criminal
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「お久しぶりです、師匠……」
「元気そうでなによりだ。さぁ、さっさとするぞ」
成長痛に怯えるアーティアの代わりに花音薔薇兜をライブラへと案内して早々、アーティアの手を掴み仮眠室へと連れ込もうとした。
「ちょっと待って、師匠ぉ!まだ全然覚悟ができてないのよ!」
「お前の覚悟を待っていたら年を跨ぐだろうが!どうせ、そこのでかいフェレットに唆されたんだろ!お前はいつもそうだ!アランお兄ちゃん、アランお兄ちゃんと!自主性を持たんか!」
「人の頑張る原動力にケチつけないでよ、師匠ぉ!」
かしましく喧嘩をする幼女二人にどこで口を挟むべきかわからず困っていたら、「フェレット!この腑抜けになんとか言ってやれ!」と、恐らく俺に振られたであろう怒声に、「なんとかって……」と困惑する。
まあ、一発できく言葉があるんだけどな。
「アーティア、“できないこと”はしなくていいんだよ。“怖いなら”、僕は無理にとは言わないから」
わざとアーティアの癇に障る部分をそれとなく強調して言い聞かせれば、露骨に顔を歪め「怖いわけないでしょ!できるわよ!」と啖呵を切ったので「さすが、俺のアーティアだ!」と褒める。
「よく決断した、アーティア!」と一緒に褒めるクラウス以外が「チョロい」と思っていることだろう。俺も思っている。
そして、乗せられたことを察したアーティアだったが、あとには引けず「やってやるわよ!」と率先して仮眠室へと向かっていった。
「師匠、ゆっくりよ。ゆっくりでお願い」
「バカか。ゆっくりやっても終着点は一緒だ」
「待って待って待って!骨が!骨から異音が!まっ……痛い痛い痛、あぁー!」
言語解釈不可能な悲惨な断末魔が響き渡ったかと思うと、ごとん、と重いものが倒れる音がした。
静かになった仮眠室の扉が開くと、花音薔薇兜が「そこの眼帯娘とスーツの娘。ちょっと手伝え」とK・Kとチェインを呼びつける。
二人は言われたまま仮眠室へと入ると、中から「あらー!美人になったじゃなーい!」「これは凄いですね……色々と」と聞こえてきて気になって仕方がない。
しばらく、はしゃぐ女性陣の声に耳をそばだたせていると、花音薔薇兜だけが出てきて「おい、フェレット。買い物に行くぞ」と声をかけてきた。
「あの、それよりアーティアは大丈夫なんですか?」
「問題ない。私が処方した鎮痛剤を胃袋に直接投与させた」
そうは言うものの、やはり心配で買い物に付き合うのを躊躇っていたら「アーティアが初めてつけるランジェリーを買いたくないなら、別に構わない」と言われ、心が音をたてて傾く。
いや、でもアーティアにバレたら確実に白い目で見られる。
現に、レオとツェッドから見られているのだから、K・Kとチェインもそういう目で見るだろう。
体面と欲望に揺れ動いていたが、業を煮やした花音薔薇兜が「おい、そこの白髪!着いてこい!」と言いだした。
「待ってください!ザップに選ばせるくらいなら俺が選びます!」
「ならさっさとこい!」
まんまと乗せられ、深緑のドレスに身を包みヴェールで顔を隠した謎の少女を隣に置きHLの大通りを歩いていると、「気が付いているか」と張りつめた声で尋ねられる。
「……それは、アーティアのことですか?」
「あぁ。あの子はずっと、HLに来るのを渋っていた。実力が伴わないと言って。それがある日突然、ライブラに紹介状を書いてほしいと言い出した」
「自信がついたのかも知れませんよ」
「十年も渋っていた腰抜けが、前ぶれもなく自信をつけるわけないだろ。なにか理由があるはずだ。お前から見て、気が付いたことはないか」
できるだけ触れたくはないと思っていた話題を振られ、この話をする為に俺を引きずり出したのかと理解が至った。
気が付いたことは、そりゃ、ここ数ヶ月でも何点かある。
「アーティアがここに来てしばらくして一緒に出掛けたのですが、その時、うちの構成員に『君たちは死なないよう、頑張ってね』と言っていました」
「まるで、自分は死ぬかのような言い方だな」
「えぇ。それに、念を押すように『選ぶべきものを間違えるな』『自分を優先させるな』と僕に言うのも気になりました」
「ふむ……」
「彼女がなぜそんなことを言うのか、考えました。アーティアより優先して、僕が選ぶものは……」
「ライブラ」
「はい」
つまり、アーティアはスパイの可能性がある。
気が付いているなら、何故すぐにでも処理をしないのか。
おかしいのだ、どう考えても。
あの子がその気になれば、こんな引っ掛かりを作る必要はないし、作らない。
そもそも俺を騙そうという考えすらアーティアが持つはずがない。
俺を出し抜くなど不可能なことくらい、アーティアが一番よくわかっている。
その上でのスパイ行為と、アーティアという人間を知らない人間から見れば自然な言動、しかし知っている人間には不自然な言動。
「彼女を操っている人間がいる」
「そうだな。気になる人物はいるか」
「アーティアの両親ですね。あれだけ彼女に無関心な彼らが、わざわざ僕に到着の知らせをしてきました」
「それは怪しいな」
「ですが、彼らの周りは特に変わりはない。そもそも、彼らにアーティアを操る器量はない」
「掌で転がし返されるだろうな。なら、やつらに関係している会社じゃないか」
「現在調べさせています」
俺の言葉に「よろしい」と一言返し、しばらく黙り言いにくそうに「アーティアの胸近くに、手術痕があった」と花音薔薇兜は教えてくれた。
「チェインという娘に調べてもらったが、心臓付近に機械が一つ、皮膚下にも一つ埋め込まれていた」
それがアーティアの言動を制限していると思われる。
そう告げられ、拳が震えるほど強く握り理性を保とうと努力はする。
「彼女を傷物にした連中は見つけ次第処理します」
「そうしてくれ。できれば、その時は呼んでくれないか?私の愛弟子を傷つけられて、私も腸が煮えくり返っているんでね」
「えぇ、是非ご協力ください」
俺の殺意表明に、花音薔薇兜も獣が唸るような声でのってきた。
花音薔薇兜は、「これからアーティアから目を離さないようにしろ」と言うが、元より一人で行動させるつもりはない。
泰鴻にそれとなく行動を探らせているが、毎夜、異常なほどセキュリティが厳重なパソコンでなにかを打ち込んでいるという報告がきている。
恐らく報告書の類いだろうが、いまのところ送信する気配はないので早急にアーティアの始末をつけなければいけない、というわけではない。
いざとなれば、アーティアが言うように、望むように、俺は彼女の命を奪うことになる。
そうなる前に、彼女を操っているやつを先に始末しなくては。
「時に、スティーブン・アラン・スターフェイズ。君はアーティアはどういったランジェリーが似合うと思う」
人が真剣に思い悩んでいるのになにを、と思ったが、深刻な顔をしていた俺に気をつかったのだろうと察し、いつもの笑みを浮かべ「本人を見ていないので、なんとも……」と答える。
「そうだな、見た目は君にあまり似ていないな。少し幼い頃の面影を残した美人だったよ」
「それは会うのが楽しみですね」
あまりネタバレはしてほしくないな、と軽く受け流したつもりだったのだが、気が付いた上での嫌がらせなのか、本当に善意なのかはわからないが、アーティアのスリーサイズやアンダーバスト、身長、身幅などの衣類を購入するのに必要な数値が書かれたメモを見せてきた。
身長はやはり、俺の家系の血が強いからか女性にしては高身長。
なによりも目を引いたのは、当たり前だがスリーサイズだ。
「よく育ったメロンサイズのモデル体型ですね……」
「数字だけで言い当てるとは、気持ち悪いなお前……。それで、お前としてはどういうのが所望だ?」
「体型関係なく、アーティアには品のいい落ち着いたデザイン一択です。フリルとレースたっぷりなら、尚可」
「お前も大概、アーティアに夢を見ているな。まあ、私もそう思う。いい趣味だ、スティーブン・アラン・スターフェイズ」
花音薔薇兜から「好きなデザインを選ぶといい」と了承を得たので、ランジェリーショップで花音薔薇兜と吟味していたら、ロウ警部補に職質をされた。
理由を説明したが、「本当にお前の小さい方に起こすアクション気持ち悪いな」と言われたけれど、気にしないぞ!
「元気そうでなによりだ。さぁ、さっさとするぞ」
成長痛に怯えるアーティアの代わりに花音薔薇兜をライブラへと案内して早々、アーティアの手を掴み仮眠室へと連れ込もうとした。
「ちょっと待って、師匠ぉ!まだ全然覚悟ができてないのよ!」
「お前の覚悟を待っていたら年を跨ぐだろうが!どうせ、そこのでかいフェレットに唆されたんだろ!お前はいつもそうだ!アランお兄ちゃん、アランお兄ちゃんと!自主性を持たんか!」
「人の頑張る原動力にケチつけないでよ、師匠ぉ!」
かしましく喧嘩をする幼女二人にどこで口を挟むべきかわからず困っていたら、「フェレット!この腑抜けになんとか言ってやれ!」と、恐らく俺に振られたであろう怒声に、「なんとかって……」と困惑する。
まあ、一発できく言葉があるんだけどな。
「アーティア、“できないこと”はしなくていいんだよ。“怖いなら”、僕は無理にとは言わないから」
わざとアーティアの癇に障る部分をそれとなく強調して言い聞かせれば、露骨に顔を歪め「怖いわけないでしょ!できるわよ!」と啖呵を切ったので「さすが、俺のアーティアだ!」と褒める。
「よく決断した、アーティア!」と一緒に褒めるクラウス以外が「チョロい」と思っていることだろう。俺も思っている。
そして、乗せられたことを察したアーティアだったが、あとには引けず「やってやるわよ!」と率先して仮眠室へと向かっていった。
「師匠、ゆっくりよ。ゆっくりでお願い」
「バカか。ゆっくりやっても終着点は一緒だ」
「待って待って待って!骨が!骨から異音が!まっ……痛い痛い痛、あぁー!」
言語解釈不可能な悲惨な断末魔が響き渡ったかと思うと、ごとん、と重いものが倒れる音がした。
静かになった仮眠室の扉が開くと、花音薔薇兜が「そこの眼帯娘とスーツの娘。ちょっと手伝え」とK・Kとチェインを呼びつける。
二人は言われたまま仮眠室へと入ると、中から「あらー!美人になったじゃなーい!」「これは凄いですね……色々と」と聞こえてきて気になって仕方がない。
しばらく、はしゃぐ女性陣の声に耳をそばだたせていると、花音薔薇兜だけが出てきて「おい、フェレット。買い物に行くぞ」と声をかけてきた。
「あの、それよりアーティアは大丈夫なんですか?」
「問題ない。私が処方した鎮痛剤を胃袋に直接投与させた」
そうは言うものの、やはり心配で買い物に付き合うのを躊躇っていたら「アーティアが初めてつけるランジェリーを買いたくないなら、別に構わない」と言われ、心が音をたてて傾く。
いや、でもアーティアにバレたら確実に白い目で見られる。
現に、レオとツェッドから見られているのだから、K・Kとチェインもそういう目で見るだろう。
体面と欲望に揺れ動いていたが、業を煮やした花音薔薇兜が「おい、そこの白髪!着いてこい!」と言いだした。
「待ってください!ザップに選ばせるくらいなら俺が選びます!」
「ならさっさとこい!」
まんまと乗せられ、深緑のドレスに身を包みヴェールで顔を隠した謎の少女を隣に置きHLの大通りを歩いていると、「気が付いているか」と張りつめた声で尋ねられる。
「……それは、アーティアのことですか?」
「あぁ。あの子はずっと、HLに来るのを渋っていた。実力が伴わないと言って。それがある日突然、ライブラに紹介状を書いてほしいと言い出した」
「自信がついたのかも知れませんよ」
「十年も渋っていた腰抜けが、前ぶれもなく自信をつけるわけないだろ。なにか理由があるはずだ。お前から見て、気が付いたことはないか」
できるだけ触れたくはないと思っていた話題を振られ、この話をする為に俺を引きずり出したのかと理解が至った。
気が付いたことは、そりゃ、ここ数ヶ月でも何点かある。
「アーティアがここに来てしばらくして一緒に出掛けたのですが、その時、うちの構成員に『君たちは死なないよう、頑張ってね』と言っていました」
「まるで、自分は死ぬかのような言い方だな」
「えぇ。それに、念を押すように『選ぶべきものを間違えるな』『自分を優先させるな』と僕に言うのも気になりました」
「ふむ……」
「彼女がなぜそんなことを言うのか、考えました。アーティアより優先して、僕が選ぶものは……」
「ライブラ」
「はい」
つまり、アーティアはスパイの可能性がある。
気が付いているなら、何故すぐにでも処理をしないのか。
おかしいのだ、どう考えても。
あの子がその気になれば、こんな引っ掛かりを作る必要はないし、作らない。
そもそも俺を騙そうという考えすらアーティアが持つはずがない。
俺を出し抜くなど不可能なことくらい、アーティアが一番よくわかっている。
その上でのスパイ行為と、アーティアという人間を知らない人間から見れば自然な言動、しかし知っている人間には不自然な言動。
「彼女を操っている人間がいる」
「そうだな。気になる人物はいるか」
「アーティアの両親ですね。あれだけ彼女に無関心な彼らが、わざわざ僕に到着の知らせをしてきました」
「それは怪しいな」
「ですが、彼らの周りは特に変わりはない。そもそも、彼らにアーティアを操る器量はない」
「掌で転がし返されるだろうな。なら、やつらに関係している会社じゃないか」
「現在調べさせています」
俺の言葉に「よろしい」と一言返し、しばらく黙り言いにくそうに「アーティアの胸近くに、手術痕があった」と花音薔薇兜は教えてくれた。
「チェインという娘に調べてもらったが、心臓付近に機械が一つ、皮膚下にも一つ埋め込まれていた」
それがアーティアの言動を制限していると思われる。
そう告げられ、拳が震えるほど強く握り理性を保とうと努力はする。
「彼女を傷物にした連中は見つけ次第処理します」
「そうしてくれ。できれば、その時は呼んでくれないか?私の愛弟子を傷つけられて、私も腸が煮えくり返っているんでね」
「えぇ、是非ご協力ください」
俺の殺意表明に、花音薔薇兜も獣が唸るような声でのってきた。
花音薔薇兜は、「これからアーティアから目を離さないようにしろ」と言うが、元より一人で行動させるつもりはない。
泰鴻にそれとなく行動を探らせているが、毎夜、異常なほどセキュリティが厳重なパソコンでなにかを打ち込んでいるという報告がきている。
恐らく報告書の類いだろうが、いまのところ送信する気配はないので早急にアーティアの始末をつけなければいけない、というわけではない。
いざとなれば、アーティアが言うように、望むように、俺は彼女の命を奪うことになる。
そうなる前に、彼女を操っているやつを先に始末しなくては。
「時に、スティーブン・アラン・スターフェイズ。君はアーティアはどういったランジェリーが似合うと思う」
人が真剣に思い悩んでいるのになにを、と思ったが、深刻な顔をしていた俺に気をつかったのだろうと察し、いつもの笑みを浮かべ「本人を見ていないので、なんとも……」と答える。
「そうだな、見た目は君にあまり似ていないな。少し幼い頃の面影を残した美人だったよ」
「それは会うのが楽しみですね」
あまりネタバレはしてほしくないな、と軽く受け流したつもりだったのだが、気が付いた上での嫌がらせなのか、本当に善意なのかはわからないが、アーティアのスリーサイズやアンダーバスト、身長、身幅などの衣類を購入するのに必要な数値が書かれたメモを見せてきた。
身長はやはり、俺の家系の血が強いからか女性にしては高身長。
なによりも目を引いたのは、当たり前だがスリーサイズだ。
「よく育ったメロンサイズのモデル体型ですね……」
「数字だけで言い当てるとは、気持ち悪いなお前……。それで、お前としてはどういうのが所望だ?」
「体型関係なく、アーティアには品のいい落ち着いたデザイン一択です。フリルとレースたっぷりなら、尚可」
「お前も大概、アーティアに夢を見ているな。まあ、私もそう思う。いい趣味だ、スティーブン・アラン・スターフェイズ」
花音薔薇兜から「好きなデザインを選ぶといい」と了承を得たので、ランジェリーショップで花音薔薇兜と吟味していたら、ロウ警部補に職質をされた。
理由を説明したが、「本当にお前の小さい方に起こすアクション気持ち悪いな」と言われたけれど、気にしないぞ!