criminal
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スティーブンさんが静かに睨みをきかせたり、春風のような微笑みでキレていたり、疲れきっているのを見るのは日常茶飯事だが、あんなに憔悴しきり途方に暮れた姿は初めて見たかもしれない。
「どうしたんッスか、あれ」
「どうにも、例のアーティアがHLに来るらしい」
例のアーティアとは、どんなに春風状態であっても手紙一通、電話一本でスティーブンさんをご機嫌にさせてしまうほど溺愛されている従妹のことだ。
ザップさんがそれをネタにからかったら、本気で殺されかける程度には愛されているらしい。
そんな可愛い従妹が、こんな危険な街に来るのだからそれはもう猛反対したらしく、それが原因で喧嘩をし連絡手段を断たれたらしい。
ご両親の連絡だと、今日にでも到着するそうだ。
「あんなか弱いアーティアが、こんな街に来たら一瞬で食い物にされてしまう」
あまりにも普段見ない悲壮感漂う姿に、さしものザップさんすらいじりに行けない。
なんせ、連絡手段を断たれた状態で十数年会っていない上、写真嫌いで最近の姿を知らない相手を探すのは不可能。
そんなある種の異常事態中、迎えがスティーブンさん指定の新人出迎えの予定もあるのに、またもや堕落王フェムトが気まぐれでクリーチャーが放ったのである。
殺気だったスティーブンさんが「即刻かたをつけるぞ」と言いながら現場に行くと、既に誰かが戦っていた。
「リリオ・デル・バリェ流血瘴術!腐蝕の棘 !」
フードを被った女の子が、手にされた二対の短剣を翳すと、先端から紫色の鋭い針が放たれ、クリーチャーに突き刺さり体内に入ると爆発するように体内から刺が噴出し、そして刺の周りからクリーチャーを溶かした。
「呆気にとられてる場合じゃないぞ!まだ数はいる!加勢しろ!」
スティーブンさんの号令で、一斉に残りのクリーチャーをフードの女の子と一緒に掃討し、事後処理をしてからフードの女の子にクラウスさんが「レディ、ご協力感謝します」と礼を言えば、女の子はフルフルと首を振った。
スティーブンさんも近付いていって「キミは血界の眷属用の戦闘術を会得してるようだね」と話しかけた。
和やかな語調だが、敵か味方か図りかねている様子だ。
「致し方なく修行しました。HLにはライブラに入るために初めて来ましたが、これが日常なんですね。従兄が反対するのもわかりました。あとで謝らないと」
そう言葉を発すると、スティーブンさんが「ん?」という顔をし、「ちょっともう一回話してくれないかい?」と言うと「あぁ、ご挨拶が遅くなりました。リリオ・デル・バリェ流血瘴術使い手、アーティア・レストシャーナです」と言った。
その名を聞いて、スティーブンさんは一拍置いてから「アーティアー?!」と叫んだ。
「な、なんでアーティアが?!」
「なんでって……え、あっ!もしかして、アランお兄ちゃん?!」
そこで漸く、例のアーティアさんもスティーブンさんのことを認識したらしい。
だが喜ぶどころか憤慨しながら「なんでもなにもないよ!」と金切り声で怒鳴った。
「師匠にライブラに紹介状だしたから行ってこいって言われて、ライブラにはお兄ちゃんもいるから連絡したらどうだって言われたから連絡したのに反対されるってどういうわけ!」
「はぁ?!いや、確かに紹介状は来てたけど、来る相手の名前も写真もなくて待ち合わせ場所と日時しか書かれてなかったぞ!」
それを聞いてアーティアさんは「っ!やられたー!」と悔しそうに声を上げる。
「師匠めー!なにが運命的な出会いをだー!くそー!」
地団駄を踏むアーティアさんに、スティーブンさんが「落ち着け、アーティア」と肩に手を置いて落ち着かせ、「とりあえず、どこかのカフェにでも入って久しぶりに直接話そう」と、スマートにカフェへと誘導して行った。
「お前たち、あとは任せたぞ」
そう告げ、甘ったるい視線を項垂れるアーティアさんに向けるスティーブンさんに、全員があんな顔もできるのかと思ったものだ。
「どうしたんッスか、あれ」
「どうにも、例のアーティアがHLに来るらしい」
例のアーティアとは、どんなに春風状態であっても手紙一通、電話一本でスティーブンさんをご機嫌にさせてしまうほど溺愛されている従妹のことだ。
ザップさんがそれをネタにからかったら、本気で殺されかける程度には愛されているらしい。
そんな可愛い従妹が、こんな危険な街に来るのだからそれはもう猛反対したらしく、それが原因で喧嘩をし連絡手段を断たれたらしい。
ご両親の連絡だと、今日にでも到着するそうだ。
「あんなか弱いアーティアが、こんな街に来たら一瞬で食い物にされてしまう」
あまりにも普段見ない悲壮感漂う姿に、さしものザップさんすらいじりに行けない。
なんせ、連絡手段を断たれた状態で十数年会っていない上、写真嫌いで最近の姿を知らない相手を探すのは不可能。
そんなある種の異常事態中、迎えがスティーブンさん指定の新人出迎えの予定もあるのに、またもや堕落王フェムトが気まぐれでクリーチャーが放ったのである。
殺気だったスティーブンさんが「即刻かたをつけるぞ」と言いながら現場に行くと、既に誰かが戦っていた。
「リリオ・デル・バリェ流血瘴術!
フードを被った女の子が、手にされた二対の短剣を翳すと、先端から紫色の鋭い針が放たれ、クリーチャーに突き刺さり体内に入ると爆発するように体内から刺が噴出し、そして刺の周りからクリーチャーを溶かした。
「呆気にとられてる場合じゃないぞ!まだ数はいる!加勢しろ!」
スティーブンさんの号令で、一斉に残りのクリーチャーをフードの女の子と一緒に掃討し、事後処理をしてからフードの女の子にクラウスさんが「レディ、ご協力感謝します」と礼を言えば、女の子はフルフルと首を振った。
スティーブンさんも近付いていって「キミは血界の眷属用の戦闘術を会得してるようだね」と話しかけた。
和やかな語調だが、敵か味方か図りかねている様子だ。
「致し方なく修行しました。HLにはライブラに入るために初めて来ましたが、これが日常なんですね。従兄が反対するのもわかりました。あとで謝らないと」
そう言葉を発すると、スティーブンさんが「ん?」という顔をし、「ちょっともう一回話してくれないかい?」と言うと「あぁ、ご挨拶が遅くなりました。リリオ・デル・バリェ流血瘴術使い手、アーティア・レストシャーナです」と言った。
その名を聞いて、スティーブンさんは一拍置いてから「アーティアー?!」と叫んだ。
「な、なんでアーティアが?!」
「なんでって……え、あっ!もしかして、アランお兄ちゃん?!」
そこで漸く、例のアーティアさんもスティーブンさんのことを認識したらしい。
だが喜ぶどころか憤慨しながら「なんでもなにもないよ!」と金切り声で怒鳴った。
「師匠にライブラに紹介状だしたから行ってこいって言われて、ライブラにはお兄ちゃんもいるから連絡したらどうだって言われたから連絡したのに反対されるってどういうわけ!」
「はぁ?!いや、確かに紹介状は来てたけど、来る相手の名前も写真もなくて待ち合わせ場所と日時しか書かれてなかったぞ!」
それを聞いてアーティアさんは「っ!やられたー!」と悔しそうに声を上げる。
「師匠めー!なにが運命的な出会いをだー!くそー!」
地団駄を踏むアーティアさんに、スティーブンさんが「落ち着け、アーティア」と肩に手を置いて落ち着かせ、「とりあえず、どこかのカフェにでも入って久しぶりに直接話そう」と、スマートにカフェへと誘導して行った。
「お前たち、あとは任せたぞ」
そう告げ、甘ったるい視線を項垂れるアーティアさんに向けるスティーブンさんに、全員があんな顔もできるのかと思ったものだ。
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