お憑かれwinter 1年目
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昨夜の霊は中々しぶとかった。
明け方になってもあの世に行かないし、最終的に霊丸っぽい物を撃って強制的に成仏させた。
夜通しやりあっていたので、かなり体力、霊力ともに消耗してとても眠い。
フラフラとした足取りで自室へ戻り、そのまま泥の様に眠った。
どれくらい眠ったのだろうか。
尿意と強く手を握られる感覚により目が覚めると、私の手を握り心配そうに顔を歪めている忍足先輩……と、暇そうにケータイを操作している光くんが視界に入った。
掠れる声で「何しているんですか?」と聞けば、堰を切ったように忍足先輩がぼろぼろと泣きだした。
「えぇ……なに、なにこれ、光くん……」
珍しく困惑する私の問いかけに光くんが答える前に、忍足先輩が「夕日さん……」と情けない声で呟き私の手を抱き締める。
だから、なんなの……。
「光くん。私がトイレ行って、顔と口洗ってくる間に先輩落ち着かせておいて」
「えー、めんど……」
だるそうに言う光くんに忍足先輩を預けて身支度を整え、ついでに台所に寄って奥さんに今日勝手に休んでしまった事を謝りに行ったら体調を心配された。
「ちょっと、昨日眠れなくて。もう、大丈夫です」
「本当に?何か悩みがあったら相談したってね?」
「ありがとうございます」
「お友達来てたやろ?光くん?とオシタリ先輩?今、お茶淹れるな。持って行くから、部屋で待ってて」
大丈夫ですよ、と言う前に楽しそうにお茶を用意する奥さん。
もうお湯を用意しだしてしまっているし「よろしくお願いします」と言って部屋へと戻ると、七面倒くさそうな顔をしながら声もあげずに泣いている忍足先輩をなだめる光くん。
面倒くさっ、と思ったけれどもここで逃げたら絶対に光くんが怒りだしてさらに面倒になるだろう。
致し方なく、ぐすぐすと泣く忍足先輩の前に正座をし「どうしたんですか、忍足先輩?」と聞けば、鼻声で「夕日さん……。怪我、とかないん……?大丈夫……?」と聞いて来るので「はぁ、まあ……」とあまり状況が読めないが返答する。
「よかったぁ……!」
安堵で更に涙をこぼす忍足先輩に、もう説明能力はないだろうと思いケータイをいじる光くんに説明を求める。
「かいつまむと、自分が変なもん押し付けて一二三が危ない事になっとるんちゃうか。後輩で女子を危ない目にあわせた自分が恥ずかしい、言うてな。まあ、めっちゃ心配したって事やな」
はぁー、ほー、とあまりしっくりこないでいたら、ケータイをしまって「他人事みたいに返事すな」と言いながら光くんがべしっとデコピンしてきた。
いや、なんか自分の事とリンクしなくて……。
「なんで、二人してそない冷静なんやっちゅー話や!」
「忍足先輩が取り乱しているのと、光くんがいやに冷静だからでしょうか」
「謙也さん、泣きすぎ」
私たち二人に「なんやねん二人してー!」と言いながら、べしべしと光くんを叩きだす。
うーん、でも、そうか。
心配されたのか……。
「たぶん、嬉しいと思います」
こうやって心配される事なんて、和尚以外にしてくれなかったですから。
うん、この感情は嬉しいだな。
私の言葉に「ほならもっと嬉しそうな顔せーや!」と二人して突っ込んで来た。
えー、でもこの間、一氏先輩に笑顔が下手くそだって言われたからしたくないんだけど……。
でも、忍足先輩が凄い笑顔コールをしてくるので精一杯笑顔を作って見せたら「うわっ……下手くそ……」と言われたし、光くんにいたっては無言でシャッターを切った。
「一緒に笑顔の練習しよか、夕日さん……」
「はい……」
明け方になってもあの世に行かないし、最終的に霊丸っぽい物を撃って強制的に成仏させた。
夜通しやりあっていたので、かなり体力、霊力ともに消耗してとても眠い。
フラフラとした足取りで自室へ戻り、そのまま泥の様に眠った。
どれくらい眠ったのだろうか。
尿意と強く手を握られる感覚により目が覚めると、私の手を握り心配そうに顔を歪めている忍足先輩……と、暇そうにケータイを操作している光くんが視界に入った。
掠れる声で「何しているんですか?」と聞けば、堰を切ったように忍足先輩がぼろぼろと泣きだした。
「えぇ……なに、なにこれ、光くん……」
珍しく困惑する私の問いかけに光くんが答える前に、忍足先輩が「夕日さん……」と情けない声で呟き私の手を抱き締める。
だから、なんなの……。
「光くん。私がトイレ行って、顔と口洗ってくる間に先輩落ち着かせておいて」
「えー、めんど……」
だるそうに言う光くんに忍足先輩を預けて身支度を整え、ついでに台所に寄って奥さんに今日勝手に休んでしまった事を謝りに行ったら体調を心配された。
「ちょっと、昨日眠れなくて。もう、大丈夫です」
「本当に?何か悩みがあったら相談したってね?」
「ありがとうございます」
「お友達来てたやろ?光くん?とオシタリ先輩?今、お茶淹れるな。持って行くから、部屋で待ってて」
大丈夫ですよ、と言う前に楽しそうにお茶を用意する奥さん。
もうお湯を用意しだしてしまっているし「よろしくお願いします」と言って部屋へと戻ると、七面倒くさそうな顔をしながら声もあげずに泣いている忍足先輩をなだめる光くん。
面倒くさっ、と思ったけれどもここで逃げたら絶対に光くんが怒りだしてさらに面倒になるだろう。
致し方なく、ぐすぐすと泣く忍足先輩の前に正座をし「どうしたんですか、忍足先輩?」と聞けば、鼻声で「夕日さん……。怪我、とかないん……?大丈夫……?」と聞いて来るので「はぁ、まあ……」とあまり状況が読めないが返答する。
「よかったぁ……!」
安堵で更に涙をこぼす忍足先輩に、もう説明能力はないだろうと思いケータイをいじる光くんに説明を求める。
「かいつまむと、自分が変なもん押し付けて一二三が危ない事になっとるんちゃうか。後輩で女子を危ない目にあわせた自分が恥ずかしい、言うてな。まあ、めっちゃ心配したって事やな」
はぁー、ほー、とあまりしっくりこないでいたら、ケータイをしまって「他人事みたいに返事すな」と言いながら光くんがべしっとデコピンしてきた。
いや、なんか自分の事とリンクしなくて……。
「なんで、二人してそない冷静なんやっちゅー話や!」
「忍足先輩が取り乱しているのと、光くんがいやに冷静だからでしょうか」
「謙也さん、泣きすぎ」
私たち二人に「なんやねん二人してー!」と言いながら、べしべしと光くんを叩きだす。
うーん、でも、そうか。
心配されたのか……。
「たぶん、嬉しいと思います」
こうやって心配される事なんて、和尚以外にしてくれなかったですから。
うん、この感情は嬉しいだな。
私の言葉に「ほならもっと嬉しそうな顔せーや!」と二人して突っ込んで来た。
えー、でもこの間、一氏先輩に笑顔が下手くそだって言われたからしたくないんだけど……。
でも、忍足先輩が凄い笑顔コールをしてくるので精一杯笑顔を作って見せたら「うわっ……下手くそ……」と言われたし、光くんにいたっては無言でシャッターを切った。
「一緒に笑顔の練習しよか、夕日さん……」
「はい……」