はろうぃんリクエスト企画
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「お前、十月末は暇だろ」
確定事項として話を振ってきた練くんに、「暇じゃないですね」と返せば疑念に満ちたおっかない顔で睨まれた。
なんでだ。
「まさかとは思うが、お前までハロウィンに興じるつもりか?」
「まぁ、そんなとこかな」
「浮わついた祭事に興味がないお前がか……?」
信じられんといった顔をされ、練くんの中の私はそんなイメージなのかと確認してしまった。
概ね当たっているよ、練くん。
「確かに興味ないから例年はスルーしてるけど、今年はねお金が貯まったからアイルランドに行くの」
どや顔をする私に、意図がわからないといった顔をする練くん。
練くんは「なんの為に」と聞いてくれたので、待ってましたと言わんばかりに「元祖ハロウィンを見に行くの」と言えば、やはり合点のいかないご様子。
「ずっと前から、ハロウィンの始まりの形である古代ケルトの収穫祭には興味があったんだよ。これでも史学科だからね。他国の歴史にも目を向けようかなって思ったわけさ」
「誰の入れ知恵だ埴輪女」
「誰が埴輪女だ」
さらっと、二重に失礼な物言いをされた。
私が誰かの入れ知恵程度で、埴輪を差し置いてお金のかかる計画を立てると思っているのかと問い詰めれば、むすっ、とした表情で黙ったから納得はしたのだろう。
「というか、十月末の予定聞いたってことはハロウィンパーティーにでも呼んでくれるつもりだったの?」
冗談のつもりで聞いたのに、真顔で「あぁ」と肯定されてしまいなんと返答すればよいのやら。
練くん、家に女を呼ぶのは好かんって言ってなかったっけ?
矛盾が生じてるぞ?と思ったが、ここで私の知性が閃いた。
「私を女だと思ってないな、お主」
「違う」
「そうか」
そんな端的にきっぱりはっきり否定されると、ちょっと恥ずかしいな。
「えー?じゃあ、なんで?」
「道連れに丁度いいと思ったからだ」
「そんな理由に、私が『イイヨ!』とでも言うと思ったの?」
なんの道連れかは知らないが、そんな自信に満ちた表情で頷かないでほしいな。
なんだ、貴様。
私がご飯ちらつかせたら尻尾ふって了承すると思ってるのか。
ちょっとくらいは考えるわ。
「道連れって、なんの道連れにする気だったの?」
「練家で開くハロウィンパーティーだ」
「愚問だったわ、ごめん。別にいいじゃん。お金持ちのハロウィンパーティーって、仮面つけて無礼講するあれでしょ?知らないけど」
「いつの時代の話をしてるんだ、お前。身内とその友人くらいしか呼ばんし……仮装も仮装だ」
お金持ちの仮装って、本当に仮面舞踏会くらいしか思い付かず、例年どんな仮装するのかを聞いたらまぁ、なんというか、結構俗物的仮装だった。
え、練くんがその格好するの?マジで?いや、似合いそうだけどさ。
「誰か止めないの?」
キミの家、もっと堅物な人が多いイメージだったんだけど。
私の疑問に、「基本堅物だが、イベント毎には乗っかってくる」と険しい顔をした。
なにそのゆるふわ堅物。
「本家筋は末弟以外が乗り気。そもそも、発案が俺の下の弟故に強く抗議もできないし、分家の俺が本家に意見できるはずもない」
「練くんが意見できないって図が全然想像できないけど、八方塞がりなのね……」
「だから、今年はお前を道連れにしようと思ったんだがな」
「接続詞が意味をなしてない」
なにが『だから』なのだ。
接続できてないぞ。
また、言わないといけない部分はしょったでしょ?と聞けば、少し間を置き「今年は本家長男のご友人も来るからお前も招いて被害を分散させるつもりだった」と宣った。
遂に被害と言ったぞ。
私とそのご友人に意識を向けさせ、自分から意識を反らす魂胆だったな、コンチクショー。
「別に来年でもいいだろ。いまなら埴輪の仮装にしてやる」
「王様ムーヴしますね、お兄さん。あと、私は埴輪が好きなだけであって埴輪になりたいわけじゃないんだな」
「なにが不満なんだ。本家に構い倒されるだけで、好きなだけ飲食できるんだぞ」
「初対面の人に構い倒されながら食事できるほど神経図太くないから、行っても私は練くんの側を離れないぞ。言葉通り、練くんも道連れにしてやる」
やりとりは平行線を辿り、私も練くんも頑固者故に意見を譲らない。
どうにかして話の腰を折らねば、私が折れて埴輪の仮装をさせられる。
というか、埴輪の仮装ってなんだ。
代案を、なにか最高の代案をと考え抜いた妙案。
「一緒にアイルランドに行かないか、練くん!」
私の本日二度目のどや顔に、練くんも虚を突かれたと思われるこけし顔をした。
「学生の時くらいしか、ハロウィン狙って旅行なんて難しいじゃん?家族とのイベントは卒業してからでもできるが、友達との旅行はいましかできない!どうだ!」
「……それなら、白雄殿たちも納得しそうだな」
「よし!」
「旅先で犯罪に巻き込まれそうな女だと言えば、より楽に納得してくれるだろう」
「おう、言ってくれるじゃないか」
「だが万が一、来年は参加しろと言われた時は引きずってでも連れて行くからな」
ドスの利いた声と怖い顔に慣れすぎてしまったが故に、元気一杯「その時はなにか別の言い訳考えて私だけ逃げるね!」と言ったら吊るされた。
ぐえぇ……!女の子だぞ、私は!
「乱暴はよくないよ!」
「お前が馬鹿なことを言うからだろ!」
「まったくもー。ところで、そのパーティーに呼ぶのは友人なんだよね?」
「だったらなんだ」
「つまり、私は友人枠だって認識していいの?」
「それ以外にお前が当てはまる枠があるのか?」
「んー?んふふ……いや、ないね」
普段、慇懃無礼、傍若無人な人に友人だって言われるのは悪い気はしないね。
確定事項として話を振ってきた練くんに、「暇じゃないですね」と返せば疑念に満ちたおっかない顔で睨まれた。
なんでだ。
「まさかとは思うが、お前までハロウィンに興じるつもりか?」
「まぁ、そんなとこかな」
「浮わついた祭事に興味がないお前がか……?」
信じられんといった顔をされ、練くんの中の私はそんなイメージなのかと確認してしまった。
概ね当たっているよ、練くん。
「確かに興味ないから例年はスルーしてるけど、今年はねお金が貯まったからアイルランドに行くの」
どや顔をする私に、意図がわからないといった顔をする練くん。
練くんは「なんの為に」と聞いてくれたので、待ってましたと言わんばかりに「元祖ハロウィンを見に行くの」と言えば、やはり合点のいかないご様子。
「ずっと前から、ハロウィンの始まりの形である古代ケルトの収穫祭には興味があったんだよ。これでも史学科だからね。他国の歴史にも目を向けようかなって思ったわけさ」
「誰の入れ知恵だ埴輪女」
「誰が埴輪女だ」
さらっと、二重に失礼な物言いをされた。
私が誰かの入れ知恵程度で、埴輪を差し置いてお金のかかる計画を立てると思っているのかと問い詰めれば、むすっ、とした表情で黙ったから納得はしたのだろう。
「というか、十月末の予定聞いたってことはハロウィンパーティーにでも呼んでくれるつもりだったの?」
冗談のつもりで聞いたのに、真顔で「あぁ」と肯定されてしまいなんと返答すればよいのやら。
練くん、家に女を呼ぶのは好かんって言ってなかったっけ?
矛盾が生じてるぞ?と思ったが、ここで私の知性が閃いた。
「私を女だと思ってないな、お主」
「違う」
「そうか」
そんな端的にきっぱりはっきり否定されると、ちょっと恥ずかしいな。
「えー?じゃあ、なんで?」
「道連れに丁度いいと思ったからだ」
「そんな理由に、私が『イイヨ!』とでも言うと思ったの?」
なんの道連れかは知らないが、そんな自信に満ちた表情で頷かないでほしいな。
なんだ、貴様。
私がご飯ちらつかせたら尻尾ふって了承すると思ってるのか。
ちょっとくらいは考えるわ。
「道連れって、なんの道連れにする気だったの?」
「練家で開くハロウィンパーティーだ」
「愚問だったわ、ごめん。別にいいじゃん。お金持ちのハロウィンパーティーって、仮面つけて無礼講するあれでしょ?知らないけど」
「いつの時代の話をしてるんだ、お前。身内とその友人くらいしか呼ばんし……仮装も仮装だ」
お金持ちの仮装って、本当に仮面舞踏会くらいしか思い付かず、例年どんな仮装するのかを聞いたらまぁ、なんというか、結構俗物的仮装だった。
え、練くんがその格好するの?マジで?いや、似合いそうだけどさ。
「誰か止めないの?」
キミの家、もっと堅物な人が多いイメージだったんだけど。
私の疑問に、「基本堅物だが、イベント毎には乗っかってくる」と険しい顔をした。
なにそのゆるふわ堅物。
「本家筋は末弟以外が乗り気。そもそも、発案が俺の下の弟故に強く抗議もできないし、分家の俺が本家に意見できるはずもない」
「練くんが意見できないって図が全然想像できないけど、八方塞がりなのね……」
「だから、今年はお前を道連れにしようと思ったんだがな」
「接続詞が意味をなしてない」
なにが『だから』なのだ。
接続できてないぞ。
また、言わないといけない部分はしょったでしょ?と聞けば、少し間を置き「今年は本家長男のご友人も来るからお前も招いて被害を分散させるつもりだった」と宣った。
遂に被害と言ったぞ。
私とそのご友人に意識を向けさせ、自分から意識を反らす魂胆だったな、コンチクショー。
「別に来年でもいいだろ。いまなら埴輪の仮装にしてやる」
「王様ムーヴしますね、お兄さん。あと、私は埴輪が好きなだけであって埴輪になりたいわけじゃないんだな」
「なにが不満なんだ。本家に構い倒されるだけで、好きなだけ飲食できるんだぞ」
「初対面の人に構い倒されながら食事できるほど神経図太くないから、行っても私は練くんの側を離れないぞ。言葉通り、練くんも道連れにしてやる」
やりとりは平行線を辿り、私も練くんも頑固者故に意見を譲らない。
どうにかして話の腰を折らねば、私が折れて埴輪の仮装をさせられる。
というか、埴輪の仮装ってなんだ。
代案を、なにか最高の代案をと考え抜いた妙案。
「一緒にアイルランドに行かないか、練くん!」
私の本日二度目のどや顔に、練くんも虚を突かれたと思われるこけし顔をした。
「学生の時くらいしか、ハロウィン狙って旅行なんて難しいじゃん?家族とのイベントは卒業してからでもできるが、友達との旅行はいましかできない!どうだ!」
「……それなら、白雄殿たちも納得しそうだな」
「よし!」
「旅先で犯罪に巻き込まれそうな女だと言えば、より楽に納得してくれるだろう」
「おう、言ってくれるじゃないか」
「だが万が一、来年は参加しろと言われた時は引きずってでも連れて行くからな」
ドスの利いた声と怖い顔に慣れすぎてしまったが故に、元気一杯「その時はなにか別の言い訳考えて私だけ逃げるね!」と言ったら吊るされた。
ぐえぇ……!女の子だぞ、私は!
「乱暴はよくないよ!」
「お前が馬鹿なことを言うからだろ!」
「まったくもー。ところで、そのパーティーに呼ぶのは友人なんだよね?」
「だったらなんだ」
「つまり、私は友人枠だって認識していいの?」
「それ以外にお前が当てはまる枠があるのか?」
「んー?んふふ……いや、ないね」
普段、慇懃無礼、傍若無人な人に友人だって言われるのは悪い気はしないね。