お憑かれspring 1年目
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今日からテスト期間なので、テストが終わると一様に生徒達は帰るか図書室へと向かって行く。
私は前者で、そそくさと帰ろうとしたら財前君に「帰るんか?なら乗せてけ」と言われた。
大体予想してたよ。
財前君を荷台に乗せ、発進した。
「夕日、部活結局どないしたん?」
「助っ人部にしたよ」
「助っ人部って、確か実質帰宅部言われとらんかったか?」
「何を言いますか、財前君。全ての文武に精通する助っ人部程、文武両道を体現している部活はないですよ」
「格好ええ言い訳やな」
「でしょ?」
自転車をこいで十分ちょっとで、財前家に到着。
荷台から降りながら「暇やったら茶でも飲んでいき」と財前君が言うので「お気遣いなく」と言いつつ財前家へと入る。
「お気遣いなく言いつつ、茶は飲みに来るんやな」
「日本人は本音と建前を併せ持つ人種だからね」
「行動が建前を台無しにしとるけどな」
だって、小母さんの淹れた紅茶美味しいから好きなんだもん。
玄関で靴の向きを整えていると、背中に軽い衝撃を受ける。
首だけを後ろに向けると、レン君がしがみついていた。
「姉ね!朝ぶり!」
「レン君、朝ぶりだねー」
抱っこをせがむレン君を抱き上げ、リビングに行くと小母さんが「いらっしゃい、一二三ちゃん」と迎え入れてくれた。
「お邪魔します」
「なあなあ、姉ね!レンくんな!姉ねに書いてほしいもんがあんねん」
そう言うレン君を下ろせば、幼稚園の鞄から一枚の紙を取り出して「これ!」と見せてきた。
子供特有の文字で綴られた内容は“婚姻届”と書いてあり、下に確約の文章が並び、最後に署名欄が書かれていた。
「ここのな、しょめーらん?にお名前書いてほしいんや!判子なかったら、ぼいんでもけっぱんでもええで!」
「レン君、姉ねと結婚するの?」
「おん!いっしょうしあわせにします!」
屈託のない笑顔を浮かべるレン君に釣られて笑い、サインしようとすると財前君が待ったをかけた。
何でかと聞くと、どうやら財前君のお兄さんは幼い時に同じことをして、現在のお嫁さんに迫って結婚まで漕ぎ着けたらしい。
「その兄貴の息子やで?」
「いやいや、流石にそれはないでしょ」
「義姉さんもそう言っとったで……」
「……」
財前君の真剣な眼差しに、相当ヤバイ感じがヒシヒシと伝わってくる。
レン君に向き直り「レン君が大きくなって、今と変わらない気持ちならサインするよ」と言うと、不服そうな顔をしながらも「絶対やで?」と言われた。
まあ、その頃には約束など忘れているだろうし、可愛い彼女を見つけているだろう。
私は前者で、そそくさと帰ろうとしたら財前君に「帰るんか?なら乗せてけ」と言われた。
大体予想してたよ。
財前君を荷台に乗せ、発進した。
「夕日、部活結局どないしたん?」
「助っ人部にしたよ」
「助っ人部って、確か実質帰宅部言われとらんかったか?」
「何を言いますか、財前君。全ての文武に精通する助っ人部程、文武両道を体現している部活はないですよ」
「格好ええ言い訳やな」
「でしょ?」
自転車をこいで十分ちょっとで、財前家に到着。
荷台から降りながら「暇やったら茶でも飲んでいき」と財前君が言うので「お気遣いなく」と言いつつ財前家へと入る。
「お気遣いなく言いつつ、茶は飲みに来るんやな」
「日本人は本音と建前を併せ持つ人種だからね」
「行動が建前を台無しにしとるけどな」
だって、小母さんの淹れた紅茶美味しいから好きなんだもん。
玄関で靴の向きを整えていると、背中に軽い衝撃を受ける。
首だけを後ろに向けると、レン君がしがみついていた。
「姉ね!朝ぶり!」
「レン君、朝ぶりだねー」
抱っこをせがむレン君を抱き上げ、リビングに行くと小母さんが「いらっしゃい、一二三ちゃん」と迎え入れてくれた。
「お邪魔します」
「なあなあ、姉ね!レンくんな!姉ねに書いてほしいもんがあんねん」
そう言うレン君を下ろせば、幼稚園の鞄から一枚の紙を取り出して「これ!」と見せてきた。
子供特有の文字で綴られた内容は“婚姻届”と書いてあり、下に確約の文章が並び、最後に署名欄が書かれていた。
「ここのな、しょめーらん?にお名前書いてほしいんや!判子なかったら、ぼいんでもけっぱんでもええで!」
「レン君、姉ねと結婚するの?」
「おん!いっしょうしあわせにします!」
屈託のない笑顔を浮かべるレン君に釣られて笑い、サインしようとすると財前君が待ったをかけた。
何でかと聞くと、どうやら財前君のお兄さんは幼い時に同じことをして、現在のお嫁さんに迫って結婚まで漕ぎ着けたらしい。
「その兄貴の息子やで?」
「いやいや、流石にそれはないでしょ」
「義姉さんもそう言っとったで……」
「……」
財前君の真剣な眼差しに、相当ヤバイ感じがヒシヒシと伝わってくる。
レン君に向き直り「レン君が大きくなって、今と変わらない気持ちならサインするよ」と言うと、不服そうな顔をしながらも「絶対やで?」と言われた。
まあ、その頃には約束など忘れているだろうし、可愛い彼女を見つけているだろう。