はろうぃんリクエスト企画
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「小十郎。そろそろ、Halloween partyの準備しとけよ」
「御意」
この魑魅魍魎が跋扈する現代でハロウィンパーティーとはいかに、とは思うけれどもお祭り大好き伊達さんのことだから本来の意味でハロウィンをする気はないんだろうな……。
「はいはいはいはい!友よちゃんの衣装は俺様が用意します!」
その場にいた者全員が「言うと思った」という顔をした。
言うと思った。
小十郎さんが困ったやつだと息を吐き、「お前は食事担当だろうが」と言うも「別に人数いないんだから、龍神の旦那といつきちゃんだけで充分でしょ?」と返した瞬間、普段温厚な小十郎さんの額に青筋が浮かんだ。
「そういうのは、お前の主である男の胃袋を制御してから言え!」
「そ、某でござるか?!」
突然の飛び火に慌てる真田さんには悪いが、育ち盛りの真田さんの胃袋は信じがたいほどの異空間だ。
どこにその量が入るのか説明してほしい量が吸い込まれていくのを私は見た。
それでも駄々を捏ねる佐助さんを見かねて、「あの、じゃあ私が手伝います」と挙手したら小十郎さんによって強制的に下げられ、伊達さんに「料理全部謎スライムにするつもりか!おめーは佐助にだけ作ってろ!」と言われ、いつきちゃんには「ねーちゃんは台所入ったらいけねぇ!」と怒られた。
はい。
当日、皆さんの分まで謎スライムクッキー作ってきますね。
スライム・オア・スライム。
「あ!じゃあ、勝家さん!お願いできませんか?」
「私がですか……?」
「そうそう!勝家さん、自分でお弁当作ってきてるじゃないですか?小十郎さんも見たことありますよね?」
「あぁ、まぁ……勝家さえいいなら……」
「私ごときが力になれるとは思いませぬが……主の命とあれば……」
話がまとまり、衣装係に晴れて就任した佐助さんに「どんなの着たい?」と聞かれ、昔、母が着ていた衣装を着てみたいなとなんとなく思った。
「母が昔着ていて、かっこいいなって思った物があるんですよね」
「なになに?仕事着?それとも花嫁衣装とか?」
「特攻服」
「……なんて?」
「特攻服です」
それはそれは昔。
母がまだ学生時代のやんちゃしていた時でした。
母は暴走族のヘッドをしておりました。
この暴走族なにがすごいかと言いますと、人間も妖怪も一緒になってブイブイ言わせていたのです。
魂の姉妹に種族は関係ないと言う母の元には人間も妖怪もたくさん集まり、さながら百鬼夜行。
しかし、当たり前ですがこのご時世で百鬼夜行なんぞしようものなら、陰陽師にも警察にも目をつけられ解散させられてしまいます。
「チームの名前は」
「灼熱蘇苦蘭舞琉(しゃくねつすくらんぶる)……」
「あれ?知ってました?」
先程まで意気揚々としていた佐助さんの表情がひきつっているし、真田さんも顔を青くして伊達さんを見つめ、その伊達さんは青い上気分が悪そうだ。
「どうしました、みなさん?」
「どうしたもなにも、さらば殿……。その事件は陰陽師界隈では伝説的事件でありまして……」
「習わなかった……?」
「いやぁ私、歴史の授業苦手で右から左だったんですよね」
お恥ずかしい、と照れるも誰も笑わない。
な、なんだろう。
私なにか言ってはいけないことを言っただろうか?
「なななぁ、さらば……。お前のお袋さんは……解散させられたことについてなんか言ってたか……?」
「あー。なんか、自分に守る力がなくて悔しがってました。だから、私に強い陰陽師になって新生灼熱蘇苦蘭舞琉を結成しろ!て言われたんですけど、そういう問題じゃないだろー、て感じです」
愉快に話す私に対し、先程から伊達さんはガタガタと青い顔して震えている。
佐助さんに「どうしたんですか?」と尋ねれば、「うん……その説明の前に確認していい?」と聞かれた。
どうぞ。
「友よちゃんのお母さんさ、チーム解散させた人についてなんて言ってた?」
「うーん……末代まで後悔させてやると言ってましたね」
そう言った瞬間、伊達さんが「ひゅっ!」と短く息を吸った。
どうした。
「あのね、友よちゃん。そのチームを解散させた陰陽師の名前はね、伊達晴宗……。伊達の旦那のおじいちゃんなんだよ……」
「末代……!」
いや、しかし、あの伊達さんがただの人間にあんなに何故怯えるのだ?!
母が一体なにを?!
真田さんに尋ねると、ゆっくりと口を開き「ぼこぼこにされたそうです」と語る。
母は少年院からでたあと、毎日のように伊達さんの家へ殴り込んではお祖父さんに喧嘩を売りに行き、その道すがら伊達さんのお父さんにも喧嘩を売り、喧嘩を売ってきた幼い伊達さんを完膚なきまでにぼこぼこにしていったそうだ。
伊達さん曰く、「あの祖父さんや親父すら怪我をさせる女は下手な妖怪よりも恐ろしい」と。
母さん、なんてことを……。
「い……いままで理不尽に扱ってすみませんでした……」
初めて伊達さんに敬語を使われたが、なにも嬉しくない……。
「その……うちの母がご迷惑をおかけしました……」
「うん……友よちゃんには申し訳ないけど、たぶん特攻服着ると伊達の旦那のトラウマ抉っちゃうから、別の可愛い衣装にしよう。可愛いの俺様頑張って作るよ!ミニスカナースとかどう?」
「わ、わーい!楽しみー!却下です」
佐助さんと二人、一生懸命明るい空気を作ろうと、どんな衣装にしようかと話していたら、「ですが、そんなにお強いのに何故、お母上は陰陽師になられなかったのでしょうか?」と空気を読まずに話を戻した。
真田さん、そういうとこですよ。
「なんか、契約とかそういうので従わせるんじゃなくて、同じ信念のもと一緒にいたかったそうです。私たちは、お互いを縛り付ける存在じゃない。だから自由なんだって」
陰陽師の契約も、お互いの信頼や同意なくしては成り立たないけれども、母が言うにはその関係以上に自由であってほしかったそうだ。
「居場所のない人にも妖怪にも、居場所を与えたかったそうです」
「あの女らしいな……」
「伊達の旦那、そういうとこが好きだったんでしょ?」
「はぁ?!」
「俺様知ってるよぉ。真田の旦那とあんたの家に遊びに行ったときに、晴宗さんと輝宗さんが、伊達の旦那の初恋はその暴れたおした友よちゃんのお母さんだったって楽しそうに話してたよぉ」
「Fuck!」
いい笑顔をする佐助さん、顔を赤くして吐き捨てる伊達さん、「被虐趣味というやつでござるか?」と言う真田さん。
そういえば、母さんも幼児体型だった気がする……。
なるほどなー。
「御意」
この魑魅魍魎が跋扈する現代でハロウィンパーティーとはいかに、とは思うけれどもお祭り大好き伊達さんのことだから本来の意味でハロウィンをする気はないんだろうな……。
「はいはいはいはい!友よちゃんの衣装は俺様が用意します!」
その場にいた者全員が「言うと思った」という顔をした。
言うと思った。
小十郎さんが困ったやつだと息を吐き、「お前は食事担当だろうが」と言うも「別に人数いないんだから、龍神の旦那といつきちゃんだけで充分でしょ?」と返した瞬間、普段温厚な小十郎さんの額に青筋が浮かんだ。
「そういうのは、お前の主である男の胃袋を制御してから言え!」
「そ、某でござるか?!」
突然の飛び火に慌てる真田さんには悪いが、育ち盛りの真田さんの胃袋は信じがたいほどの異空間だ。
どこにその量が入るのか説明してほしい量が吸い込まれていくのを私は見た。
それでも駄々を捏ねる佐助さんを見かねて、「あの、じゃあ私が手伝います」と挙手したら小十郎さんによって強制的に下げられ、伊達さんに「料理全部謎スライムにするつもりか!おめーは佐助にだけ作ってろ!」と言われ、いつきちゃんには「ねーちゃんは台所入ったらいけねぇ!」と怒られた。
はい。
当日、皆さんの分まで謎スライムクッキー作ってきますね。
スライム・オア・スライム。
「あ!じゃあ、勝家さん!お願いできませんか?」
「私がですか……?」
「そうそう!勝家さん、自分でお弁当作ってきてるじゃないですか?小十郎さんも見たことありますよね?」
「あぁ、まぁ……勝家さえいいなら……」
「私ごときが力になれるとは思いませぬが……主の命とあれば……」
話がまとまり、衣装係に晴れて就任した佐助さんに「どんなの着たい?」と聞かれ、昔、母が着ていた衣装を着てみたいなとなんとなく思った。
「母が昔着ていて、かっこいいなって思った物があるんですよね」
「なになに?仕事着?それとも花嫁衣装とか?」
「特攻服」
「……なんて?」
「特攻服です」
それはそれは昔。
母がまだ学生時代のやんちゃしていた時でした。
母は暴走族のヘッドをしておりました。
この暴走族なにがすごいかと言いますと、人間も妖怪も一緒になってブイブイ言わせていたのです。
魂の姉妹に種族は関係ないと言う母の元には人間も妖怪もたくさん集まり、さながら百鬼夜行。
しかし、当たり前ですがこのご時世で百鬼夜行なんぞしようものなら、陰陽師にも警察にも目をつけられ解散させられてしまいます。
「チームの名前は」
「灼熱蘇苦蘭舞琉(しゃくねつすくらんぶる)……」
「あれ?知ってました?」
先程まで意気揚々としていた佐助さんの表情がひきつっているし、真田さんも顔を青くして伊達さんを見つめ、その伊達さんは青い上気分が悪そうだ。
「どうしました、みなさん?」
「どうしたもなにも、さらば殿……。その事件は陰陽師界隈では伝説的事件でありまして……」
「習わなかった……?」
「いやぁ私、歴史の授業苦手で右から左だったんですよね」
お恥ずかしい、と照れるも誰も笑わない。
な、なんだろう。
私なにか言ってはいけないことを言っただろうか?
「なななぁ、さらば……。お前のお袋さんは……解散させられたことについてなんか言ってたか……?」
「あー。なんか、自分に守る力がなくて悔しがってました。だから、私に強い陰陽師になって新生灼熱蘇苦蘭舞琉を結成しろ!て言われたんですけど、そういう問題じゃないだろー、て感じです」
愉快に話す私に対し、先程から伊達さんはガタガタと青い顔して震えている。
佐助さんに「どうしたんですか?」と尋ねれば、「うん……その説明の前に確認していい?」と聞かれた。
どうぞ。
「友よちゃんのお母さんさ、チーム解散させた人についてなんて言ってた?」
「うーん……末代まで後悔させてやると言ってましたね」
そう言った瞬間、伊達さんが「ひゅっ!」と短く息を吸った。
どうした。
「あのね、友よちゃん。そのチームを解散させた陰陽師の名前はね、伊達晴宗……。伊達の旦那のおじいちゃんなんだよ……」
「末代……!」
いや、しかし、あの伊達さんがただの人間にあんなに何故怯えるのだ?!
母が一体なにを?!
真田さんに尋ねると、ゆっくりと口を開き「ぼこぼこにされたそうです」と語る。
母は少年院からでたあと、毎日のように伊達さんの家へ殴り込んではお祖父さんに喧嘩を売りに行き、その道すがら伊達さんのお父さんにも喧嘩を売り、喧嘩を売ってきた幼い伊達さんを完膚なきまでにぼこぼこにしていったそうだ。
伊達さん曰く、「あの祖父さんや親父すら怪我をさせる女は下手な妖怪よりも恐ろしい」と。
母さん、なんてことを……。
「い……いままで理不尽に扱ってすみませんでした……」
初めて伊達さんに敬語を使われたが、なにも嬉しくない……。
「その……うちの母がご迷惑をおかけしました……」
「うん……友よちゃんには申し訳ないけど、たぶん特攻服着ると伊達の旦那のトラウマ抉っちゃうから、別の可愛い衣装にしよう。可愛いの俺様頑張って作るよ!ミニスカナースとかどう?」
「わ、わーい!楽しみー!却下です」
佐助さんと二人、一生懸命明るい空気を作ろうと、どんな衣装にしようかと話していたら、「ですが、そんなにお強いのに何故、お母上は陰陽師になられなかったのでしょうか?」と空気を読まずに話を戻した。
真田さん、そういうとこですよ。
「なんか、契約とかそういうので従わせるんじゃなくて、同じ信念のもと一緒にいたかったそうです。私たちは、お互いを縛り付ける存在じゃない。だから自由なんだって」
陰陽師の契約も、お互いの信頼や同意なくしては成り立たないけれども、母が言うにはその関係以上に自由であってほしかったそうだ。
「居場所のない人にも妖怪にも、居場所を与えたかったそうです」
「あの女らしいな……」
「伊達の旦那、そういうとこが好きだったんでしょ?」
「はぁ?!」
「俺様知ってるよぉ。真田の旦那とあんたの家に遊びに行ったときに、晴宗さんと輝宗さんが、伊達の旦那の初恋はその暴れたおした友よちゃんのお母さんだったって楽しそうに話してたよぉ」
「Fuck!」
いい笑顔をする佐助さん、顔を赤くして吐き捨てる伊達さん、「被虐趣味というやつでござるか?」と言う真田さん。
そういえば、母さんも幼児体型だった気がする……。
なるほどなー。
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