お憑かれspring 1年目
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階段脇に止めてある自転車に股がり、今日も今日とて財前君を迎えにいく。
チャイムを押すとインターホンから財前君のお母さんが「おはよう、一二三ちゃん!光まだ寝とるから、起こしてくれる?」という声が響く。
ここ数週間、迎えに来た時に財前君が起きていた例がない。
自転車を塀の脇に駐輪し、庭にいるお義姉さんと甥っ子君に「お邪魔します」と声をかけ財前君の部屋までいくと、いつも通りベッドで寝息をかいていた。
「財前君、迎えに来たよ」
「ん……あと、五十分……」
「遅刻するって。ほら、制服着替えるよ」
布団をひっぺがし、無理矢理財前君を起こしてパジャマもひっぺがして、インナーと制服を着せていると甥っ子君が「ひーくん、着せ替え人形みたいやー」と無邪気に笑っている。
「うっさいわ……」
「姉ね!姉ね!レンくんのお着替えもして?」
「あぁ!本当だ!レン君、幼稚園のバスもう来ちゃうよ!ほら!財前君下いくよ!」
「んー……」
寝ぼけ半分の財前君をレン君に任せて、私は財前君のテニスバッグを担ぐ。
財前君は教科書はもって帰らないタイプなので、バッグにはラケットと小物類しか入っていないので軽い。
財前君愛用のヘッドホンと音楽プレイヤーも忘れずにもって、下にいくと財前君が今にも寝落ちそうになりながら朝食を食べていた。
「姉ね!はやく!」
既にすっぽんぽんなレン君の着替えを手伝っていると、財前君のお母さんが「毎朝ありがとうねー」と言ってきたので「気にしないでください」と笑って返す。
「はい!レン君、お着替え完了です!」
「ごくろうさまでした!」
お互いに敬礼し、丁度着いた幼稚園のバスまで送り出して、まだ頭が覚醒していない財前君を引っ張り小母さんに「行ってきます!」と声をかけて自転車の荷台に財前君を乗せて走り出す。
「毎朝ご苦労やな」
「自分で迎えに来いって言っといてその言い種ってどうよ」
「俺だったら一日来て終わる自信あるわ」
いや、誇るなよそこは。
心の中でツッコミつつペダルを回していると、財前君が「そう言えば……」と何かを思い出したようだ。
「うちの部長が最近変なんや」
「変?」
「今まで、どっか張りつめとってイライラしとったのに、この間から吹っ切れた見たいな顔してんねん。あと、変な口癖ができた」
「ふーん、何か良い事あったんじゃない?」
「そんなもんか?」
「そんなもんじゃない?」
人間って案外簡単なもんだよ。
チャイムを押すとインターホンから財前君のお母さんが「おはよう、一二三ちゃん!光まだ寝とるから、起こしてくれる?」という声が響く。
ここ数週間、迎えに来た時に財前君が起きていた例がない。
自転車を塀の脇に駐輪し、庭にいるお義姉さんと甥っ子君に「お邪魔します」と声をかけ財前君の部屋までいくと、いつも通りベッドで寝息をかいていた。
「財前君、迎えに来たよ」
「ん……あと、五十分……」
「遅刻するって。ほら、制服着替えるよ」
布団をひっぺがし、無理矢理財前君を起こしてパジャマもひっぺがして、インナーと制服を着せていると甥っ子君が「ひーくん、着せ替え人形みたいやー」と無邪気に笑っている。
「うっさいわ……」
「姉ね!姉ね!レンくんのお着替えもして?」
「あぁ!本当だ!レン君、幼稚園のバスもう来ちゃうよ!ほら!財前君下いくよ!」
「んー……」
寝ぼけ半分の財前君をレン君に任せて、私は財前君のテニスバッグを担ぐ。
財前君は教科書はもって帰らないタイプなので、バッグにはラケットと小物類しか入っていないので軽い。
財前君愛用のヘッドホンと音楽プレイヤーも忘れずにもって、下にいくと財前君が今にも寝落ちそうになりながら朝食を食べていた。
「姉ね!はやく!」
既にすっぽんぽんなレン君の着替えを手伝っていると、財前君のお母さんが「毎朝ありがとうねー」と言ってきたので「気にしないでください」と笑って返す。
「はい!レン君、お着替え完了です!」
「ごくろうさまでした!」
お互いに敬礼し、丁度着いた幼稚園のバスまで送り出して、まだ頭が覚醒していない財前君を引っ張り小母さんに「行ってきます!」と声をかけて自転車の荷台に財前君を乗せて走り出す。
「毎朝ご苦労やな」
「自分で迎えに来いって言っといてその言い種ってどうよ」
「俺だったら一日来て終わる自信あるわ」
いや、誇るなよそこは。
心の中でツッコミつつペダルを回していると、財前君が「そう言えば……」と何かを思い出したようだ。
「うちの部長が最近変なんや」
「変?」
「今まで、どっか張りつめとってイライラしとったのに、この間から吹っ切れた見たいな顔してんねん。あと、変な口癖ができた」
「ふーん、何か良い事あったんじゃない?」
「そんなもんか?」
「そんなもんじゃない?」
人間って案外簡単なもんだよ。