criminal
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なにを食べようかな、とフラフラお店を探していたらトレンチコートがよく似合う独特な前髪を発見。
「警部補ー。ダニエル・ロウ警部補ー」
名前を呼びながら近寄ると、露骨に嫌な顔をされた。酷い。
だが、私はめげないぞ。
ロウ警部補がいるということは、そこに事件あり。
「事件ですか?」
「だとしても、お前には教えねえよ」
「そんな酷いこと言わないで、教えてくださいよ」
「一応、お前は“一般市民”になってんだからな?そんな相手に情報流せるわけねえだろ。仕事として流して欲しけりゃ、スカーフェイスにお願いするんだな。わかったか、小さい方」
「呼称があまりにも酷いです」
「小さい方のスカーフェイス、略して小さい方。十分だろ」
私の顔には傷はないし、アランとはファミリーネームも違うのだけれども。
子供ムーブで教えてもらえないかな、と思い「ダニーお兄ちゃん教えて?」と手を引っ張ってみるも、速攻振りほどかれた。
ちっ、この人、見た目が子供でも騙されてくれないタイプだ。
「スカーフェイスと似た顔でねだられても、寒気しかしねえよ」
「似ても似つかない可愛い顔だと思うんですけどね」
「自分で言うな。パーツが似すぎてるんだよ、お前ら」
近寄るな、と手で追い払われるがめげずに「じゃあ、ご飯行きましょうよ。ご飯!」と仲良くなって仕事もらってやる、という魂胆で食事に誘ったら、袖にすることなく「そうだな、丁度飯にはしようと思ってた」と歩き出すので、パタパタとその後ろをついていく。
「ロウ警部補ー!歩くの速いです!」
「誰もお前と飯に行くとは言ってねえだろ」
「そんな、酷いです!私のなにが気にくわないんですか!」
「そのスカーフェイス似のお可愛い面だっつってんだろ」
「あまりに理不尽!ちょっとでいいんで、話しましょうよ!スターフェイズさんみたいに腹黒い人間ではないとわかりますから!」
「事件ないか探ろうとしてるのが明け透けてるんだよ」
なんとか食い下がろうと口を開きかけたが、警部補に向けられた機関銃が視界に入る。
反射的に「伏せて!」と言うが、人間それで伏せられたらそもそも事故は発生しないだろう。
放たれた凶弾を腐蝕の短剣でイシカワゴエモンのように全弾真っ二つに叩き切り、ギリギリ警部補の身を守る。
「お怪我は!」
「大丈夫だ!たくっ!どこのバカだ!」
道路の向こうで長々となにか叫んでいる異界人が、まぁ、要約すると以前ロウ警部補に捕まったことへの報復という逆恨みらしい。
よくある話だな、と思いながら、警部補に「あれも生け捕りですか?」と尋ねれば「頭の痛い話だが、生け捕りだ」と苦々しく言われたので、「畏まりました」と返事ひとつをし暴徒出現ということで車の流れが止まった道路を駆け抜ける。
それを阻害するように弾丸を浴びせられるが、たかが弾丸ごときいなせなければ血界の眷属に遠の昔に殺されてるわ。
弾丸を警部補に当たらないよう切り落とし、バカの持っていた機関銃を千々に溶かし切り、逃げられないように関節という関節を突き刺し行動不能にしておく。
こういう時、相手が異界人だと楽よね。
そう簡単に死なないし。
その後、駆け付けた警察たちにバカが回収されるのを確認してから、諦めて食事に行くことにした。
これ以上帰りが遅くなると、アランの雷が落ちる。
そろっ、と退散しようと思ったら、「おい、待て。小さい方」と警部補からストップがかかった。
なんか不味いことしたかとドキドキしていたら、「飯まだなんだろ、奢ってやるよ」と食事の誘いを受けた。
「さっきまで、あんなに嫌がってたじゃないですか」
「一応、命助けられたんだ。仕事の斡旋はしてやらねえが、飯くらい奢ってやるさ」
アランに見つかって怒られるのと、警部補との繋がりを天秤にかけたが速攻、今後の為にという理由で警部補に傾いた。
別に、アラン怒らせても怖くないしな。
「是非ともご一緒させてください」
「おう。なにが食べたい」
「鶏肉の香草焼き」
「肉だな。美味いステーキ屋がある。行くぞ」
人の意見聞く気ないじゃないですか。
今度は私の歩幅に比較的合わせて歩いてくれる警部補についてやってきたのは、確かにお肉の焼ける美味しそうな匂いがするステーキハウス。
ジューシーな香りが脳と胃袋に空腹を満たせと訴えかけ、止めどなく唾液が溢れてくる。
「美味しいー」
「そらよかった」
運ばれてきたアメリカンサイズなステーキを頬張る私を軽く笑い、警部補もステーキに手をつけ始めた。
特に会話もなくお互い食べ進め、食後のティータイムに「事件を斡旋してくれとはもう言わないので、事件について聞かせてくれませんか?」と聞いたら、露骨に顔をしかめられた。
「なにが違うんだよ」
「いやですね。いま、プロファイリングしてるんですけど、やはり異世界の事件の知識が少ないのでお話聞けたらなって」
「あいつ、ガキにそんなことさせてんのかよ」
「ご心配ありがとうございます。見た目はガキでも、中身はちゃんと大人ですから」
「そうだったな。だとしても、教えることはできねえ。俺は基本的に誰ひとり信用しねえ主義だ、仕事の話を他人にする気はない」
「わー。どっかの黒いスノーマンみたい」
私の感想に、「あんなのと一緒にすんな」とフォークを突き付けられてしまった。
そうは言っても、どっかの真っ黒炭火焼きスノーマンもいつ裏切られてもいいように準備万端だから、一緒だと思うんだけどなあ。
「それに、もうお迎えだぜ」
つい、とフォークの先が外れたと思えば、背後から「ハーイ、ハニー」と甘ったるい声がした。
げっ、と振り向けば影のように件のスノーマンが立っていた。
「帰りがずいぶん遅いから心配したのに、俺との約束を放り出して男と食事なんて酷いじゃないか」
「ハーイ、ダーリン。心配してくれてありがとう。けど、理由も聞かずに叱るだなんて酷いじゃない」
「なら、事務所でたっぷり聞かせてもらおうか」
別に逃げるつもりはなかったが、逃げないようにとアランの小脇に抱えられてしまった。
なによ、バカにしてるの。
「ロウ警部補、お会計はいくらだい?」
「俺の奢りだ、早く行っちまえ」
「ごちそうさまです、警部補。また、お食事しましょうね」
「次はねえよ」
悪態を吐きながらも、手を振る私に振り返してくれたから、根は悪い人ではないんだろうな。
助けられた恩をしっかり返してくれたし。
それはそうと、この顔面だけ笑顔な殺気だった男をどうしたものかしら。
「警部補ー。ダニエル・ロウ警部補ー」
名前を呼びながら近寄ると、露骨に嫌な顔をされた。酷い。
だが、私はめげないぞ。
ロウ警部補がいるということは、そこに事件あり。
「事件ですか?」
「だとしても、お前には教えねえよ」
「そんな酷いこと言わないで、教えてくださいよ」
「一応、お前は“一般市民”になってんだからな?そんな相手に情報流せるわけねえだろ。仕事として流して欲しけりゃ、スカーフェイスにお願いするんだな。わかったか、小さい方」
「呼称があまりにも酷いです」
「小さい方のスカーフェイス、略して小さい方。十分だろ」
私の顔には傷はないし、アランとはファミリーネームも違うのだけれども。
子供ムーブで教えてもらえないかな、と思い「ダニーお兄ちゃん教えて?」と手を引っ張ってみるも、速攻振りほどかれた。
ちっ、この人、見た目が子供でも騙されてくれないタイプだ。
「スカーフェイスと似た顔でねだられても、寒気しかしねえよ」
「似ても似つかない可愛い顔だと思うんですけどね」
「自分で言うな。パーツが似すぎてるんだよ、お前ら」
近寄るな、と手で追い払われるがめげずに「じゃあ、ご飯行きましょうよ。ご飯!」と仲良くなって仕事もらってやる、という魂胆で食事に誘ったら、袖にすることなく「そうだな、丁度飯にはしようと思ってた」と歩き出すので、パタパタとその後ろをついていく。
「ロウ警部補ー!歩くの速いです!」
「誰もお前と飯に行くとは言ってねえだろ」
「そんな、酷いです!私のなにが気にくわないんですか!」
「そのスカーフェイス似のお可愛い面だっつってんだろ」
「あまりに理不尽!ちょっとでいいんで、話しましょうよ!スターフェイズさんみたいに腹黒い人間ではないとわかりますから!」
「事件ないか探ろうとしてるのが明け透けてるんだよ」
なんとか食い下がろうと口を開きかけたが、警部補に向けられた機関銃が視界に入る。
反射的に「伏せて!」と言うが、人間それで伏せられたらそもそも事故は発生しないだろう。
放たれた凶弾を腐蝕の短剣でイシカワゴエモンのように全弾真っ二つに叩き切り、ギリギリ警部補の身を守る。
「お怪我は!」
「大丈夫だ!たくっ!どこのバカだ!」
道路の向こうで長々となにか叫んでいる異界人が、まぁ、要約すると以前ロウ警部補に捕まったことへの報復という逆恨みらしい。
よくある話だな、と思いながら、警部補に「あれも生け捕りですか?」と尋ねれば「頭の痛い話だが、生け捕りだ」と苦々しく言われたので、「畏まりました」と返事ひとつをし暴徒出現ということで車の流れが止まった道路を駆け抜ける。
それを阻害するように弾丸を浴びせられるが、たかが弾丸ごときいなせなければ血界の眷属に遠の昔に殺されてるわ。
弾丸を警部補に当たらないよう切り落とし、バカの持っていた機関銃を千々に溶かし切り、逃げられないように関節という関節を突き刺し行動不能にしておく。
こういう時、相手が異界人だと楽よね。
そう簡単に死なないし。
その後、駆け付けた警察たちにバカが回収されるのを確認してから、諦めて食事に行くことにした。
これ以上帰りが遅くなると、アランの雷が落ちる。
そろっ、と退散しようと思ったら、「おい、待て。小さい方」と警部補からストップがかかった。
なんか不味いことしたかとドキドキしていたら、「飯まだなんだろ、奢ってやるよ」と食事の誘いを受けた。
「さっきまで、あんなに嫌がってたじゃないですか」
「一応、命助けられたんだ。仕事の斡旋はしてやらねえが、飯くらい奢ってやるさ」
アランに見つかって怒られるのと、警部補との繋がりを天秤にかけたが速攻、今後の為にという理由で警部補に傾いた。
別に、アラン怒らせても怖くないしな。
「是非ともご一緒させてください」
「おう。なにが食べたい」
「鶏肉の香草焼き」
「肉だな。美味いステーキ屋がある。行くぞ」
人の意見聞く気ないじゃないですか。
今度は私の歩幅に比較的合わせて歩いてくれる警部補についてやってきたのは、確かにお肉の焼ける美味しそうな匂いがするステーキハウス。
ジューシーな香りが脳と胃袋に空腹を満たせと訴えかけ、止めどなく唾液が溢れてくる。
「美味しいー」
「そらよかった」
運ばれてきたアメリカンサイズなステーキを頬張る私を軽く笑い、警部補もステーキに手をつけ始めた。
特に会話もなくお互い食べ進め、食後のティータイムに「事件を斡旋してくれとはもう言わないので、事件について聞かせてくれませんか?」と聞いたら、露骨に顔をしかめられた。
「なにが違うんだよ」
「いやですね。いま、プロファイリングしてるんですけど、やはり異世界の事件の知識が少ないのでお話聞けたらなって」
「あいつ、ガキにそんなことさせてんのかよ」
「ご心配ありがとうございます。見た目はガキでも、中身はちゃんと大人ですから」
「そうだったな。だとしても、教えることはできねえ。俺は基本的に誰ひとり信用しねえ主義だ、仕事の話を他人にする気はない」
「わー。どっかの黒いスノーマンみたい」
私の感想に、「あんなのと一緒にすんな」とフォークを突き付けられてしまった。
そうは言っても、どっかの真っ黒炭火焼きスノーマンもいつ裏切られてもいいように準備万端だから、一緒だと思うんだけどなあ。
「それに、もうお迎えだぜ」
つい、とフォークの先が外れたと思えば、背後から「ハーイ、ハニー」と甘ったるい声がした。
げっ、と振り向けば影のように件のスノーマンが立っていた。
「帰りがずいぶん遅いから心配したのに、俺との約束を放り出して男と食事なんて酷いじゃないか」
「ハーイ、ダーリン。心配してくれてありがとう。けど、理由も聞かずに叱るだなんて酷いじゃない」
「なら、事務所でたっぷり聞かせてもらおうか」
別に逃げるつもりはなかったが、逃げないようにとアランの小脇に抱えられてしまった。
なによ、バカにしてるの。
「ロウ警部補、お会計はいくらだい?」
「俺の奢りだ、早く行っちまえ」
「ごちそうさまです、警部補。また、お食事しましょうね」
「次はねえよ」
悪態を吐きながらも、手を振る私に振り返してくれたから、根は悪い人ではないんだろうな。
助けられた恩をしっかり返してくれたし。
それはそうと、この顔面だけ笑顔な殺気だった男をどうしたものかしら。