霊術院から隊員時代
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「秋露ー♡」
「秋露ー♡」
「帰れぇ!」
面倒くさい先輩と面倒くさい後輩が、雁首揃えてやって来た。
どうせろくなことではない。
帰れ!散れ!
走って逃げようとするも、乱菊先輩ならばまけただろうが、実力が完全上位なギンはまけない。
飛びかかってきたギンに押し倒された。
「なんで逃げるん?」
「お前ら二人が揃ってるのに、悪いことが起きないわけないだろ!」
「乱菊は知らんけど、ボクは秋露とイチャイチャしたいだけなのに」
「あらー。あたしだって秋露とイチャイチャしたいー」
「オモチャにしたいの間違いだろ!」
いいから離れろ!とギンを振りほどこうとするが意地でも離れず、仕方なく二人に「なんの用」と聞くと「勉強教えて」と言ってきた。
頭が痛い。
「乱菊先輩、あなた私の先輩ですよね?」
「そうよ?」
「後輩に教わって悔しくないんですか……?」
「別に?」
いや、悔しがってくれ。
私はギンが私より能力値が高いことが悔しくて胃が痛いし、たぶん、数ヶ月したらギンが先輩になると思うと心臓が痛いくらいだ。
「というか、そもそも、勉強も斬拳走鬼も私よりギンの方が上ですよ」
「えー。だって、あたしとギンだけじゃサボるじゃない」
「サボらない努力をしてください!」
怒る私に、二人は面白そうに「むーりー」と言うから、私の血圧が上がっていく。
「あんたらが成績落とそうと、私の知ったことじゃないんで!ほら、離れろ!」
「ボクは成績落とすわけあらへんし、秋露から離れへん」
「やだ~!あたしも秋露といたい~!」
乱菊先輩まで抱きついてきて、暑苦しいったらない。
両側から名前を無駄に呼ばれ、ぎゅうぎゅうと抱き締められ我慢の限界に達し、「わかりましたよ!」と請け負ってしまった。
「ただし!一緒に勉強するだけで、私はあんたらがなにしようが口出ししませんからね!」
そんなこんなで、食堂で勉強会をすることになった。
なぜ食堂なのか。
図書館だとこの二人が騒ぐから追い出されるし、茶屋は店員の視線が気になる。
食事をしつつ騒いでも怒られない場所として、食堂を選んだわけだ。
「秋露ー飽きたー」
「ならやめて帰ればよいのでは」
「秋露、ここ教えたって~」
「自分でわかるだろうが」
両隣でぴーきゃーする二人にイライラしながら自分の勉強を進める。
こんだけ適当にやっているのに、この二人の方が成績がよいということに腹が立つ。
別に私はこの二人とつるんでいるわけではないが、なぜか揃いの扱いを受けている。
この両側二人は天才肌と言われる中、私は凡人と揶揄されている。
お前らだって、凡人のクセに。
「はぁ……勉強しないなら私が帰っていいですか?」
これでは勉強が進まない。
立ち上がる私の腰にすがる二人の頭を押し退けていると、「いいよなぁ、目かけてもらって」という声が聞こえてきた。
「ああやって取り入っときゃ、凡人でも二人が入隊したあとによくしてもらえるからな」
「あーあ、俺もお近づきになりてー」
私は元来耳がいいので、本人たちが聞こえていないつもりでも、こういう話はよく聞こえてしまう。
乱菊先輩は……気がついていない。
なら、ギンも……と見たら満面の笑みを浮かべていた。
あ、ダメだ。これは聞こえている。
「ギン、いい。大丈夫。なにもするな」
「んー?なにがー?」
「なにも、するな。ギンはさっさと卒業したいんでしょ?」
「……ん、まあ……」
「じゃあ、変な問題は起こすな。私なら、大丈夫だから」
頭を一撫ですると、ギンは納得しない顔をしたが「わかった」と了承した。
「なら、秋露。ぎゅっ、てして。それで、我慢するから」
「はい、はい」
抱き締めると、「うん、なんもせえへん」と言った。
「えー!なに、なに!ずるい!あたしも!」
「はい、はい。乱菊先輩もしてあげますよ」
乱菊先輩も抱き締めると、嬉しそうに笑った。
だが、すぐに声を潜めて「また、なんか言われてたの?」とギンに聞く。
「いつもの」
「秋露が凡人なんて、見る目ないわよね」
「ほんま。まあ、秋露が凡人やとしても、ボクらは大好きやけどな」
「ねー」
「いや、もういいから勉強しなよ」
「秋露ー♡」
「帰れぇ!」
面倒くさい先輩と面倒くさい後輩が、雁首揃えてやって来た。
どうせろくなことではない。
帰れ!散れ!
走って逃げようとするも、乱菊先輩ならばまけただろうが、実力が完全上位なギンはまけない。
飛びかかってきたギンに押し倒された。
「なんで逃げるん?」
「お前ら二人が揃ってるのに、悪いことが起きないわけないだろ!」
「乱菊は知らんけど、ボクは秋露とイチャイチャしたいだけなのに」
「あらー。あたしだって秋露とイチャイチャしたいー」
「オモチャにしたいの間違いだろ!」
いいから離れろ!とギンを振りほどこうとするが意地でも離れず、仕方なく二人に「なんの用」と聞くと「勉強教えて」と言ってきた。
頭が痛い。
「乱菊先輩、あなた私の先輩ですよね?」
「そうよ?」
「後輩に教わって悔しくないんですか……?」
「別に?」
いや、悔しがってくれ。
私はギンが私より能力値が高いことが悔しくて胃が痛いし、たぶん、数ヶ月したらギンが先輩になると思うと心臓が痛いくらいだ。
「というか、そもそも、勉強も斬拳走鬼も私よりギンの方が上ですよ」
「えー。だって、あたしとギンだけじゃサボるじゃない」
「サボらない努力をしてください!」
怒る私に、二人は面白そうに「むーりー」と言うから、私の血圧が上がっていく。
「あんたらが成績落とそうと、私の知ったことじゃないんで!ほら、離れろ!」
「ボクは成績落とすわけあらへんし、秋露から離れへん」
「やだ~!あたしも秋露といたい~!」
乱菊先輩まで抱きついてきて、暑苦しいったらない。
両側から名前を無駄に呼ばれ、ぎゅうぎゅうと抱き締められ我慢の限界に達し、「わかりましたよ!」と請け負ってしまった。
「ただし!一緒に勉強するだけで、私はあんたらがなにしようが口出ししませんからね!」
そんなこんなで、食堂で勉強会をすることになった。
なぜ食堂なのか。
図書館だとこの二人が騒ぐから追い出されるし、茶屋は店員の視線が気になる。
食事をしつつ騒いでも怒られない場所として、食堂を選んだわけだ。
「秋露ー飽きたー」
「ならやめて帰ればよいのでは」
「秋露、ここ教えたって~」
「自分でわかるだろうが」
両隣でぴーきゃーする二人にイライラしながら自分の勉強を進める。
こんだけ適当にやっているのに、この二人の方が成績がよいということに腹が立つ。
別に私はこの二人とつるんでいるわけではないが、なぜか揃いの扱いを受けている。
この両側二人は天才肌と言われる中、私は凡人と揶揄されている。
お前らだって、凡人のクセに。
「はぁ……勉強しないなら私が帰っていいですか?」
これでは勉強が進まない。
立ち上がる私の腰にすがる二人の頭を押し退けていると、「いいよなぁ、目かけてもらって」という声が聞こえてきた。
「ああやって取り入っときゃ、凡人でも二人が入隊したあとによくしてもらえるからな」
「あーあ、俺もお近づきになりてー」
私は元来耳がいいので、本人たちが聞こえていないつもりでも、こういう話はよく聞こえてしまう。
乱菊先輩は……気がついていない。
なら、ギンも……と見たら満面の笑みを浮かべていた。
あ、ダメだ。これは聞こえている。
「ギン、いい。大丈夫。なにもするな」
「んー?なにがー?」
「なにも、するな。ギンはさっさと卒業したいんでしょ?」
「……ん、まあ……」
「じゃあ、変な問題は起こすな。私なら、大丈夫だから」
頭を一撫ですると、ギンは納得しない顔をしたが「わかった」と了承した。
「なら、秋露。ぎゅっ、てして。それで、我慢するから」
「はい、はい」
抱き締めると、「うん、なんもせえへん」と言った。
「えー!なに、なに!ずるい!あたしも!」
「はい、はい。乱菊先輩もしてあげますよ」
乱菊先輩も抱き締めると、嬉しそうに笑った。
だが、すぐに声を潜めて「また、なんか言われてたの?」とギンに聞く。
「いつもの」
「秋露が凡人なんて、見る目ないわよね」
「ほんま。まあ、秋露が凡人やとしても、ボクらは大好きやけどな」
「ねー」
「いや、もういいから勉強しなよ」
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