃなくて、同居。私の方が気を遣わないといけないんだから、変に特別扱いしないでよね」
「……了解」